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素材業界は広く、さまざまな産業や分野で使用される素材を提供しています。製品の製造や開発に必要な材料や素材を供給する、製造業を支える非常に重要な業界です。近年、素材業界はデジタル化とインターネットの普及により、急速に成長しています。最大規模の企業プラットホームBIZMAPSで【資源・素材業界】を検索したところ、28,003社が素材業界で活躍していることが分かりました。 今回は業界研究として素材業界に着目し、構造からメーカーの種類、今後の課題や動向について解説します!

素材業界の定義をチェック!

素材・材料業界は、製造業の基盤となる重要な部門の一つです。さまざまな産業に必要な材料や素材を供給し、製品の製造や開発に必要な基礎を提供しています。素材業界では、新しい素材の開発や既存の素材の改良が重要な焦点となっています。環境への配慮や持続可能性が求められる中、再生可能な素材やリサイクル可能な素材の開発が進んでいます。 また、耐久性、軽量化、耐摩耗性、高温耐性など、製品の要件に合わせた特性を持つ素材の需要も高まっています。さらに、ナノテクノロジーやバイオテクノロジーの進歩により、新たな素材や材料が開発されつつあります。これらの技術の発展は、業界全体のイノベーションを促進しています。素材業界の競争は激しく、企業は常に効率性の向上や品質の向上を目指しています。

素材業界の概要

資源・素材業界はあらゆる産業に原料となる商品を提供する業界で、日本のものづくりを中心とした経済の発展を土台から支えてきた分野です。国際的な取引やグローバルなサプライチェーンの構築も、素材業界の特徴です。素材業界に所属する7つの企業群は以下の通りとなります。
  • 鉱業
  • 繊維・皮革
  • ガラス・レンズ
  • 製紙
  • 窯業・新素材
  • 包装資材
  • 素材・材料卸

鉱業

鉱業は、地下から鉱物資源を採掘し、加工して原材料を生産する産業です。鉄鉱石、石炭、銅、金、ダイヤモンドなどの貴重な鉱物資源を含む多岐にわたる資源を取り扱っています。近年、持続可能性の観点から、鉱業企業は環境への影響を最小限に抑えるための技術革新や取り組みを推進しています。また、社会的責任の観点から、地域社会との協力や地域開発プロジェクトの実施など、企業の活動がますます広がっています。

繊維・皮革

繊維・皮革産業は、衣料品や家庭用品などの製造に使用される素材を提供する産業です。繊維業界では、綿、ポリエステル、ナイロン、ウールなどの繊維を生産し、これらを織物や編物に加工して製品化します。皮革業界では、家畜の皮や革を加工し、革製品や革製素材を生産します。繊維・皮革産業は、ファッションや衣料品産業の基盤となっており、日常生活において不可欠な役割を持っています。

ガラス・レンズ

ガラス・レンズ産業は、光学機器や光学部品の製造に使用される素材であるガラスやレンズを提供する産業です。また、光学特性や耐久性、透明性などの要件に応じて、さまざまな種類のガラスやレンズが開発されています。近年、ガラス・レンズ産業では、高解像度、低歪み、軽量化、耐久性向上などの要求に応えるための技術革新が進んでいます。デジタルカメラやスマートフォンなどの光学機器の普及に伴い、小型化や高性能化が求められています。

製紙

製紙産業は、木材やリサイクルされた紙を原料として、紙や板紙などの製品を生産する産業です。これらの製品は、日常生活やビジネスで幅広く使用されています。製紙産業では、木材の製紙パルプを作るための木材調達から始まり、製紙工程でのパルプの製造、紙機での紙の製造、仕上げ工程での製品の加工など、さまざまなプロセスが含まれます。 さらに、デジタル化の進展により、紙の需要が一部で減少していますが、包装や包装資材、特殊用途の紙製品など、一部では需要が安定しています。また、環境への配慮や再生可能な資源の活用など、製紙産業が持続可能な未来に向けて取り組んでいる取り組みは、業界全体にポジティブな影響を与えています。

窯業・新素材

窯業・新素材産業は、陶器、セラミックス、ガラスなどの製造に関わる産業を指します。窯業・新素材産業では、材料の調達から製造、加工、品質管理まで、さまざまな工程が含まれます。近年、窯業・新素材産業では、次世代の素材や製品の開発が進んでいます。持続可能性の観点から、再生可能な原材料の利用や廃棄物のリサイクル、省エネルギー・低炭素な製造プロセスの採用などが重要視されています。

包装資材

包装資材産業は、製品や商品を保護し、輸送・貯蔵・販売時に安全かつ効果的に梱包するための材料や製品を提供する産業です。これらの資材は、様々な形状や素材で提供され、製品の性質や用途に応じて使用されます。包装資材産業は、製品の保護や安全性だけでなく、環境への配慮や省資源化にも注力しています。パッケージングのデザインや印刷技術の進歩により、製品の魅力や価値を伝える役割がますます重要となっています。

素材・材料卸

素材・材料卸業は、製造業や小売業に向けて、様々な素材や材料を卸売りする業界です。これらの素材や材料は、建築、自動車、家具、電子機器、食品、衣料品など、さまざまな産業で使用されます。素材・材料卸業者は、広範囲にわたる品揃えを持ち、顧客のニーズに応じて適切な品質と数量を提供します。環境にやさしい素材や再生可能な資源を提供することで、顧客のニーズに応えるだけでなく、地球への負荷を軽減する役割を果たしています。

素材業界の全産業内での位置づけ

素材業界は、内閣府が公表する「2022年度国民経済計算」によると、2022年度の素材・材料産業の名目GDPは5.9兆円であり、全産業に占める割合は1.1%となっています。就業者数は厚生労働省の「労働力統計」によると78万人であり、全産業の1.2%を占めています。資本集約型、装置型製造業の典型であり、就業者数の規模もそれほど大きくない。素材・材料産業では、他産業で用いられる素材や材料の製造を手がけています。 素材業界は、産業としての規模は小さいものの、他産業で用いられる素材や材料を製造する重要な役割を果たしています。

素材業界の特徴

素材業界は、他の産業に素材を供給する産業です。素材業界における事業の特徴を、以下の通りにまとめました。
  • 多様性と複雑性:素材業界は非常に多様で、金属、プラスチック、ガラス、セラミックス、繊維、化学物質など、さまざまな素材が含まれます。
  • 技術革新と研究開発:新しい素材の開発や既存素材の性能向上が求められ、ナノテクノロジーやバイオテクノロジーなどの先端技術が活用されています。
  • グローバルな供給チェーン:素材業界はグローバルな供給チェーンを持っており、原材料の調達から製造、販売、輸出入まで、世界中で取引が行われています。
  • 環境への影響と持続可能性:素材の生産や加工は環境への影響が大きく、持続可能な製造プロセスやリサイクル、再生可能な素材の利用など、環境への配慮が重要です。
  • 規制と安全基準:素材業界は製品の安全性や品質の確保のために、厳格な規制や安全基準に従う必要があり、特に食品、医薬品、化学製品などの分野は、規制が厳しくなっています。
  • 競争と価格変動:素材業界は競争が激しく、価格変動が大きいことが特徴です。原材料価格の変動や需要の変化に敏感に対応する必要があります。
さまざまな素材を供給する素材業界は、他産業の基礎となる材料等を製造することから、納品する製品の仕様・規格変更は、ほとんどありません。また、素材自体が製品の一部であるため、製品の品質に直接影響することから、品質管理には細心の注意を払うことが必須です。

素材業界の構造を知ろう

素材業界の構造は、供給側と需要側の相互作用に基づいて構築されています。素材業界は、調達事業者、素材・材料の製造事業者、流通事業者に分けられます。素材業界を細かに解説していきます。
  • 原材料供給業者:素材業界の製品は、原材料から生産されます。原材料供給業者は、金属鉱石、化学物質、植物性材料など、さまざまな素材を提供します。主な供給業者は、鉱山、農場、化学プラントなどで生産を行います。
  • 素材製造業者:原材料を受け取り、それを加工して最終製品に変える素材製造業者です。鋼鉄製造業者、プラスチック製造業者、ガラス製造業者などが含まれます。
  • 卸売業者:素材製造業者から製品を購入し、製品を小売業者や製造業者に販売する卸売業者です。
  • 小売業者:小売業者は一般消費者や最終製品の製造業者に製品を販売します。ホームセンター、オフィス用品店、建設資材店などが含まれます。
  • 最終製品製造業者:最終製品製造業者は、素材を使用して最終製品を製造します。例えば、自動車メーカーや家具メーカーなどがあります。素材の供給源から素材を購入し、それを使用して製品を製造します。
このように、素材業界は供給鎖全体で構造されており、原材料の供給から最終製品の販売までの一連のプロセスが含まれます。

素材業界の市場規模を解説します

素材・材料産業の市場規模は非常に広範で、繊維、化学薬品、プラスチック、金属、ゴムなど多岐にわたる分野が含まれます。 素材・材料産業の市場規模は経済産業省「工業統計(産業編)」「経済構造実態調査(産業別)」および総務省・経済産業省「経済センサス‐活動調査」が発表した内容から抜粋しますと、2021年の繊維工業、パルプ・紙・紙加工品製造業、プラスチック製品製造業、なめし革・同製品・毛皮製造業、窯業・土石製品製造業の出荷額の合計は32兆円です。 また、プラスチック製品の占める割合がもっとも大きく、窯業・土石製品、パルプ・紙・紙加工品と続いています。世界的な不況となった2009年に大きく減少して以降、プラスチック製品、窯業・土石製品、パルプ・紙・紙加工品は回復傾向であったが、コロナ禍で2020年は大幅に落ち込み、2021年には回復に転じています。繊維工業、なめし革・同製品・毛皮の出荷額は近年停滞が続き、コロナ禍による需要減でさらに縮小しました。

素材業界のトレンドをチェック

素材業界は、他の業界と同様に新型コロナウイルス感染症流行の影響で一時的に売上が落ち込みました。その後は堅調な回復傾向にあり、2022年には資源価格上昇の影響によって、19年度比で大幅な増収となりました。また最近では自然災害や資源の供給不安、価格変動などもあり、資源・素材業界として今後も気の抜けない状態が続く見通しです。今現在の素材業界のトレンドをチェックしていきます。

AIと自動化の進化

AIを活用した3Dモデリングソフトウェアが登場しています。これらのソフトウェアは、3Dモデルの自動生成や変形、最適化を行うことができます。また、AIを活用したロボットや機械が、素材の加工、組み立て、検査などのタスクを自動的に行います。これにより、生産効率が向上し、品質の一貫性が確保されます。また、AIを活用したデータ分析ツールが、素材の特性や性能を予測するのに役立ちます。

サブスクリプションモデルの普及

サブスクリプションモデルは、素材や部品の供給にも適用されています。製造業者は、生産に必要な素材や部品を定期的に供給するサービスを提供し、顧客は使用量や需要に応じて料金を支払います。これにより、在庫管理や調達の負担が軽減され、製造業者と顧客の間での関係が強化されます。また、製品そのものをサブスクリプションモデルで提供することもあります。 リモートワークの増加  COVID-19の影響で、リモートワークが一般的になりました。素材業界にはオフィス業務や管理職が存在し、彼らの一部はリモートで作業することができます。これには、生産計画、在庫管理、品質管理、サプライチェーン管理などの業務が含まれます。クラウドベースのソフトウェアやコラボレーションツールの普及により、リモートでの業務が可能になっています。また、リモートワークを支援するツールやリソースの需要も高まっています。

エシカルな素材の需要

環境への配慮や社会的責任の観点から、エシカルな素材の需要が高まっています。例えば、リサイクル素材やサステナブルな素材が注目されています。環境にやさしい原材料を使用して生産されたエシカル素材が注目されています。再生可能な植物由来の素材、リサイクル素材、または廃棄物を再利用して作られた素材などが含まれ、自然資源の消費量を減らし、廃棄物の削減に貢献することができます。

リアルタイム性とパーソナライゼーションの重視

素材業界では、生産ラインや機器の稼働状況をリアルタイムで把握することが重要です。リアルタイムの生産データを分析し、生産ラインの効率性や機器の稼働率を把握することで、生産計画の最適化や生産力の向上が可能になります。また、在庫管理と需要予測が重要な課題です。リアルタイムなデータを活用して、需要の変動に柔軟に対応し、在庫を最適化することが求められます。

素材業界の今後の展望

素材業界における今後の展望は、技術の進化や社会的な要求の変化によって大きく影響を受けることが予想されます。一番に注目されているのは、地球環境問題やエネルギー転換への対応が求められます。素材業界は、環境規制の強化や消費者の意識の変化に対応をすることが大切です。また、今後の持続可能性への取り組みの強化として、環境への負荷を減らすために、持続可能なエシカル素材が注目されています。

資源・素材業界売上TOP10社をランキング形式で紹介

素材業界はこれまでご紹介してきたように、さまざまな産業や分野で使用される素材を提供するために多様な企業が活躍しています。 BIZMAPSで「資源・素材業界」に分類されている企業は2万8千社以上あります。その中から、売上がより伸びている上位10社を紹介します! 素材業界で今後の展開に悩んでいる経営者の方や、素材業界に対し営業を考えている方は是非チェックしてみてください。

出光興産株式会社

出光興産株式会社は、日本のエネルギーおよび石油関連企業です。主に石油精製、販売、および関連する製品やサービスの提供を行っています。出光興産は、石油スタンドの運営や石油化学製品の製造・販売など、幅広い事業を展開しています。また、再生可能エネルギーへの投資や環境に配慮した取り組みも行っています。生活に欠かせないエネルギーを安全かつ安定的に供給しているのが強みです。 素材業界売上1位・出光興産株式会社の企業情報

株式会社理研グリーン

株式会社理研グリーンは、日本の企業で、主に再生可能エネルギー関連の事業を展開しています。具体的には、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの開発、運営、管理を行っています。また、エネルギーの効率的な利用や環境に配慮した取り組みにも力を入れている企業です。安全・環境に十分配慮し、薬品の開発や幅広いサービスを提供し続けています。 素材業界売上2位・株式会社理研グリーンの企業情報

日本製鉄株式会社

日本製鉄株式会社は、国内最大手の鉄鋼メーカーです。製鉄事業に加えて、エンジニアリング事業・化学事業・システムソリューション事業の4つの事業を展開しています。製鉄事業は粗鋼生産量が世界でも第3位と、資源・素材業界の中で特に影響力の強い企業といえます。また日本製鉄は、若者に教育機会を与えるために奨学金の給付も実施している企業の一つです。 素材業界売上3位・日本製鉄株式会社の企業情報

JFEホールディングス株式会社

JFEホールディングス株式会社は、鉄の製造を主力としたJFEグループの戦略機能を担う企業です。鉄の製造を起点として、さらに暮らしを支えるエンジニアリング事業と、優れた製品を世界中に届ける商社事業へと、展開しています。環境に負荷をかけずに作れてリサイクルもしやすいという鉄の性質に着目し、「サス鉄ナブル」というコピーを掲げてSDGsに貢献する取組みにも力を入れています。 素材業界売上4位・JFEホールディングス株式会社の企業情報

三菱ケミカルグループ株式会社

三菱ケミカルグループ株式会社は、グループ全体の中心として戦略策定・資源配分・経営管理などを行っています。関係会社は708社・連結子会社は515社と、「機能商品・素材・ヘルスケア」の分野のサービスを国の内外を問わずに幅広く展開するグループです。また三菱ケミカルグループはサスティナビリティを経営の重要課題と捉え、その取組みに独自の指標を設けています。 素材業界売上5位・三菱ケミカルグループ株式会社の企業情報

田中貴金属工業株式会社

田中貴金属株式会社は、主に工業用・産業用の貴金属地金や貴金属製品の製造・販売・輸出入を行う会社です。国内に複数の工場・拠点を抱えており、貴金属の回収や精製も行っております。さらに田中貴金属工業株式会社は、産業部品・加工品の製造や、医療・自動車・エネルギー分野の高機能材料・燃料電池用電極触媒の開発も手がけています。国内だけではなく海外にも販売拠点を数多く有している企業です。 素材業界売上6位・田中貴金属工業株式会社の企業情報

JFEスチール株式会社

JFEスチール株式会社は、JFEグループの一角で鉄鋼製品・チタン製品の加工・製造を行う鉄鋼メーカーです。自社の高炉にて鉄鉱石を使用した製品の生産を行っています。薄板・鋼管・ステンレスの生産を行う国内4か所の製鉄所に加え、6か所のスチール研究所を有していることが強みです。また海外の拠点にも力を入れて事業を拡大し、主に東南アジアで現地生産を行っています。 素材業界売上7位・JFEスチール株式会社の企業情報

東レ株式会社

東レ株式会社は、繊維・機能化成品、炭素繊維複合材料などの製造・加工・販売を行うメーカーで、素材業界の先端をいく企業です。東レ株式会社はあらゆる業界に影響を及ぼす基礎素材産業として、SDGsに貢献する経営姿勢を貫いています。環境問題や資源・エネルギー問題の解決を目指したグリーンイノベーション事業や、医療・健康の分野に貢献するライフイノベーション事業を展開していることが特徴です。 素材業界売上8位・東レ株式会社の企業情報

コスモ石油株式会社

コスモ石油株式会社は、コスモエネルギーグループ内の供給部門を担っている中核企業です。原油の調達に始まり、石油製品・石油化学製品の製造や販売を行っています。 コスモ石油株式会社は資源業界の一角として、加速する脱炭素の動きに合わせ、多様なニーズに合わせたブランド開発に取り組んでいます。EVシフトやグリーン電力の拡大、新燃料の開発などにもいち早く着手し、時代の先端をいく企業の一つです。 素材業界売上9位・コスモ石油株式会社の企業情報 三菱マテリアル株式会社 三菱マテリアル株式会社は、日本の大手企業であり、主に金属加工や素材開発、エネルギー関連製品などの分野で事業展開しています。三菱マテリアル株式会社は三菱グループの一員であり、多岐にわたる産業分野で幅広い製品とサービスを提供しています。具体的には、自動車産業や航空宇宙産業向けの部品や材料、建設資材、エネルギー関連製品、化学製品、電子材料などを提供しています。 素材業界売上10位・三菱マテリアル株式会社

その他の業界ごとの大企業

鉱業はかつては、石炭、金・銀・銅・鉄・亜鉛を中心に大規模におこなわれていましたが、現在では国内での鉱山運営は限定的となっており、海外鉱山の開発及び海外からの鉱物資源の輸入がメインとなっています。 素材・材料の製造事業者は各品目ごとに大企業が存在しますので、それぞれの業界に関する企業をピックアップしました。 鉱業:住友金属鉱山、三井金属鉱業、東邦亜鉛、日鉄鉱業、JX金属、Glemcore(スイス)、BHP Billiton(豪州)、Rio Tinto(豪州・英国)、VALE(ブラジル) 繊維・皮革:帝人、旭化成、三菱レイヨン、クラレ、日清紡ホールディングス、東洋紡、日東紡、ニッケ、オーミケンシ ガラス・レンズ:AGC、日本板硝子、日本電気硝子、セントラル硝子、キヤノン、ニコン、HOYA、日本山村硝子、石塚硝子、東洋ガラス 製紙:王子ホールディングス、日本製紙、大王製紙 レンゴー、北越紀州製紙、三菱製紙 窯業・新素材:太平洋セメント、UBE、住友大阪セメント、トクヤマ、デンカ、村田製作所、京セラ、日本ガイシ、日本特殊陶業 包装資材:東洋製罐グループホールディングス、レンゴー、エフピコ、トーモク、クレハ、ホッカンホールディングス 素材・材料卸:日本紙パルプ商事、KPPグループホールディングス、新生紙パルプ商事、日本紙通商、丸紅フォレストリンクス、旭洋、三菱製紙販売、伊藤忠紙パルプ、日商岩井紙パルプ、小津産業

素材業界に関する論点

素材業界は広大かつ製造業を支える重要な分野ではありますが、多くの課題を抱えています。現状の課題を捉え、素材業界に携わるメーカーそれぞれが真摯に取り組む必要があります。素材業界の今後の課題ともいえるいくつかのポイントをピックアップして一つずつ詳しく解説していきます。今後の素材業界の要ともなる重要なポイントを捉え、自社の発展にぜひ活かしてください。

海外資源メジャーの上位寡占化

海外資源メジャーとは、世界中で大規模な資源開発プロジェクトを手掛ける国際的な大手企業を指します。素材業界では、資源の探査、開発、生産、販売など、さまざまな段階で競争が激しいですが、一部の大手企業が素材業界全体の大部分を支配しているという上位寡占化の傾向があります。海外資源メジャーは、しばしば上位寡占化の傾向を示し、素材業界の大部分の市場シェアを占めることがあります。

新興国メーカーの台頭

素材業界の新興国メーカーの台頭は、世界経済の変化や技術の進歩によって促進されています。従来の先進国メーカーに対して、価格競争力や革新性、市場へのアクセスなどで競争力を持ち始めています。
  • 経済成長:新興国の経済成長に伴い、中国、インド、ブラジル、韓国などの新興国は、製造業において急速な発展を遂げており、多くのメーカーが台頭しています。
  • 技術の移転と習得:新興国メーカーは、先進国からの技術移転や自社の研究開発投資によって、製品の品質と革新性を向上させています。
  • 低コスト生産:新興国メーカーは、人件費や原材料コストが低いため、価格競争力のある製品を提供することができます。製品分野で市場シェアを拡大しています。
  • 市場へのアクセス:新興国メーカーは、自国内の市場だけでなく、グローバル市場にも積極的に参入しています。
  • 政府の支援:新興国政府は、製造業や輸出を支援する政策やインセンティブを提供しています。これにより、メーカーの成長を後押ししています。

繊維業界における流通構造の見直し

繊維業界における流通構造の見直しは、さまざまな要因によって促進されています。技術の進歩、消費者のニーズの変化、持続可能性への関心の高まりなどが含まれます。以下に挙げる要因により、繊維業界では従来の流通構造が見直されつつあり、新しいビジネスモデルやサプライチェーンの形成が進んでいます。
  • デジタル技術の導入:繊維業界も例外ではなく、オンラインでの販売やデジタルマーケティングが重要性を増しています。これにより、従来の流通構造に変革が生じ、消費者が製品を直接購入するオンラインチャネルが成長しています。
  • 直接販売の増加:多くのブランドが自社の直営店を開設し、消費者との直接の関係を築くことで、流通構造を見直しています。これにより、製品のブランド認知度が向上し、顧客ロイヤルティが高まる可能性があります。
  • 持続可能性への取り組み:サプライチェーン全体の透明性や環境への配慮が求められており、製品のライフサイクルや原材料の調達に関する情報を提供することが重要です。これにより、流通構造が再評価され、持続可能性を重視したサプライチェーンが構築される可能性があります。
  • 需要の変化:ワークフロムホームの増加に伴い、快適なホームウェアやカジュアルウェアへの需要が増加し、それに合わせて流通構造が調整されます。

新素材を活用したプロダクトイノベーションの可能性

新素材を活用したプロダクトイノベーションには、さまざまな可能性があります。以下にいくつかの可能性を挙げました。これらの可能性を活用することで、新素材を活用したプロダクトイノベーションは、市場競争力の向上や持続可能な社会の実現に貢献することが期待されます。
  • 軽量化と強度向上:新しい高性能素材を使用することで、製品の軽量化と強度向上を実現できます。これにより、燃費やパフォーマンスが向上します。
  • 持続可能性と環境への配慮:バイオベースの素材やリサイクル可能な素材を活用することで、製品の持続可能性が向上し、環境への影響が軽減されます。
  • 機能性の向上:抗菌性、防水性、断熱性、透明性などの特性を持つ素材を使用することで、製品の機能性が向上し、新しい用途や市場を開拓することができます。
  • 柔軟性とデザインの多様性:新しい素材は、従来の素材よりも柔軟性が高く、形状を自由に変えることができます。これにより、製品のデザインの多様性が増し、ユーザーのニーズや好みにより適した製品を提供することができます。
  • 新たな産業の創出:新しい素材の開発や利用は、新たな産業の創出を促進します。例えば、ナノテクノロジーやバイオテクノロジーを活用した素材は、医療、電子機器、エネルギーなどの分野で新たな市場を開拓する可能性があります。

卸の中抜きによる影響

卸の中抜きとは、製造業者と小売業者の間に仲介業者が介在することを指します。この中抜きによる影響はいくつかあります。
  • 価格の上昇:仲介業者が製造業者から製品を購入し、それを小売業者に販売する際に、利益を得るために価格を付加することがあり、結果、最終的な小売価格が高くなることがあります。
  • 利益の低下:製造業者にとっては、中抜きにより利益が低下する可能性があります。特に競争が激しい素材業界では、価格競争力を維持するために製造業者の利益率が低下する場合もあります。
  • 市場への影響:中抜きが過度に行われると、市場における健全な競争が妨げられる可能性があります。中抜きにより、製品の価格が不当に高くなり、消費者にとってアクセスしにくくなることがあります。
  • 情報の歪み:中抜きが行われると、製造業者と小売業者の間に仲介業者が入ることで、製品や市場に関する情報が正確に伝わらない場合があります。
中抜きは、製造業者と小売業者の間の取引において一定の役割を果たすことがありますが、過度に行われると市場の効率性や競争力に影響を与える可能性があるため、バランスを保つことが重要です。

素材業界は環境を意識しこれからも発展する業界です

素材業界はすべての産業に影響を与える、経済の基盤ともいえる業界ですが、現在はエネルギー転換や環境問題といった多くの課題に直面しています。今後はどれだけ地球環境に配慮した事業運営ができるかが、それぞれの企業の発展の鍵となります。 企業一覧プラットフォーム「BIZMAPS」では、国内180万件以上の企業の基本情報を無料で閲覧することができます。各社の売上などを確認できるため、アプローチ先として有望な企業のリストを作成可能です。国内の企業情報をビジネスで活用したいという方は、ぜひ「BIZMAPS」までお気軽にお問い合わせください。 ▼法人営業ハックでは様々な業界の企業ランキングをご紹介しています。 運輸・物流企業ランキングTOP15を紹介!業界の現状や最新動向もチェック! 機械業界売上ランキングの上位を紹介【業界の特徴や動向も解説】 医療・福祉業界の仕事や職種について徹底解説!業界上位の企業をランキングで紹介します! 自動車・輸送機器業界売上TOP15社!最新の動向と今後の展望 商社業界の現状や動向、今後の展望とは?売上ランキングTOP20もご紹介! 食品業界ランキング:トッププレイヤー達の戦略と成功要因 士業ランキングTOP15を紹介!業界の現状や最新動向についても 2021年5月の注目の新設法人10社は?当時話題のニュースも紹介 旅行業界とは? 今後の動向から徹底的に解説します!

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