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ものづくり大国・日本が誇る製造業はGNPで世界の3本の指に入る日本の経済を、戦後からずっと支え続けてきました。近年の日本のGDPにおける業種別の内訳では、全体のおよそ2割を製造業が占めています。
今回の記事では、製造業をターゲットとする法人営業に携わるみなさんに向け、日本最大級の法人データベースBIZMAPSの企業情報をもとに、日本経済を牽引する製造業の会社数が多い業種ランキングの上位8業種を紹介します。
目次
日本の製造業の現状
近年の日本国内の製造業における民間企業設備投資の動向に目を向けると、リーマンショックや東日本大震災を経て2013年以降、雇用の改善や所得の増加、設備投資の拡大を背景に緩やかな回復が続きました。 2019年の設備投資総額は、2010年代における最高水準となっています。その後世界経済が減速し、度重なる災害や通商問題、海外経済の影響が製造業を中心に企業業績に波及しました。 そして2020年に入ってコロナ禍の世界的な影響により、将来の見通しが不透明になり、製造業にとっては厳しい状況が訪れました。かといって、悲観的な話ばかりではありません。 半導体製造に欠かせないシリコンウェハ製造会社の世界1位と2位は信越化学工業とSUMCOで、両者で世界シェアのおよそ半分を占めています。半導体製造装置製造会社の世界トップ10社のうち日本企業は4社で、トップ15社のほぼ半数の7社が日本勢です。 そういう快挙から考えると、しばらく厳しい環境は続くにせよ日本の製造業の技術力と底力には期待が持てるでしょう。製造会社(業種別企業数)ランキングTOP8
ここからは、日本の製造業を営業対象とする法人営業担当者の皆さんのために、製造会社の業種ごとの企業数を比較したランキングを紹介します。 BIAMAPSにおいて大業種を「製造業界」で絞った上で、中業種の企業数(2021年11月26日時点)が1,000社を超える8業種でランキングを構成しました。製造会社(業種別企業数)ランキング第8位:半導体製造会社
ランキング第8位半導体製造会社は、BIZMAPSに1,783社登録されています。半導体とは、金属などの電気を通す物質である導体と、ゴムなどの電気を通さない物質である絶縁体との中間に位置する物質です。 光や温度や、不純物などによって電気抵抗率を調整できる特性を活かして、トランジスタやダイオードなどの半導体素子と呼ばれる電子部品をつくる上で欠くことができません。 原材料となる物質はシリコンが基本で、半導体製品の大半に用いられています。半導体という名称は、本来シリコンなどの物質を指す言葉でした。 しかし現在では、電子部品およびそれらを集積し集積回路「IC」や大規模集積回路「LSI」を総称する場合に使われる言葉です。 つまり、半導体製造会社は業種としては、シリコンなどの素材そのものではなく、それらをもとに電子部品を製造する業種と理解しておきましょう。 法人営業担当者のみなさんは、時代が求める電子部品を供給する安定した企業群である半導体製造会社だからこそ、さらなる生産性向上の提案をぶつける腕の見せ所でしょう。 BIZMAPSで半導体製造会社を検索製造会社(業種別企業数)ランキング第7位:プラスチック包装資材製造会社
ランキング第7位のプラスチック包装資材製造会社は、BIZMAPSに2,539社登録されています。 プラスチック包装資材の製造過程は、原油から精製されたナフサをもとに、プロピレンやエチレンなどを化学合成させてさまざまな包装資材原料となるペレットを作ります。 ペレットはおおむね米粒のような形状で、性質により白系や黒系、青系などの色に分かれるのが特徴です。ペレットを溶かしてシートやフィルムを作り、それらに印刷や蒸着を施します。その後、金属箔や紙などと貼り合わせて成形して容器にするのです。 プラスチックは力を加えると変形するので、可塑性物質と呼ばれます。とりわけ加熱によって可塑性が増すものも多いです。シートやフィルム、トレイやカップ、ポリ袋やビニール袋からボトルまで、さまざまな形状の製品に加工されます。 プラスチックの原料は、天然物理的ではなく人工的に作られた分子で、合成高分子化合物と呼ばれます。プラスチックは成型しやすいという強みのほか、錆びない、軽い、腐らない、安いなどの強みがあります。 ただし、腐らないという強みは、いつまでも自然界に残るという弱みとなります。これを補うために、回収してリサイクルする動きが盛んです。また、生分解性プラスチックが使われる場合もあります。 法人営業担当者のみなさんは、プラスチック包装資材製造会社のそういう時代の流れによる変化の中でこそのビジネスチャンスを提案できれば新規顧客として取引できる芽があるでしょう。 BIZMAPSでプラスチック包装資材製造会社を検索製造会社(業種別企業数)ランキング第6位:精密機器製造会社
ランキング第6位の精密機器製造会社は、BIZMAPSに2,739社登録されています。精密機器とは主に医療機器や計測機器分野、時計などに分けられます。 近年の医療機器の市場規模は増加傾向にあります。2010年から2020年にかけは、堅調な増加で売上高も高水準を記録しました。そうした流れを受け、ソニーやキヤノンなどの他業種が医療機器に参入するケースも増えています。 2020年はコロナ禍によって、人工呼吸器や人工肺など特需も見られました。今後は先進国において高齢化が進み、また新興国は経済発展に医療水準の向上が伴うであろうため、医療機器部門は安定的な成長が期待できる分野です。 時計部門は、数年前までは訪日外国人のインバウンド需要による爆買いによって、力強い需要がありました。しかし現在、消費不況の影響を受けて不調が続いています。 測量機器部門は官庁や大学向けと民間向けが、ともに堅調な業績です。2020年を概観すれば、医療機器と測量機器の業績は横ばい、時計は大幅にダウンしました。精密機器製造会社全体としてコロナ禍の影響は大きく、減少を記録しています。 法人営業担当者のみなさんは、精密機器製造会社のそういうウィークポイントに対してのソリューションが新規獲得の突破口になるのではないでしょうか。 BIZMAPSで精密機器製造会社を検索製造会社(業種別企業数)ランキング第5位:紙類・包装資材製造会社
ランキング第5位の紙類・包装資材製造会社は、BIZMAPSに3,786社登録されています。紙類・包装資材製造会社は紙や板紙を加工して、段ボール箱や紙袋、包装紙などを製造する会社で、原紙の製造に携わる会社は入りません。 紙類・包装資材製造会社は現在、厳しい環境下で生き残りの道を模索しています。 日本は世界の中でも、商品や贈答品を包装することにこだわりを持つ国民性があり、小売業や通販業の一部で、包装に手間をかけることもサービスの一部と見なす傾向が見られます。 包装に対するこだわりを強く保っている人たちや事業者が存在する一方で、過剰包装を避けようとする消費者や小売店が増えつつあるのも今の時代の趨勢です。 紙類・包装資材製造会社が抱えるそういうジレンマは深刻化しています。それに加えて、包装に使う資材の価値が大きく低下しつあるのです。 現在、紙類が大部分を占める包装資材は東南アジアを中心に製造されています。もともと紙に対しての日本のように価値を見出さない地域なので、相当な低コストで生産を進めることが可能です。 そのため、包装資材の製造販売について、日本企業が東南アジアの製造会社に対抗するのは非現実的といえるでしょう。このことが紙類・包装資材製造会社の存続について脅威となっているのは事実です。 日本の製造会社としては、包装技術などの付加価値を最大化して強みに加える総合的な包装サービスを展開する方向に活路を求めていくことになるでしょう。それが、法人営業担当者のみなさんにとって、営業をかける切り口になる可能性があります。 BIZMAPSで紙類・包装資材製造会社を検索製造会社(業種別企業数)ランキング第4位:繊維加工・織布製造会社
ランキング第4位の繊維加工・織布製造会社は、BIZMAPSに4,897社登録されています。繊維加工・織布に関する技術は、紡績に始まり、糸加工、染色、織編加工、機能性付与、不織布、縫製などの繊維を対象としたさまざまな加工に関係するものです。 繊維加工・織布製造会社の顧客となる業分野としては、衣料や生活資材、情報家電やエレクトロニクス、医療や環境、エネルギー、輸送機器などの多岐にわたります。 繊維加工・織布技術は衣服や資材の生産品に代表されるように、日本古来の技術として地域性とも深く結びつきつつ発展してきました。 近年の衣料用資材や生活用品資材、産業用資材などでは、これまでのデザイン性や耐久性という価値だけではなく水分特性や熱特性、抗菌防臭・防汚・形状記憶などの機能性を付加した加工製品の開発が進んでいます。 自動車や情報家電などの耐久消費材においても、繊維加工製品の活用が広がっており、繊維加工の技術は、エンドユーザーの感性に訴える、ものづくりに今や欠かせない技術です。 さらに繊維加工製品の産業利用として、クリーンルームのフィルター部材や半導体研磨布などの、情報家電製品製造の生産性に影響を与えうる重要素材としても活用されています。また、高強度や高耐熱性を持った極限環境で利用できる素材の開発も行われています。 法人営業担当者のみなさんにとって、さまざまな産業分野の先端技術に関わる繊維加工・織布製造会社は、営業をかけるための糸口が無限に存在するのではないでしょうか。 BIZMAPSで繊維加工・織布製造会社を検索製造会社(業種別企業数)ランキング第3位:防災・防犯機器製造会社
ランキング第3位の防災・防犯機器製造会社は、BIZMAPSに9,794社登録されています。官公庁や企業はもちろんとして民間でも防犯・防災意識が高まる現代では、防災・防犯機器製造会社のマーケットは広がる途上にあります。 防犯機器とは、住民を侵入者や不審者から守るために建物に設置される装置です。監視や録画、録音、検知などの防止機能を担う「監視カメラ」などが有名です。 一方、防災機器とは、火災や震災などの災害から住人や利用者、施設を守るために、建物に設置される装置です。通報や報知といった役割を担う「報知機」、施設の自動閉鎖や消火ができる「災害システム」などさまざまな種類があります。 民間需要を喚起すれば無尽蔵ともいえるマーケットを相手にする防災・防犯機器製造会社なので、法人営業担当者のみなさんにとっても息が長く将来性がある顧客となるはずです。ぜひBIZMAPSで企業の下調べをした上で、営業戦略を立ててトライしてください。 BIZMAPSで防災・防犯機器製造会社を検索製造会社(業種別企業数)ランキング第2位:金属部品製造会社
ランキング第2位の金属部品製造会社は、BIZMAPSに10,674社登録されています。金属部品製造会社に分類されるのは、鉄および非鉄金属製品を原材料とした機械用部品や比較的小型の最終製品の製造業者です。 主な製品は作業工具、機械刃物、鉄骨、橋梁、鉄塔、金属プレス製品、金属製サッシ、シャッター、ばね、ねじ、金網、食缶、洋食器などがあります。 金属部品を納品する取引先が、それらを用いて生産する製品は多岐に渡るため、金属部品製造会社の業績はそれぞれの最終消費業界の業績や動向が反映されやすいです。 この中でとりわけ規模の大きい製品としては、建設業界向けの鉄骨や橋梁、住宅業界向けの金属製サッシ、自動車業界向けの金属プレス製品、個人消費向けの食缶などが挙げられます。 金属部品製造会社には、高い技術力で日本のものづくり産業を支える企業が多いです。一部の大手企業を除けば、得意な製品に特化して製造する中小零細企業が多く存在しています。 法人営業担当者のみなさんは、彼らの技術力や誇りをよく理解し、さまざまな先端技術と結びつける提案ができれば、分厚いターゲット層を相手に営業がかけられるでしょう。 BIZMAPSで金属部品製造会社を検索製造会社(業種別企業数)ランキング第1位:金属加工製造会社
ランキング第1位に輝いた金属加工製造会社は、BIZMAPSに27,878社登録されています。金属加工は金属製品や金属部品を作る上で欠かすことのできない重要技術です。 たとえば航空機部品や自動車部品など、金属に加工したものが製品や部品になるものです。ほかには家電やスマホ、OA機器などの、金属を加工して作った「金型」からさまざまな素材(プラスチックなど)を成型したものです。 どちらも「金属を加工する技術」が根幹です。そもそも金属は私たちが金属と認識するような特徴である「金属的な光沢」「電気や熱が伝導しやすい」「融点が高位」「変形させることができる」などの一定条件が揃っている金属結晶を指します。 具体的には「鉄」「銅」「鉛」「チタン」「アルミニウム」「ステンレス」などはすべて金属素材です。また、銅と亜鉛を混ぜて作った真鍮のような「合金」も金属の仲間となります。 数十種類の金属素材があって、それぞれが異なる特徴を持っているので、金属加工製造会社は長年の技術と経験によって、製品を作る際に最適な金属素材を選ぶのです。 このような技術力を持つ金属加工製造会社は、実は工業の屋台骨を支えている重要な存在なのです。そんな金属加工製造会社は2万社を優に超えるほどの数あります。 法人営業担当者のみなさんは、BIZMAPSで地域に絞って金属加工製造会社の情報を掴んで、積極的に営業攻勢をかけてください。 BIZMAPSで金属加工製造会社を検索まとめ
金属加工製造会社はとにかく数が多く、大小さまざまな規模があり零細企業も多いです。それでも会社の規模に関係なく、それぞれの会社の技術レベルは国際的に高い水準にあります。 法人営業の対象としては対象企業の数も潤沢で、個性的な企業多いだけに営業アプローチの切り口がものをいいそうです。毎月100社まで企業データを無料でダウンロードできるBIZMAPSを活用し、周到な企業研究の上でターゲットをリストアップしましょう。 BIZMAPSで企業を検索 製造会社についてはこちらの記事でもご紹介しています。 大豆ミート製造会社の特徴比較!代替肉が注目されている理由を解説 ワクチン製造会社とは?社会的役割や業界事情についてもご紹介 段ボール製造会社3選!業務内容や段ボールの種類についてもご紹介大阪生まれ神戸在住。経済学部卒業後、アパレル業界で営業から商品企画・広告プロモーションを経験。2018年副業でライターを始め、2019年に会社を退職しライターに。Webライティングと並行し電子書籍も鋭意出版中。
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