nagi
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目次
コンビニエンスストア業界の特性とは?
コンビニエンスストア業界のバリューチェーンとは?
主なバリューチェーンの構成要素
コンビニエンスストア業界の主なバリューチェーンを紹介します。- 商品企画・開発:コンビニ各社は、消費者ニーズを反映した商品開発を行います。プライベートブランド(PB)商品: 独自のブランド商品を開発し、差別化を図ります。季節限定や健康志向、デジタル化されたサービス商品などのトレンド対応商品を持ち、 食品メーカーや飲料メーカーとの共同開発などを行います。
- 調達:サプライヤー(食品メーカー、物流業者など)との契約を通じ、原材料や完成品を調達します。大量調達によるコスト削減、地域特化型商品の供給強化(地産地消の推進)、ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮した持続可能な調達を実現します。
- 物流・配送:高効率の物流システムを構築し、店舗に頻繁に商品を配送します。1日3〜4回の多頻度配送で商品の鮮度を維持し、各社が専用の物流センターを設置し、効率化を図っています。また、配送スケジュールの最適化や在庫管理にITを活用しています。
- 店舗運営:商品の陳列、在庫管理、販売活動を効率的に運営します。フランチャイズモデルとして、 本部が加盟店を支援し、店舗運営の標準化を実現しています。販売データを収集し、商品管理や需要予測に活用しています。また、セルフレジや無人店舗で効率化を図っています。
- 販売・顧客対応:商品販売に加え、金融、宅配便、チケット発券など多様なサービスを提供しています。金融サービスとして、公共料金の支払い、デジタル決済としてQRコードやスマホアプリを活用したキャッシュレス決済、顧客ニーズ対応として高齢者向け配達サービスやカフェスペースを提供しています。
コンビニエンスストア業界の取り扱い商品を紹介します
食品類
毎日消費される日配食品が売り上げの大部分を占めています。これには、おにぎり・弁当: 和風から洋風、ヘルシー志向の弁当や、菓子パン、サンドイッチのパン類、カップ麺、冷凍うどん・パスタなどの麺類、野菜サラダ、お惣菜セットなどのサラダ・惣菜があります。 特に、健康志向食品(低糖質・高タンパク)や、温めて食べるホットスナックなどが人気を集めています。飲料
アルコールからソフトドリンクまで多種多様に扱っています。これには、コーヒー(ペットボトル、缶、チルドカップ)や、紅茶・緑茶・麦茶、ジュース、炭酸飲料の他、ビール、ハイボール、ワイン、焼酎などのアルコールまで含まれます。 無糖飲料や健康志向飲料(プロテインドリンクなど)が人気を集めており、コンビニエンスストア限定の飲料なども発売されています。冷凍食品
冷凍技術の進化でラインナップが充実しています。これには、冷凍ご飯、冷凍パスタ、餃子や冷凍スイーツ(アイスクリーム、ケーキ)、冷凍野菜などが含まれます。一人暮らし向けの小分けパッケージや調理が簡単な商品が特に利用されています。 コンビニエンスストア業界が提供する冷凍食品は、それぞれのブランドから発売されている商品も多数あり、風味豊かな味わいが人気を集めています。スイーツ・デザート
消費者の嗜好に応じたデザート商品が多数販売されています。これには、プリン、ゼリー、シュークリーム、エクレア、チョコレート菓子などが含まれます。それぞれのコンビニエンスストアで販売されている独自ブランドのデザートや、高級感のあるデザート、季節限定のデザートから、他業界とのコラボデザート商品などが特に人気を集めています。 ドリンクとの相性も良く、共に購入されることも少なくありません。加工食品
コンビニエンスストアでは、保存性の高い食品が扱われています。これには、カップラーメン、スープ、レトルトカレー、缶詰などの他、醤油やソースなどの調味料まで幅広く扱われています。 コンビニエンスストアで扱う加工食品の中でも、有機食品やグルテンフリー商品が人気を集めています。カップラーメンやスープなどは、ランチタイムなどに多く活用されます。コンビニエンスストア業界の取り扱いサービスの特徴
コンビニエンスストア業界のビジネスモデル
コンビニエンスストア業界の財務指標分析
コンビニエンスストア業界の最新トレンドをチェック
デジタル化とDX
コンビニエンスストア業界のデジタル化とDXについて解説します。- 無人店舗・セルフレジの拡大:労働力不足や効率化のため、無人店舗やセルフレジが導入されています。スタッフの業務負担軽減を目的としています。
- スマホアプリとポイントプログラム:スマホアプリを活用した顧客との接点強化が進んでいます。アプリを通じたクーポン配布や会員限定キャンペーンを行うことで、顧客ロイヤルティの向上をしています。
- AI・IoTの活用:AIやIoT技術を活用し、店舗運営や物流を効率化しています。事例:AIを活用した需要予測し、IoTを活用した冷蔵庫の温度管理システムを導入しています。
環境対応とESG
コンビニエンスストア業界では環境対応とESGへの取り組みを強化しています。- プラスチック削減:環境問題への対応として、プラスチック使用量削減の取り組みを推進しています。レジ袋有料化の定着や、紙製ストローやバイオプラスチック容器の導入をすることで、環境負荷の軽減と企業イメージの向上を目指しています。
- 食品ロス削減:賞味期限が近い商品への割引や販売促進、食品廃棄量の削減に取り組んでいます。
- 再生可能エネルギーの活用:環境負荷低減のため、省エネ型店舗運営を拡大しています。太陽光パネルの設置、冷蔵庫・冷凍庫の省エネ化などに取り組んでいます。
健康志向と高付加価値商品
コンビニエンスストア業界では、健康志向と高付加価値商品を取り入れています。- 健康食品の拡充:消費者の健康志向に対応した商品ラインナップを強化しています。糖質オフ商品、プロテイン入り飲料、グルテンフリー食品、野菜たっぷりのサラダや低カロリーデザートを取り入れることで、健康志向の消費者層の取り込みを目指しています。
- 高品質スイーツや惣菜:プチ贅沢ニーズに対応した高付加価値商品を開発しています。これは、消費単価の引き上げにつながります。
新たなサービスの展開
コンビニエンスストア業界が目指す新たなサービスの展開を紹介します。- デリバリーサービス:EC市場の成長に伴い、食品や日用品のデリバリーサービスを展開しています。外出を控える消費者への対応を行うことで、顧客接点の多様化を目指しています。
- ECとの連携:ECサイトと連携し、店舗受け取りサービスを提供しています。店舗集客とEC市場でのシェア拡大をしています。
- 地域特化型サービス:地域特性に合わせたサービスを展開しています。高齢者向けの配達サービスや地元特産品の販売などを提供することで、地域密着型のブランドを構築しています。
店舗形態の多様化
コンビニエンスストア業界では、店舗形態の多様化に乗り出しています。- 無人店舗の普及:セルフレジやAIカメラを導入し、無人化を推進しています。これにより、人手不足問題の解消や新しい購買体験の提供をしています。
- 小型店舗・専門店舗の展開:駅構内やオフィスビル内に特化した小型店舗の開発を行っています。消費者ニーズに応じたターゲティングを目指しています。
グローバル展開
コンビニエンスストア業界はグローバル展開にも乗り出しています。- 海外市場への進出:アジアや欧米を中心に、国内で培った運営ノウハウを輸出しています。これにより、国内市場の成熟に伴う新たな収益源の確保をしています。
- 現地特化型商品:現地の食文化や嗜好に合わせた商品を展開しています。
- 北米・欧州市場でのブランド強化:欧州では利便性重視の小型店舗戦略を推進し、北米では既存店舗のリニューアルや買収によるシェア拡大をしています。
コンビニエンスストア業界の市場規模を解説します
コンビニエンスストア業界のマクロ環境は?
政治的要因
コンビニエンスストア業界の政治的要因を解説します。- 労働関連法規の影響:働き方改革関連法に基づき、労働時間の制限や人件費の上昇が加盟店運営に影響しています。
- プラスチック規制:レジ袋の有料化やプラスチック削減政策が業界全体に影響を及ぼしています。
- 税制の変更:消費税増税(8%から10%への引き上げ)が消費行動に影響しています。
経済的要因
コンビニエンスストア業界の経済的要因を解説します。- 国内市場の成熟:日本国内では市場が成熟し、店舗数の増加ペースが鈍化しています。これにより、業界内の競争激化により差別化が重要になってきます。
- 労働力不足と人件費の上昇:少子高齢化に伴う労働力不足が深刻化しています。これにより、人件費の上昇が加盟店の収益を圧迫しています。
- インフレやエネルギー価格の変動:原材料価格や物流コストの上昇が商品の価格設定に影響を及ぼしています。エネルギー価格の変動が店舗運営コストを左右します。
社会的要因
コンビニエンスストア業界の社会的要因に関して解説します。- 高齢化社会の進展:高齢者人口の増加により、健康志向商品や配達サービスへのニーズが高まります。地域密着型店舗の重要性が増大しています。
- 消費者のライフスタイル変化:働き方改革に伴うテレワークの普及で消費行動が変化を見せています。コンビニエンスストアの利用が「職場近く」から「自宅近く」へシフトしているため、地域密着型サービスやデリバリーサービスの需要拡大が重視されています。
- 健康志向の高まり:健康を重視する消費者が増え、低糖質食品やオーガニック商品の需要が拡大しています。これにより、健康志向商品の開発競争が激化します。
- 外国人労働者の増加:労働力不足を補うため、外国人スタッフの採用が進みます。
技術的要因
コンビニエンスストア業界の技術的要因を解説します。- デジタル化・DX:スマホアプリ、キャッシュレス決済、AI活用などのデジタル化が進展しています。IoTやAIを活用した在庫管理、需要予測が進んでいます。
- 無人店舗と省人化技術:AIカメラやセンサー技術を活用した無人店舗が普及しています。
- 物流の進化:自動配送ロボットやドローンの活用が進んでいます。
コンビニエンスストア業界の業界地図を確認します
コンビニエンスストア業界の主要プレイヤーの動向を確認
セブンイレブン
セブンイレブンは、国内最大手のコンビニエンスストアチェーンであり、日本のコンビニ業界をリードする企業です。高い商品開発力、効率的な物流システム、多機能型店舗運営を特徴とし、他のチェーンと差別化を図っています。 2022年度のコンビニエンスストア事業の売上高比率は82%で、国内コンビニ事業が8,903億円、海外コンビニ事業が8.8超円となり増収が続いています。 セブンイレブンは、商品の改廃を進めながら、堅調に推移しています。コンビニエンスストア業界大手プレイヤーの中でも革新的な取り組みを行っており、プライベートブランド、オムニチャネル、高齢者・過疎地宅食の3つをキーワードとしています。 プライベートブランドとして「セブンプレミアム」シリーズを展開し、高品質かつリーズナブルな商品を提供しています。 オムニチャネルは、リアル店舗とネットの相乗効果を狙い「オムニセブン」という名称で推進しています。セブンイレブンやイトーヨーカドーだけでなく、ロフトや赤ちゃん本舗などを含めたグループ全体の商品情報と顧客情報を一元管理し、リアル店舗・ネットとの相互送客を目指しています。 高齢者・過疎地宅食は、日常の買物が不便な地域を対象に巡回軽トラックで商品の移動販売する「セブンあんしんお届け便」や、管理栄養士監修の食事を宅配する「セブンミール」サービスといったサービスを展開しています。ローソン
ローソンは、国内で3大コンビニチェーンの一角を占める企業で、「おいしさ」「健康」「地域密着」をテーマに独自のブランド価値を追求しています。特に、健康志向型店舗「ナチュラルローソン」やデザートブランド「Uchi Café」を通じて、競合他社との差別化を図っています。 一部の店舗は通常のコンビニの枠に留まらず、医薬品を強化したドラッグストア型店舗など収益性の高いモデルへと転換しています。 プライベートブランドであるローソンセレクトについては、対象カテゴリの拡大、有力メーカーとの取り組み強化、健康志向への対応を行っています。ローソンは、強化方針で、特に健康対応商品の拡大に注力しています。ファミリーマート
ファミリーマートは、国内で3大コンビニチェーンの一角を占める企業で、地域密着型のサービス展開や独自の商品戦略で消費者の支持を得ています。親会社である伊藤忠商事の支援を受け、食品や物流分野での強みを活かしたビジネスモデルを展開しています。コロナ禍の2020年度は大幅な減収となり、2021年も客足の戻りは鈍く減収が続きました。 2023年度の経営計画では、新プライベートブランド「ファミマル」の育成・適切な価格設計の実現やファミペイを通じた顧客獲得策の拡充、省人化も含めた店舗運営の効率化など が掲げられています。 また、店舗の運営力向上と省力化に向け、店長業務をサポートする「人型AIアシスタント」を5,000店舗に導入することを決め、飲料補充AIロボット導入や、AIによる発注推奨システムの開発等も進んでいます。コンビニエンスストア業界の今後の展望は?
今後は付加価値向上と次世代への取り組みが鍵
コンビニエンスストア業界の市場は、今後も引き続き堅調に推移すると予想されます。しかし、コンビニエンスストア業界の大手による相次ぐ出店や、国内主要地域ではすでにオーバーストア状態になりつつあるため、新規オーナーが全国的に不足していることが留意する点です。 以上のことから、今後のコンビニエンスストア業界の大手各社は、他チェーンとの違いを出すための更なる多業態化、集約・再編を進めていくと考えられます。 品揃えの充実化、上質なスイーツの充実化、カウンターコーヒーの導入とイートインコーナーなど周辺環境の整備、ドラッグストアなど類似業種との融合店舗の展開、高齢者向け宅食、などが進んでいくと思われます。スマートペイメントやIoTの観点で店舗が進化する方向性も視野に入れる必要があります。 コンビニエンスストア業界は、国内市場の成熟化を見据えて、各社は海外展開をさらに強化すると思われます。コンビニエンスストア業界は次世代への取り組みで発展します
ファミリーマートは、幅広い商品展開、地域密着型サービス、デジタル化推進を強みに国内外で成長を続けています。特に、親会社の伊藤忠商事との連携を活かした商品調達力や物流効率化が、競争優位性を支えています。 一方で、労働力不足や環境問題への対応が引き続き課題となっており、これらへの対応を進めながら、無人店舗やデリバリーサービスを通じてさらなる成長が期待されます。 コンビニエンスストア業界は今後大きな変化が見込まれる業界です。コンビニエンスストア業界が今後大きな変革を遂げるためにも、常に最新の情報や消費者のニーズやトレンドを取り入れる必要があります。 企業最大プラットフォームBIZMAPSでは、200万社を超える企業情報を月額無料で100件までダウンロードできます。今後の各社の動向を知るためにも、心強い味方となること間違いありません。ぜひ利用してみてください。 ▼その他のBIZMAPS掲載企業の特集記事はこちらから! 通信業界はさらに発展!?現状と動向を解説!売上ランキング15社も紹介! 生活雑貨業界の今後を探る!業界構造から市場規模まで徹底解説 エンターテインメント業界の最新の動向から導き出す今後の展望は? 家具・インテリア業界のトレンドとは?主要プレーヤーの動向も徹底解説 自動機械業界とは?消費者の日常を支える自動化技術の役割を解説無料で使える企業検索サービス
