営業の手法は、時代と共に大きく変化しています。一昔前なら、顧客獲得のため飛び込み営業をしている営業マンを見かけることが多かったでしょう。 しかし、現代のニーズとしては、インターネットを使用した営業方法が主流となっています。今回の記事は、最新の営業方法として注目を浴びている「コンサル営業」について解説をしていきます。

コンサル営業とは？

「営業」と聞くと、顧客に自社の商品やサービスを売り込み、販売する営業スタイルが思い浮かぶと思います。コンサル営業は、顧客が抱える課題や問題を解決するため、商品やサービスの販売はもちろんのこと、解決策を提案するのが仕事です。 通常の営業職との大きな違いは、顧客獲得や売上の向上だけではなく、顧客に寄り添ったサービスを提供するため信頼関係を築くことです。 顧客の抱える課題や問題を明確化するためにも、コンサル営業には丁寧なヒアリングや情報収集能力が求められます。顧客の立場に立ち、共に考え、顧客のニーズに沿った商品を提案するのがコンサル営業の大きな特徴と言えます。そのため、コンサル営業が仕事を成功させるには、顧客との信頼関係を築くことが重要なポイントとなります。

コンサル営業のやりがいと大変さ

コンサル営業は従来の営業とは違い、ただ自社商品を販売することを目的にしていません。顧客が抱えるさまざまな課題に向き合い、商品やサービスを提案し、根本的な部分から解決することを最終目的とするため、成功した時の喜びは格別です。 また、コンサル営業は顧客のニーズに沿うためなら、自社の商品だけではなく、他社製品を提案する場もあります。そのため、業界全体の知識が次第に深まっていくので、コンサル営業を通して、業界のプロフェッショナルに上り詰めることもできます。 コンサル営業は実績を上げれば、それに応じたインセンティブを与える会社が多い傾向にあります。獲得実績を出した分、しっかりと自分に戻ってくるのもやりがいの一つですが、若手のコンサル営業でも実績を得るための活躍できる場が多いのも魅力の一つです。 コンサル営業の仕事は、商品を販売したら営業終了ではありません。商品の販売後も、顧客が抱える課題が解決されているか、満足されているかをアフターフォローし、目標達成まで顧客に寄り添うのも、コンサル営業の大きな特徴と言えます。販売を目的とした営業職とは違い、より広い視野とサービス精神を持ち、顧客に向き合うことが大切です。

コンサル営業とソリューション営業の違いとは

近年の経済社会において、「コンサルティング」や「ソリューション」といった言葉は、誰もが一度は聞いたことがあると思います。しかし、言葉を耳にするだけで、本質や意味を理解している人は少ないかもしれません。一見、コンサル営業とソリューション営業の仕事内容は似通ったところがありますが、同じ「営業」でもスタイルに大きな違いがあります。 ソリューション営業は、顧客のニーズを丁寧にヒアリングし、要望に合った商品やサービスを提案するのが営業スタイルです。顧客が本当に欲しいものは何かと、コミュニケーションを綿密に取り、丁寧にヒアリングすることで提案する商品を見定め提案する、提案型営業の発展形が「ソリューション営業」です。 コンサル営業は、顧客の抱える経営課題を明確に把握し、顧客が利益を得るにはどうしたらよいかを同じ立場で考え、課題解決に向けて最適な商品やサービスを提案します。商品を提案するソリューション営業とは違い、顧客の課題解決における発展が仕事の最終目的となるため、自社の商品を提案するだけではなく、必要があれば他社の商品を使った提案をすることもあります。 そのため、コンサル営業には、商品の知識だけではなく、顧客の業種や業界に対する知識も深め、顧客と共に成長していく姿勢が求められます。明るく好奇心旺盛で、何事にも興味を持って学べる人にはコンサル営業がおすすめの職業と言えます。 ソリューション営業についてはこちらの記事でも解説しています！ ソリューション営業とは？基礎知識や手順を詳しく解説！ ソリューション営業を行う4つの業界とは？仕事内容も解説！

コンサル営業に必要なスキルや知識を解説

コンサル営業に求められるスキルは大きく分けて4つあります。どれも、コンサル営業が活躍するために必要な、大変重要なスキルです。また、顧客によって抱えている問題点や悩みもさまざまなため、コンサル営業のスキルの向上は常に求められます。コンサル営業に必要なスキルを把握し、上手に向上していけば、コンサル営業として活躍できること間違いありません。

情報を引き出すヒアリングスキル

顧客自身が明確に問題を把握していれば話もスムーズですが、中には何に困っているのかを明確に把握していない場合もあります。 コンサル営業は、さまざまな観点から顧客の課題を引き出すのが仕事です。例えば、顧客の課題に似通った事例を多く話をしてみたり、現代のマーケティングの傾向を話してみるのも手法の一つです。時には難しい話だけではなく、心弾むような雑談を交えてリラックスさせ、柔軟な意見を聞き出してみたりとさまざまな方法でヒアリングを行います。 ヒアリングで顧客のニーズを十分に引き出せなければ、次のステップに進めません。ヒアリングは成功に向けての重要な基盤となるため、高度なヒアリング能力は、コンサル営業にとって重視されるスキルと言えます。

コンサル営業の交渉力

顧客のニーズを引き出し、最大限のメリットが得られるよう解決に導くため、寄り添ったサービスを提供するコンサル営業のスタイルは、一見するとボランティア風に感じるかもしれません。しかし、「営業」と名の付く限り、販売実績に基づいた「売上」を視野に入れなければなりません。 顧客の利益になるように、さまざまな商品やサービスを紹介するコンサル営業は、サービスを提供しながらもどこで交渉し、自社の利益を得るかを考えなくてはなりません。顧客の納得を得て利益を得るためには、起業家としての交渉力が求められます。

各業界や社会の知識

コンサル営業は、マーケティング市場の流れや顧客の業界の事を熟知している必要性があります。例えば、金融業界や土木業界のように、特殊な業界もあります。顧客の業界の事を知らねば、本当の意味で顧客の立場に立つことはできませんし、説得力のある提案を行うことができません。 また、マーケティング市場の最新の情報を把握しなければ、顧客のニーズに沿った商品やサービスを提案することもできません。顧客の業界のプロになるくらいの気持ちと目的を持って勉強をしなければ、顧客の要望を叶え満足な結果を得ることはできません。顧客と対等に話せるよう事前にしっかりとリサーチし、準備をしておく必要があります。

見える化するためのロジカルシンキング

コンサル営業として、もっとも重要と言われているスキルが、ロジカルシンキングです。顧客の経営課題は複雑かつ難解で、必要な情報が少なかったり整理されていない時もあります。コンサル営業は少ない情報からでも、上手に読み取りながら組み立て、課題を見える化する必要があります。 課題解決に向けての筋道をしっかりと立て分析し、顧客が納得する商品やサービスを提案するロジカルシンキングが、コンサル営業に求められる重要なスキルです。 以上、4つのスキルを紹介しましたが、コンサル営業にとって忘れてはならないのが、顧客に寄り添った営業を心掛けるということです。上記、スキルが備わったとしても、顧客に対し親身に相談にのることが出来なければ信頼関係も築けませんし、販売も実績が伸びず、残念な結果になりかねません。抱える問題を、そのまま自分の問題と捉え、仕事に臨むようにしましょう。

コンサル営業は、なぜ注目されるようになったのか？

営業の業界内でも、コンサル営業は大注目されており、今後も人気が伸びていく職種です。コンサル営業が注目を浴びる背景には、マーケティング市場の変化があります。近年、急速にインターネットが発展し、経済社会の状況が大きく変化しました。コロナの影響によりリモートワークが増えたのも、インターネットが発展した理由の一つです。 これにより、従来の営業スタイルでは商品を販売することが難しくなってきました。そこで生まれたのが、従来の営業スタイルだけではなく、顧客のニーズと自社商品のメリットを踏まえて提案するコンサル営業です。 顧客の満足度を向上させるコンサル営業は、自社製品だけではなく他社製品を含め、顧客に提案ができる新しい営業スタイルです。今後もインターネットが普及していく中、コンサル営業は経済社会に置いて、必要不可欠な営業職として発展していくでしょう。

コンサル営業の仕事の流れやステップを解説

需要が高まっているコンサル営業が、普段どのようにして営業活動を行うのか、仕事の手順を5つのステップにまとめました。コンサル営業の仕事と流れを把握すれば、より具体的なイメージも生まれ、コンサル営業への理解も深まります。1つのステップごとに、コンサル営業の仕事の重要なポイントがつまっているので、ぜひ参考にしてください。

ステップ1・顧客のアポイントを得る

コンサル営業だけではなく、あらゆる営業職でまず基本となるのがアポイントを得ることです。どんなに有能な営業でも、顧客と接点を持たねば自社製品を販売できません。いかに効率よく顧客と接点を持つかが、仕事を進めるためでも重要なキーポイントとなります。 しかし、現在の経済社会において、アポイントを取るというのが非常に難しくなってきています。原因は、営業として顧客と接点を持とうとしても、リモートワークなどで会社に居ないという状況が多くなっているからです。最新の営業リストをどんなに作っても、アポイントが取れなかったら意味がありません。 コンサル営業が活躍するためにも、顧客にいかに効率よくアプローチするかが、大きな課題になっています。なるべく時間をかけず、顧客を得るにはどうしたらよいかという問題は、コンサル営業の誰もが持つ悩みの一つと言えます。 コンサル営業が発展したように、サービスを提案する企業もさまざまな発展を見せています。BIZMAPSは、リーズナブルな金額で国内最大級の企業情報が検索できるおすすめのデータベースです。営業リストを効率よく作れるだけではなく、アポイントが効率よく取れるようサポートをしてくれるBIZMAPSトップアプローチなどサービスが豊富です。 顧客へのアポイントが取れるか取れないかが、コンサル営業として活躍するためにも重要なポイントとなってきます。BIZMAPSのような他社サービスを上手に活用するのも、コンサル営業の活躍の場を広げる一つの手法と言えます。

ステップ2・顧客の抱える問題や課題をヒアリングする

コンサル営業は、顧客のアポイントが取れたら、まずは情報を集め精査するためのヒアリングから始まります。顧客が抱える悩みや課題を明確化しなければ、課題解決に進むことができません。ヒアリングは、コンサル営業が仕事を進めるうえで重要なステップと言えます。 聞き出すことだけが目的のヒアリングでは不十分です。コンサル営業は、いかに顧客の抱える問題や課題を上手にヒアリングするかを考えることが大切です。それと同時に、解決に向けた仮説をいくつか用意します。 実際に顧客からヒアリングをした時、自分がたてた仮説にマッチングするかを検証することで、よりハイレベルなサービスを顧客に提案できます。それは後に、顧客の満足度に繋がるため、重要なポイントの一つと言えます。 また、顧客からの信頼を得ることも重要です。コンサル営業は、顧客に寄り添って仕事を進めるため、顧客から信頼を得られなければ仕事を達成することができません。信頼されるためには、コンサル営業の人柄やコミュニケーション能力も必要ですが、もっとも必要なのは専門的な知識です。コンサル営業ならではの専門的な知識が豊富であればあるほど、より強い信頼感へとつながります。

ステップ3・解決策を複数用意する

ヒアリングで十分な情報が集まったら、次のステップは、課題解決に向けて専門的な立場で向き合うことです。顧客の抱える課題を解決するのに、どのような方法が最適か、どうしたらもっと良くなるかを考えます。 次に、顧客から引き出した課題と要望をもとに、解決に導くため、自社製品やサービスを基に解決策をいくつか用意します。1つの解決策ですべてが解決に導けるとは限りません。いくつかの解決策を用意することで、顧客の要望に合った対応にも繋がります。 また、状況によっては、顧客が今後目指す理想の将来像まで把握し、コンサル営業が自身で想定した解決策を調整する必要が出て来るかもしれません。専門的な知識と柔軟な考えを持ち、時には臨機応変に対応できる能力も必要です。

ステップ4・顧客へ解決策を提案する

解決策が用意出来たら、次は顧客への提案です。提案とはすなわち、コンサル営業が自身で用意した解決策をプレゼンテーションする場となります。顧客のニーズに沿った要望や、抱える悩みを解決するため、より詳しく、分かりやすく、理解をしてもらうためにプレゼンテーションしなければなりません。 自社の商品と関連付けたり、場合によっては他社製品を提案したりすることも大切ですが、最も説得力があると言われているのが実際の成功体験です。コンサル営業は、ただ説明するだけではなく、説明する提案に対し顧客が興味を抱いてくれるよう考え、プレゼンテーションを工夫する必要があります。客観的に分析をし、最適な提案をできることが大切です。

ステップ5・アフターフォローをする

コンサル営業は、顧客に商品の提案をし終えたら仕事終了ではありません。コンサル営業の最も重要な目的は、顧客にリピートをしてもらうことです。顧客にリピートをしてもらうためには、コンサル営業自身が顧客の満足度や考えを確認する必要があります。 また、コンサル営業自身が提案した内容で進めてみたものの、顧客が思ったような効果が得られなかったり、逆に悩みや課題が増えてしまっている場合は、その原因を突き止め新しい解決策を提案する必要があります。 コンサル営業がアフターフォローもしっかりと行うことで、顧客の満足度や信頼度が高まり、リピートにもつながります。次につなげるためのアフターフォローも、コンサル営業の重要な仕事の一つです。

コンサル営業は顧客をサポートするやりがいにあふれた仕事

今もっとも注目をされている、コンサル営業のやりがいや仕事内容、必要なスキルについて解説をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。コンサル営業は、専門的な知識が必要となるため、常に情報収集や勉強を欠くわけにはいきません。コンサル営業は、顧客の要望に応えるために働く大変な仕事にも思えますが、顧客と共に課題解決を目指し、共に歩むことで自身も成長できる、やりがいのある仕事です。 また、コンサル営業は経済社会のニーズにも応えている人気の職種です。今後も、コンサル営業が求められる場はさらに多くなり、発展していくと言えるでしょう。営業とコンサルの違いや、コンサルの仕事内容やメリット・デメリットをしっかりと把握したい人は、下記の記事に詳しいので、本記事と一緒に是非とも参考にしてください。 営業とコンサルの違いとは？仕事内容やメリット・デメリットを解説

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