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窯業業界が扱う窯業製品は、その強度、耐熱性、耐腐食性、絶縁性などの特性から、建築、土木、インフラ、エレクトロニクス、自動車、医療など、さまざまな産業において重要な役割を果たしています。BIZMAPSで窯業業界で活躍する企業について調べてみたところ、【窯業系建材・石材】で7,008社と充実した情報を得ることができました。 BIZMAPSで得た情報を基に、現在の窯業業界の最新情報や、最新のトレンド、主要企業の動向などを調べました。窯業業界で最新の情報を得たい経営者の方や、今後、窯業業界で営業活動を行う営業職の方に最適な内容となっています。

窯業業界の定義と特性を解説

窯業業界は、土や石などの原材料を高温で焼成して製品を製造する産業を指します。この業界には、陶磁器、耐火物、セラミックス、ガラス、セメント、レンガ、タイルなど、さまざまな製品が含まれます。窯業製品は、建築資材、家庭用品、工業部品、電子機器部品など、多岐にわたる用途で利用されており、社会や産業の基盤を支える重要な役割を果たしています。
  • 陶磁器:美観性が高く、耐久性と耐熱性に優れており、主に食器や装飾品、衛生陶器(洗面台、便器など)に使用されます。
  • セラミックス:硬度が高く、耐熱性や耐腐食性に優れています。工業用途が多く、電子機器、医療機器、耐火材料、工具などに使用される高度な技術素材です。
  • ガラス:透明性や成形の自由度が高く、製品用途が非常に多岐にわたり、建築用ガラス、家庭用ガラス製品(窓、瓶、コップ)、光ファイバーなどがあります。
  • セメント:建築物やインフラの基礎を支える重要な材料。強度と耐久性が求められ、建築・土木工事においてコンクリートの主成分として使用されます。
  • レンガ・タイル:耐久性が高く、デザイン性が重視されています。耐火性にも優れているので、主に建築の外装材や床材として使用されます。
  • 耐火物:極めて高い耐熱性と耐久性を持ち、高温に耐える材料で、主に炉や窯の内装に使用されます。
このように、窯業業界は、陶磁器、ガラス、セメント、セラミックスなど、幅広い製品を提供する産業であり、建築、家庭用品、工業材料、高度技術分野で重要な役割を果たしています。技術革新や持続可能性への取り組みが進む一方で、エネルギーコストや環境規制への対応が今後の課題となります。市場のグローバル化と新興市場での成長も、業界の将来を形作る重要な要因となります。壺業業界について細かく解説していきます。

窯業業界のバリューチェーンを解説します

窯業業界のバリューチェーンは、原材料の調達から製品の製造、販売、物流、そしてリサイクルまでの一連のプロセスを含みます。各段階での効率的な運営と付加価値の創出が、業界全体の競争力を高める要因となります。特に、持続可能性への取り組みや技術革新が、今後の業界発展において重要な役割を果たします。窯業業界のバリューチェーンについて詳しく解説します。

窯業業界のバリューチェーン

窯業業界は、原料となる金属や非金属をメーカーから調達し、加熱処理して焼き固めた焼結体であるセラミックスの製造を手がける業界です。そのため、窯業業界はセラミックスの種類ごとに異なる販売先を持ちます。セメントは生コンメーカーや工事業者などの建設業界、ファインセラミックスについては半導体や電子部品メーカーなど様々です。 エンドユーザーは、自動車をはじめとした輸送機器メーカーになります。なお、セメント製造においては、主原料となる石灰石や主燃料の石炭の調達ルートとは別に、廃棄処理施設や製鉄所などの産業施設から調達した廃棄物や副産物も原料や燃料として活用しています。これは、廃棄物としての処理費用を受け取っているパターンも多く、結果的にコスト削減につながっています。 窯業業界が扱うファインセラミックスは、半導体や電子部品などの用途拡大を背景に需要が拡大しました。ファインセラミックスのエンドユーザーである電子部品メーカーなどが、事業の一環としてファインセラミックス製造業に参入しているケースも少なくはありません。

窯業業界の取り扱い商品とサービスとは?

窯業業界では、さまざまな製品やサービスが取り扱われています。この業界は、原材料を高温で焼成する技術を活用して、建築材料から家庭用品、工業用部品、特殊材料まで幅広い商品を提供しています。また、製品の製造だけでなく、関連するサービスも提供しています。窯業業界の扱う商品のうちのセラミックス製品は、ガラス、セメント、レンガなどの耐火物と、陶磁器、ファインセラミックスの5つに大きく分けられます。 経済産業省の「経済構造動態調査」を参考にすると、2021年の窯業・土石製品製造業の出荷額における構成比では、セメント・同製品製造業が41%と最も大きいことが分かります。次に大きいのが、ガラス・同製品製造業が19%、ファインセラミックスを含む陶磁器・同製品製造業が12%と続いています。大きい割合を占めたセメントは、工業標準化法(JIS法)に規定される全セメント生産高の3/4以上を占めています。

セメント

一般的な「ポルトランドセメント」のほか、ダムなどの大型土木工事に使用される高炉セメントやフライアッシュセメントなどからなる「混合セメント」、都市ごみ焼却灰や下水汚泥を原料とした「エコセメント」の3種類があります。セメントの特徴は、輸送コストが高いため、内需依存型産業であることです。そのため、国内では主原料の石灰石の有力産地でもある北九州地方、山口県、消費量最大の関東地方の二地域に偏って工場が分布しています。

セラミックス製品

セラミック製品は、非金属無機材料であるセラミックスを原料とし、高温で焼成(やきしゅく)することで作られる製品の総称です。セラミックスは、硬度、耐熱性、耐腐食性、電気絶縁性など、優れた物理的・化学的特性を持ち、さまざまな用途で利用されています。日常生活で使われる食器や装飾品から、工業用部品や電子部品、医療用材料に至るまで、非常に幅広い範囲で活用されています。

ファインセラミックス

ファインセラミックスは、アラミナや窒化ケイ素といった合成化合物などを原料としています。製造工程も、精密に制御された複雑な工程を経て、より耐熱性、耐食性、電気絶縁性、耐摩耗性に優れた特性が備わります。ファインセラミックスの用途は大きく分けて2つにわけられます。まず一つが、集積回路・機能回路用パッケージや基盤などの電子部品に使用される「機能材」です。 二つ目は、触媒担体・セラミックフィルタ、断熱材、工具材などの産業用機械部品に使用される「構造材」です。近年では、電子機器の小型化や高機能化に伴う用途拡大化が進んでいる「機能材」が大部分の生産量を占めています。

窯業業界のビジネスモデルとKFS

窯業業界は、セメント製造を中心に典型的な装置産業としての性質を持っています。窯業業界は大規模な製造設備が必要な業界のため、豊富な資金力を有することから参入障壁は高いです。セメントは、JIS法で製品規格が厳密に規定されていることもあり、製品による差別化が図りにくい傾向にあります。そのため、コスト削減が実現できる大手企業が価格競争などにおいて有利となっています。 また、セメントのエンドユーザーとなる建設業界の低迷や、取引先の背後に控える大手ゼネコンの存在などを背景に、燃料の石灰価格の高騰分を十分に転嫁できていない状況となり、セメントメーカーの収益を圧迫しています。窯業業界は、厳しい競争環境下において、大手の集約化が進んでいます。そのため、業界は上位数社の寡占市場となっています。これらのことから見るKFSは、コスト削減による競争力強化と、新興国需要の獲得です。 窯業業界は輸送コストが高いため、内需が基本の業界です。窯業業界の中でも、製品による差別化も難しいセメント製造業においては、コスト競争力強化が重要なKFSとなっています。スケールメリットを生かした物流機能の効率化や廃棄物処理業を通した原料調達の拡大などを各社に取り込んでいます。中期的には、成熟している国内市場に代わる収益源として、拡大する新興国需要の獲得が必須となります。

窯業業界の財務指標分析

窯業業界における財務指標は、企業の収益性、効率性、財務健全性を評価するために不可欠です。売上高、売上総利益、営業利益、純利益、流動比率、ROE、ROA、固定費用対変動費用の比率などの指標を総合的に分析することで、企業の競争力や経営状態を把握し、戦略的な意思決定に役立てることができます。また、エネルギーコストや原材料費など、窯業業界特有のコスト構造も考慮することが重要です。 窯業業界の財務指標分析は「企業活動基本調査」の窯業・土石製品製造業の情報を参考にします。窯業業界の収益性は、売上原価率が高く、売上高総利益率が23%程度と比較的低めの水準になっています。 対し、物流コストが高いことが要因で、売上高に占める販売費の割合が大きく営業利益率は5〜7%程度と低水準です。また、窯業業界は典型的な装置産業のため、大規模な製造設備が必要なことから固定資産比率が高く50%台で推移しています。 窯業業界は、設備などへの定期的な投資が必要なため、負債が膨らみがちな性質を持っています。しかし、自己資本比率は50%程度と低くなく、近年は上昇傾向で推移しています。コロナ禍の影響でROAは需要減から低下していましたが、近年は利益率の改善と共に回復傾向にあります。なお、業界の上位集中度を測るHHI指数を参照すると、上位寡占が進んでいる傾向が見えます。

窯業業界の最新トレンドを紹介します

窯業業界は、持続可能性の追求、高度技術セラミックスの需要拡大、デジタル化とスマート製造、高機能ガラスの開発、新興市場の成長と需要拡大など、さまざまなトレンドに対応しながら進化しています。これらのトレンドにより、業界全体が環境への配慮と技術革新を重視する方向に向かっており、今後も多くの分野での成長が期待されます。 窯業業界の各企業はこれらのトレンドを活かし、競争力を強化し、持続可能なビジネスモデルを構築していくことが求められます。最新のトレンドを知ることは、窯業業界の経営者の方にはもちろん、窯業業界に新規顧客開拓を考えている営業職の方にも大切です。 窯業業界の最新トレンドを紹介します。

持続可能性と環境配慮の強化に注目が集まっています

環境保護への意識が高まる中、窯業業界でも持続可能性が大きなテーマとなっています。特に、エネルギー効率の向上やリサイクル材の利用、二酸化炭素排出削減が重視されています。主なトレンドの傾向としては、従来のセメント製造プロセスに比べて、CO2排出量を大幅に削減できる低炭素セメントが注目されています。これにより、建築分野での環境負荷が低減されます。 また、ガラス、セラミックス、レンガなどの廃材をリサイクルし、新たな製品の原料として再利用する取り組みが進んでいます。特に、建築用資材や工業用材料での利用が増えています。環境に優しい製造プロセスを視野に入れて考えると、高温焼成を伴う窯業製品の製造プロセスでは、エネルギー消費が大きな課題となります。これにより、再生可能エネルギーの利用や、省エネルギー技術の導入により、環境負荷を軽減する動きが進んでいます。

高度技術セラミックスの需要拡大がトレンド入り

電子機器や医療機器、航空宇宙分野で使用される高度技術セラミックスの需要が増加しています。これらの製品は、高い精度と特殊な性能が求められるため、技術革新が重要です。スマートフォン、電気自動車、5G通信機器など、ハイテク製品に不可欠な電子セラミックスの需要が急増しています。特に、コンデンサーやセンサー、絶縁体などが多く使用されています。 また、医療用セラミックスとしてバイオセラミックスの分野では、人工関節や歯科用インプラント、骨代替材料などの開発が進んでいます。生体適合性や耐久性に優れたセラミックス材料が求められています。他にも、耐熱性や耐腐食性が求められる航空機エンジン部品や宇宙探査機の部品に使用される航空宇宙用セラミックス材料の研究が進んでいます。

デジタル化とスマート製造導入に注目!

窯業業界でもデジタル化が進んでおり、製造プロセスの効率化や品質管理の強化に貢献しています。特に、スマート製造技術の導入が注目されています。IoT技術を活用して、製造プロセスの各段階をリアルタイムで監視し、品質管理やプロセス最適化を行う取り組みが進んでいます。これにより、製品の不良率を低減し、生産効率が向上しています。また、自動化技術やロボットの導入により、窯業製品の製造プロセスが効率化されています。 特に、重労働が伴う工程や高温環境での作業において、ロボットの活用が進んでいます。他にも、デジタルツイン技術として、製造設備やプロセスのデジタルツイン(仮想モデル)を構築し、シミュレーションや予測分析を行うことで、製造プロセスの最適化やメンテナンスの効率化が図られています。

高機能ガラスの開発が進んでいます

ガラス製品の高機能化が進んでおり、特にエネルギー効率や安全性、デザイン性を高めた製品が求められています。断熱性能や遮熱性能を持つ省エネガラスが、建築業界での採用が増えています。これにより、建物のエネルギー消費を削減することができます。光透過性を調節できるスマートガラスが、商業施設や住宅に導入されつつあります。プライバシー保護やエネルギー効率向上に寄与します。 他にも、防犯性や耐衝撃性を高めた安全ガラスが、自動車や建築物に広く採用されています。これにより、事故や災害時の安全性が強化されます。

新興市場の成長と需要拡大

アジア、中東、アフリカなどの新興市場でのインフラ開発や都市化が進む中で、窯業製品の需要が増加しています。新興国でのインフラ整備が進む中、セメント、レンガ、タイルなどの建築材料の需要が増加しています。特に、都市部のインフラ開発や住宅建設が主要な需要ドライバーとなっています。新興市場における建築ブームにより、耐久性やデザイン性に優れた高品質な窯業製品へのニーズが高まっています。 特に、都市部での商業施設や高層ビル建設での需要が顕著です。今、ローカル市場向けの製品展開が進んでいます。地域ごとの気候や文化に対応した製品が求められるため、地域特化型の製品開発が進んでいます。これにより、新興市場での競争力が強化されています。

窯業業界の市場規模

窯業業界の市場規模は、製品セグメントや地域ごとに異なり、全体として非常に広範な市場を形成しています。セメント、ガラス、セラミックス、陶磁器、耐火物など、それぞれの市場が異なる成長要因に支えられており、特に新興市場でのインフラ整備や都市化が大きな需要を生み出しています。また、環境規制の強化や技術革新が、今後の市場成長に影響を与える重要な要素となっています。 セメント協会によると、2022年度のセメントの生産高は4,730万トンとされています。しかし、2020年度はコロナ禍の影響で建設需要が減退し、4,955万トンまで落ち込みました。2021年度は回復の兆しを見せたものの、2022年度は再び減少となっています。経済産業省の工業統計を参考にすると、2019年の「セメント・同製品製造業」の出荷額は3兆円となっています。 また、日本ファインセラミックス協会によると、2022年のファインセラミックス部材の生産額実績は3兆6,165億円となっています。2023年の見込みは3兆3,815億円でした。近年は音響機器などに用いられる圧電機能素子の需要拡大を受け、増加傾向が続いています。窯業業界だけではなく、多くの業界に影響を及ぼしたコロナ禍で窯業業界も若干の落ち込みを見せましたが、回復は早かったです。 2022年は半導体不足の緩和、個人消費や経済活動の回復により、大幅に市場が拡大しました。しかし、2023年は国内需要の落ち込みから、窯業業界は生産額の減少が見込まれています。

窯業業界のマクロ環境を解説します!

窯業業界に大きな影響を与えるマクロ環境要因としては、セメントのエンドユーザー産業である建設市場の動向が影響しています。近年の少子高齢化など多くの影響から、国内人口の減少が見られます。また住宅ストックなどの飽和を背景に、1990年代後半から続く新築市場の低迷に影響を受け、窯業業界のセメント需要も縮小を続けてきました。2010年代に入ってからは、震災復興需要や都市部の民間投資需要により回復基調となりました。 2019年頃までは東京オリンピックに向けたインフラの整備に伴う需要の増加は続きました。しかし、2020年以降は特需の恩恵も無くなり、国内人口の構造的問題に伴う建設需要の縮小が長期トレンドとして継続していくことが予想されます。窯業業界の技術動向としては、エレクトロニクス分野における製品の発展と、何よりも電子機器の小型化・高機能化に伴ったファインセラミックスの用途が拡大しています。 他にも、耐熱性や耐食性、強度の優位性から自動車や航空機をはじめとした輸送機器や宇宙用・ロケット用構造材への採用も拡大しています。同じ理由で、カーボン新素材の需要も高まりつつあります。現在は、量産や加工のコストがまだ高いことなどが原因で、既存素材の完全代替とまでは至っていません。しかし、今後の新素材として、研究開発の動向に注目が集まっています。

窯業業界の業界地図は再編による影響が大きい

窯業業界は、セメント、ガラス、セラミックス、陶磁器、耐火物など、各セグメントごとに特化した大手企業が存在し、それぞれがグローバル市場で強い競争力を持っています。これらの企業は、建築、自動車、電子機器、医療など、さまざまな産業に対して不可欠な製品を供給しています。日本の企業は、特に高品質な製品と技術力で評価されており、国内市場だけでなく、アジアや欧米市場でも存在感を示しています。 窯業業界は、太平洋セメント住友大阪セメントの他、麻生セメント琉球セメント日鉄高炉セメント日立セメントなどのセメント専業系メーカーと、UBE三菱マテリアルトクヤマデンカといった化学・金属兼業メーカーに大きく二分されています。太平洋セメント、住友大阪セメント、UBE、三菱マテリアル及び2社の共同出資販社の宇部三菱セメントの大手5社がセメントの生産・販売シェアの大部分を占める寡占市場となっています。 窯業業界では、大手企業同士で生産や物流面での業務提携によるコスト削減などの効率化が図られています。また、環境規制の強化や技術革新に対応し、持続可能な製品開発を進めている点も重要な特徴です。各セグメントの市場はそれぞれ異なる成長要因を持ち、特にアジアや新興市場でのインフラ整備の進展、エレクトロニクス分野での技術セラミックスの需要拡大が、業界全体の成長を支えています。 また、ファインセラミックスは窯業業界の企業群に加え、エンドユーザー産業も手掛ける半導体および電子部品兼業系が有力プレイヤーとなっています。

窯業業界の主要企業を紹介します

窯業業界には、世界的に影響力を持つ企業が多数存在します。窯業業界の主要企業は、セメント、ガラス、セラミックス、陶磁器、耐火物など、さまざまな製品を製造し、建築、インフラ、自動車、電子機器、医療など、幅広い産業分野で使用されています。窯業業界で活躍する主要企業の動向を知ることで今後の窯業業界の展開も見えてきます。ぜひ、窯業業界の経営者の方に見ていただきたい情報です。

太平洋セメント株式会社

太平洋セメント株式会社は、日本を代表するセメントメーカーの一つで、2008年に秩父小野田と日本セメントの大手2社の合併により誕生し、国内外で幅広く事業を展開しています。主にセメントの製造・販売を行い、建築、土木、インフラ整備など、さまざまな分野において重要な役割を担っています。また、セメント関連事業に加えて、資源リサイクルや環境関連事業にも注力しており、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。 建設需要の落ち込みが影響し減収が続いていましたが、2022年度には都市部再開発工事や物流関連施設新増設の活発化により増収に転じました。しかし、営業利益率は0.6%まで低下しました。国内のセメント需要が縮小したことで、2010年には人員削除や物流拠点の統廃合など構造改革を行っています。構造改革の結果、業績は回復し、海外展開を進め、アメリカや中国、ベトナム、フィリピンなどでセメント事業を展開しました。 2021年度の海外売上高比率は27%でアメリカの事業が大半を占めています。2021年度からの中期経営計画では、CO2排出量の多いセメント産業でカーボンニュートラル技術の確立、首都圏大型再開発プロジェクトやリニア中央新幹線など国家的プロジェクトへ貢献、AI配船・自動配車の導入による最適物流体制の実現、AI・IoTを駆使した労働生産性向上などの取り組みを掲げています。

京セラ株式会社

京セラ株式会社は、日本を代表する電子機器およびセラミックスメーカーで、幅広い分野にわたる製品とサービスを提供しています。1959年に「京都セラミツク株式会社」として設立され、セラミック製品の製造からスタートしました。その後、電子部品、太陽光発電システム、通信機器、ドキュメントソリューションなど、事業分野を拡大し、現在では世界的な多角的企業として知られています。 2022年度の総資産は4.1兆円、自己資本比率74%という強固な財務基盤を有し、M&Aを積極的に展開しています。京セラはセラミックス技術に強みを持ち、産業用から消費者向けまで、多種多様なセラミック製品を製造しています。これらの製品は、高い耐久性、耐熱性、耐腐食性などを特徴とし、先端技術分野で広く利用されています。 また、京セラは携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、通信モジュールなど、通信機器の製造でも知られています。特に、耐久性の高い製品や法人向けの特殊なニーズに応える製品ラインが特徴です。2022年度の業績は、スマートフォン向け部品の需要減の影響を受けたものの、先端半導体向け部品の増産に加え、ドキュメントソリューション事業と機械工具事業等での販売が好調で、売上高は2兆円を超えています。

窯業業界の今後の展望は?

窯業業界の今後の展望は、技術革新、持続可能性への対応、新興市場での需要拡大など、さまざまな要因によって形成されます。まず最初に、窯業業界だけではなく多くの業界に影響を与えてる新型コロナウイルスの影響についてです。新型コロナウイルスが蔓延した影響により、さまざまな工事の延期を余儀なくされたこともありセメント生産量は落ち込みました。 現在は、都市部の再開発工事および、店舗や倉庫などの設備投資で需要の回復が見られますが、住宅投資や官需の落ち込みは長期化しています。窯業業界を支えていると言っても過言ではないセメントの先行きは今もなお、厳しい状況が続いています。しかし、新素材として5G等の情報通信市場や自動車関連市場、半導体製造装置向けのファインセラミック部品需要等が旺盛です。

国際的な素材開発・製造の競争が激化

新型コロナウイルスの影響も受け、セメント内需は長期の縮小傾向が見込まれています。東京オリンピックの開幕に伴い、インフラ整備によるセメントの特需が落ち着いてしまったため、今後は人口減少や住宅ストックの飽和による建設市場の低迷が進行し、セメント需要が縮小することにつながります。これを受け、今後の窯業業界の展望としては、需要の拡大が見込まれるアジア新興国をはじめとした海外展開に注力することになるという点です。 また、窯業業界は内需縮小に伴い、競争激化を受け業界再編もさらに進んでいくことが予想されます。また、航空機エンジンへの採用が注目される炭化ケイ素をはじめしたファインセラミックスの他、耐熱性と耐久性の高いCMC(セラミックス複合材料)、航空機や自動車の車体でのCFRP、電気自動車のリチウム電池におけるカーボンナノチューブといった注目新素材の開発も進んでいます。 それに伴い、新素材の開発や普及のネックとなっていた良さんコストの低下も徐々に進んでいます。コスト低下が進むことにより、今までは航空機や一部の高級車などのハイエンドに限られていた用途が、規模の大きな大衆車市場へ拡大することが予想されます。それを起爆剤に、各素材の市場は著しい成長が期待されます。また、今後は製造技術が進む新興国を含めた国際的な素材開発・製造の競争が激化していくことでしょう。

窯業業界は新素材の開発と海外展開が発展の鍵

窯業業界は社会や産業の基盤を支える重要な役割を持つ業界です。窯業業界を支えているのはセメントと言っても過言ではありませんが、少子高齢化や新型コロナウイルスといったさまざまな影響により、近年では需要が減少傾向にあります。窯業業界が今後、さらに発展するには最新のトレンドに目を向けつつ、新素材の開発や海外展開を視野に入れることが重要です。 BIZMAPSは最大級の企業プラットフォームです。登録社数は200万社を超え、窯業業界だけではなくさまざまな業界の企業情報を基本月額無料で、月100件までダウンロードすることができます。今後、窯業業界に新規顧客を考えている営業職の方には、力強いパートナーになること間違いありません。是非、利用してみてください。 ▼その他のBIZMAPS掲載企業の特集記事はこちらから! 建材業界とは?市場規模・トレンド・今後の動向を徹底解説 素材業界とは?構造から企業が抱える課題、今後の動向まで研究し解説します! 暮らしを支える製鉄所の現状とは?関連企業の売上ランキングも紹介 設備卸は住宅を提供する上で重要な業界!卸売りの動向を解説します 加工食品業界漬物・煮物・大豆、米飯・総菜ベンダーとは?徹底解説

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