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営業という仕事には多くの種類があります。顧客の新規獲得を狙ったものから、既存顧客を相手にするものなど目的はさまざまです。

中でも「御用聞き営業」というものは、顧客の元へ定期的に伺い、用事を聞くという仕事ですから、他の営業に比べると楽なイメージがあるかもしれません。しかし、御用聞き営業はただ顧客をキープするだけの仕事ではないのです。

実際の御用聞き営業の目的とはどのようなものなのでしょうか。また、受け身で積極的に御用聞き営業ができない業態から脱却するためには、どのようなことをする必要があるのでしょうか。

御用聞き営業とは?

御用聞き営業とはどのようなものですか?という質問に対して、例に挙がりやすい人物といえば、アニメ「サザエさん」に登場する「三河屋の三郎さん」ではないでしょうか。

毎日決まった時間に「ちわー、三河屋です。」と、勝手口から登場し、その日に必要なものを伺いそれらを持って来るという仕事をしています。磯野家の家族からは「サブちゃん」と呼ばれ、すっかりお馴染みの人物となっています。

御用聞き営業とは、担当となった人物が定期的に顧客のもとへ足を運び、顧客の御用を聞き注文を受け、納品する、という仕事である。

さまざまな職種で御用聞き営業は行われていますが、代表的なものとしては病院まわりをする薬品会社や食品会社、企業を相手にした配送業などが挙げられるのではないでしょうか。

メリットもある、御用聞き営業

毎回顧客のもとへ足を運び注文を受けることは、一見効率がよくないようなイメージはありませんか。行けば必ず注文をしてくれる訳ではなく、特に欲しいものがない場合には注文を受けることはできません。しかし、この御用聞きという手法が昔から変わらずに今でも行われているということは、大きなメリットもあるからなのです。

なぜ、御用聞き営業が用いられているのでしょうか。また、デメリットがあるとするのならば、どのような点が挙げられるのでしょうか。

御用聞き営業のメリットとは

御用聞きの最大の強みは「便利さ」でしょう。用事があるたびに、顧客からわざわざ連絡をするということが必要なく、放っておいても来てくれるのです。必要なものをお願いすれば、取りに行く必要もなくサービスを受けることができるのです。長く通えば通うほど、顧客の好みやタイミングを把握できるので、阿吽の呼吸のようなものも成立し、ますます便利になり、顧客からすれば、余程のことがない限りこの便利さを手放すことはありません。

また人間は当然、あまり面識のない人物より、お馴染みの人物を優先します。競合他社が来た場合でも、似たような条件なのであればお馴染みの方が選ばれる可能性も高いものになります。

デメリットもある

便利な御用聞きがピンチに陥るのは、競合他社が価格競争を仕掛けてきた場合です。御用聞きは、特に低価格に設定しておかなくても、利便さで顧客が利用してくれる場合も多いもの。

もし、競合他社の影響により、顧客からサービス価格の値下げを要望された場合、価格競争に陥る場合があります。取引が大きい場合であれば可能でしょうが、そうではない場合は撤退も余儀なくされます。

また、御用聞きを抱えている顧客は、他社のサービスを購入しづらい状態にあるとも言えます。顧客のニーズに合わなければ、乗り換えられることもあるため、常に多くのサービスを取り揃えておかなくてはなりません。

御用聞き営業から脱却!ステップアップする方法

御用聞き営業は、ただ決められたルートをまわり、決められたことをすれば良いのではありません。毎日同じことばかりを繰り返すだけでは、今以上に売り上げをアップさせることはできませんし、そればかりか現状を維持することすら難しくなります。

いわゆる「単なる御用聞き」の営業から脱却したいのであれば、これからご紹介する方法を試してみましょう。ステップアップするポイントをお伝えします。

商品提案営業へ発展させる

積極的な営業を行うイメージが強いものと聞けば「コールセンター」が思い浮かぶのではないでしょうか。

すでに自社製品を購入している顧客に現在のモデルよりも高額なモデルに乗り換えてもらう手法を「アップセル」、顧客が購入したものに付属する製品をプラスで購入してもらうという手法を「クロスセル」と言います。いずれも顧客単価を上げるための営業手法です。コールセンターのスタッフは、電話で相手と話すという限られた時間の中で、積極的に「アップセル」「クロスセル」を行っています。

コールセンターに比べると、御用聞き営業は顧客にアプローチできるチャンスが断然多いのですから、チャンスがあれば積極的に行いましょう。新製品を紹介したり、便利な付属品をセットで勧めたりということは、常に行うという気持ちを持つことが大切です。さらに言えば、そのために御用聞き営業を行っていると言っても過言ではありません。目指すべきものは「キープ」ではなく「アップ」なのです。

しかし、毎日毎回、顧客と顔を合わせるたびにアプローチをかけていては、顧客がうんざりするのが目に浮かびます。最適なタイミングを見つけ、わかりやすく端的に伝えることが大切です。購買意欲をアップできるような文言を事前に用意しておきましょう。

商品提案営業へ発展させていくことが重要なのです。

ソリューション提案営業へ発展させる

人より成果をあげている営業マンが行っていることと言えば「ソリューション提案営業」です。この営業手法は、御用聞き営業の中での実践することが可能です。

営業とは顧客が望むサービスだけを与えれば良いというものではありません。顧客が抱える問題や課題を解決する方法を積極的に提案していく必要があります。これを「ソリューション提案営業」と言います。課題が明確に分かっているもの以外にも、まだ顧客が気がついていない課題もあります。これらの課題の解決策を提案することで、顧客の信頼を得ることもできます。

まとめ

御用聞き営業は、決められたルートに行けば良いと言うイメージがありますが、現状をキープするだけでなく、少しでも売り上げをアップするということが求められているのです。

定期的に顧客に会うというチャンスはある訳ですから、積極的にアプローチしていたいものです。ですがアプローチの頻度やタイミングは顧客が嫌な気持ちにならない程度に見計らいながら、端的に行いましょう。

御用聞き営業のメリットは、会う回数を重ねるごとに顧客の顔馴染みになれることです。近い距離感に甘えることなく、常に最善の営業を行うことが大切です。顧客のニーズを考えると必然的にやるべきことが見えてきます。良い関係を保ちつつ、自身のステップアップも行っていくことで、受け身の御用聞き営業から脱却できるのです。

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