ケーキやアイスクリームを購入したときなど、私たちの生活に身近なドライアイス。近年は輸入も増えてきていますが、ドライアイスの多くは国内の会社で製造されています。 もともと生活には欠かせないドライアイスですが、最近ではさらに注目を集めているようです。今回は、そんなドライアイスを製造している日本の会社を10社ご紹介します。 ドライアイス製造のちょっとした歴史や、ドライアイスの製造会社が注目されている理由もあわせて参考にしてみてください。

1．ドライアイスの製造会社の歴史と傾向

日本で初めてドライアイスの製造がスタートしたのは1928年でした。その際にドライアイスの製造を行ったのは「日本ドライアイス株式会社」です。 現在はこの社名は残っていませんが、現在の昭和電工ガスプロダクツ株式会社に当たります。近年、ドライアイスの原料である「高濃度炭酸ガス」を排出する製油所の閉鎖が相次ぎ、原料不足が課題となっていました。 また、最近は、食品の宅配サービスの増加や新型コロナウイルスのワクチンの輸送などにより、ドライアイスの需要はさらに高まっている傾向にあります。その結果、国内のみの製造では追いつかず、海外からの輸入をしてドライアイス不足に対応しているようです。 国内でドライアイスを製造している会社は、高まる国内需要に対応するために、低濃度の炭酸ガスからでも原料を回収できる設備を活用するなどして、ドライアイスの製造量増加を目指しています。

2．ドライアイスを製造している会社10社

国内でドライアイスを製造している会社を10社ご紹介します。 近年、注目度が高まるドライアイス業界。 ドライアイスの製造機や洗浄機など、ドライアイスに関連する会社はたくさんありますが、今回はドライアイスの製造会社のみにしぼりました。 ドライアイスを製造するすべての会社は紹介しきれませんが、業界大手や注目の企業を集めています。 各社の特徴や事業内容など、それぞれご覧ください。

ドライアイス製造会社①　エア・ウォーター炭酸株式会社

　 三井東圧化学株式会社とアメリカのリキッド・カーボニクス社との合弁会社として創立されたドライアイス製造会社です。 国内シェアは50％を誇る、ドライアイス業界のトップ企業と言えるでしょう。ドライアイスに加え液化炭酸ガスの製造・販売を行っています。 また、低温のプロフェッショナルとして、品温テストを実施し、適切なドライアイスの量を計算したり、保冷容器の設計をしたりと、トータルで低温物流をサポートしています。 ドライアイスだけに頼らず、冷凍冷蔵庫や保冷容器、ドライアイスディスペンサーなどを活用しながら、医療や工業などの分野において確実な低温物流を提供しているのも特徴です。 国内の各地に販売拠点と製造拠点を持ち、ドライアイスの安定供給を目指しています。 会社情報はこちら エア・ウォーター炭酸株式会社

ドライアイス製造会社②　昭和電工ガスプロダクツ株式会社

　 1944年設立の神奈川県に本社を置く、ドライアイス製造会社です。 ドライアイスをはじめ、酸液化炭酸ガス、窒素、アルゴン、水素、冷媒ガス、食品保存用ガス、急速冷凍装置などの製造販売事業を行っています。 製品を取引する業界は幅広く、食品、工業、医療、設備工事、農業など多岐にわたります。その幅広い業界における用途に合った形状のドライアイスを製造販売しています。 関連サービスとして、パラパラミンチ製造設備や工業用フリーザー、高圧ガス配管工事、超臨界洗浄・乾燥・加工設備などの提供も行っています。 取引先には、サッポロビール、日立製作所、東芝、日本製鉄、トヨタ自動車、明治、日本生活協同組合連合会などがあります。 国内だけでなく、海外にも関連会社を持っています。 会社情報はこちら 昭和電工ガスプロダクツ株式会社

ドライアイス製造会社③　日本液炭株式会社

　 液化炭酸ガスの製造から始まった大陽日酸グループのドライアイス製造会社です。 2007年、液化炭酸株式会社、日本炭酸株式会社、日本液炭ホールディングス株式会社の合併、また大陽日酸株式会社の炭酸事業部門の統合によって発足し、現在の社名となりました。 全国に営業拠点と製造拠点を持ち、ドライアイスやその他の製品のスピーディーな供給を実現しています。 ドライアイスは、角型のものからパウダー状のもの、円柱状のものなど、さまざまな形状のドライアイスを取り扱っているのも特徴です。 関連の商品も豊富で、ドライアイスの製造機や保冷ボックス、顧客の希望に合わせた特殊開発の専用容器などがあります。 特に、ドライアイスを使用した洗浄機「ドライアイスブラスト」は、環境にも人にも優しく注目度の高い製品です。 会社情報はこちら 日本液炭株式会社

ドライアイス製造会社④　伊藤忠工業ガス株式会社

　 1918年設立、水素や酸素ガスの製造からスタートしたドライアイス製造会社です。 飛行機事業や、LPガスなどの耐圧検査業務、充填業務を中心に担っています。 具体的には、ドライアイスのほか、工業用ガス、医療用ガス、半導体材料ガス、ガスの容器などの製品を取り扱っています。 産業ガスのプロフェッショナルとして、航空業界や医療業界など、幅広い業界を支えています。 会社情報はこちら 伊藤忠工業ガス株式会社

ドライアイス製造会社⑤　株式会社森燃

　 1949年創立の、岩手にあるドライアイス製造会社です。従業員は30名ほど（令和3年11月24日現在）で、決して規模の大きい会社ではありませんが、創業72年という長い歴史があります。 主にLPガスや石油といった燃料の販売や、ドライアイスの製造・販売、設備工事といった事業を担っています。 本社にLPガススタンドが併設されており、フォークリフトやトラックなどの大型自動車にもLPガスを供給しているのが特徴です。 設備工事は、冷暖房設備工事をはじめ、トイレやキッチンのリフォーム、上下水道設備の工事など、個人から法人まであらゆる顧客に向けたサービスを提供しています。 会社情報はこちら 株式会社森燃

ドライアイス製造会社⑥　福井冷蔵株式会社

　 福井県に本社を構えるドライアイス製造会社です。 ドライアイスや氷の製造・販売のほか、法人向けの冷蔵・冷凍保管の倉庫事業や、賃ビル事業を行っています。 本社が福井市中央卸売市場に近く、市場関係者や水産業者向けにサービスを提供しながら、福井の食をサポートしています。 よく見る角型のほか、球状、板状、微粉砕などさまざまな形状の氷を取り扱っています。 特に生の魚の運搬には細かく砕かれた微粉砕の氷を使って魚に水がつくのを防ぐなど、用途に合わせて商品を選んでいます。 会社情報はこちら 福井冷蔵株式会社

ドライアイス製造会社⑦　阪神低温株式会社

　 漁業・魚問屋・廻船問屋としてスタートした、ドライアイス製造会社です。現在は、ドライアイスの加工・販売と冷凍食品事業を担っています。 株式会社かね吉と株式会社エス・ティ・フーズを関連会社に持ち、冷凍食品の製造・販売をメインに行っています。 冷凍食品に使用する原材料にはとことんこだわり、鮮度や安全性などの品質管理を徹底しています。選び抜いた原材料の鮮度を保つための、「コールドチェーン・システム」を強化。 また、設立以来守られている、顧客の立場に立った「必要とされる商品づくり」は、鮮度や成分、残留農薬などの検査をし、安心安全な食を顧客へと提供しています。 会社情報はこちら 阪神低温株式会社

ドライアイス製造会社⑧　株式会社マルセ

　 ウレタンや不織布の加工を中心に、ドライアイスの製造・販売、物流事業、リサイクル事業を行っている会社です。 ウレタンはさまざまな用途があることから、納入先は、グンゼ、積水ハウス、村田製作所、パナソニックなど幅広い業界をカバーしています。 ドライアイスは1kg2500円からで、発注は大口でも小口でも問い合わせが可能です。 従業員は30人ほど（令和3年11月24日現在）と少数精鋭で、顧客の希望に100％応えるという、ドライアイスのプロフェッショナル企業です。 会社情報はこちら 株式会社マルセ

ドライアイス製造会社⑨　株式会社シマキュウ

　 1936年創業、新潟県に本社を構えるドライアイス製造会社です。 ドライアイス製造は数ある業務の中のほんの一部で、大きく分けると、「溶接機材」「産業機器」「高圧ガス」「工業材料・資材」「生活・環境」「医療・介護」「鋳造」といった7つの分野から、数千種類の商品を取り扱っています。 例えば、医療機器から物置、工具、ヘルメット、LED照明など、生活に身近なものから専門的なものまで、有名メーカーの商品を手がけています。 高圧ガスの販売、高圧ガスの充填、ドライアイスの製造、容器再検査に関して、ISO9001認証も取得済みです。 会社情報はこちら 株式会社シマキュウ

ドライアイス製造会社⑩　知多炭酸株式会社

　 液化炭酸ガスとドライアイスの製造・販売を行う愛知県知多市の会社です。 東邦ガスグループ、東邦冷熱株式会社の関連会社でもあります。 石油を精製する際にできる炭酸ガスを有効活用して、商品の製造を行っているのが特徴です。製造した商品は、炭酸飲料、食品の輸送、自動車の溶接などに使用されています。 1日あたり88トンのドライアイスを製造できるドライアイス用の液化器を一基所有しています。 会社情報はこちら 知多炭酸株式会社

3．ドライアイスの製造会社まとめ

ドライアイスを製造している会社を10社ご紹介しました。 ドライアイスは食品の冷却にかかわる業界だけにとどまらず、医療やエンターテイメント、工業など幅広い業界で長年活躍しています。 近年はワクチンの輸送や宅配サービスの利用者の増加もあり、今後も需要が大きい状況が続きそうです。 また、ドライアイスは工場などで排出された炭酸ガスから製造されているという点もクリーンで、深刻な環境問題を抱える現代に合っていると言えます。 ドライアイスを輸入に頼らず供給することが課題ではありますが、ますますドライアイスを製造する会社に注目が集まることでしょう。 製造会社についてはこちらの記事でもご紹介しています。 大豆ミート製造会社の特徴比較！代替肉が注目されている理由を解説 ワクチン製造会社とは？社会的役割や業界事情についてもご紹介 段ボール製造会社3選！業務内容や段ボールの種類についてもご紹介

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