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リードナーチャリングとは?見込み顧客育成の重要性やメリットを解説 「リードナーチャリング」という言葉をご存知でしょうか。近年この重要性が高まってきていますが、まだリードナーチャリングを適切に実施できていない企業も多いようです。 そこで今回は、リードナーチャリングの重要性を改めて確認するとともに、リードを育成するメリット・デメリットや具体的な手法について解説します。効率的な営業活動のために、ぜひ参考にしてください。

リードナーチャリングとは

リードナーチャリングとは、見込み顧客の購買意欲を高めて成約に結びつけ、自社の顧客へと育成させることです。 英語で見込み顧客を意味する「lead(リード)」と育成・熟成といった意味の「nurturing(ナーチャリング)」を合わせた言葉で、もともとはアメリカ発祥のマーケティング手法になります。

なぜいま「リードナーチャリング」なのか

そもそも、なぜリードナーチャリングが日本でも注目されるようになったのでしょうか。その理由は大きく分けて2つです。 1点目は、BtoBの営業プロセスは時間がかかることです。企業向けの製品やサービスは基本的に高額なものなので、企業の購買フローには多くの人が関わります。顧客の稟議・決裁には時間がかかり、担当営業は長期間に渡り顧客のフォローをしなければなりません。限られたリソースで効率的に売上を上げるためには、より受注確度が高い見込み顧客に絞って営業アプローチをしなければならないのです。 2点目は、インターネットの普及です。インターネットが普及した現代は、簡単に情報収集ができるようになりました。同業他社の内容を確認したりWebサイトで情報収集をしたりして、顧客が比較・検討した上で購入を決定するようになったのです。そのため、営業が商談に入る前に自社製品を検討してもらうような仕組みづくりをして、より成約率を上げることが大切になってきました。

リードナーチャリングのメリット

リードナーチャリングとは?見込み顧客育成の重要性やメリットを解説 それでは、リードナーチャリング導入によって、どのようなメリットが得られるのか見ていきましょう。おもなメリットは次の3つです。 ・関心が薄いリードもフォローしつづけられる ・営業効率がアップする ・競合他社への流出が防止できる 詳しく解説していきます。

関心が薄いリードもフォローしつづけられる

リードの中には、自社の製品やサービスにあまり興味がないというケースもあります。しかしリードである限りは、将来的に成約に結び付く可能性はゼロではありません。とは言え、そのようなリードを長期間フォローしつづけるのは難しいことです。 そこでセミナーやWeb広告、メールマーケティングといったリード育成のための施策を実施して、現時点では「あまり興味がない」というリードをフォローしつづけます。現時点では成約確度が低いとしても、顧客の状況の変化などによってニーズが顕在化するかもしれません。リードナーチャリングを実施すれば確度が上がり、成約につながる可能性があるのです。

営業効率がアップする

マーケティング部門がリードの育成を実施してリードの成約確度を高めてから営業部門へと引き渡すと、成約率がアップして効率的な営業活動が可能になります。 先に述べた通り、現代は購入に至るまでのプロセスが長期化しています。成約確度の低い顧客も含めてアプローチしていると、必然的に効率は下がってしまうでしょう。マーケティング部門と連携してリードの育成を実施することで、営業リソースが効率的に使えて生産性もアップするのです。

競合他社への流出が防止できる

マーケティング部門でリードナーチャリングを実施すれば、すぐに受注に結びつきそうにないリードを放置することなくつなぎとめることができます。 リードを育成することなく成約確度が低いまま放置していると、競合他社の製品を検討・購入してしまう可能性があります。適切なリード育成を行うことで、自社の製品に対する興味や関心を引き続け、他社への流出を防止しやすくなるのです。

リードナーチャリングのデメリット

適切なリードナーチャリングには大きなメリットがある一方、当然ながら実施することによるデメリットも生じます。 まず、リードナーチャリングを実施するにはコンテンツを作成しなければならず、時間と手間がかかります。リードナーチャリングの手法については後述しますが、リードの段階ごとにコンテンツを準備するための人的リソースが必要なのです。 またコンテンツを作成したからといって、リードナーチャリングの効果がすぐに出るわけではありません。「見込み顧客の育成」という言葉の通り、時間をかけてさまざまなアプローチをしながら購入意欲を高めていくのです。 コストをかけて長期的に取り組む必要がある点は、リードナーチャリングのデメリットと言えるでしょう。

リードナーチャリング実行のプロセス

それでは、実際にリードナーチャリングを実施するためのプロセスをご紹介します。大きく分けると実行のステップは次の4つに分けられます。 1.顧客情報の収集・一元化 2.リードをセグメントする 3.コンテンツを作成する 4.購入意欲が高まったら営業に引き継ぐ 詳しく見ていきましょう。

顧客情報の収集・一元化

まずは社内に散在しているすべてのリード情報を収集して一元化しましょう。 オウンドメディアやSNSなどで入手した顧客情報、セミナーで入手した名刺など、さまざまなアプローチによって獲得した顧客情報が存在しているはずです。営業個人や部門ごとに保有・管理しているケースもあり、一元化されていないと同じ企業に別の担当者がアプローチしてしまうかもしれません。 適切なリードの育成を実施するためにも、企業で保有しているリードの情報をすべて収集して、一元化しておきましょう。

リードをセグメントする

次に、一元化したリード情報をもとに顧客をセグメント(分類)します。セグメントすることにより、アプローチすべき顧客が特定できます。 情報を入手しただけの段階では、その顧客が本当にリードになり得るのかは分かりません。購入する商品を選定するために積極的に展示会に参加した人と、たまたま通りかかった人では次に取るべきアクションは異なります。 性別・住所・年齢・職業・取引履歴などさまざまな切り口からセグメントすることで、その顧客のニーズに自社製品がマッチしているのか、購入意欲がどの程度なのかが分析できます。リードを適切にセグメントすれば、アプローチすべき顧客が特定しやすくなるでしょう。

コンテンツを作成する

リードのセグメントが完了したら、コンテンツを作成します。大切なのは、セグメントによって分けられたリードの関心を引くコンテンツを作ることです。 たとえば、セミナーや展示会に訪れた顧客に対しては、製品・サービスの特徴や強みを紹介したコンテンツを作成して、入手したメールアドレス宛に配信します。一方、自社のホームページでホワイトペーパーをダウンロードしている購入の前段階にいる顧客には、より具体的な紹介や無料体験などを送るのが効果的でしょう。

購入意欲が高まったら営業に引き継ぐ

リードの育成によってリードの購入意欲が高まったら、商談・成約のために営業へと引き継ぎます。 このマーケティング部門と営業部門との連携が上手くいかないと、せっかくのリードナーチャリングが台無しになってしまう可能性があります。引き継ぐ際には連携を密にしながら、細かな情報も共有するように心がけましょう。

リードナーチャリングの手法

リードナーチャリングとは?見込み顧客育成の重要性やメリットを解説 ここからは、リードナーチャリングの具体的な手法をご紹介します。リードナーチャリングの手法には、次のようなものがあります。 ・メール(メルマガ) ・セミナー・展示会 ・SNS ・オウンドメディア それぞれ詳しく見ていきましょう。

メール(メルマガ)

メール(メルマガ)の配信はリードを育成するための代表的な手法で、多くの企業が利用しています。リードの興味や関心を引く内容のメールを配信することで、購入意欲を高められます。 リードのメールアドレスさえ分かれば配信できるため、導入のハードルが低いのがメリットです。またメール開封率やクリック率などのコンバージョン測定をして、効果を確かめられる点もポイントになります。 リードナーチャリングの手法として配信するメールの種類は、おもに次の4種類です。 ステップメール リードのステータスに合わせて、ひとりひとりに合った段階の情報を配信する方法です。たとえばセミナーに参加した顧客に対して参加に対する感謝メールを当日に送り、その2日後に「〇〇でお悩みではありませんか?そのお悩みを解決するサービスをご紹介します」と商品を紹介する内容や動画などを送るのです。 その人にとって興味・関心がありそうな内容を最適な順番で配信できるのがステップメールのメリットです。 セグメントメール リードをセグメントし、その分類に合わせて必要な情報を配信する方法です。たとえばセミナーや展示会に参加した人、製品・サービスについて問い合わせをした人というようにセグメントして、リードのアクションに応じた関連情報を配信します。 案内・集客メール セミナーや展示会開催を案内して集客するために配信するメルマガです。ただ日時や場所などを案内するだけでなく、メールを受け取った人限定の特典などをつけたり有益な情報が得られることをアピールしたりして、特別感をアピールします。 サンクスメール リードがホームページ上のフォームから申し込みなどをした際に自動で配信される御礼のメールです。申し込み完了を確認できるサンクスメールは、他のメールに比べて開封率が高い傾向にあります。それを利用して、誘導したいURLや次のアプローチへとつながる情報を記載するのも効果的でしょう。

セミナー・展示会

セミナーや展示会といったイベントは自社製品やサービスに関心がある顧客に対して直接コミュニケーションがとれる場なので、効果的なリードナーチャリングが可能です。近年では感染症対策もあって、会場を借りて行うオフラインのセミナーだけでなくWeb会議システムによるオンラインセミナーも多く開催されるようになりました。 参加した顧客の反応や表情を直接確認しながら話せるため、臨機応変な対応で購入意欲を高められるのがセミナーや展示会のメリットです。顧客はわざわざ申し込みをして参加するケースが多くその時点である程度の興味を持っているため、効率が良い手法と言えるでしょう。 オフラインセミナーとオンラインセミナー(ウェビナー)の違い オフラインの場合、ひとりひとりと対面で会話ができるメリットがある反面、会場の手配や配布資料の準備などコストがかかります。しかし顧客もわざわざ出向いて参加しなければならない分、オンラインよりも意欲が高いケースが多いでしょう。

SNS

多くの世代にスマートフォンが普及している現代においてSNSは広く浸透し、顧客の購入意欲を高めるツールとしても使われるようになりました。セミナーや展示会と比べて簡単に企業と接点が持てるので、顧客と近い距離で気軽にやり取りできます。TwitterやInstagramなどは無料でアカウント開設ができるため、導入コストもかかりません。 しかしハードルが低い反面、多くのフォロワーを獲得したり投稿がひろく拡散されたりするためにはある程度の時間とこまめな投稿が必要になります。 BtoCのビジネスでより効果が出やすい手法ですが、企業の購入担当者がSNSによる情報収集を積極的に行っている場合はBtoBでも有効です。

オウンドメディア

オウンドメディアなどのWebコンテンツも、SNSと同じように顧客へ有益な情報を発信してファンを増やすのに有効な手法です。企業のビジョンや製品・サービスの強みや特徴のほか、顧客にとって役に立つ情報をオウンドメディアで発信することで、顧客との信頼関係が構築できます。 オウンドメディアに掲載する記事はSEOを意識して作成すると、新規顧客の獲得につながる可能性があります。SEOとは「Search Engine Optimization」の頭文字をとった言葉で、検索エンジン最適化のことです。 Webページの評価を上げて、検索上位に表示させることを意味します。 オウンドメディアによるリードナーチャリングは、SNSと同様にすぐに効果がでるものではなく、質が高く有益な情報を継続して発信していく必要があります。記事のライティングを専任で担当する人を配置したり、業務委託などで外部にオウンドメディアの運用を委託したりして、継続的な更新を心がけましょう。

リードナーチャリングの注意点

リードナーチャリングは、あくまでも獲得済みのリードを育成するためのマーケティング施策です。育成を始める前に、リードになり得る顧客を獲得するリードジェネレーション(集客)をしていることが前提になります。もしリードジェネレーションが上手くいかずにリードが十分に獲得できていないのであれば、その部分を改善してから取り組まなければなりません。 またたとえリードの育成が成功して確度の高いリードを育成できたとしても、それだけでは売上が上がるわけではありません。リードを育成して営業部門へと引き継いだあと、営業の商談を経てはじめて成約に結び付くのです。マーケティング部門との適切な連携、そして成約にこぎつける営業スキルがなければ、リードナーチャリングのメリットを享受できないことを理解しておきましょう。

まとめ

リードの育成は長期的に取り組む必要がありますが、軌道に乗れば営業活動がより効果的・効率的になります。各部門で密に連携していくことが成功の鍵となりますので、ぜひ参考にしてください。 日本最大級の法人データベース「BIZMAPS」では、無料会員登録で毎月100社まで会社情報をダウンロード可能です。効率的なリード獲得に役立ちますので、ぜひご利用ください。 あわせて読みたい記事↓ リード獲得に効果的!ホワイトペーパーのダウンロードを増やすには? 大盛況のウェビナーを利用してインサイドセールスでリード獲得! 「リード」について徹底解説!営業とマーケティングにおける意味の違いとは? パイプライン管理とは?プロセスを見える化して効率的な営業活動を! ホワイトペーパーのマーケティングでの活用法とは?DLサイト紹介も!

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