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IT系エンジニアは将来安心?セールスエンジニアは? 高度情報通信社会として発展している日本では、さまざまなビジネスがIT技術と不可分となっており、その傾向は今後も続くと予想されています。その将来性からIT業界で仕事をしたいという人も多いことでしょう。 中でも「セールスエンジニア」は、営業職と技術職、双方のスキルが必要なため好待遇で迎えられることも多く、注目されています。 IT業界の将来動向予測とセールスエンジニアの将来性について、知っておきたいポイントを紹介します。

現状、IT企業は人材が不足しているが将来的には?

IT系エンジニアは将来安心?セールスエンジニアは? 2019年3月、経済産業省より「IT人材需給に関する調査」(参照:IT人材需給に関する調査(概要))が発表されると、「2030年にはIT人材が最大で79万人不足する」という報告内容が大きなニュースになりました。 IT人材とはエンジニアを始めとしたIT業務に関連したさまざまな職種を指しています。本当に必要なIT人材となるため、人材不足の背景を知っておきましょう。

少子高齢化の働き手不足の影響でIT人材も不足が懸念される

日本社会は1990年代より少子化が進んでおり、働き手不足が課題となっています。経済的な後退を防ぐためにも、効率的な働き方や多様な働き方を整備することは喫緊の課題です。 効率的な働き方を叶えるためのひとつの方策として、IT技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでいます。そのため、専門知識を持ったIT人材の需要が高まっており、IT業界は現時点でも慢性的な人材不足に陥っています。

しかし従来型IT人材はむしろ過剰に?!

前述の「IT人材需給に関する調査」では、従来型のITシステムの受託開発や保守・運用サービスに関する市場を「従来型IT市場」と定義し、2030年までの市場規模を予測しています。2015年の「従来型IT市場」を100とした場合、2020年には93、2025年には71、2030年には51まで縮小していくという結果でした。 対して、同調査ではIoTやAIを活用したITサービスの市場を「先端IT市場」と定義しています。こちらは2015年に3であったものが、2030年には66にまで拡大すると予測されています。 IT市場全体は2015年の100から15年後の2030年には117にまで拡大するため、「IT業界は右肩上がり」との印象を受けますが、内訳をみてみると、「従来型IT市場」は縮小傾向にあり、これらの仕事に従事する職種の「従来型IT人材」はむしろ過剰となっていくことが予想されます。

不足が懸念されているのは「先端IT人材」

「先端IT市場」の急速な拡大に対して、「先端IT人材」の教育や「従来型IT人材」からの転換が追い付かず、人材が不足していくことが懸念されます。「先端IT人材」の需給とのギャップは、「先端IT市場」の拡大率が年あたり16.1%の場合、2030年には12.4万人になると見込まれています。 「IT業界で働きたい」という希望を持つなら、「従来型IT人材」と「先端IT人材」の違いを知って、自身の専門分野を具体的にイメージしておくことを提案します。

ではセールスエンジニアの将来性は?

IT業界は人材不足とはいえ、将来的にはスキルによっては人材が過剰になってしまうと予測されている職種もあることが分かりました。それでは、近年注目されている「セールスエンジニア」の将来性はどうでしょうか。セールスエンジニアの仕事内容から、将来性を読み解いてみましょう。 セールスエンジニアの皆さんや、これからセールスエンジニアを目指す皆さんは将来性を踏まえながら自身のキャリアプランを設計して行きましょう。

セールスエンジニアの仕事内容

セールスエンジニアは営業担当者をIT技術の専門知識でサポートする仕事です。 顧客との関係構築を得意とするのが営業なら、セールスエンジニアは、製品やサービスの先進性や信頼性、お客様企業での活用方法などをわかりやすく伝えます。営業担当者ではフォローしきれない技術的な問い合わせに答えたり、お客様の要望によって見積もりや納期がどのように変化するかを説明したりすることも。 魅力的な提案や確実な回答には、IT技術の専門知識が必要なため、エンジニアからジョブチェンジしたという人も多い職種です。

セールスエンジニアの将来性は非常に高い

「先端IT市場」が拡大傾向にある今、IT技術やシステムが複雑化する一方で顧客となりうる業界は普遍的になり、IT企業では「営業先に事欠かない」という状態が期待できます。 さらには、従来型IT市場のように「システム部門の担当者へソフト開発の営業が商談を持ち込む」という構図ではなく、ごく普通の人々へ「先端技術を説明する」「理解してもらう」「魅力を感じてもらう」ということが大切になります。そのためセールスエンジニアが活躍する場はますます増えていくことでしょう。

おすすめはAI、IoT、ビッグデータ、クラウドなどの分野を扱うセールスエンジニア

セールスエンジニアの業務にはIT知識が欠かせません。しかし、IT知識が「従来型IT市場」に関わるもののままでは、将来性のあるセールスエンジニアとはいえないでしょう。 将来的に人材不足が予測されている「先端IT市場」で活躍するセールスエンジニアになるには、AIやIoT、ビッグデータ、クラウドなど、先端技術分野について詳しくなっておく必要があります。

高収入を狙える希少な人材だけに大変な部分も

IT系エンジニアは将来安心?セールスエンジニアは? セールスエンジニアは、営業職のスキルと技術者の知識が必要な職種のため、高収入で迎えている企業が多い仕事です。企業の求めるスキルに届く人材が希少なために、市場価値が高く、人材の奪い合いが起きているともいえます。 先端IT市場で活躍し続けるには、企業の求める人材であり続けるための「努力」と「覚悟」が必要でしょう。

スキルアップや新しい知識のアップデートは必須

セールスエンジニアは、自社の製品やサービスに詳しいのはもちろん、日々更新されるIT技術や業界情報など学ばなければならないことが多く、「今持っている知識だけで戦い続ける」ことは難しいでしょう。 提案の場でシステムのデモ実演をするために、自身でプログラミングを書き起こす必要性が生じることもあります。現場の第一線で働くエンジニアと同等のスキルであるよう、知識をアップデートし続けることが大切です。

営業力に加え社内外での高いコミュニケーション能力が必要

セールスエンジニアに求められている業務は、「専門的な話だけしておけばよい」というものではありません。お客様と営業担当者、営業担当者と開発部門や製品製造部門など、関係各所との折衝も大切な業務です。 プロジェクトの途中で、営業担当者がお客様からの変更の要望をそのまま受けては、「見積もりに収まりきらない・納期に間に合わない」といったトラブルが起きてしまうでしょう。 お客様のニーズを正確にヒアリングして、「必要なカスタマイズだけを受ける」「見積もりに収まるよう人工・工程を工夫する」「要望を通すなら予算や納期に変更が必要なことを理解してもらう」など、プロジェクトがスムーズに進行するよう落としどころを探るため、高いコミュニケーション能力が必要です。

業務時間が不規則になりがち

セールスエンジニアの中心業務は「お客様との商談に同行」のため、お客様の都合に合わせたスケジュールでの勤務となります。IT系の営業活動は日中帯に時間のとれないお客様に対応するため、業務時間が不規則になりがちです。 また、セールスエンジニアの特性から、「商談のための準備」や「アフターフォロー」、「技術的な学びの時間」など、やるべきことが数多くあり、「時間が足りない」と感じる人も多いようです。 自社の営業組織が、契約前までを担当する「プリセールスエンジニア」と導入支援をする「セールスエンジニア」に分けられていれば業務負担も半減しますが、お客様からの希望で全行程の担当となることもあります。タイムマネジメント能力と、やるべきことに対する集中力やセンスが問われる仕事ともいえるでしょう。

まとめ:セールスエンジニアとして長く活躍するには先端IT分野が鍵

IT業界は拡大傾向にあり将来性の高い分野ですが、将来的に人材が過剰になると予測されている「従来型IT人材」のままでは市場から振り落とされてしまうかもしれません。セールスエンジニアとして長く活躍するには、将来性の高い「先端IT分野」の人材を目指しましょう。日々進歩するAIやIoT、ビッグデータ、クラウドなどの先端技術分野の知識を身につけ、経験を積んでいくことが大切です。 ▼法人営業ハックではさまざまな業界特集を紹介しています! 情報・通信業界を徹底解説!最新のトレンドも紹介します

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