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コンビニエンスストア業界は、24時間営業、利便性の高い立地、少量多品種の商品構成を特徴とする小売業界の一分野です。日常生活に必要な商品やサービスを幅広く提供し、都市部から地方まで幅広いエリアで事業を展開しています。 最大級の企業プラットホームBIZMAPSの【その他小売】で検索しても、じつに17,853社と多くの店舗を保有していることが分かります。 コンビニエンスストア業界の特性や取り扱い商品、主要企業の情報や、最新の動向をまとめました!コンビニエンスストア業界について解説します。

コンビニエンスストア業界の特性とは?

コンビニエンスストア業界は、日本国内で高い市場規模を誇る流通小売業の一分野であり、24時間営業や便利な立地、広範な商品・サービスの提供を特徴としています。コンビニエンスストア業界は、利便性と多機能性を武器に消費者の生活基盤を支える存在として進化を続けています。 競争環境が激化する中、脱炭素社会への対応やデジタル化推進、地域密着型サービスの強化が業界の未来を左右します。 また、新しいビジネスモデル(デリバリー、無人店舗など)の導入が、業界全体に革新をもたらすことが期待されています。

コンビニエンスストア業界のバリューチェーンとは?

コンビニエンスストア業界のバリューチェーンは、商品の企画・調達から物流、店舗運営、顧客対応まで、多段階のプロセスを効率的に連携させることで成り立っています。コンビニエンスストア業界の特徴は、少量多頻度の商品供給と、地域特性や消費者ニーズに応じた迅速な対応能力にあります。 コンビニエンスストア業界のバリューチェーンについて詳しく解説していきます。

主なバリューチェーンの構成要素

コンビニエンスストア業界の主なバリューチェーンを紹介します。
  • 商品企画・開発:コンビニ各社は、消費者ニーズを反映した商品開発を行います。プライベートブランド(PB)商品: 独自のブランド商品を開発し、差別化を図ります。季節限定や健康志向、デジタル化されたサービス商品などのトレンド対応商品を持ち、 食品メーカーや飲料メーカーとの共同開発などを行います。
  • 調達:サプライヤー(食品メーカー、物流業者など)との契約を通じ、原材料や完成品を調達します。大量調達によるコスト削減、地域特化型商品の供給強化(地産地消の推進)、ESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮した持続可能な調達を実現します。
  • 物流・配送:高効率の物流システムを構築し、店舗に頻繁に商品を配送します。1日3〜4回の多頻度配送で商品の鮮度を維持し、各社が専用の物流センターを設置し、効率化を図っています。また、配送スケジュールの最適化や在庫管理にITを活用しています。
  • 店舗運営:商品の陳列、在庫管理、販売活動を効率的に運営します。フランチャイズモデルとして、 本部が加盟店を支援し、店舗運営の標準化を実現しています。販売データを収集し、商品管理や需要予測に活用しています。また、セルフレジや無人店舗で効率化を図っています。
  • 販売・顧客対応:商品販売に加え、金融、宅配便、チケット発券など多様なサービスを提供しています。金融サービスとして、公共料金の支払い、デジタル決済としてQRコードやスマホアプリを活用したキャッシュレス決済、顧客ニーズ対応として高齢者向け配達サービスやカフェスペースを提供しています。
コンビニエンスストア業界のバリューチェーンは、商品企画・調達から店舗運営、販売まで、効率的なサプライチェーンを基盤として構築されています。また、POSシステムなどのデータ活用による需要予測の精度向上や、多機能型店舗としてのサービス拡大が競争優位性を支えています。 今後は、デジタル化と環境対応の両立が、業界の持続可能な発展に不可欠となるでしょう。

コンビニエンスストア業界の取り扱い商品を紹介します

コンビニエンスストアは、「日常生活の利便性」を追求するため、幅広い商品を取り扱っています。これらの商品は、少量多品種で構成され、生活必需品から嗜好品までカバーしています。 特に、日配食品やプライベートブランドの充実、健康志向商品の拡大、デジタルサービスの対応が近年の重要なトレンドとなっています。また、季節限定商品や地域特化型商品の展開により、他社との差別化を図っています。

食品類

毎日消費される日配食品が売り上げの大部分を占めています。これには、おにぎり・弁当: 和風から洋風、ヘルシー志向の弁当や、菓子パン、サンドイッチのパン類、カップ麺、冷凍うどん・パスタなどの麺類、野菜サラダ、お惣菜セットなどのサラダ・惣菜があります。 特に、健康志向食品(低糖質・高タンパク)や、温めて食べるホットスナックなどが人気を集めています。

飲料

アルコールからソフトドリンクまで多種多様に扱っています。これには、コーヒー(ペットボトル、缶、チルドカップ)や、紅茶・緑茶・麦茶、ジュース、炭酸飲料の他、ビール、ハイボール、ワイン、焼酎などのアルコールまで含まれます。 無糖飲料や健康志向飲料(プロテインドリンクなど)が人気を集めており、コンビニエンスストア限定の飲料なども発売されています。

冷凍食品

冷凍技術の進化でラインナップが充実しています。これには、冷凍ご飯、冷凍パスタ、餃子や冷凍スイーツ(アイスクリーム、ケーキ)、冷凍野菜などが含まれます。一人暮らし向けの小分けパッケージや調理が簡単な商品が特に利用されています。 コンビニエンスストア業界が提供する冷凍食品は、それぞれのブランドから発売されている商品も多数あり、風味豊かな味わいが人気を集めています。

スイーツ・デザート

消費者の嗜好に応じたデザート商品が多数販売されています。これには、プリン、ゼリー、シュークリーム、エクレア、チョコレート菓子などが含まれます。それぞれのコンビニエンスストアで販売されている独自ブランドのデザートや、高級感のあるデザート、季節限定のデザートから、他業界とのコラボデザート商品などが特に人気を集めています。 ドリンクとの相性も良く、共に購入されることも少なくありません。

加工食品

コンビニエンスストアでは、保存性の高い食品が扱われています。これには、カップラーメン、スープ、レトルトカレー、缶詰などの他、醤油やソースなどの調味料まで幅広く扱われています。 コンビニエンスストアで扱う加工食品の中でも、有機食品やグルテンフリー商品が人気を集めています。カップラーメンやスープなどは、ランチタイムなどに多く活用されます。

コンビニエンスストア業界の取り扱いサービスの特徴

コンビニエンスストア業界はもともと、食品スーパーの補完として生まれた業態です。そのため、店舗で扱われる主な商品は食品です。中でも、肉まんや揚げ物などのホットスナックや、カップラーメンなどの即席めんといった加工食品、お弁当やおにぎりなど手間と時間のかからない喫食商品の取り揃えが多いです。 また、タバコや日用品の販売などのサービス提供も行っています。中でもタバコは、主要チャネルとなっており、2008年の3月以降のtaspo導入時期には、対面販売でカードが不要であることからコンビニでの購入が増加しました。 コンビニエンスストア業界の取り扱い商品の特徴には、粗利率が高く、商品回転率が高いことがあります。ただ、スーパーとは違いコンビニエンスストア業界は値引きをせずに高回転で販売をしていきます。 そのため、他の小売業と比較して店頭の品揃えをいかに充実に維持するかがより重要となります。コンビニエンスストア業界の発展を支えてきたのが、フランチャイズシステムです。 フランチャイズ側は店舗運営のリスクを回避しながら、ビジネスを拡大することが可能となり、フランチャイズ側も実績のある商材、店舗フォーマットとストアブランドを活用してビジネスを展開することができます。 このようにフランチャイズシステムが本社側・店舗側の双方にメリットがあるシステムとして機能したことで、コンビニチェーンは一気に店舗網を拡大することができました。

コンビニエンスストア業界のビジネスモデル

コンビニエンスストア業界のビジネスモデルは、フランチャイズ方式を基盤とし、効率的な物流・サプライチェーン管理、多機能型店舗の展開により高い競争力を維持しています。現在、デジタル化や環境対応が新たな成長の鍵となっており、特にAIやIoTを活用した効率化や、地域特化型戦略による収益強化が期待されています。 一方で、人手不足や競争激化などの課題も抱えており、これらへの対応が持続的成長の鍵となります。 コンビニエンスストア業界は、経営主体をフランチャイザー(本部)とみるか、フランチャイジー(店舗)とみるかにより論点が変わってきます。フランチャイザー(店舗)としてみた場合、ビジネスの肝はいかにフランチャイジー店舗を増やし、質の高い店舗網を築くかという点が重要です。 コンビニエンスストア業界の成長の鍵は、ドライバーが店舗数と既存店売上高です。つまり、コンビニエンスストア業界の基本戦略は「出店競争」と「既存店へのテコ入れ」となります。より上質な店舗ネットワークを築くことでバイイングパワーを高めることができます。 バイイングパワーを高められれば、仕入れコストの削減、物流コストの削減につながります。また、規模を拡大することで認知度・ブランド力も向上することから、よりフランチャイジー(店舗)経営者や消費者にも選ばれやすくなります。 以上のことから、コンビニエンスストア業界のフランチャイザー(店舗)は規模拡大が競争力強化における命題と言っても過言ではありません。また、フランチャイジー(店舗)の視点で見た場合、限られた商品をいかに消費者のニーズにマッチングした在庫コントロールや品ぞろえにするかが重要なポイントになります。 コンビニエンスストア業界の店舗の品目数は、食品スーパーに比べると極端に少ないため、品切れによる機会損失のインパクトは極端に大きいです。とはいえ、廃棄ロスは全面的に店舗負担になるため、在庫過多も避けなければならない重要な問題です。いかに在庫を保持し、廃棄を減らすかが重要なポイントとなります。 POSシステムによる需要予測が、コンビニエンスストア業界では発達しており、比較的手軽かつ最適な品揃えコントロールを可能とする仕組みが構築されています。

コンビニエンスストア業界の財務指標分析

コンビニエンスストア業界の財務指標分析を調査するため、セブン&アイローソン、ファミリーマートの3社の指標に注目します。また、セブン&アイはイトーヨーカ堂の影響がある点に留意します。収益性は、フランチャイズ本部のロイヤリティ収入を収益源としているため、売上高総利益率は高く、ローソン、ファミリーマートは50-80%台で推移しています。 売上高総利益率が他社に比べ低いセブン&アイは、セブンイレブンに加えイトーヨーカ堂やスーパー、他の収益が含まれているのが要因です。売上営業利益率は、販管費比率が高いため4-10%台と安定した推移です。 その一方で、店舗側の収益性は商品仕入の比率が高いため売上原価率が高いです。また、人件費などの店舗運営コストも嵩むため、収益性は低い、典型的な小売業の特徴を持っています。 安全性に関しては、フランチャイズ本部が直営店舗を保有しているため、固定資産比率が高いです。フランチャイズの契約には、オーナー側が土地・建物を用意するタイプと本部側が土地・建物を用意するタイプがあります。近年では本部側が土地・建物を用意するタイプが増加しているため、固定資産の高さが反映されています。

コンビニエンスストア業界の最新トレンドをチェック

コンビニエンスストア業界は、デジタル化、環境対応、新たなサービス展開を通じて消費者ニーズに応え、競争力を高めています。特に、無人店舗やデリバリーサービス、健康志向商品への対応が進み、コンビニエンスストア業界全体が持続可能性と利便性の両立を目指しています。 今後、デジタル技術のさらなる活用や海外市場の拡大が重要な成長ドライバーとなるでしょう。

デジタル化とDX

コンビニエンスストア業界のデジタル化とDXについて解説します。
  • 無人店舗・セルフレジの拡大:労働力不足や効率化のため、無人店舗やセルフレジが導入されています。スタッフの業務負担軽減を目的としています。
  • スマホアプリとポイントプログラム:スマホアプリを活用した顧客との接点強化が進んでいます。アプリを通じたクーポン配布や会員限定キャンペーンを行うことで、顧客ロイヤルティの向上をしています。
  • AI・IoTの活用:AIやIoT技術を活用し、店舗運営や物流を効率化しています。事例:AIを活用した需要予測し、IoTを活用した冷蔵庫の温度管理システムを導入しています。

環境対応とESG

コンビニエンスストア業界では環境対応とESGへの取り組みを強化しています。
  • プラスチック削減:環境問題への対応として、プラスチック使用量削減の取り組みを推進しています。レジ袋有料化の定着や、紙製ストローやバイオプラスチック容器の導入をすることで、環境負荷の軽減と企業イメージの向上を目指しています。
  • 食品ロス削減:賞味期限が近い商品への割引や販売促進、食品廃棄量の削減に取り組んでいます。
  • 再生可能エネルギーの活用:環境負荷低減のため、省エネ型店舗運営を拡大しています。太陽光パネルの設置、冷蔵庫・冷凍庫の省エネ化などに取り組んでいます。

健康志向と高付加価値商品

コンビニエンスストア業界では、健康志向と高付加価値商品を取り入れています。
  • 健康食品の拡充:消費者の健康志向に対応した商品ラインナップを強化しています。糖質オフ商品、プロテイン入り飲料、グルテンフリー食品、野菜たっぷりのサラダや低カロリーデザートを取り入れることで、健康志向の消費者層の取り込みを目指しています。
  • 高品質スイーツや惣菜:プチ贅沢ニーズに対応した高付加価値商品を開発しています。これは、消費単価の引き上げにつながります。

新たなサービスの展開

コンビニエンスストア業界が目指す新たなサービスの展開を紹介します。
  • デリバリーサービス:EC市場の成長に伴い、食品や日用品のデリバリーサービスを展開しています。外出を控える消費者への対応を行うことで、顧客接点の多様化を目指しています。
  • ECとの連携:ECサイトと連携し、店舗受け取りサービスを提供しています。店舗集客とEC市場でのシェア拡大をしています。
  • 地域特化型サービス:地域特性に合わせたサービスを展開しています。高齢者向けの配達サービスや地元特産品の販売などを提供することで、地域密着型のブランドを構築しています。

店舗形態の多様化

コンビニエンスストア業界では、店舗形態の多様化に乗り出しています。
  • 無人店舗の普及:セルフレジやAIカメラを導入し、無人化を推進しています。これにより、人手不足問題の解消や新しい購買体験の提供をしています。
  • 小型店舗・専門店舗の展開:駅構内やオフィスビル内に特化した小型店舗の開発を行っています。消費者ニーズに応じたターゲティングを目指しています。

グローバル展開

コンビニエンスストア業界はグローバル展開にも乗り出しています。
  • 海外市場への進出:アジアや欧米を中心に、国内で培った運営ノウハウを輸出しています。これにより、国内市場の成熟に伴う新たな収益源の確保をしています。
  • 現地特化型商品:現地の食文化や嗜好に合わせた商品を展開しています。
  • 北米・欧州市場でのブランド強化:欧州では利便性重視の小型店舗戦略を推進し、北米では既存店舗のリニューアルや買収によるシェア拡大をしています。

コンビニエンスストア業界の市場規模を解説します

コンビニエンスストア業界の市場規模を解説するために、日本フランチャイズチェーン協会のデータを参考にします。コンビニエンスストア業界の売上高は、2015年に10兆円を超え、2019年には11.2兆円となりました。 2020年はコロナ禍の影響で10.7兆円まで減少しましたが、2022年にはコロナ禍前の水準を上回り、2023年には11.7兆円まで拡大しています。コンビニエンスストア業界は2008年に7.9兆円でしたが、市場規模は15年間で48%増加し、国内では数少ない成長市場です。 コロナ禍の影響もあり、2020年に客数が大幅に落ち込みました。これには、コロナ禍による外出自粛で来店頻度が減り、まとめ買いなどにより一回当たりの購入量が増えたことが要因として挙げられます。 コンビニエンスストア業界の大手各社は、店舗数の増加により市場拡大をけん引きしてきました。今後も、コンビニエンスストア業界は店舗数を微増または横ばいにとどめる方針を発表しています。このことから、不採算店舗の整理と既存店の売上アップに戦略をシフトするものと考えられます。 コンビニエンスストア業界では、コロナ禍でオフィス街や繁華街の店舗は大きな影響を受け、都市部の店舗は飽和状態で新規出店の余地が少なくなっています。このことから市場拡大の伸びは鈍化する可能性があります。 しかし、客単価アップのための高付加価値商品の開発やサービス向上に注力しているため、市場は緩やかな拡大が見込まれます。

コンビニエンスストア業界のマクロ環境は?

コンビニエンスストア業界のマクロ環境は、政治的要因、経済的要因、社会的要因、技術的要因の各要因によって大きく影響を受けます。コンビニエンスストア業界のマクロ環境の詳細は今後の展望に大きく関わるため、コンビニエンスストア業界の経営者の方や、これから経営を考えている方には重要な情報となります。 コンビニエンスストア業界のマクロ環境を、解説します。

政治的要因

コンビニエンスストア業界の政治的要因を解説します。
  • 労働関連法規の影響:働き方改革関連法に基づき、労働時間の制限や人件費の上昇が加盟店運営に影響しています。
  • プラスチック規制:レジ袋の有料化やプラスチック削減政策が業界全体に影響を及ぼしています。
  • 税制の変更:消費税増税(8%から10%への引き上げ)が消費行動に影響しています。

経済的要因

コンビニエンスストア業界の経済的要因を解説します。
  • 国内市場の成熟:日本国内では市場が成熟し、店舗数の増加ペースが鈍化しています。これにより、業界内の競争激化により差別化が重要になってきます。
  • 労働力不足と人件費の上昇:少子高齢化に伴う労働力不足が深刻化しています。これにより、人件費の上昇が加盟店の収益を圧迫しています。
  • インフレやエネルギー価格の変動:原材料価格や物流コストの上昇が商品の価格設定に影響を及ぼしています。エネルギー価格の変動が店舗運営コストを左右します。

社会的要因

コンビニエンスストア業界の社会的要因に関して解説します。
  • 高齢化社会の進展:高齢者人口の増加により、健康志向商品や配達サービスへのニーズが高まります。地域密着型店舗の重要性が増大しています。
  • 消費者のライフスタイル変化:働き方改革に伴うテレワークの普及で消費行動が変化を見せています。コンビニエンスストアの利用が「職場近く」から「自宅近く」へシフトしているため、地域密着型サービスやデリバリーサービスの需要拡大が重視されています。
  • 健康志向の高まり:健康を重視する消費者が増え、低糖質食品やオーガニック商品の需要が拡大しています。これにより、健康志向商品の開発競争が激化します。
  • 外国人労働者の増加:労働力不足を補うため、外国人スタッフの採用が進みます。

技術的要因

コンビニエンスストア業界の技術的要因を解説します。
  • デジタル化・DX:スマホアプリ、キャッシュレス決済、AI活用などのデジタル化が進展しています。IoTやAIを活用した在庫管理、需要予測が進んでいます。
  • 無人店舗と省人化技術:AIカメラやセンサー技術を活用した無人店舗が普及しています。
  • 物流の進化:自動配送ロボットやドローンの活用が進んでいます。

コンビニエンスストア業界の業界地図を確認します

コンビニエンスストア業界はオーバーストア状態に端を発する業界再編により、コンビニエンスストア業界の大手プレイヤーは大きく3つのグループに集約されます。三井物産が出資するセブンイレブン、伊藤忠系のファミリーマート、三菱商事系のローソン・ミニストッ がそれにあたります。 コンビニエンスストア業界各社とも、傘下に日配品メーカーや銀行、高齢者宅食、食品スーパーなどの周辺業種を抱えています。 それぞれの差別化を図りながら進化しています。こうした大手プレイヤーの他にも、広島を地盤とするポプラ、神奈川のスリーエフ、北海道のセイコーマートなど、独自路線で攻め る中堅チェーンも存在しています。しかし、これらも一部には大手資本の手が及んでおり、徐々に再編は進んでいると言えます。

コンビニエンスストア業界の主要プレイヤーの動向を確認

日本のコンビニエンスストア業界は、「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」という三大チェーンが市場をほぼ寡占しており、その他地域密着型の中小チェーンが存在しています。 コンビニエンスストア業界を支える大手3社の最新の動向を知ることは、今後の経営方針にも大いに関わります。また、コンビニエンスストア業界に新規顧客開拓を考える営業職の方にも最適な情報です。

セブンイレブン

セブンイレブンは、国内最大手のコンビニエンスストアチェーンであり、日本のコンビニ業界をリードする企業です。高い商品開発力、効率的な物流システム、多機能型店舗運営を特徴とし、他のチェーンと差別化を図っています。 2022年度のコンビニエンスストア事業の売上高比率は82%で、国内コンビニ事業が8,903億円、海外コンビニ事業が8.8超円となり増収が続いています。 セブンイレブンは、商品の改廃を進めながら、堅調に推移しています。コンビニエンスストア業界大手プレイヤーの中でも革新的な取り組みを行っており、プライベートブランド、オムニチャネル、高齢者・過疎地宅食の3つをキーワードとしています。 プライベートブランドとして「セブンプレミアム」シリーズを展開し、高品質かつリーズナブルな商品を提供しています。 オムニチャネルは、リアル店舗とネットの相乗効果を狙い「オムニセブン」という名称で推進しています。セブンイレブンやイトーヨーカドーだけでなく、ロフトや赤ちゃん本舗などを含めたグループ全体の商品情報と顧客情報を一元管理し、リアル店舗・ネットとの相互送客を目指しています。 高齢者・過疎地宅食は、日常の買物が不便な地域を対象に巡回軽トラックで商品の移動販売する「セブンあんしんお届け便」や、管理栄養士監修の食事を宅配する「セブンミール」サービスといったサービスを展開しています。

ローソン

ローソンは、国内で3大コンビニチェーンの一角を占める企業で、「おいしさ」「健康」「地域密着」をテーマに独自のブランド価値を追求しています。特に、健康志向型店舗「ナチュラルローソン」やデザートブランド「Uchi Café」を通じて、競合他社との差別化を図っています。 一部の店舗は通常のコンビニの枠に留まらず、医薬品を強化したドラッグストア型店舗など収益性の高いモデルへと転換しています。 プライベートブランドであるローソンセレクトについては、対象カテゴリの拡大、有力メーカーとの取り組み強化、健康志向への対応を行っています。ローソンは、強化方針で、特に健康対応商品の拡大に注力しています。

ファミリーマート

ファミリーマートは、国内で3大コンビニチェーンの一角を占める企業で、地域密着型のサービス展開や独自の商品戦略で消費者の支持を得ています。親会社である伊藤忠商事の支援を受け、食品や物流分野での強みを活かしたビジネスモデルを展開しています。コロナ禍の2020年度は大幅な減収となり、2021年も客足の戻りは鈍く減収が続きました。 2023年度の経営計画では、新プライベートブランド「ファミマル」の育成・適切な価格設計の実現やファミペイを通じた顧客獲得策の拡充、省人化も含めた店舗運営の効率化など が掲げられています。 また、店舗の運営力向上と省力化に向け、店長業務をサポートする「人型AIアシスタント」を5,000店舗に導入することを決め、飲料補充AIロボット導入や、AIによる発注推奨システムの開発等も進んでいます。

コンビニエンスストア業界の今後の展望は?

近年多くの業界に影響をもたらした新型コロナウイルス感染症は、コンビニエンスストア業界にも大きな痛手となりました。内食需要の増加は大きいですが、繁華街や駅前、オフィス街といった立地にあるコンビニエンスストア業界の店舗に対する影響は甚大です。 コンビニエンスストア業界の各社はコロナ禍で需要が増加した冷凍食品等の置き場を増やしたり、店内調理を強化するなど客単価向上に取り組んでいます。 その一方で、セルフレジを導入し運営費を削減する動きも見られ、コンビニにおける顧客体験がコロナ禍を機に変わる可能性もあります。以上を踏まえながら、今後のコンビニエンスストア業界の展望を解説していきます。

今後は付加価値向上と次世代への取り組みが鍵

コンビニエンスストア業界の市場は、今後も引き続き堅調に推移すると予想されます。しかし、コンビニエンスストア業界の大手による相次ぐ出店や、国内主要地域ではすでにオーバーストア状態になりつつあるため、新規オーナーが全国的に不足していることが留意する点です。 以上のことから、今後のコンビニエンスストア業界の大手各社は、他チェーンとの違いを出すための更なる多業態化、集約・再編を進めていくと考えられます。 品揃えの充実化、上質なスイーツの充実化、カウンターコーヒーの導入とイートインコーナーなど周辺環境の整備、ドラッグストアなど類似業種との融合店舗の展開、高齢者向け宅食、などが進んでいくと思われます。スマートペイメントやIoTの観点で店舗が進化する方向性も視野に入れる必要があります。 コンビニエンスストア業界は、国内市場の成熟化を見据えて、各社は海外展開をさらに強化すると思われます。

コンビニエンスストア業界は次世代への取り組みで発展します

ファミリーマートは、幅広い商品展開、地域密着型サービス、デジタル化推進を強みに国内外で成長を続けています。特に、親会社の伊藤忠商事との連携を活かした商品調達力や物流効率化が、競争優位性を支えています。 一方で、労働力不足や環境問題への対応が引き続き課題となっており、これらへの対応を進めながら、無人店舗やデリバリーサービスを通じてさらなる成長が期待されます。 コンビニエンスストア業界は今後大きな変化が見込まれる業界です。コンビニエンスストア業界が今後大きな変革を遂げるためにも、常に最新の情報や消費者のニーズやトレンドを取り入れる必要があります。 企業最大プラットフォームBIZMAPSでは、200万社を超える企業情報を月額無料で100件までダウンロードできます。今後の各社の動向を知るためにも、心強い味方となること間違いありません。ぜひ利用してみてください。 ▼その他のBIZMAPS掲載企業の特集記事はこちらから! 通信業界はさらに発展!?現状と動向を解説!売上ランキング15社も紹介! 生活雑貨業界の今後を探る!業界構造から市場規模まで徹底解説 エンターテインメント業界の最新の動向から導き出す今後の展望は? 家具・インテリア業界のトレンドとは?主要プレーヤーの動向も徹底解説 自動機械業界とは?消費者の日常を支える自動化技術の役割を解説

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