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社会生活の基盤となる産業にはさまざまなものが挙げられますが、特に私たちの生活に直結しているのがエネルギー業界です。しかし身近なようで、エネルギー業界について詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。
本記事では、エネルギー業界の概要と現状、課題や今後の展望について解説します。記事の後半では「
BIZMAPS」で検索したエネルギー業界の売上ランキングTOP15を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
エネルギー業界の概要
エネルギー業界とは、社会活動を支えるエネルギーをさまざまな形で供給している産業です。おもに電気・石油・ガスの3分野を指しますが、広義では風力・太陽光・地熱・バイオマス発電といった再生可能エネルギーや、水素エネルギーなどを開発・提供する会社も含まれます。
エネルギー業界に属する企業は、生活に欠かせないエネルギーを安定的に供給することで収益を得ています。資源が乏しくエネルギー自給率が低い日本において、エネルギーの安定的な供給を絶対的な使命として、私たちの生活を支えている重要な業界なのです。
エネルギー業界の現状
エネルギー業界は生活に欠かせない産業なので、需要自体は安定していました。しかし市場競争が激しく、時代の変化や社会情勢なども相まって、厳しい状況に立たされている企業も少なくありません。
電気の分野では、2011年の東日本大震災による原発事故の影響もあり、原子力発電所の安全性の問題が指摘されています。そのため火力発電へシフトしていますが、発電コストの増加による収益減少の傾向が続いている状況です。
石油会社では、自動車産業がガソリン車から電気自動車(EV)へシフトしている影響でガソリン使用量が減少。さらに水素エンジンなど代替資源への移行も進んでおり年々需要が低下しています。
ガス会社は調達・輸送・小売までを地域独占で一貫して実施している会社がほとんどでしたが、小売自由化の影響で競争が激化しています。
現代は世界的なエネルギー危機や気候変動問題に直面しており、エネルギー業界全体で大きな変革が求められています。しかしエネルギーの需給や価格は国際情勢や自然災害などに左右されやすく、予測が困難です。そのため、常に最新の情報やデータに基づいて柔軟な対応が求められています。
エネルギー業界の課題と今後の動向
日本はエネルギー資源に乏しく、化石燃料の輸入に大きく依存しているため、エネルギーの安定供給や価格の高騰に対応する必要があります。さらに2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーの導入拡大や省エネルギーの推進など、CO2排出の削減に努めなければなりません。
電力会社においては風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる発電比率を増やし、石炭火力発電への依存度を減らすことが求められています。しかし原子力発電所の再稼働が進まないなかで火力発電に大きく依存しているため、再生可能エネルギーへの切り替えは容易ではないでしょう。
ガス会社はクリーンエネルギーとしての都市ガス需要が伸びてきたものの、やはり脱炭素化社会への移行が求められており、二酸化炭素の分離・回収・貯留・利用技術(CCS/CCUS技術)の導入が課題です。
石油元売りではEVの普及や少子化により、さらなる需要減少が予想されています。そして輸入品との競争が激化する可能性があるため、供給過剰の解消と、より競争力のある高機能化学品といった高付加価値品への生産転換を進めている最中です。
不確実性の高い時代において、エネルギー業界の会社が安定的な事業を展開できるかどうかは、これらの課題をいかに解決するかにかかっています。
エネルギー業界の売上ランキングTOP15
ここからは、エネルギー業界の売上ランキングTOP15をご紹介します。
国内最大級の企業検索サービス「BIZMAPS」で大業種を「エネルギー業界」、中業種を「エネルギー業界全て」にして売上順にソートした結果は次の通りです。
第1位:出光興産株式会社
第2位:ENEOS株式会社
第3位:東京電力ホールディングス株式会社
第4位:株式会社JERA
第5位:東京ガス株式会社
第6位:関西電力株式会社
第7位:住友化学株式会社
第8位:中部電力株式会社
第9位:大阪ガス株式会社
第10位:九州電力株式会社
第11位:コスモ石油株式会社
第12位:東北電力ネットワーク株式会社
第13位:九州電力送配電株式会社
第14位:電源開発株式会社
第15位:東北電力株式会
エネルギー業界の売上ランキング第1位:出光興産株式会社
出光興産株式会社は東京都千代田区に本社を置く会社です。日本石油(現:ENEOS)の潤滑油の特約店「出光商会」として、1911年に出光佐三氏が福岡県で創業しました。
現在の法人が設立されたのは1940年で、戦後の高度経済成長の波に乗って石油の輸入や精製を手がける元売大手として発展。ギリシャ・ローマ神話に登場する太陽神アポロをモチーフとした会社ロゴマークには「あるべき未来の実現のためにエネルギーを注ぎ込むアポロのような存在でありたい」という想いが込められています。
会社情報はこちら
出光興産株式会社
エネルギー業界の売上ランキング第2位:ENEOS株式会社
ENEOS株式会社は、持株会社のENEOSホールディングスの傘下で日本の石油元売として最大手、世界では第6位の規模を持つ会社です。
「ENEOS」とは「ENERGY(エネルギー)」と「NEOS(ネオス・ギリシャ語で“新しい”)」という2つの言葉を組み合わせて生み出したオリジナルワードで、さまざまなエネルギーのメニューを取り揃え、顧客一人ひとりに満足を届けるという決意の表れです。
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ENEOS株式会社
エネルギー業界の売上ランキング第3位:東京電力ホールディングス株式会社
東京電力ホールディングス株式会社は、電力事業を展開している東京電力グループの事業持株会社です。原子力発電事業や、原子力損害に対する賠償と除染事業などもおこなっています。
電気とガスのセットプランでセット割による割引を提供しているほか、一定量までは定額でそれ以上は従量料金となるプレミアムプラン、夜の時間帯に使用料が多い人向けの夜トクプランなど、ライフスタイルに応じたさまざまなプランが準備されています。
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東京電力ホールディングス株式会社
エネルギー業界の売上ランキング第4位:株式会社JERA
株式会社JERAは、東京電力と中部電力との包括的アライアンスに基づいて、日本に国際競争力のあるエネルギー企業を創出することを目的として設立されたエネルギー会社です。燃料の上流開発・調達・トレーディング・輸送から、火力発電所の建設・運営までを手がけています。
社名の「JERA」は、Japan(日本)の頭文字とenergy(エネルギー)の頭文字にera(時代)という語を組み合わせたもので、「日本のエネルギーを新しい時代へ(Japan’s Energy for a new eRA)」という意味が込められています。
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株式会社JERA
エネルギー業界の売上ランキング第5位:東京ガス株式会社
東京ガス株式会社(東京瓦斯株式会社)は、東京都心部とその隣接区域(関東地方1都6県の主要都市)をガス小売営業区域とするガス会社です。
グループの事業内容として、都市ガスの製造および販売、LNG販売、電気の製造・供給および販売のほか、海外における上流事業、不動産開発、土地・建物の賃貸・管理などもおこなっています。
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東京ガス株式会社
エネルギー業界の売上ランキング第6位:関西電力株式会社
関西電力株式会社は大阪府大阪市に本店を置く電力会社で、電気の販売量で日本国内第2位です。おもに近畿地方や関東地方などで、電力小売事業や発電事業をおこなっています。
また近年はエネルギーの安全・安定供給の責務をまっとうしながら、中期経営計画に掲げる「ゼロカーボンへの挑戦」「サービス・プロバイダーへの転換」「強靭な企業体質への改革」という3本柱に取り組んでいます。
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関西電力株式会社
エネルギー業界の売上ランキング第7位:住友化学株式会社
住友化学株式会社は住友グループの大手総合化学メーカーで、国内化学メーカーとしては三菱ケミカルグループに次いで第2位の会社です。愛媛県新居浜の別子銅山で銅の製錬の際に生じる排ガスの煙害を解決するため、その原因である亜硫酸ガスから肥料を製造することを目的として1913年に設立されました。
現在は「エッセンシャルケミカルズ」「エネルギー・機能材料」「情報電子化学」「健康・農業関連事業」「医薬品」の5事業分野にわたって、社会活動を支える製品を供給しています。
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住友化学株式会社
エネルギー業界の売上ランキング第8位:中部電力株式会社
中部電力株式会社は愛知県名古屋市に本店を置く電力会社で、愛知県、岐阜県、長野県、静岡県の富士川以西、三重県の一部、関東地方、近畿地方などで電力小売事業・発電事業をおこなっています。
コーポレートスローガンは「むすぶ・ひらく」で、「人と人、人と社会をつなぎ、むすびあわせることで、この先もコミュニティを支えていきたい。そして、人の可能性と未来をひらいていきたい」という想いが込められています。
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中部電力株式会社
エネルギー業界の売上ランキング第9位:大阪ガス株式会社
大阪ガス株式会社は大阪府大阪市に本店を置くガス会社で、都市ガスの販売量では全国2位の会社です。
国内エネルギー事業、海外エネルギー事業、ライフ&ビジネス ソリューション(LBS)事業の3つ分野で培ったノウハウと強みのある資本を活用して、国内外を問わず新たな事業領域の拡大に積極的にチャレンジしています。
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大阪ガス株式会社
エネルギー業界の売上ランキング第10位:九州電力株式会社
九州電力株式会社は、福岡県福岡市に本店を置く電力会社です。九州全体を対象エリアとして、電力の供給や発電事業をおこなっています。
「ずっと先まで、明るくしたい。」というブランドメッセージのもと、「低廉で良質なエネルギーをお客さまへ安定してお届けすることを通じて、お客さまの生活や経済活動を支える」ことを使命として事業を展開しています。
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九州電力株式会社
エネルギー業界の売上ランキング第11位:コスモ石油株式会社
コスモ石油株式会社は、石油製品を精製・販売する石油元売会社です。大協石油、丸善石油、旧・コスモ石油の3社が合併して、1986年4月1日に発足した会社で、総合石油事業などをおこなう傘下グループ会社の経営管理、それに付帯する業務がおもな事業内容になります。
「ココロも満タンに」というコーポレートメッセージのもと、エネルギーの安定供給と関連するサービスの提供を通して、サステナビリティの実現を目指しています。
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コスモ石油株式会社
エネルギー業界の売上ランキング第12位:東北電力ネットワーク株式会社
東北電力ネットワーク株式会社は宮城県仙台市青葉区に本社を置き、東北6県と新潟県を供給区域とする一般送配電事業者です。東北電力の100%子会社で、送電線・変電所・配電線などの送配電網を維持・運用し、発電事業者や小売電気事業者のような事業者を相手として送配電サービスを提供しています。
また地域の祭りへの参加や街路樹の清掃などを通して、地域社会の一員として地域に寄り添った活動をおこなっています。
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東北電力ネットワーク株式会社
エネルギー業界の売上ランキング第13位:九州電力送配電株式会社
九州電力送配電株式会社は九州7県を供給区域とする一般送配電事業者で、九州電力の100%子会社です。
日頃からの送配電設備の適切な保全・運用に加えて、台風などの災害時に迅速な停電復旧作業を実施することで停電時間・回数を大幅に低減させていて、高い信頼性を強みとしています。また無停電工法を採用し、長年にわたって作業停電ゼロを維持しているのも特徴です。
会社情報はこちら
九州電力送配電株式会社
エネルギー業界の売上ランキング第14位:電源開発株式会社
電源開発株式会社は電気事業をおこなう会社で、「J-POWER」とも呼ばれています。戦後日本の復興をエネルギー供給を通じて後押しするため、1952年に誕生しました。
「人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献する」という企業理念に基づき70年以上にわたって安定的な電力の供給に努め、近年ではカーボンニュートラルと水素社会の実現を目標に取り組みを加速させています。
会社情報はこちら
電源開発株式会社
エネルギー業界の売上ランキング第15位:東北電力株式会社
東北電力株式会社は宮城県仙台市に本店を置く電力会社で、東北地方や新潟県などで電力小売事業や発電事業等をおこなっています。
顧客の要望に「より沿う」、東北と新潟の成長と発展に「寄り添う」という意味が込められている「より、そう、ちから。」をコーポレートスローガンに掲げ、地域とともに成長していくさまざまな取り組みを実施しています。
会社情報はこちら
東北電力株式会社
エネルギー業界は暮らしに欠かせない基幹産業
エネルギー業界は私たちの暮らしに必要不可欠な産業ですが、激動の時代においてさまざまな課題に直面しています。大きな変革期を迎えているエネルギー業界の動向に、今後も注目していきましょう。
登録企業数200万社以上を誇るBIZMAPSでは、エネルギー業界に属する会社が9,622社登録されています。ぜひ、ほかの会社情報もチェックしてみてください。
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