一色 みわ
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目次
ベビー用品業界とは育児支援産業
ベビー用品業界は、主に乳幼児向けの製品を製造、卸売、販売する企業が集まる業界です。この業界には、玩具や離乳食、ベビーフードといった育児に関連するさまざまな製品が含まれています。離乳食やベビーフードは、乳幼児が成長過程で必要とする栄養を補うための食品で、健康と安全性に特に配慮されています。 ベビー用品業界の企業の主なビジネスは、育児を支援するための製品を開発し、市場に提供することです。製品の設計から製造、物流、販売まで、赤ちゃんの快適さや安全性を最優先に考慮したビジネスモデルが求められます。また、消費者である保護者のニーズに応じて、品質や信頼性が重視されるのが特徴です。 なお、ゲーム機のように、主なターゲット層が乳幼児ではない製品を扱う企業(ゲーム機の製造・卸売・販売を行う企業など)は、このベビー用品業界には含まれません。ベビー用品業界の業界構造
- ECサイト(ネット通販)
- 専門店
- 家電量販店やドラッグストア
- 百貨店
ベビー用品業界の取扱商品の特性
- 知育玩具
- カードゲームやキャラクターグッズ
- ドール(人形)やままごとセット
- 乗り物玩具(三輪車など)
- ベビーベッドやベビーカー
- 粉ミルクや離乳食・ベビーフード
ベビー用品業界の市場規模とトレンド
ベビー用品業界のマクロ環境
ベビー用品・玩具市場について、以下の3つの要因が市場トレンドや企業の収益性に影響を与えています。- 少子化による子供の減少
- 団塊世代の孫への消費拡大
- Eコマース市場の拡大
ベビー用品業界の相関図・業界地図
ベビー用品業界の主要プレイヤーの動向
- バンダイナムコ好調、ピジョンは海外強化
- 米Toys”R”Us破綻、日本トイザらス苦戦
バンダイナムコ好調、ピジョンは海外強化
バンダイナムコホールディングスは、「機動戦士ガンダム」や「ドラゴンボール」など人気キャラクターのライセンスを活用し、玩具、ゲーム、アニメなど多岐にわたる事業を展開しています。 特に、家庭用ゲーム「ELDEN RING」や「テイルズ オブ アライズ」が好調で、デジタル事業とトイホビー事業の成長が収益を支えています。また、IP価値最大化を目指し、メタバースへの投資など新たな取り組みにも積極的です。 一方、ピジョンは、哺乳瓶などのベビー用品を主力としつつ、海外市場の拡大に注力。特に中国やシンガポールでの売上が伸び、EコマースやSNSを活用した顧客との直接的なコミュニケーション強化を図っています。ピープルは知育玩具の定番商品が好調で、米国市場での販売拡大により増収増益を続けています。米Toys”R”Us破綻、日本トイザらス苦戦
2017年9月、米国のToys”R”Usは経営破綻を申請し、全米の店舗閉鎖と事業清算を裁判所に届け出ました。同社は米国で最大規模の玩具小売チェーンでしたが、Eコマースへの対応が遅れ、AmazonなどのECプラットフォームに顧客を奪われ、業績が悪化していました。 2018年には全735店舗が閉鎖され、2019年に元社員がブランドを引き継ぎ2店舗を再開しましたが、コロナ禍で再び閉鎖に追い込まれています。 一方、日本トイザらスは、Toys”R”Us Asiaの法人傘下にあったため、米国での経営破綻による直接的な影響は軽微でした。1991年に日本での1号店をオープンして以降、急速に店舗を増やしましたが、近年は店舗数を約160店に再編し、撤退や再配置を進めています。 店舗形態は「トイザらス」(玩具・子ども用品の総合専門店)、「ベビーザらス」(マタニティ・ベビー用品の専門店)、その両方を併設する「トイザらス・ベビーザらス」、そしてオンラインストアです。オンラインストアではネット通販の強化を図っていますが、近年は赤字決算が続いており、2022年度も減収と営業損失を計上しています。ベビー用品業界の今後の業界展望
- 新型コロナウイルス感染症によるベビー用品業界への影響
- 玩具・ベビー業界、IP創出とレンタルサービスが進展
新型コロナウイルス感染症によるベビー用品業界への影響
新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛で、家庭で過ごす時間が増えたことから、世代を問わず玩具への需要が高まりました。特に、パズルやボードゲーム、家庭内で楽しめるデジタル玩具などが好調で、巣ごもり需要が全体的に業界を支えました。 コロナ禍による直接的な影響は限定的で、需要は堅調に推移していましたが、一部の企業は新たな課題に直面しました。 その一方で、中国の都市封鎖(ロックダウン)やサプライチェーンの分断によって、商品供給が滞り、生産や輸送に影響が出た企業も少なくありません。特に玩具業界では、原材料の調達や製品の生産が海外に依存しているケースが多く、サプライチェーンの混乱が重大な課題となりました。 これにより、商品が安定して市場に供給できないという問題が生じ、各社はこのリスクに対処するため、物流や在庫管理の見直しを迫られました。玩具・ベビー業界、IP創出とレンタルサービスが進展
今後の玩具・ベビー用品業界は、少子化により市場が縮小することが予測されていますが、離乳食やベビーフードなど生活必需品に関しては引き続き堅調な成長が見込まれます。 今後のトレンドとして、各メーカーが自社でオリジナルIP(キャラクター)を創出し、IPを活用した商品の強化が進んでいくでしょう。また、スマート玩具やドローン技術を使ったハイテク玩具が成長分野として注目されています。 さらに、SPA(製造小売)モデルの拡大も予測され、プライベートブランド(PB)商品の展開が強化されるでしょう。日本トイザらスや西松屋がこの分野に注力しているほか、ファストファッション業界などもこの市場に進出する可能性があります。 また、ベビー用品のライフサイクルが短くなっていることから、レンタルサービスの需要が増加し、CtoC(個人間取引)による取引も活発化する見通しです。これにより、家計負担の軽減を図る動きが広がっていくと予想されます。ベビー用品業界は少子化でも高機能商品で成長続く
ベビー用品業界は少子化の影響で市場規模が縮小する可能性があるものの、1人当たりの支出増加や高品質・高機能商品の需要が堅調です。さらに、女性の社会進出に伴い、利便性の高い商品やサービスへのニーズが高まっており、今後も成長が期待されます。 なおBIZMAPSでは、オリジナルタグを用いて多様なアプローチで企業情報を検索できます。ベビー用品業界の企業はもちろん、国内200万社以上の企業の基本情報が無料で閲覧でき、売上や従業員数などの情報を基にターゲット企業を絞り込むことが可能です。 ▼その他の企業特集はこちら! 家電業界の今後の展望は?最新の動向と共に業界を細部まで解説します 電子部品・半導体商社業界とは?製品流通を支える重要な産業を解説! 電子部品業界の今を徹底解説!めまぐるしく変化する業界構造を分析 電材卸業界とは?業界の基本知識や今後の展望をまとめました! 半導体業界とは?デジタル革新の核心を担う産業の今後を徹底解説! 家電量販業界とは?製品の多様性と市場の進化をリードするトレンドや動向 機械部品業界とは?最新の情報から主要企業の動向を解説します! OA機器商社業界とは?注目企業の動向や業界展望まで徹底解説! 百貨店・スーパー業界の現状とは?トレンドや今後の展望も考察
「場所や時間にとらわれない自由な働き方」がモットーの転勤族ママライターです。読み手に寄り添った分かりやすい文章を心がけています。転職・副業・旅行ジャンルなどが得意。旅行とカメラと甘いもの(とくにチーズケーキ)が大好きで、毎日のお茶タイムは欠かせません。元気すぎる2人の子どもを育てながらのんびりと活動しています。
ブログ:https://miwaalog.com/
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