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そもそも経営目標とは?

経営目標と経営理念の違い
経営目標と混同されがちな言葉に、「経営理念」があります。経営目標は到達の途上で修正することもあり、また達成したら次の目標を立てます。つまり、固定されたものではなく、企業の状態や環境に応じて変化する流動的なものです。 一方、経営理念は一旦掲げたら、ずっと追い続けるものです。コロコロと変えるべき性質のものではなく、近づいていって到達するものでもありません。経営者にとって、意思決定に迷うときに立ち返る原点のようなものです。また、新しいことにチャレンジする際にも、必ず理念にかなっているかを振り返る必要があります。経営目標がもたらすメリット
経営目標を設定することで、おおむね以下のようなメリットが得られます。 ・従業員の意欲を向上させる ・自社の強みのさらなる強化につながる ・業務・職務の割り当てがスムーズになる ・社内の協力体制を強化できる ・社内の人間関係を良好にする ・費用の抑制や予算の策定がしやすくなる経営目標の設定に役立つSMARTの法則
経営目標の適切な設定に役立つSMARTの法則は、現代マネジメントの父と呼ばれる経営学者、ピーター・ドラッカーが提唱したものです。 欧米の経済界においてSMARTの法則は、ビジネス上の目標を立てる際に用いるフレームワークのデフォルトとなっています。経営目標にとどまらず、部門や部署の目標、各従業員の個人目標まで、すべてに適用できるフレームワークです。 SMARTの5文字は以下の項目の頭文字を並べた通称です。 ・Specific ・Measurable ・Achievable ・Relevant ・Time-bound それぞれを詳しく見ていきましょう。Specific
Specificは「明確である」「特定されている」などを意味します。ビジネスの目標は明確に特定されたものであるべきということです。Specificかどうかは、4つのWにはっきりと答えられるかどうかで確認します。 その目標が「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「Wht:なにを」することかが明らかなら、Specificです。あいまいであれば、あいまいさが消えるまで詰めなければなりません。Measurable
Measurableは「測定できる」という意味です。ドラッカーの名言のひとつに「測定できることのみが達成可能だ」とあります。 測ることができない目標は、ビジネスの目標として不適切です。たとえばPDCAサイクルを回す際にも、現状が測定できなければ、良い状態か悪い状態かが判断できず、改善のアクションが起こせません。Achievable
Achievableは「到達できる」という意味です。上層部から与えられた目標が高過ぎて現実味が欠けていると、モチベーションが大きく下がってしまいます。ビジネスの目標は高くあるべきですが、根拠もなく高い目標は失敗の原因となることはあっても、やる気を起こさせる効果はありません。 過去の実績と現在の環境、今後の見通しを考え合わせて合理性がある目標でなければなりません。当然ながら低過ぎてもダメであり、持てる力をすべて発揮すれば手が届くくらいの難易度が望ましいです。Relevant
Relevantは「妥当である」という意味です。たとえば粗利率を目標にすると、低粗利率の販売を回避することで率は達成できても、販売機会が減っているので売上額は下がることになります。そのため、妥当な目標とはいえません。 この例でいえば、売上額の目標が最上位の必達項目で、達成した上でその内容をさらに詳細に評価する際に粗利率目標は生きてきます。つまり、売上達成なしに利益率の達成など無意味ということです。Time-bound
Time-boundは「期限がある」という意味です。 ビジネスの目標は必ず締め切りがセットでなければ意味がありませんす。期限のない目標は、単なる気休めに過ぎないのです。 以上がSMARTの法則の概要です。 経営目標やKPI、個人目標の設定に役立てましょう。経営目標の種類

収益に係る目標
多くの企業では、収益に係る目標として収益拡大を掲げています。しかし、財務上の課題に応じて、具体的には以下のような目標が挙げられます。 <事業継続> 収益の拡大が明らかな目標とはいえ、取り巻く環境によっては事業継続を目的として、存続できるだけの収益を確実に確保すること自体が、経営目標となる場合もあります。 <利益確保> 事業継続が安定している場合、事業の積極的な拡大を図るために、そのための資金を作る利益確保を経営目標とする場合があります。 <事業拡大> 経営者なら誰しも事業拡大を思い描きます。企業に体力(資金力)がついてきたら、どう成長させるか、需要が生産能力を上回った場合にどう手を打つのかなどを考慮しつつ、拡大路線の経営目標を立てる場合があります。人事に係る目標
人事に係る目標を立てるのは、従業員ひとりひとりが「自分は企業に大切にされている」と感じるよう、従業員エンゲージメントを高めるためです。 具体的には、主に以下のような目標が挙げられます。 ・給与水準の向上 ・福利厚生の充実 ・労働環境の安全性の実現 ・キャリアアップの機会提供 ・モチベーションを高めるためのインセンティブ制度組織に係る目標
組織に係る目標は、事業の継続・成長・将来の展望など、経営のあらゆる面に関する目標です。具体的には、主に以下のような目標が挙げられます。 ・増資・上場 ・組織変革・成長モデルの導入 ・ブランドの認知度向上 ・需要に見合う生産力の拡大社会貢献に係る目標
社会貢献に係る目標を立てるのは、社会に対して何らかの形で利益を還元するためです。具体的には、主に以下のような目標が挙げられます。 ・顧客に提供する製品・サービスのクオリティの向上 ・製品・サービスの適正価格による提供 ・フェアトレードの取り組み ・雇用における公平性の確保 ・温室効果ガスの排出の回避 ・社会福祉活動や寄付などを通じての地域貢献経営目標の具体例

シェア拡大
製品・サービスの販売数量を伸ばすためには、シェアを広げなければなりません。さまざまな顧客接点を通じて、リード(見込み客)を増やす必要があります。 自社の製品・サービスで利益を得られるのはどういう客層なのかを改めて見直し、マーケティング部門と営業部門で検討して、アプローチの範囲を広げられるようにすることが重要です。従業員エンゲージメントの向上
従業員エンゲージメントが高い、すなわち仕事に愛着や満足を感じている従業員は、多くの場合優れたアイデアを提案してくれます。一方、従業員エンゲージメントが低い場合は、離職する可能性が増します。 従業員の離職を回避するためにも、従業員エンゲージメントを向上させる経営目標を立てることが必要です。魅力的なインセンティブを設定したり、キャリアアップの機会を提供したり、ユニークな福利厚生を導入したりなどの努力で、従業員エンゲージメントを高めましょう。地域との関係構築
積極的に地域活動に参加することは、近隣の潜在顧客を顕在化させる効果や、企業ブランドの認知度を向上させる効果も期待できます。 地域の事情を知り、長期的に良好な関係を構築するのに有効な手段です。 とりわけ歴史が浅い企業にとっては、地域との良好な関係を構築することは大きなメリットが得られます。利益拡大
スタートアップ企業にとって、最初の数年間は黒字になることは困難になる可能性があります。利益を拡大する目標を具体的な計画とともに立てることは、収益構造を安定させる上で有効な手段となります。 一方、歴史がある企業の場合は、利益拡大のための包括的な目標を立て、販売拡大や利益率の改善のための施策の検討が必要です。生産性の向上
テクノロジーの発達によってさまざまな業務効率化や自動化のツールおよびシステムが生まれており、以前よりも安価で利用できるようになっています。 クラウド経由のサービスなので、多くの場合初期費用は要りません。サブスクリプション型(月々の定額制)で利用しやすい環境が整っています。 ルーティン的な業務を効率化・自動化することで、従業員がより重要な業務やクリエイティブな業務に専念できるようにして、生産性の向上を図りましょう。製品の信頼性の向上
製品の信頼性の向上を図ることは、ブランド力を高めて長期的に収益に反映される重要な経営目標となります。 製品の品質やグレードが評価されれば、自ずと企業ブランドのイメージも向上することにつながります。 開発部門や製造部門とともに、品質の向上や問題点の改善に取り組みましょう。まとめ
不確実で不安定な時代の企業経営は、明確な経営目標を立てた上で、状況や環境の変化に柔軟に対応してコンスタントに修正するくらいのスタンスが求められます。 企業の経営に参画するみなさんは、ここでご紹介した経営目標の考え方を参考にしていただき、妥当性がある経営目標を打ち立てて事業を前進させてください。 なお、管理職のみなさんはビジネス上の好機を逃さないように、企業データベースを効率よく検索・閲覧・ダウンロードできる情報サービスBIZMAPSを最大限に活用し、営業戦略に役立ててください。 毎月、企業データを100社までは費用なしにダウンロードができるBIZMAPSは、あらゆる検索条件、属性、事項で検索・閲覧できます。法人営業の企業において営業を担当するみなさんは、営業アプローチを模索する際に価値を発揮するので、ぜひご利用ください。 ▼日本最大級の企業DB【BIZMAPS】で営業対象企業を探す▼ ▼営業リストについてはこちらの記事を参考にしてください。 最新企業データベースを無料提供するサービスとは?【法人営業担当者必見】 営業リストを無料で作成する方法を解説!おすすめツール3選もご紹介 営業リストで新規開拓の成果が変わる?営業効率をアップさせるリストの作成方法とおすすめサービス ▼管理職・決裁者・経営幹部の方向けのコンテンツはこちらです。 組織心理学とは?企業の生産性と従業員エンゲージメントを科学する! 組織構造とは?主な形態とそのメリット・デメリットを徹底解説! 【組織再編の基本】その手法やメリットを分かりやすく解説します。 コーチング型マネジメントとは?従来型との違いやメリットを解説! 新規事業の組織を立ち上げるプロセスとチーム育成のコツを解説 また、マーケメディア(マーケティングの仕事をサポートするサイト)ではマーケティング用の資料がダウンロードできます。デジタルマーケティングの重要度が増す中で、マーケティング情報面でみなさんの仕事をサポートいたします。 マーケメディアでマーケティング資料をダウンロードする
大阪生まれ神戸在住。経済学部卒業後、アパレル業界で営業から商品企画・広告プロモーションを経験。2018年副業でライターを始め、2019年に会社を退職しライターに。Webライティングと並行し電子書籍も鋭意出版中。
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