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目次
なぜ営業マンはヒアリング力を向上させる必要があるのか
営業は、商品やサービスを売るのが仕事です。 売るためには、単に商材をすすめるだけではなく、購入してもらうための説得力が求められます。説得力を高めるためには、相手のことを知り、ニーズを的確にくみ取らなければなりません。 そこで、ヒアリング力が必要となります。 ヒアリングの段階で、相手の状況や課題をどれだけ把握できたかによって、その後の受注率は大きく変わってくるからです。自社の商品やサービスの話ばかりをしたり、不十分なヒアリングでニーズを把握できなかったり、情報収集だけで終わってしまったりすると、次の段階に進めません。 しかし、ヒアリング力を向上させれば、相手の状況をつかめるようになり、隠れているニーズを掘り起こせるようになります。そして、良い提案ができるようになるのです。 つまり、ヒアリングは、相手の要望に沿った提案をするための大事な下準備なのです。ヒアリングで得られるメリットとは
ヒアリングは、お客様の理解を深め、潜在的なニーズを知るための非常に重要な営業プロセスです。 ヒアリングすることで、多くのメリットが得られます。- ・コミュニケーションが円滑になる
- ・商談の主導権を握れる
- ・お客様の現状や課題を知ることができる
- ・お客様が求めていることや価値観への理解が深まる
- ・隠れていたニーズを把握できる
- ・信頼感が高まる
ヒアリングの基本的な流れとコツ
ヒアリングは、お客様が話をしやすい雰囲気をつくり、気持ちよく話してもらうことで隠れたニーズを引き出せすことが目的です。この段階で自社の商材をアピールすると、信頼感が損なわれるので避けましょう。 今回ご紹介するヒアリングのコツは以下の5つです。- ①アイスブレイク(雑談)で打ち解けやすい雰囲気をつくる
- ➁お客様の現状と抱えている課題や問題をヒアリングする
- ➂課題に対して役に立てることを明示する
- ④自社商品・サービスの説明
- ➄次回の商談の日程を決める
①アイスブレイク(雑談)で打ち解けやすい雰囲気をつくる
いきなり本題に入るのではなく、リラックスしてもらえるような会話からスタートします。 相手のことをよく知らない状態では、興味を持っている話題をピンポイントで提供するのは難しいので、事前にアイスブレイクで使えるネタを蓄えておくことが大切です。 特に初対面の場合、緊張をほぐすためにアイスブレイクは非常に有効となります。 天候や地域の話題、業界ニュースなど、一般的な話題や、話に乗りやすい話題を選び、気軽に話せるような雰囲気づくりを心がけましょう。 相手が話を聞いているだけの受け身の状態から、自発的に話す状態へと持っていくことが大切です。➁お客様の現状と抱えている課題や問題をヒアリングする
アイスブレイクで距離が縮まったら、営業マンは聞き役に回りましょう。 相手主導で話が進むように促し、自発的に話してもらうことでニーズを引き出します。 この段階では、必要な情報を聞き出すことに必死にならないよう、注意が必要です。➂課題に対して役に立てることを明示する
商材を導入することで相手が得られるメリットと、導入しないことのデメリットを伝え、具体的なイメージが膨らむように話をします。 ビジュアルや動画を使ったり、ユーザーのコメントを交えたりして、商材の魅力ができるだけ相手にリアルに伝わるように工夫しましょう。 相手の規模や環境に近い事例を用意しておくと、よりイメージしてもらいやすくなります。④自社商品・サービスの説明
お客様の反応を見て好感触と感じたら、いよいよ自社商品をアピールしていきます。 相手にとって有益となるような商材の魅力や、このタイミングで契約するとメリットがある、といったことを伝えましょう。 質問が上がった場合は、売り込むことに夢中にならず、まずは質問にしっかり答えることが大事です。➄次回の商談の日程を決める
最後に、次回商談のアポイントを取りましょう。顔を合わせているときに日程を組むことで、商談が流れてしまう可能性を下げます。 次回の商談の日程を決める際には、以下の点に留意するとスムーズです。ここでも相手の意向をしっかりとヒアリングしましょう。- 相手のスケジュールを確認する
- 商談の目的と内容を明確にする
- 商談の場所を決める
- 商談の時間を決める
- 商談の前に確認すること
ヒアリングを成功させる「話し方・聞き方」のポイント
話し方と聞き方のポイントを押さえることで、ヒアリング力は上達します。大切なことは、一方的に話さないことです。あくまでも、お客様が主体であることを忘れないようにしましょう。 今回ご紹介するポイントは以下の3つです。- ・相手の話を聞く
- ・主語を自分ではなく相手にする
- ・自社商材の説明は後回しにする
相手の話を聞く
売れる営業マンの会話は「聞く7割、話す3割」です。 これ以上話す割合が増してしまうと、契約率が減少すると言われています。つまり、しっかり聞くことが重要なのです。 ヒアリング力のある営業マンは、自分の言いたいことを一方的に話すことはせず、黙って相手の話を聞いているわけでもなく、お客様から聞き出すために話しをします。 相づちをして質問や意見をはさみながら、相手の話を促すように誘導するのです。 本音やニーズを引き出すためには、相手主導で話せるように持っていくことがポイントです。主語を自分ではなく相手にする
自分を主語にして話をすると、お客様にとって興味のない内容の場合に、人ごととして捉えられてしまうため関心を持ってもらえません。 しかし、相手を主語にして話すことで、会話の中に相手を取り込めるため、耳を傾けてもらえるようになります。自社商材の説明は後回しにする
自社商材をアピールする前に、それによってもたらされるメリットを伝えます。お客様にとっては、そこから何を得られるか、が重要なのです。 お客様が置かれている状況をしっかりとヒアリングし、どんなストレスを感じ、何を課題や問題としているのかを把握しましょう。 そのうえで、自社商材によってどのように課題や問題を改善できるかを伝えることが大切です。ヒアリングは仮説を立てることが重要
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質問は「現在→過去→未来」の順番が効果的
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SPIN話法でヒアリング力を向上させる
SPIN話法は、最後までセールスせずに相手の話を聞き、潜在的なニーズを引き出していくテクニックです。 お客様の信頼感を得られて商談が成立しやすくなる、という効果があります。 ニーズを掘り下げるために、4段階の質問「Situation(状況質問)」「Problem(問題質問)」「Implication(示唆質問)」「Need-payoff(解決質問)」を順に投げかけていきます。 Situation(状況質問) どのような商品やサービスを使用しているかといった、相手の現状を知るための質問をして、ニーズを探ります。 Problem(問題質問) 状況質問で聞き出した情報から、お客様が抱えている課題や問題を引き出すための質問をします。 クローズドクエスチョン形式(Yes/Noで答えられるような質問形式)にすると相手の考えが明確にわかるようになりますが、立て続けに質問をして尋問のようにならないよう、注意が必要です。 Implication(示唆質問) 問題を先延ばしにすると今後どのような不利益につながるのか、解決することでどれくらいの利益がもたらされるのかといったことは、お客様自身が理解していない場合があります。 そこで、問題の重要度を理解してもらうための質問をします。 Need-payoff(解決質問) 問題解決のために必要なことは何か、導入することでどのようなメリットがあるのか、ということを、お客様自身の口から引き出すための質問をします。 ここで営業マンが売り込むと、これまでの一連の流れが売るための行為と感じられてしまうので、お客様が自ら問題を解決したいと考えて口に出すまでは待ちの姿勢です。そうすることで、信頼関係を築けるようになります。営業質問の基本「BANT情報」を活用する
BANT情報とは、Budget(予算)Authority(決裁権)Needs(必要性)Timeframe(導入時期)の頭文字を取ったもので、ヒアリングスキルの一つです。 この4つの項目をヒアリングすることで具体的な提案がしやすくなり、案件ごとのヒアリング内容のバラつきがなくなります。 Budget(予算) Budget(予算)は、自社の製品やサービスを実際に購入するための予算の有無を確認します。 提示する見積の金額を先方が確保できるのか、また確保できるのであればその時期はいつ頃かを把握できればOKです。 Authority(決裁権) 決定権が誰にあるかを確認します。 アプローチをかけるべき相手に直接提案することで、成功率を上げることができます。 Needs(必要性) 企業としての必要性を把握し、提案内容と相手の要望が合致しているかどうかを確認します。 Timeframe(導入時期) 提案を気に入ってもらえても、導入時期が未定の場合は、いつ発注してもらえるかわかりません。 そのため、具体的な導入時期が決まっているかを確認します。傾聴力を身につけて営業力を上げる
傾聴力は、相手の話に丁寧に耳を傾け、相手が伝えたいことに対して共感と理解を示すコミュニケーションスキルです。 営業マンが自社商品を売るためには、相手との信頼関係を築き、ニーズを引き出し、適切な提案をする必要があります。 そのためには、傾聴力が欠かせません。 以下3つのテクニックを身につけて、傾聴力を上げましょう。 ペーシング 相手の話し方や状態、呼吸に、自分のペースを合わせることです。 話すスピード、声の大きさ、音程、スピードなどを合わせることで話し手のストレスを軽減させ、話しやすい雰囲気をつくる効果があります。 また、心の距離が近づき、信頼関係を築ける状態が生まれます。 ミラーリング 鏡のように相手と同じ動きをすることです。 表情、姿勢、声の大きさやトーンを近づけて相手と同調することで、親しみやすい印象や安心感を与えられます。 ただし、過度なミラーリングは、わざとらしくなるので注意が必要です。 オウム返し 相手が言ったことを、そのまま繰り返すことです。 きちんと話を聞いている印象を与え、共感していることを伝えられます。 単に言葉をコピーするのではなく、相手と同じ感情を言葉に乗せることが大切です。 適度に相づちを打つことも、忘れないようにしましょう。信頼度を上げる印象づくりでヒアリング効果を高める
ヒアリングをスムーズに進めるためには、心を開いて打ち解けてもらえるような信頼関係を築く必要があります。 そのためには、身だしなみ、言葉遣い、表情、態度や話し方など、トーク力以外の部分も重要です。 日頃から、相手に好印象を与える見た目や雰囲気作りを心がけることで、信頼感を高めていきましょう。まとめ:ヒアリング力を見直して営業力をアップ!
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