m.noguchi
0 Comments
東証一部上場は1949年(昭和24年)の5月11日に初めての取引が行われ、以来73年にわたって日本経済の健康状態を示す基準として重要な役割を果たしてきました。
その東証一部は、2022年4月4日に東証二部およびマザーズ、ジャスダックとともに、区分再編のために消滅しました。
東京証券取引所は時代の変化に合わせ、日本の株式の国際競争力を向上すべく市場区分を全面的に刷新したのです。
今回の記事では、東証一部からプライム市場に移行した企業の中で、プライム市場への移行基準が未達であり経過措置の適応を受けている主な企業一覧を紹介します。
目次
新市場の区分と上場基準
2022年4月4日から、東京証券取引所の「市場第一部(東証一部)」「市場第二部(東証二部)」および新興企業向けの「マザーズ」、「ジャスダック」の「スタンダード」と「グロース」の5つの区分が再編成されました。 新市場は「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3つに区分され、従来の上場企業の多くは新たな上場基準に基づき、いずれかの市場に移行しています。 また、上場基準の改変に伴う経過措置も用意されています。以降を希望する市場への上場基準に未達の場合、上場基準の適合に向けた計画や進捗状況を提示することで当分の間、緩和された上場基準が適用されるのです。 まずは新市場のコンセプトや新たな上場基準について詳しく解説しますので、理解しておきましょう!新市場区分のコンセプト
新市場は「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3つに区分されています。それぞれの市場のコンセプトについて詳しく解説しますので理解しておきましょう。 【プライム市場】 プライム市場は、旧市場区分の市場第一部に相当します。 市場コンセプトは、多くの機関投資家の投資対象になる規模の時価総額・流動性があり、高水準なガバナンスに加えて、投資者との建設的な対話や持続的な成長、中長期的な企業価値の向上を果たす企業向けの市場です。 【スタンダード市場】 スタンダード市場は、旧市場区分の市場第一部や市場第二部、JASDAQ(スタンダード)に相当します。 市場コンセプトは、一定の時価総額・流動性があり、上場企業としての基本的な水準のガバナンスに加えて、持続的な成長、中長期的な企業価値の向上を果たす企業向けの市場です。 【グロース市場】 グロース市場は、旧市場区分のJASDAQ(グロース)やマザーズに相当します。 市場コンセプトは、高い成長を実現するための事業計画とその進捗の開示をする一方、事業実績の面でリスクが高い企業向けの市場です。新市場の上場基準
東京証券取引所の市場区分見直しにあたり、それぞれの市場のコンセプトに合わせて上場基準が定められました。新たに定められた上場基準では、流動性やガバナンス、経営成績・財政状況などの項目において具体的な数値が示されています。 各市場の主な上場基準は以下の通り。流通株式時価総額 | 流通株式比率 | |
プライム市場 | 100億円以上 | 35%以上 |
スタンダード市場 | 10億円以上 | 25%以上 |
グロース市場 | 5億円以上 | 25%以上 |
プライム市場の上場基準に達していてもスランダード市場を選択する企業も
最終的に市場第一部からスタンダード市場に選択移行した企業338社については、比較的時価総額が低めの企業が多いです。しかし、中には時価総額が決して低くない企業もあり、主体的にあえてスタンダード市場を選択した23社もこれに含まれるのでしょう。 この23社のように、多くの企業が新市場の意義を理解、評価して移行先を選択しました。今後は各企業の経営戦略に基づいて、3種類のそれぞれの市場において企業価値を高めていくことになります。市場第一部からプライム市場に移行した代表的な企業一覧
旧市場区分の市場第一部からプライム市場に移行した企業の一部をご紹介します。 プライム市場に移行した企業の多くは、いわゆる大企業であり、2022年4月の時点でプライム市場への上場基準に適合していた企業です。 以下でご紹介する、プライム市場に移行した企業は今後、上場維持基準を常に満たす必要があります。今後の動向も予測しながら見ていきましょう。中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町を本拠地としている中外製薬株式会社は1925年に創業された、医薬品の研究開発、製造、販売および輸出入を行う企業です。 革新的な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献しています。 グローバルで活躍する日本のトップ製薬企業として、ファーストインクラス・ベストインクラスの革新的な医薬品とサービスにこだわり、世界の患者と医療従事者に新たな解決策を提供し続けています。 中外製薬株式会社サントリー食品インターナショナル株式会社
東京都港区芝浦を本拠地としているサントリー食品インターナショナル株式会社は2009年に設立された、国内や海外の食品事業を行う企業です。 日本や欧州、アジアやオセアニア、米州などで飲料や食品の製造販売を手掛けています。各国や地域の顧客の嗜好やニーズをとらえ、「ナチュラル&ヘルシー」な商品ラインナップの強化と「ユニーク&プレミアム」なブランドの育成に取り組んでいます。 サントリー食品インターナショナル株式会社シャープ株式会社
大阪府堺市堺区匠町を本拠地としているシャープ株式会社は1912年に創業された、電気・電子機器、電子部品の製造販売を行う企業です。 家電、OA機器、POSシステム、センサ、モジュール、AQUOSなどの液晶テレビ・ディスプレイを取り扱っています。 「家電大賞2017」でプラズマクラスター冷蔵庫とヘルシオグリエレンジが部門賞、「平成30年度環境保全功労者等環境大臣表彰」で三重工場が地域環境保全功労者表彰を受賞し、製品・業務内容とも高い評価を受けています。 シャープ株式会社株式会社日立物流
東京都中央区京橋を本拠地としている株式会社日立物流は、1950年に創業された国内・国際物流、物流コンサルティングなどを行う企業です。 サプライチェーンのさまざまなステージにおける物流業務を包括的にアウトソーシングし、サービス水準と物流効率の向上に寄与しています。 豊富なノウハウとコンサルティング力、各種インフラ、最新テクノロジーを駆使し、最適なシステム物流を提供する企業です。 株式会社日立物流山崎製パン株式会社
東京都千代田区岩本町を本拠地としている山崎製パン株式会社は1948年に創業された、パン・菓子類の企画・製造・開発等を行う企業です。 「ロイヤルブレッド」「ダブルソフト」「ランチパック」で有名な同社は、パンの製造を中心に和菓子・洋菓子の製造を手掛けています。 コンビニエンスストアの運営やベーカリーの設立等、積極的に事業を展開しており、1981年より続けられる「ヤマザキ春のパンまつり」は毎年評判を呼んでいます。 山崎製パン株式会社経過措置の適応を受けてプライム市場に移行した代表的企業一覧
市場第一部からプライム市場に移行した企業のうち、上場基準に未達であり経過措置の適応を受けている代表的な企業を一覧にしてご紹介します。 時価総額の大きい企業でも、流通株式比率の基準に適合していないため、基準未達となり経過措置の適応を受けているケースも。適合計画書の中で、大株主の株保有率を引き下げる取り組みについて触れている企業もあります。 上場基準のどの部分が未達なのかによって、企業の今後の戦略や取り組みに大きな影響があるケースもあるでしょう。それぞれの企業の上場基準未達の状況と、適合計画書を照らし合わせて考えてみましょう。株式会社かんぽ生命保険
東京都千代田区大手町を本拠地としている株式会社かんぽ生命保険は2007年に創業された、生命保険事業・受託販売等を行う企業です。日本郵政株式会社のグループ会社の1つです。日本郵政公社の民営・分社化に伴い誕生した同社では生命保険「かんぽ生命」を提供しています。 職業による制限は一切なく、医師の診断無しで加入可能としており、終身保険や定期保険、学資保険をはじめ、法人向けの商品の受託販売を実施しています。 株式会社かんぽ生命保険株式会社ゆうちょ銀行
東京都千代田区大手町を本拠地としている株式会社ゆうちょ銀行は2006年に設立された、預貯金取引・投資信託等を行う企業です。日本郵政株式会社のグループ会社の1つで日本郵政グループ発足に伴い誕生しました。 同社では預貯金取引や投信業務を展開し、公共料金の収納を行う「Pay-easy」や、百貨店や小売店等でキャッシュカードを利用して口座から購入代金を直接引き落とすデビットカードサービスを展開しています。 株式会社ゆうちょ銀行株式会社日本アクア
東京都港区を本拠地としている株式会社日本アクアは2004年に設立された企業で、建築断熱用硬質ウレタンフォームの販売施工業を主軸としています。「アクアフォーム」シリーズは木造家屋建材の業界シェアNo.1!高性能な新素材の開発や、日本国内における製品の安定供給が大きな強みとなっています。 また、近年の地球環境保護への関心の高まりから、人と地球に優しい住環境の提供を経営理念としています。 株式会社日本アクア株式会社中村屋
東京都新宿区を本拠地としている株式会社中村屋は1923年に設立され、菓子やパンの製造販売を手掛ける企業です。1901年の創業以来、クリームパンや中華まんなど、当時の日本には無かった食べ物を生み出し世に広めてきました。 「くらしに溶け込む、喜んでもらえる食を提案する」というビジョンを掲げ、創意工夫と挑戦をし続ける姿勢を大切にしています。 株式会社中村屋日新製糖株式会社
東京都中央区を本拠地としている日新製糖株式会社は2011年に設立され、砂糖やその他の食品製造・販売を中心に行う企業です。精製糖業界における国内最大手企業の1つとして、安心・安全かつ高品質な製品の製造をすることで、豊かで快適な生活の実現に貢献しています。 また、近年の消費者動向を鑑み、多彩な商品をラインナップすることでニーズの多様化に対応しています。 日新製糖株式会社株式会社デサント
大阪市浪速区を本拠地としている株式会社デサントは1949年に設立された企業で、アウトドア・スポーツウェアの製造販売を主軸としています。スポーツ本来の楽しさや競い合う楽しさを提供することで、健全なライフスタイルの創造をアシストします。 フランス語で「滑降」を意味するデサント。スキーの基本技術である滑降を模したコーポレートシンボルを掲げ、スポーツを愛する人の想いにアシストし積極的に製品化に取り組む姿勢が特徴的な企業です。 株式会社デサントまとめ
かつて東証市場第一部への上場は多くの企業にとって目標でした。しかし時代の流れの中で、東証は市場として国際競争力を持つために、戦略的に区分を再編しました。 多くの東証市場第一部企業はプライム市場に移行しましたが、移行基準が未達の場合は、経過措置で一旦プライム市場に移行する企業と、スタンダード市場に移行する企業があります。また、基準に達していても、新市場の意義を評価してあえてスタンダードの移行した企業もありました。 法人営業担当者のみなさんは、この経済史の転換点に生まれるビジネスチャンスを逃さないように、企業データベースBIZMAPSを活用して営業戦略に役立ててください。 法人営業向けの特集記事はこちらです。 【法人営業担当必見】非破壊検査会社の現状と将来!首都圏の会社一覧 大手不動産会社売上ランキング&法人営業担当者のための優良企業一覧 神奈川県の大手に負けないご当地スーパーマーケット9選と運営会社! 半導体製造会社売上ランキングTOP30!IT系法人営業担当者必見 段ボール製造会社3選!業務内容や段ボールの種類についてもご紹介Webライター。文字が好き。ためになることを誰かに届けたいと奮闘中。