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組織崩壊が起こる場合、必ずその予兆となる何らかの出来事が起こります。その予兆を見落としてしまうと、手遅れになる恐れがあります。とはいえ組織崩壊の予兆とは、なかなかピンとこない人も多いでしょう。また、予兆に気づいたとして、どのように対処すべきなのでしょうか。
今回の記事では、組織崩壊の概要とそれが与える影響を確認し、組織崩壊が起こりやすい職場の特徴を挙げ、常に注意すべき予兆と解決策をご紹介します。経営幹部や管理職のみなさんは、ぜひ参考にしてください。
目次
組織崩壊とは?
組織崩壊とは、企業などの組織がひとつの有機体として機能しなくなった状態を意味します。つまり、指揮命令系統が崩壊し、組織としての秩序がなくなった状態です。 組織崩壊は一般的に、急激に起こるものではありません。組織内部のちょっとした違和感や小さなほころびをきっかけに、そこから傷口がじわじわと広がるように、崩壊していく傾向があります。 一旦崩壊してしまった組織を立て直すことは、それ相応の改善のための努力が求められます。まずはそのような組織崩壊を回避するために、そうなりやすい組織の特徴や、組織崩壊に向かっている予兆などを察して、対策を立てることが賢明です。組織崩壊の影響
組織崩壊は企業にとって非常に深刻な問題です。一般的に崩壊した組織は、業績が著しく低下します。組織の崩壊をそのままにすると崩壊がさらに進行し、再建が難しくなります。 最悪の場合には倒産にまで至るので、看過してはなりません。組織の崩壊は、企業のパフォーマンスの悪化、業務環境の悪化、優れた人材流出など、企業に致命的な被害と悪影響を及ぼす可能性があります。組織崩壊が起こりやすい職場の3つの特徴
組織崩壊が起こりやすい職場の傾向として、以下の3つの特徴があります。 ・マニュアルを最重要視している ・イエスマンが多い ・スタッフ一人あたりの負担が多い それぞれの内容を見ていきましょう。マニュアルを最重要視している
タスクを標準化するためには、マニュアルを使用することが重要です。とはいえ、すべてをマニュアルに依存し、マニュアル以外の行動を許さないのはよいやり方ではありません。 すべてがマニュアル中心であれば、スタッフのチャレンジが実現しにくいでしょう。その結果、本来創造的なアイデアでビジネスに貢献できる優秀な人材は、モチベーションを下げてしまいます。やがては、この職場で何を言っても無駄だという否定的な雰囲気が社内に広がり、職場が組織崩壊する恐れがあります。イエスマンが多い
イエスマンは自分の信念がなく、上層部の考えに無批判に従う人です。これらのイエスマンが浮上すると組織崩壊のリスクが高まっているといえます。イエスマンを量産する組織状態は、崩壊に向かっている組織状態と非常に似ているからです。 例えばイエスマンが多いということは、労働に対して意欲の薄いスタッフが多いことを意味します。また、スタッフは自分の意見を通したという理由で、周囲の人々に疎まれたり、相手にしてもらえなくなったりした経験からイエスマンになることもあります。このような職場のネガティブな雰囲気は、組織崩壊を招きやすい状態です。スタッフ一人あたりの負担が多い
スタッフごとに多くの業務を与えること自体は、必ずしも悪いわけではありません。適正な範囲内で業務が増えるというのは、組織が順調に成長しているという証拠でもあるからです。しかし、それにより時間外労働が増えていくと、適正を超えた「負担」となります。仕事が多すぎて残業や休日出勤が続くと、業務効率は落ち、労働意欲も落ちるからです。 スタッフの意欲の欠如は、職場の雰囲気に大きな影響を与えます。また、業務効率が落ちると同じ業務にも以前より時間がかかり、さらに時間外労働が増えるという負のスパイラルに陥ります。そのような職場は魅力がなく、離職率が高くなって組織が崩れやすいでしょう。組織崩壊の4つの予兆
組織崩壊が実際に起こる際には、以下のような4つの予兆が見られます。 ・異質なリーダーやトラブルメーカーの登場 ・情報伝達が遅くなる ・優秀な人材が流出する ・社内がギスギスした雰囲気になる 個別に見ていきましょう。異質なリーダーやトラブルメーカーの登場
さまざまな人間が集まる企業組織では、時として異質なリーダーやトラブルメーカーが登場します。たとえば、ずば抜けた才能を持つエース級のスタッフや、言動に問題があるスタッフです。 トラブルメーカーはさておき、エース級のスタッフが崩壊を招くというのは、しっくりこないかもしれません。確かに、そういう人材の仕事によってチーム全体のパフォーマンスが向上することがあります。 一方で、彼らの活躍は他のスタッフの意欲を落とすことがあります。彼らに対する高い評価に不満を覚え、やっかむスタッフもいるかもしれません。有能なスタッフは組織にとってプラスの存在であるはずですが、組織がうまくマネジメントされていないと、スタッフ間のいざこざにつながり、職場の雰囲気が悪くなる恐れがあります。情報伝達が遅くなる
組織が拡大してスタッフ数が増えるにつれ、新しい部門と業務が生まれます。その結果、組織規模が小さい頃には予想もしなかったリスクが、発生する可能性があります。 例えば、情報や指示を伝えることが難しくなり、命令系統(誰が誰に指示を出すのか)が破綻し、職務範囲(この仕事を誰が担当するのか)があいまいになります。リーダーが発言を二転三転したり、明確な責任なしに仕事を強要されたりすれば、スタッフの意欲が落ちるのは確実です。 また、命令系統が乱れると職場の秩序が崩れます。このような状況が続くと、組織は崩壊に向かいます。優秀な人材が流出する
優秀なスタッフが次々と退職していく場合は、組織に問題があります。離職率の上昇は組織崩壊への危険信号といえるでしょう。さらに深刻なのは、ほとんどの場合最も優秀なスタッフが最初に去るということです。優秀な人材ほど仕事に没頭する傾向があり、だからこそ不公平感と閉塞感を感じるからでしょう。 また、優秀な人材は新しい雇用を見つけるのが簡単であるため、崩壊の危機に瀕した組織にこだわる理由はありません。結局いて欲しいスタッフは去り、やる気のないスタッフだけが残ることになります。 このような状況で人員を補充しても、新入社員をきちんと教育できる人材が少ないので、組織を再建することは容易ではありません。社内がギスギスした雰囲気になる
葛藤と不信が見られるギスギスした組織は、誰しもいたくないものです。そういう職場は離職率が高くなり、一人当たりの作業量は増え、仕事がうまく回りません。新入社員を採用しても適切な教育ができず、組織力はどんどん衰退します。組織崩壊が深刻な水準にまで進むと、再建が容易ではなくなるでしょう。 このような事態を避けるためには、社内のちょっとした雰囲気の悪化などの小さな兆候を見落とさず、早急に手を打つことが重要です。組織崩壊を回避し立て直しを図る8つの対策
組織崩壊を回避し、立て直しを図る対策としては、以下の8つが挙げられます。 ・社内交流を促進する ・業務上の事務処理を簡略化・自動化する ・少人数のチーム編成にする ・スタッフのスキルアップ・キャリアアップを支援をする ・スタッフがお互いに褒め合える仕組みを作る ・時間外労働を減らしプライベートの充実を促進する ・会議を効率化する ・福利厚生に注力する それぞれを見ていきましょう。社内交流を促進する
組織の内部崩壊を防ぐためには、良好な人間関係を築くことが重要です。社内で懇親会を開催したりサークル活動を奨励したりして、部署を超えてスタッフが交流し、趣味を楽しめる環境は組織を盤石にする効果があります。 スタッフは通常なら仕事に関する対話しかしない人たち、もしくは会話を交わしたことさえない人たちと交流し、新しい刺激を受けられます。良好な人間関係と新しい刺激は仕事に対するエンゲージメント(愛着や情熱)を維持するのに役立ちます。 企業側は誰でも気軽に参加できる機会を設ける努力をすることで、スタッフのストレスも解消できます。業務上の事務処理を簡略化・自動化する
組織崩壊の原因の一つは、業務効率の低下による業務量と時間外労働の増加です。だからこそ、業務効率を高め、不要な業務と時間外労働を減らせば組織崩壊を防ぐのに役立ちます。そのため、複雑な事務処理やルーティンを簡素化し、自動化できるものはしましょう。業務フローを見直し、必要な処理を最低限に絞るなどの対策を講じる必要があります。 気をつけたいのは「ペーパーレスにすればよいのだ」と考え、各種手続きをWebに移すことです。それで手順が合理化されたらいいですが、そうともかぎりません。場合によっては、PC上で同じ手順を行うにすぎません。単にペーパーレスではなく基本的にフローを再編集する必要があります。少人数のチーム編成にする
最小単位のチーム内の人数を最小限に抑えることが重要です。スタッフが多すぎると意見が収束せず、スピード感も落ちるからです。会議で一人当たりの発言量が減り、一部のスタッフはプロジェクトを自分のものとして受け入れずに「ただ参加」することになります。 スタッフが多いからといって、より良い意見が得られるわけではありません。人数が少ないと意思決定速度が速くなり、リーダーに提案や意見が伝わりやすくなります。その結果、スタッフの意欲が向上し、組織が良好な状態になります。スタッフのスキルアップ・キャリアアップを支援をする
組織の内部崩壊を防ぐためには、スタッフの価値観の変化に基づいて社会貢献以外においても、モチベーションを高めることが重要です。 ひとりひとりが専門性を持つことで、仕事に対する責任感や使命感を形成しやすくなります。「自分にしかできない仕事がある」とスタッフが感じられるよう、企業がスキルアップやキャリアアップをサポートする体制を作らなければなりません。 企業や他のスタッフに自分が貢献していると感じられたなら、仕事に対するエンゲージメント(愛着や情熱)も生まれて、専門性を持とうというモチベーションが高まりやすくなります。スタッフがお互いに褒め合える仕組みを作る
感謝と賞賛の文化を作り、コミュニケーションツールを活用して部署の境界を超えた「褒め合い」の文化を作り、プロ意識を熟成しましょう。普段は感謝される機会が少ないスタッフも、誰かに役立つと感じることができます。 目に見える結果が得られなくても、自分が誰かに役立って確実に実力を向上させていることを知れば、意欲が高まるはずです。時間外労働を減らしプライベートの充実を促進する
残業と休日出勤は、スタッフのモチベーションに影響を与えます。実際にスタッフにやりがいを感じてもらうために、休日を増やして勤務時間を短縮する企業が増えています。モチベーションを高めるには外部刺激が重要だからです。勤務時間が長いと会社と自宅を行き来するだけでも時間がかかり、他の事に時間を割くことができなくなります。 その結果、日常生活で人々と話したり、調べ物をするのに費やす時間が減ります。スタッフに良い勤務環境を提供し、組織の内部崩壊を防ぐためには、労働時間の短縮方向を考えるとよいでしょう。会議を効率化する
会議はビジネスを行うために不可欠な要素です。しかし、長い会議は退屈する傾向があり、あまり有意義ではありません。このような会議を続けるとスタッフの意欲が落ち、長期的には組織の崩壊につながるおそれがあります。 会議をできるだけ効率的にし、毎回何らかの結論に達するように進めましょう。具体的には、以下のことを理解することが重要です。 会議ごとの議題と目標を設定する 司会者はリーダー以外のスタッフが決定し、司会者は発言のバランス、時間、方向を調節する 「案件について各自の意見を開拓しなければならない」「論争するときは常に解決策/対策を提示する」など会議規則を定めておく 多くの会議では、リーダーは舵取り役として機能しますが、そうすることで、他のスタッフが自分の意見と反対の意見を表現するのが難しくなります。これが起こらないように、会議や会議の進行方法について明確な計画があることを確認してください。福利厚生に注力する
毎日同じ作業が繰り返され、目に見える成果を上げることが難しい場合は、福利厚生でその成果を可視化して還元することをお勧めします。実際に福利厚生制度を強化してスタッフの動機付けに成功した企業が多いです。 たとえば、目標を達成したスタッフにポイントを付与し、累積ポイントに基づいて報酬を準備する企業は、離職率を下げました。まとめ
組織崩壊を回避するために、スタッフが定着して活躍できる組織を作るために、各スタッフの個性や強みを把握し、やりがいを持って働けるよう、人材の配置や教育制度を通じたサポートを行いましょう。 管理職や経営幹部のみなさんは、ここでご紹介した情報を参考にしていただき、組織崩壊の予兆に注意し、必要となれば自社に合った対策を取り入れて、組織の盤石化に活かしてください。 なお、管理職のみなさんはビジネス上の好機を逃さないように、企業データベースを効率よく検索・閲覧・ダウンロードできる情報サービスBIZMAPSを最大限に活用し、営業戦略に役立ててください。 毎月、企業データを100社までは費用なしにダウンロードができるBIZMAPSは、あらゆる検索条件、属性、事項で検索・閲覧できます。法人営業の企業において営業を担当するみなさんは、営業アプローチを模索する際に価値を発揮するので、ぜひご利用ください。 ▼日本最大級の企業DB【BIZMAPSの事例】で営業対象企業を探す▼ ▼管理職・決裁者・経営幹部の方向けの「経営」関連テーマのコンテンツはこちらです。 経営目標とは?経営理念との違いや設定の種類を具体例付きで解説 経営ダッシュボードとは?企業の実勢を可視化するのに有効なツール! 【管理職必読の事例】経営分析とは?その重要性や具体的手法を徹底解説! 経営者が勉強すべきこととは?勉強方法やおすすめの書籍も紹介! また、マーケメディア(マーケティングの仕事をサポートするサイト)ではマーケティング用の資料がダウンロードできます。デジタルマーケティングの重要度が増す中で、マーケティング情報面でみなさんの仕事をサポートいたします。 マーケメディアでマーケティング資料をダウンロードする大阪生まれ神戸在住。経済学部卒業後、アパレル業界で営業から商品企画・広告プロモーションを経験。2018年副業でライターを始め、2019年に会社を退職しライターに。Webライティングと並行し電子書籍も鋭意出版中。
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