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プリセールスエンジニアってどんな職業? プリセールスエンジニアという職種を知っていますか。営業プロセスを細分化して効率を高めてきた外資系企業で生まれた職種ですが、多様化するお客様のニーズに対応するため、日本企業でもその重要性が注目されています。 「プリセールス」とも呼ばれることのあるプリセールスエンジニアについて、仕事内容と必要なスキルを解説します。

プリセールスエンジニアは製品購入前の顧客担当

多くのIT系外資企業では、営業プロセスを「ターゲットの創出」「アポイント獲得」「商談」「提案」「受注」「導入」「アフターフォロー」といったフェーズに分け、それぞれを専門のチームが担当する形式をとっています。プリセールスエンジニアはこのうちの「商談」「提案」を担当します。 プリセールスエンジニアとは、「受注・導入」の前段階を担当するセールスエンジニアということで、プレオープン・プレシーズンマッチなど「ある物事の前段階」という意味で英語の「pre」が使われています。より本来の発音に近い「プリ」と表記されることからも、外資系企業に由来することがうかがえます。 商談を担当するなら、「それは営業担当者なのでは」と感じるかもしれませんが、プリセールスエンジニアとは別に、お客様対応を領域とする営業担当者も存在します。プリセールスエンジニアの業務は、専門的なIT知識で営業担当者をサポートすることなのです。

プリセールスエンジニアの具体的な仕事内容

プリセールスエンジニアってどんな職業? プリセールスエンジニアは、営業担当者と協働しながら受注というゴールに向かうため、企業の売り上げにも直結する重要なポストです。プリセールスエンジニアの具体的な仕事内容について以下の3つのポイントを中心にご紹介します。 ・製品紹介や活用法の提案など ・営業のサポート ・開発部への橋渡し

製品紹介や活用法の提案など

プリセールスエンジニアは、一般的な営業担当者よりも深い知識と専門的な視点から、自社製品の紹介や活用法の提案などを行います。また、お客様に対して話すときには、相手のIT知識に合わせてトークを展開します。 一定の知識がある人へ、基礎的なことからいちいち事細かく用語の説明をしていたら相手は気分を害してしまうでしょう。逆にIT技術に詳しくない人へ専門用語を畳みかけては「よくわからないから導入しない」という結論に至りかねません。相手の反応をみながら、その場にふさわしい言葉を選ぶには高度なトークスキルと製品やIT技術への深い理解が必要です。

営業のサポート

営業のサポートとは「営業担当者の指示通りに動く」ということではありません。営業担当者の提案内容が実現可能かどうかチェックしたり、提案に則したデモンストレーションの準備をしたり、ここでもIT技術と製品や開発工程に関する知識が必要になります。 営業とプリセールスエンジニアは、営業担当者が新規のお客様やルート営業で「製品に興味を持ってもらう」というところまでを担当し、具体的な説明はプリセールスエンジニアが担当するというように、異なる職種なのです。

開発部への橋渡し

お客様からの要望を整理し、開発部門へ伝えるのもプリセールスエンジニアの仕事です。IT知識の乏しい営業担当者が安易にお客様の要望を引き受けてしまうと、「IT技術でなんでもできる」「納期には影響ない」といった誤解を招いてしまうことがあります。 開発工程に詳しいプリセールスエンジニアが間に入ることで、実現可能な範囲でのカスタマイズで納得してもらい納期への影響を最小限にとどめたり、プロジェクトを大きくして適切な見積もりを提示したりすることができるのです。

プリセールスエンジニアのキャリアパス

プリセールスエンジニアってどんな職業? プリセールスエンジニアは、「IT技術に詳しい」「人との関わりが好き」という人に向いている仕事だといえます。プリセールスエンジニアになるためには、どんな経験が必要なのでしょうか。また、プリセールスエンジニアを経験した人には、どんなキャリアが期待できるのでしょうか。 それぞれについて、プリセールスエンジニアのキャリアパスをみていきましょう。

営業職から

営業担当者が日々の営業活動のなかで「もっと詳しく説明したい」「お客様企業のためにより良いものを提案したい」と感じてプリセールスエンジニアを目指すというケースがあります。営業スキルが十分に身についていてお客様との関係も良好ならば、自社製品についてもっと学んだり、IT技術を独学で身につけたりすることで、プリセールスエンジニアへステップアップできるでしょう。

エンジニアから

プログラマーやシステムエンジニアを経験したのちに、「社会に役立つIT技術をもっと広めたい」「ユーザーの反応を生で感じたい」といった動機からプリセールスエンジニアを目指す人も多くいます。これまで培ってきITTI技術のスキルがセールストークの武器となるため、一般的な営業よりも好待遇で迎えられることが多いでしょう。 プリセールスエンジニアの業務は、お客様との信頼関係の構築や営業セクション・開発部門との連携などでコミュニケーションスキルを必要とします。パソコンや機械と向き合うことの多かった技術畑の人は、ヒューマンスキルを磨くことでプリセールスエンジニアに近づけるでしょう。

将来的にはITコンサルやPMを目指す人も

プリセールスエンジニアからのステップアップには、ITコンサルやプロジェクトマネージャ、セールスマネージャーなどがあります。将来的にどの方面を目指すのか、意識しながらキャリアを積むと良いでしょう。 ・ITコンサルタント プリセールスエンジニアは、自社製品やサービスの販売・契約のために専門性を発揮しますが、ITコンサルが取り扱うのはより幅広い製品やサービスとなり、必要となる知識量も膨大なものです。プリセールスエンジニアでは提案活動そのものに対価が払われることはなく、契約できて初めて売上達成となりますが、ITコンサルなら、相談業務・提案活動そのものに対価が払われるようになります。 ・プロジェクトマネージャ プロジェクトマネージャは、プロジェクトが滞りなく進むよう人員や予算、進捗確認などに責任を持ちます。現場との対応力が必要なプロジェクトマネージャでは、プリセールスエンジニアで培った調整力が活かせるでしょう。 ・セールスマネージャー プリセールスエンジニアのキャリアがあれば、営業系の最上位職ともいえるセールスマネージャーを目指すこともできます。セールスマネージャーは、後進の育成や顧客管理、営業戦略など経営陣に近い業務を担当することになります。

プリセールスエンジニアに必要なスキル・資格

プリセールスエンジニアの仕事には、IT知識と営業スキルが必要です。これからプリセールスエンジニアを目指す人は、自身の経験やスキルを洗い出して、必要な勉強を進めたり、資格取得を目標にしたりすると良いでしょう。また、現在プリセールスエンジニアである人も、不足しているものを補い、さらなるスキルアップを目指してみてはいかがでしょうか。 プリセールスエンジニアの仕事に活かせる資格とスキルをご紹介します。

製品に関連する資格の取得

プリセールスエンジニアになったときに扱うであろう製品に関連する資格をあらかじめ取得しておくと、スキルの証明になり、仕事に対する熱意も伝わるでしょう。 ・基本情報技術者/応用情報技術者 ・システムアーキテクト ・ITストラテジスト ・Oracle認定Java資格/ORACLE MASTER ・マイクロソフト認定資格プログラム ・シスコ技術者認定 など

英語力を磨く

ITに関する文献は英語圏から発信されることが多く、英語力があればそれらの情報に直接アクセスすることができます。また、プログラム言語も英語をベースに開発されているため、英語力のある人の方が、習得が容易だと感じるでしょう。 それだけでなく、英語力があれば外資系企業とのやり取りも自分でできるので、商談相手に関わらずスムーズな提案や問題解決が可能となるでしょう。

対人コミュニケーション能力

営業の現場では、お客様との信頼関係が契約の決め手となることもあり、コミュニケーション能力は非常に重要です。エンジニアからプリセールスエンジニアを目指すなら、チームプロジェクトでの折衝役をかってでたり、営業に同行させてもらったりしながら経験を積んでおきましょう。対人スキルに自信のない人は、ビジネス研修やオンラインスクールなどで、足りない部分を学ぶのも良いでしょう。

まとめ

プリセールスエンジニアは、営業担当者と協力してお客様のニーズをかなえる提案をしたり、案件の実現性をチェックしたりするのが仕事です。IT技術によるDX(デジタルトランスフォーメーション)が進められている今、需要が高まっているため人材不足だともいわれています。 ITに関する深い知識とお客様との信頼関係を構築するための営業スキルを身につけて、市場価値の高いプリセールスエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。

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