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富山にある製薬会社12社を紹介 富山県と言えば、製薬会社が多いイメージが強いですよね。それもそのはず、なんと富山県には約80社もの製薬業者が存在すると言われています。 製薬会社は東京をはじめ全国にありますが、なぜ富山県にだけここまで製薬会社が多いのでしょうか。 今回は、なぜ富山県に製薬会社が多いのか、また富山県に本社を構える大手製薬会社の特徴などについてお話します。

1.富山と製薬の歴史

富山と製薬の歴史 富山と薬の歴史の始まりは、江戸時代にまでさかのぼります。1690年、富山藩2代藩主である前田正甫(まさとし)が持っていた「反魂丹(はんごんたん)」が、大名の腹痛を治したという逸話があります。 そして、それを見ていた大名たちが薬を売って欲しいと懇願したこともあり、前田正甫は富山から全国に向けて薬の行商販売を始めたのだそうです。 現在も続く配置薬のシステムも富山発で、富山藩主の前田正甫の「用を先に利を後にせよ」の考えから生まれたものでした。 その後も富山藩主は代々、「反魂丹役所」を設置したり、薬草鑑定や研究、売薬商人の教育などに力を入れたりしたため、富山県の薬産業の発展につながったのです。

2.富山に製薬会社が多い理由

富山県は薬の長い歴史を持っているとお話しましたが、富山県に製薬会社が多い理由はほかにもあります。 それは、富山県に製薬や輸送に適した環境が整っているからです。富山県に製薬会社が多い理由を3つお話します。

①電力が安い

富山県は、全国的に見ても電力が安いと言われています。富山県周辺の地域に電力を供給している北陸電力は、大手の中では比較的電力が安いというデータがあるようです。 また、水資源が豊富なこともあり、富山県は水力発電にも積極的で安定的に電力を供給しているのも有名かと思います。 製薬には、薬の原料の撹拌や充填など機械で行う手順が多いです。 そのため、その機械を動かすために欠かせない電力が安価なことは、製薬をはじめとするさまざまな産業が富山で発展している大きな理由と言えるでしょう。

②水資源が豊富

富山県は水資源が豊富なことも、製薬会社が多い理由のひとつと言われています。 富山県と言えば、自然が豊かで日本海にも面しています。山も多いので、海だけでなく河川も多いのが特徴です。 流れが急な河川も多く、水の流れるスピードが速いことから、水が汚染される隙がないのが特徴です。さらに、富山県は地質的に水のろ過システムが優れていることから、水質が良好とされています。 こうした富山県のさまざまな環境的な要因が重なり、日本国内でも富山県の水の質と量はトップレベルなのだそうです。 薬や化粧品などの製造に水が利用されますが、特に薬には安全性の高い水が必要です。豊かで良質な水資源が多い富山県だからこそ、製薬会社が発展したと言えるでしょう。

②交通網が整っている

富山県は交通網が整っていることも、製薬会社が多い理由のひとつです。 薬の原材料や製造した薬の輸送などには、交通インフラが必要です。その点、富山県には伏木富山港、富山空港、北陸自動車道、北陸新幹線などがあります。 空、海、陸、どの手段で輸送するにも交通の便が豊富で利便性が高いため、富山県には製薬会社が集中しているのでしょう。 また、富山は製薬会社だけでなく工場も多い、二次産業が盛んな県として有名なのも、交通網が整備されている何よりの証拠と言えます。

3.富山にある製薬会社12社

富山にある製薬会社12社 数ある富山県の製薬会社の中でも、代表的な製薬会社を12社とそれぞれの特徴をご紹介します。

富山の製薬会社① 東亜薬品株式会社

富山化学工業株式会社の関連会社として、1940年に富山で生まれた製薬会社です。医薬品と医薬部外品の研究開発、製造・販売、輸出などを担っています。 創業80年という長い製薬の歴史の中で、大手メーカーからの受託開発や製造、OTC医薬品の開発を行い、高い技術力に定評があるようです。 東亜薬品の看板商品である「かぜピラ」は、過去に40万帖販売した記録が残っているほど人気を集めました。 また、関連会社として「日東メディック株式会社」「リードケミカル会社」を設立しています。 会社情報はこちら 東亜薬品株式会社

富山の製薬会社② 富山小林製薬株式会社

「あったらいいなをカタチにする」でおなじみの小林製薬株式会社からの出資で、メイン工場として1982年に富山で設立された製薬会社です。 「アイボン」「のどぬ~るスプレー」「命の母」「タフデント」など、お店やテレビCMなどで目にしたことのある小林製薬400以上の商品を製造しています。 小林製薬のメイン工場として、製造だけでなく商品化に向けた試作や検証、承認申請なども行っているのが特徴です。 そのため、製品の企画から13カ月程度という非常に短期間で店頭に並ぶ商品が多いのも注目すべきポイントです。 会社情報はこちら 富山小林製薬株式会社

富山の製薬会社③ 株式会社池田模範堂

1948年創立、東京や大阪などに全国に営業所を持つ富山の製薬会社です。 池田嘉市郎が富山で1909年に家庭配置薬販売を創業したのが始まりで、長い歴史があります。 「社会の模範となる会社になりたい」という思いからこの会社名が付けられたそうです。 池田模範堂の看板商品とも言える「ムヒ」は、1926年に販売を開始されたロングセラー商品です。 当時は業界初となる人気キャラクター(アンパンマン)を採用した目薬や風邪薬や、虫よけ、皮膚トラブルにまつわる医薬品など、店頭でよく目にする商品の多くを製造・販売しています。 また、1962年より製品の海外輸出も始め、現在は香港、台湾、マレーシア、シンガポールマカオに提携代理店を持っています。 会社情報はこちら 株式会社池田模範堂

富山の製薬会社④ 日東メディック株式会社

1994年創業の富山の製薬会社です。医薬品・医薬部外品の製造・販売、輸出入や、医薬品の製造・販売に必要な試験の受託などを行っています。 内服薬や外用剤などを扱っていますが、中でも点眼液の製造・販売が盛んで、「点眼薬製造・販売のスペシャリスト」として、人々の健康を支えています。 世界でも通用する製造基準を準拠した第3製造棟では、先進の設備で薬の製造から充填、出荷までを行っているそうです。 会社情報はこちら 日東メディック株式会社

富山の製薬会社⑤ 日医工株式会社

1965年創業の、富山県に本社のある製薬会社です。医薬品や医薬部外品などの製造・販売・輸出入を行っています。 低価格で製造したジェネリック医薬品を必要としている人々に提供し続けられるよう努力し、ジェネリックメーカーとしても卓越するという目標を掲げています。 国内だけに留まらず、海外にも生産拠点を持っています。 会社情報はこちら 日医工株式会社

富山の製薬会社⑥ 第一薬品工業株式会社

1942年に富山で生まれた製薬会社です。医薬品、医薬部外品、健康食品、医療機器などの製造・販売を担っています。 主な取引先に、エーザイ、大正製薬、シオノギヘルスケアなどがあります。薬の受託製造や配置薬、OTC製剤の開発と、薬にまつわる幅広い業務を行っています。 楽天市場に直営店も持ち、時代に合わせた販売方法を取り入れているのも特徴です。生薬配合の昔ながらの医薬品から、解熱鎮痛薬、鼻炎薬など、風邪薬などを取り扱っています。 会社情報はこちら 第一薬品工業株式会社

富山の製薬会社⑦ 福寿製薬株式会社

1950年創業で、軟膏剤の生産から始まった富山の製薬会社です。 医療用医薬品の原薬・中間体の製造・販売や、開発や分析方法開発の受託、医薬品原料の製造や粉砕などの業務を行っています。 薬の最も重要とも言える「有効成分」である原薬や、中間体の安定供給を目指しています。 国内で福寿製薬のみが製造している原薬もあり、エーザイ、アステラス製薬、大正製薬、塩野義製薬など、数多くの取引先企業を持ちます。 会社情報はこちら 福寿製薬株式会社

富山の製薬会社⑧ 協和薬品株式会社

1978年創業の、富山にある製薬会社です。サプリメントや健康食品など、健康と美容をサポートする商品を数多く製造・販売しています。 また、製造・販売だけでなく企画や提案、研究、アフターフォローまでを行っています。 企画した商品をできるだけコストを抑えかつ迅速に市場へと送るために、万全の体勢を整えているそうです。 会社情報はこちら 協和薬品株式会社

富山の製薬会社⑨ 株式会社廣貫堂

1876年創業の富山にある製薬会社です。富山に3つの自社工場を持ちますが、そのすべてが最新のGMPの管理基準をクリアしています。 医療品の製造や試験の受託業務を行っており、医療用医薬品、ジェネリック医薬品、治験薬、一般薬、プライベートブランドなど、幅広く対応しているのが特徴です。 また、薬局のほか、官公庁や事務所などの販売ルートを持ち、台湾、タイ、香港、韓国などにも商品を輸出しています。 会社情報はこちら 廣貫堂株式会社

富山の製薬会社⑩ 金剛薬品株式会社

試薬・工業薬品の販売のために、1946年に創立された富山の製薬会社です。 取り扱う商品は医薬品やサプリメントだけに留まらず、調味料や化学飼料、分析試薬、化学工業薬品、化粧品の原料など、幅広いのが特徴です。 これまで2000社を超える、国内外の製造メーカーの商品を取り扱ってきました。 製薬会社としての長い歴史の中で培ってきた実績や信頼、豊富な情報を強みに、続々と新しい商品を世に送り出しています。 会社情報はこちら 金剛製薬株式会社

富山の製薬会社⑪ リードケミカル株式会社

1969年創業で、救急ばんそうこうの製造事業から始まった富山の製薬会社です。主に医薬品の製造・販売を行っています。 国内で初めて経皮吸収型製剤を開発した、経皮吸収のパイオニア企業でもあります。 「ロキソニン®パップ」「ロキソニン®テープ」などは、国内だけに留まらず海外でも販売し人気を集めています。 会社情報はこちら リードケミカル株式会社

富山の製薬会社⑫ 株式会社パナケイア製薬

2008年創業の比較的新しい、富山の製薬会社です。現在の社名に変わる前は、「中田製薬株式会社」という社名で、1925年に富山で設立されました。 一般用医薬品のOEMの製造をはじめ、医薬品、医薬部外品の製造、清涼飲料水の製造などを行っています。 コラーゲンドリンクやウコンドリンクなどのドリンク類の製造には特に長けており、ドリンク調製室には、25万本もの薬液が製造できる、25トンの調製タンクが2基あります。 会社情報はこちら 株式会社パナケイア製薬 富山の製薬会社の売上高ランキングについてはこちらをご覧ください。 富山県の製薬会社!売上高ランキング!医薬品業界についてもご紹介

4.富山の製薬会社まとめ

富山の製薬会社まとめ 富山県と製薬の歴史や製薬会社が多い理由、また富山県にある製薬会社の特徴などについてお話しました。 富山県にある製薬会社はとても多いので、今回ご紹介することのできなかった企業もまだまだあります。 製薬会社だけでなく、医薬品の卸売企業や製薬工場など、関連企業も多数見つけることができます。 長い歴史があり、レベルの高い製薬工場を持つ富山の製薬会社は、私たちの健康な毎日に欠かせない企業と言えそうです。

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