えむら若奈 0 Comments
成功のカギとは?営業戦略のポイントと成功事例7選 限られたリソースの中で効率よく自社の業績を上げていくためには、営業戦略の立案が欠かせません。 しかし、いざ営業戦略を立てようとしても、どのような方法で立てたらいいのか分からないというケースが多くあります。知識不足のまま立てた営業戦略では、ほとんどの場合が成功することなく無駄となってしまうでしょう。 そこで今回は、営業戦略の基本的な知識や立案のポイントに加え、大企業の成功事例について解説します。自社の営業戦略を成功へ導くために、ぜひ参考にしてください。

営業戦略の基礎知識

成功のカギとは?営業戦略のポイントと成功事例7選 営業戦略とは、売り上げなどの目標を実現するために立てられる、営業活動の計画を指します。営業戦略に求められるのは、自社の強みや課題を元に、他社サービスとの差別化を図ることです。顧客にとって、他社よりも自社サービスの方がメリットが大きいとアピールする姿勢が必要になります。 営業戦略の策定範囲は「新規見込み客の獲得」、「見込み客の育成」、「案件・商談づくり」、「クロージング・顧客維持」までとするのが一般的です。特に「クロージング」は売り上げに一番近いので、最も重要な部分と言えるでしょう。 なお「営業戦術」は、営業戦略を達成するための具体的な手法を指します。両者の違いは下記記事で解説しているので、参考にしてください。 混同してない?営業戦略と営業戦術の違い

営業戦略とマーケティング戦略の違いとは?

また、営業戦略とマーケティング戦略も、しばしば意味が混同されることがあります。マーケティング戦略とは「どの層にどのような価値をどう提供するか」ということを定めたものです。顧客の動向やトレンドを調査・分析し、自社サービスの強み・弱みを明確にします。マーケティング戦略において大切なのは、市場の分析です。 営業戦略とマーケティング戦略には、明確な違いが2つあります。 ひとつめは「目的」です。「企業の業績向上」という最終目標は同じですが、それぞれ戦略を立案する目的が異なります。営業戦略の目的は「顧客に自社のサービスを効率的に売ること」です。それに対して、マーケティング戦略の目的は「新しい価値、市場の創出」になります。 ふたつめは「対象」です。営業戦略とマーケティング戦略では、アプローチする対象が異なります。営業戦略の対象は「顧客」なのに対し、マーケティング戦略で対象とするのは「市場」です。 マーケティング戦略によって生み出された価値(商品・サービスなど)を、営業戦略をもとに顧客へ提供していくという関係になります。

営業戦略を立てるために大事なポイントとは?

成功のカギとは?営業戦略のポイントと成功事例7選 それでは、営業戦略を立てるための大事なポイントとはどのような内容でしょうか。ここでは次の6点について解説していきます。
  1. 自社の得意分野を明確にする
  2. ひと言で言えるものにする
  3. KPIを設定する
  4. 顧客のニーズを把握する
  5. クロージングを重視する
  6. 定期的な見直しを行う

1.自社の得意分野を明確にする

まず、自社の得意とする事業分野を明確にすることが大切です。これにより、限られた経営資源を集中させることができます。 「顧客が自社サービスのどこにお金を払ってくれるのか?」という部分を把握することで、自社が持つ「最大の武器」に磨きをかけるのです。半期、四半期という短いスパンで「今は何にフォーカスすべきか」という短期目標を掲げると効率的になります。

2.目標を「ひと言」で言えるものにする

目標を絞り込んだあとは、それを「ひと言」で表現できるところまでまとめます。こうすると、組織全体にブレることなく伝わり、意識統一することができます。 具体的な数値目標を含めると「今は何を優先すべきなのか」が、より分かりやすくなるでしょう。営業戦略のスローガンが分かりにくいと、社員の行動に無駄が発生してしまいます。極力シンプルにすると、実践的で無駄のない行動につながるはずです。

3.KPIを設定する

KPIとはKey Performance Indicator=重要業績評価指標です。最終的な目標に対し、どの程度達成できているかを示す指標になります。適切なKPIを設定することで、自社が正しい方向に進んでいるかを確認できるのです。 営業活動におけるKPIは、一般的には新規獲得顧客数・売り上げ達成率・見込顧客獲得目標達成率などです。これらを年度、期、月ごとといったスパンで監視します。進捗が思わしくない場合や予想と大きく外れた方向へ進んでいるときは、PDCAサイクルを回し評価と改善を行いながら営業戦略を軌道修正していきましょう。 KPIの監視をできるだけ日時単位にすると、軌道から大きく外れる前に適宜対応することができます。

4.顧客のニーズを把握する

顧客のニーズを把握することで、的確な営業戦略を立てることができます。購買傾向の分析をしたり、競合他社の商品やサービスを調査したりして、見込み客を顧客へと昇格させる鍵を探りましょう。 顧客の潜在ニーズを引き出すために、購買履歴や顧客属性などのデータ資料を活用することも大切です。

5.クロージングを重視する

クロージングは、顧客と契約を結ぶことです。企業が新規顧客を獲得するために最も大切なフェーズと言えるでしょう。 確度が高いと感じても、適切なクロージングを行わなければ契約に結び付かないことも多くあります。商談時にクロージングをせず後日に返事を聞くことにしてしまうと、顧客が契約に消極的になってしまう場合があるでしょう。時間を置くことで、競合他社との比較の末に契約を見送られるというケースもあるかもしれません。 自社のメリットをしっかりと顧客に伝え、購入の意思があるかを明確に尋ねることが大切です。

6.定期的な見直しを行う

営業戦略を立案したあとも、定期的な見直しは必要です。 営業戦略通りに進めていても、思うように成果が出ない場合もあるでしょう。そのようなときはPDCAサイクルを回し、改善すべき点がないかを確認します。そうすることで、大きな失敗をする前に営業戦略を軌道修正できるのです。 ここまで、営業戦略を立てるときに大切な6つのポイントをみてきました。 下記記事では、営業戦略に役立つフレームワークについて解説しています。こちらも参考にしてみてください。 営業戦略はフレームワークから組み立てるとうまくいく! ここからは、誰もが知る有名企業の営業戦略成功事例をご紹介します。事例を学ぶことで、自社の営業戦略を成功に導くヒントが得られますよ。

営業戦略の成功事例1:スターバックス

全国47都道府県すべてに店舗を構えるスターバックスでは、「サードプレイスづくり」を意識した営業戦略を打ち出しています。 「サードプレイス」とは文字通り「第3の場所」。第1の場所は家庭、第2の場所は学校や職場です。それ以外の「自分らしく自由に過ごせる第3の場所」を提供することが、スターバックスの営業戦略になります。 スターバックスの出店場所は観光地やオフィス街などさまざまで、その地域に応じた店舗デザインが取り入れられています。それだけでなく、アルバイトなどの採用には厳しい基準を設けていて、トレーニング制度にも力を入れています。そのため接客スキルはかなり高く、スタッフ自身もスターバックスの一員であることに誇りを持って働いているようです。 このように、徹底して居心地のいい空間づくりにこだわった営業戦略を展開したことで、多くの人が利用する「サードプレイス」としての地位が確立できたのです。

営業戦略の成功事例2:ロイヤルホスト

誰もが知るファミリーレストランのロイヤルホストは、少子化の影響や低価格飲食チェーンとの競争激化もあり、ターゲットをシニア層や女性客にシフトしました。メニューを高級路線にして、素材の安全性にこだわった健康志向のメニューを積極的に取り入れた営業戦略を展開したのです。 たとえば厳選されたアンガス牛、生パスタ、低糖質パンなど、従来のファミリーレストランでは味わえなかった本格的なメニューを展開。このような営業戦略のもとで、競合との差別化を図ったのです。世の中のデフレ脱却ムードの高まりもあり、1品2,000円前後と高めの価格帯にも関わらず顧客に受け入れられました。 また、ファミリーレストランと言えば24時間営業が多かったのですが、深夜客が減ったこともあり、深夜営業を行わない店舗を段階的に増やしました。営業を取りやめた時間帯の売り上げがなくなるかわりに、客数が多いランチやディナータイムに注力。さらに客単価が上がったことで売り上げが増加したのです。

営業戦略の成功事例3:資生堂

資生堂は、化粧品の国内シェアトップの企業です。「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指して、2015年から2020年までの中長期営業戦略「VISION2020」を進めていきました。 具体的には、メイド・イン・ジャパンのブランドとして、国内だけではなく中国などアジア地域への展開を強化し、集中投資する事業を選択。さらにデジタルマーケティングやEコマースにも注力しました。 その結果、2020年に目標としていた売上高を2017年に前倒しで達成。グローバルブランドとしての成長を果たすことができたのです。

営業戦略の成功事例4:クラウドワークス

クラウドソーシングプラットフォームを提供しているクラウドワークス。オンライン上で手軽に仕事のマッチングができ、副業の流行とともに利用者が増えました。 従来、クラウドソーシングは「手軽な小遣い稼ぎ」という側面が強く、スポット業務ばかりでした。クラウドワークスはそこに目をつけ、フルタイムと同じように稼げる仕組みを作ったのです。最初はエンジニアがメインでしたが、現在ではデザイナー、ライター、事務など業種の幅が広がっています。 子育て中の主婦や家族の介護をしている人など、すきま時間でも収入を得ることが可能な仕組みは、新しいワークスタイルと言えるでしょう。一方、企業にとっては、人材調達にかかるコストを削減できるというメリットがあります。 クラウドワークスは、営業戦略と時代の流れがマッチしたこともあり、急成長を遂げたのです。

営業戦略の成功事例5:ヨドバシカメラ

大手家電量販店のヨドバシカメラ。Amazonや楽天といったショッピングサイトの台頭により多くの小売業が苦戦を強いられる中、実店舗と自社ECサイト「ヨドバシ・ドット・コム」を連携させる営業戦略を展開しました。 店頭とECサイトの価格は一部商品を除き統一されています。「ヨドバシ・ドット・コム」からの注文は、ヨドバシカメラ店頭だけでなく石井スポーツやアートスポーツの店舗でも受け取り可能です。また、一部店舗では受け取り時間帯を24時間に拡大して、利便性も向上しました。 さらに「ヨドバシ・ドット・コム」は1品からでも配送料無料です。自社の物流センターと配送車が整備されていて、「ヨドバシエクストリームサービス便」の対象エリアであれば最短で当日中に配送することも可能となっています。さらに、家電だけでなく日用品、食品、酒、ペット用品など取り扱う商品が豊富なこともあり、利用者は増えていきました。 ネット通販の専門誌「月刊ネット販売」が実施した売上高調査によると、2021年3月期のEC売上高は2,221億円を突破。全体売上高は7,318億円で、ECサイトでの売り上げは全体の30%を占めるまでに成長したのです。(参照:2021/9/25発売「月刊ネット販売」10月号掲載「第21回ネット販売白書」)

営業戦略の成功事例6:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは日本を代表するテーマパークのひとつですが、2001年の開業からわずか2年で入場者数の低迷に直面しました。 開業当初のコンセプトは、おもにハリウッド映画のファンを対象としたものでした。しかし入場者の減少という状況に危機感を持ち、営業戦略を変更することに。それが「映画だけでなくエンターテイメントを楽しめる場所」という内容でした。 映画のみならず、ゲーム、アニメ、レストランなどさまざまなエンターテイメント要素を導入することで、業績はV字回復します。また、2021年には世界中で大人気の「スーパー・ニンテンドー・ワールド」がパーク内に開業し、さらに大きな話題を呼びました。 ストリートパフォーマンスのフラッシュモブにも力を入れていて、来場者を感動させるテーマパークをつくるという営業戦略は大成功します。ハロウィンやクリスマスなどのシーズンイベントも大人気で、いまでは世界中から人が訪れるテーマパークへと成長したのです。

営業戦略の成功事例7:メルカリ

スマートフォン用フリマアプリとして確固たる地位を確立したメルカリ。サービス開始から2年強という驚異的なスピードで2,000万ダウンロードを達成し、2021年12月4日には累計出品数25億品を突破しました。(参照:https://about.mercari.com/press/news/articles/20211208_twopointfivebillion/ほかにも似たようなサービスがある中で大きく成長できた理由は、その手軽さです。「3分で簡単出品」を謳っているように、商品をスマートフォンのカメラで撮影し、商品情報を入力するだけで出品が完了します。 さらに、さまざま品物に対応した梱包資材や、匿名配送にも対応した「らくらくメルカリ便」の提供など、利用のハードルを下げるサービスが充実。不要なものを再利用することが、サスティナブル社会の実現に向けた世の中の動きとマッチしていることもあり、年齢問わずユーザーを増やしています。手軽さをとことん追求する営業戦略が成功した例と言えるでしょう。

まとめ

成功のカギとは?営業戦略のポイントと成功事例7選 ここまで、営業戦略の基礎知識や企業の成功事例を見てきました。求められるものが多様化していく中で営業戦略を成功に導くには、正しい知識を持つことと的確にニーズを見極めることが大切になります。限られたリソースを最大限に活用するためにも、しっかりチェックしておきたいですね。 なお「BIZMAPS」に無料会員登録すると、約170万社以上の企業データが閲覧できます。月100件までなら無料でダウンロードできるので、業務効率化のためにも、ぜひご活用ください。 そのほかの営業戦略に関する記事はこちらをご覧ください。 アプローチ先を見極めて効率的な営業戦略を立てよう! 顧客が変われば手法も変わる!BtoC に適した営業戦略とは BtoBに適した営業戦略とはどんなもの? 効果的な営業戦略は5段階ステップで組み立てる!

無料で使える企業検索サービス

営業リスト・法人企業リスト