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事業の成長には営業活動が欠かせませんが、戦略を立てて進めなければ現場が混乱したり顧客ニーズからかけ離れてしまったと、せっかくの営業活動が無駄になってしまいます。

ところが「営業戦略の立て方がわからない」というビジネスパーソンは意外に多く、実は戦略なしで進めているという組織も少なくありません。

そこで今回は、効果的な営業戦略の組み立て方についてご紹介します。本記事で紹介するのは5段階のステップで進める方法で、各プロセスについて解説しているので、今後の営業戦略立案に役立ててください。

効果的な営業戦略とは

もともと「戦略」という言葉は戦争にまつわる言葉で、小学館のデジタル大辞泉では「戦争に勝つための総合的・長期的な計略」と書かれています。

つまりビジネスシーンにおける「戦略」とは、いかにして自社が敵(他社)より優位に立ち市場で勝ち残るかという方策のことを指します。

これを営業の場面に置き換えて考えると、市場で優位に立ち自社の商材を購入してもらうための方策が「営業戦略」であると表現するとわかりやすいでしょう。事業の成長に欠かせない営業戦略ですが、やり方を誤ったり勢いで進めてしまったりすると失敗を招いてしまうことにもなりかねません。

効果的な営業戦略を実行するためには「調査/分析」「営業課題の把握」「営業目標の設定」「営業戦術の策定」「PDCAサイクル」という5ステップで進める必要があります。全てのステップが重要ですが、特に準備段階を疎かにしてしまうと後々のステップにも影響が出てきてしまうため、準備は念入りに行ってください。

1.調査/分析を行う

効果的な営業戦略を立案するためのファーストステップは、十分なリサーチやデータ収集を行い、それらを基に分析することです。これらが不足していたり、自社の都合のみで進めてしまうと、的外れの営業戦略になってしまう可能性もあります。

調査や分析は主に「市場」と「自社の状況」の二つの視点で行いましょう。

市場環境を把握する

市場を取り巻く環境を理解することで、ターゲットとなるユーザーのニーズや競合他社の状況を把握することができます。業界や自社商材の市場だけでなく、社会情勢や地域経済など多角的な視点からもデータ収集を行うことで、今後の市場予測を立てやすくなるでしょう。

マクロ視点からの分析のフレームワークは、政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)の頭文字を取った「PEST分析」などが有名です。

自社の営業状況を客観的に分析する

環境因子だけでなく、自社内の状況についても客観的に理解しておきましょう。

営業担当者別・商材別・顧客別・チャネル別など、多角的な売上分析を行うことで自社の強みやボトルネックが見えてきます。また、営業担当者別や商材別のリードタイムや訪問回数などの営業活動を分析すると、営業リソースやコストなども把握することができます。

客観的な分析をするためには、数値化できるものは数値で把握しておくことが理想的です。

2. 営業課題を洗い出す

現状を把握できたら、自社の営業課題を洗い出していきましょう。

「リードタイムが長くても短くても受注率は変わらない」「失注理由で一番多いのは機能面の問題」「競合他社と価格競争になってしまっている」などの課題が判明すれば、改善すべきポイントも見つかりやすいはずです。

また、営業担当者一人ひとりにヒアリングしたり、チームで話し合ったりするなど、現場の声を吸い上げることも大事。現場で感じているニーズの多様化や営業体制への不満などはデータ調査では得ることができない情報です。

今後の社会の流れなどを予測しながら、自社にとって脅威となりそうなものや今後課題となりそうなことを洗い出すのも有効です。

3. 実現可能な営業目標を設定する

過去の実績や営業リソースを把握できたら、それを基に営業目標を立てましょう。「顧客満足度を上げる」などの抽象的なものではなく「利益率○%」「受注率○%」「売上金額が前年度より○%アップ」など数値化した目標を設定することで、より精度の高い戦術を実行することができます。

また、数値で目標設定をすると効果測定など検証する際にも分かりやすいというメリットもあります。このとき、実現可能な無理のない範囲内の目標にすることもポイントです。高すぎる目標だとなかなか実現できずにせっかくの戦略も無駄になってしまったり、社員のモチベーションが下がってしまったりするからです。

そして、最終的な営業目標がいくつもあると現場は混乱してしまうので、シンプルに一つだけに絞りましょう。

軸となる目標があれば、社員全員がそれに向かって進みやすくなります。

ちなみに、ここで立てる目標はKGI(Key Goal Indicator)=重要目標達成指標といい、最終的に達成したい目標のことを指します。

4. 営業戦術を打ち立てる

営業目標が設定できたら、その目標を達成するための具体的な営業戦術を立てていきます。

最終的な目標数値を達成するためにどんなことをすべきかを因数分解して考えると、戦術を組み立てやすくなるでしょう。

例えば「6ヵ月で売上○万円」というKGIがあれば「1ヵ月での訪問件数○件」「一人あたりのテレアポは一日○件」などいくつかのやるべきことが定まるはずです。このとき、担当者や期限も決めておくと後述のPDCAサイクルのときにも役立ちます。

また、最終目標を達成できるように営業戦術の目標数値も定めましょう。営業目標と同様に無理のない範囲にすることで、社員のモチベーションを維持しつつ、それぞれがやるべきことに向かって行動しやすくなります。

ちなみに、最終的な目標(KGI)を達成するための各プロセスの目標数値をKPI(Key Performance Indicator)=重要業績評価指標といいます。営業戦術のそれぞれの目標数値はKPIといっても良いでしょう。

5. PDCAサイクルを実施する

営業戦術を実行ようになったらPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)のPDCAサイクルも必ず回すようにしてください。やったらやりっぱなしではなく「KPIをクリアしているのか」「KGIに対する進捗状況や達成度はどのくらいか」などを測定し、次の改善策につなげましょう。

PDCAは計画がうまくいっているときでも必ず行うようにしてください。定期的に見直しや振り返りをすることで営業戦術をブラッシュアップしていき、より効果の高いアクションにしていくことがポイントです。

まとめ

今回は、効果的な営業戦略の立て方について解説しました。

より効果的な営業戦略にするためには、準備段階と怠らないことと、実行するだけでなく振り返りをして改善していくことが重要だと理解していただけたと思います。

会社の成長のカギを握る営業戦略の5ステップを、自社にも取り入れてみてくださいね。

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