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組織の活性化とは?求められる背景や効果、有効な方法を事例付で解説 組織の活性化とは個々のメンバーが企業理念に共鳴し、主体的に仕事に取り組み、チームワークを存分に発揮できる状態を指しています。 メンバーがただ忙しくしている状態は活性化とは言いません。あるいは、単に仲がいいだけとか、数人のメンバーだけが頑張っている状態も、活性化しているとはいえません。 組織のメンバー全員が同じ目的に向かい、活発なコミュニケーションを取り交わし、自発能動的に動いていく必要があります。今回の記事では、組織の活性化を見極める基準や活性化のメリット、それが求められる背景や有効な手法などについて、事例も交えながら詳しく掘り下げて解説します。

活性化している組織とは?否かを見極める基準とは?

組織の活性化とは?求められる背景や効果、有効な方法を事例付で解説 活性化している組織とはどういうものでしょうか??組織が活性化している状態かどうかを見極める基準になる、代表的なものは以下の2つです。 営理念の共有 ・社内のコミュニケーション ・それぞれ見ていきましょう。

経営理念の共有

組織の活性化に重要なのは、経営理念を上層部と現場のメンバーが共通認識している状態です。やらされているという受動的な意識では生産性が上がらず、本人も楽しく働けません。指示に従うのみの仕事では、活性化はなされないのです。 メンバーが自発能動的になると、現場からさまざまなアイデアが生まれるよい状況になり、業務はスムーズに進みます。メンバー全員が目的に向かって各人の役割を果たそうという気持ちを持っている組織は、十分に活性状態と考えてよいでしょう。

社内のコミュニケーション

多くの組織は、業績拡大に貢献するコミュニケーション方法について検討しているでしょう。コミュニケーションを活発にするためにミーティングを頻繁に行い、情報共有や意見交換ができる環境をつくることは大切です。しかし上からの命令と思われてしまえば逆効果です。 活性化した組織には、自然な形でのコミュニケーションがあふれています。そういう組織は、指導方法や人材育成の仕組みが構築されていて、よりスムーズな人材育成につながります。

組織の活性化のメリット

組織の活性化によって、メンバーが共通の目標に向かって自律的に働くようになると、生産性向上が進み、会社の目標もスムーズに達成されやすくなります。会社は、マーケットの変化に敏感に反応し、顧客のニーズにあった商品やサービスを、速やかに開発・提供できるようになります。 会社内では、部門の垣根を超えたコラボレーションが積極的に進められ、業務効率化や経費削減、DXを推進していきます。 また、各メンバーの目標達成によって、自己実現が図られ、メンバーの従業員エンゲージメントやメンバー満足度の向上も実現できます。このような状態は、さらに活性化に弾みがつくので、競争力のある成長サイクルが生まれていきます。

組織の活性化が必要とされる背景

組織の活性化とは?求められる背景や効果、有効な方法を事例付で解説 2010年代以降、ビジネスの世界では組織の活性化の必要性を声高に提唱する指導者や経営者が増えてきました。 組織の活性化が必要とされ始めたのは、主に以下のような2つの背景からです。 ・マーケット環境の激変への対応 ・組織内のコミュニケーション不足 個別に見ていきましょう。

マーケット環境の激変への対応

インターネットの発達と経済のグローバル化によって、マーケットの環境は大きく変貌しました。不確実性が高く変化の激しい現在のマーケット環境に対応するためには、組織全体での取り組みが不可欠になります。 個々の人材が主体性を発揮しながらも、組織として有機的に活動することで変化に対応できるようになるでしょう。

組織内のコミュニケーション不足

DXが進展する以前から、業務のデジタル化や自動化が進み始めていました。DXによってそれが本格的になるほどに、組織内のコミュニケーションが減少してきたのは否めません。さらにリモートワークが推進され、その傾向は加速しました。メンバー間の連携が取りづらいという課題が生まれています。 その課題の解決を目的に、組織の活性化が叫ばれているのです。

組織の活性化によって得られる効果

組織の活性化を進めることで、主に以下の3つの効果が期待できます。 ・離職率の抑制 ・メンバーの従業員エンゲージメントの向上 ・人材の成長 それぞれを補足しておきましょう。

離職率の抑制

活性化されていない組織では、メンバーは個別行動となりがちです。そうなると、従業員はやりがいを感じにくい場合があります。組織がそうなってしまうと従業員は居心地が悪くなり、新しい環境を求めて、会社から離れていくリスクが高まるでしょう。 しかし組織を活性化すれば、従業員にやりがいや社内のつながりを感じさせ、離職率を抑えられます。

メンバーの従業員エンゲージメントの向上

2つ目が「メンバーの従業員エンゲージメントの向上」です。組織の活性化によってメンバーは、会社の企業理念に共感し、メンバー間のコミュニケーションが盛んになります。これらは、メンバーの従業員エンゲージメントを向上させる要素でもあります。つまり、組織の活性化はメンバーの従業員エンゲージメントの向上も望めます。 一方、組織の活性化していない状態だと、モチベーションの低下も起こり、メンバーの従業員エンゲージメントに悪影響を与えます。

人材の成長

3つ目が「人材の成長」です。組織の活性化を行うことで、メンバーは主体性を持って行動できるようになります。自発能動的になることで、スキルアップへの意欲も生まれ、積極的に自分から動くようになるでしょう。 また、メンバー間のコミュニケーションが活発になることで、上司や先輩から後輩へのスキルの継承なども期待できます。

組織の活性化のためのフレームワーク

組織の活性化のためのフレームワークとして、OKRと7Sを解説します。 【OKR】 OKRとは達成すべき目標を、主要な成果に落とし込む目標の設定管理方法です。組織やチームおよび個人に、O(定性的目標)とKR(定量的成果指標)を設定し、目標を目指しての進捗管理を行います。 1つのOにKRが複数付随する形でOKRは構成されます。特徴は、従来の目標管理に比べて設定・トレース・評価が頻繁にできることです。OKR活用で、組織の全員が同じ方向を見ながら、組織として優先順位を守って目標達成を目指します。 OKRは、目標設定を合理的に行えるため、メンバーの納得感が増し、従業員エンゲージメントの向上が期待できます。 【7S】 マッキンゼーの7Sとは、組織の重要な7つの要素とその関係を示したフレームワークです。 以下の、ハード3S(組織構造に関するもの)は比較的短期間で解決します。 ・Strategy=戦略 ・Structure=組織構造 ・System=システム 以下のソフト4S(マンパワーに関するもの)は解決に時間がかかります。 ・Skill=スキル ・Staff=人材 ・Style=社風 Shared Value=共通の価値観 7Sの活用で、現状を把握でき、課題を分析できます。 ハード3Sによって、目標に向けてどのような組織とシステムで取り組んでいるのかを把握し、ソフト4Sにて、人材レベル、育成状況、価値観の共有状況を把握します。優先度の高いものから対策を実行します。

組織の活性化と企業理念の関係性

組織の活性化と企業理念の関係性について説明します。組織の活性化を起こすためには、共通の価値観となる企業理念を定義することが前提として求められます。 現代マネジメントの権威、経営学者のピーター・ドラッカーにより提唱された、企業理念を構成する3つの要素は以下のとおりです。 ・ミッション:存在意義や使命 ・ビジョン:中長期的目標 ・バリュー:重んじる価値観や指針 ミッションで、自社の存在意義を明らかにすることで、メンバーは自分の仕事に意味とやりがいを感じ、会社への帰属意識が強くなります。 ビジョンで、ミッションに即した目指すべき目標を示し、メンバー全員が共有して達成のモチベーションを向上させます。ビジョンは、目標達成や、ビジネスモデルの変更、環境の変化などにより、新たなものに更新されることもあります。 バリューで、会社として大切にする価値観や指針を示し、メンバーは同じ企業文化のもとで協力して行動します。人事評価の際に実際に「バリュー評価」を使って、メンバーがどの程度自社の指針に沿って活動を行えているのか評価するのもおすすめです。

組織を活性化する6つの手法

組織の活性化とは?求められる背景や効果、有効な方法を事例付で解説 会社に多くのプラス効果をもたらす組織の活性化は、どのようにすれば達成できるのでしょうか。効果的な方法は以下の6つです。 ・経営理念の共有を促進 ・経営目標の設定 ・コミュニケーションの活発化 ・快適な労働環境の実現 ・人材育成システムの構築 ・人事評価制度の更新 それぞれを見ていきましょう。

経営理念の共有を促進

1つめが「経営理念の共有を促進」です。会社がどのような理念を持って会社を経営しているか、どのようなミッションを持っているのかなどをメンバーに共有しましょう。そして共感してもらうことが大切です。共感してもらうためには、メンバーにとって経営理念やビジョン、ミッションが自分事化されることが重要になります。 ・会社の企業理念等が今の仕事にどう結びついているのか ・自分がやっている仕事は会社や社会にどういう影響を与えているのか 上記のような項目を考える研修も良いでしょう。

経営目標の設定

2つめが「経営目標の設定」です。時代や社会環境の変化に合わせて、企業理念であるミッション、ビジョン、バリューを策定したり更新したりします。メンバーの意見を聞きつつこれを行うことで、より共感を得られる経営理念が創造できます。 一人ひとりが自分の仕事の意義を感じ、共通の目標のためにエンゲージメントを高めて働けるようになり、組織の活性化につながります。

コミュニケーションの活発化

3つめが「コミュニケーションの活発化」です。上司と部下、およびメンバー間のコミュニケーションが活発になるようなアプローチが有効です。具体的には、以下のような方法が挙げられます。 ・One on Oneミーティングとコーチングの導入 ・会話がしやすいオンラインツールを導入する 特にOne on Oneミーティングの導入は、上司と部下の親密な対話の場を増やすことになるので効果的です。One on Oneでは、仕事だけではなく、オフの話も含めて行うことで親密度が高まります。 組織がメンバーの存在を大切に思ってくれていると感じられれば、メンバーの従業員エンゲージメントが高まり、パフォーマンスに好影響を与えます。メンバーに何か異変を感じた時や目標期間の終了のタイミングで、コーチングを行うことも阻止区の活性化に役立ちます。

快適な労働環境の実現

4つめが「快適な労働環境の実現化」です。心身ともに生き生きと働ける環境であることは、組織が活性化する条件ともいえるでしょう。具体的には、以下のようなアプローチを行います。 ・福利厚生の充 ・オフィス環境の整備 ・ワークライフバランスが取りやすい働き方を提供

人材育成システムの構築

5つめが「人材育成システムの構築」です。成長意欲が高いメンバーにとって、やりがいはもちろんのこと、成長できる仕組みが整っているかどうかというのは重要です。メンバーそれぞれに適した育成プログラムを構築し、提供できるような仕組みを整えましょう。 また、人材育成の一環として、会社の企業理念の浸透やコミュニケーション促進策を盛り込むことも効果的です。

人事評価制度の更新

6つめが「人事評価制度の更新」です。自社の人事評価制度が、メンバーの活動を適切に評価できる仕組みや運用方法になっているかを点検します。メンバーが自社の経営理念や行動規範に沿って業務にあたっているかを評価するのも、組織の活性化につながります。 顧客ニーズの多様化や時代の変化に対応できるように、人事評価の期間設定も、より短期間でマメに行うよう検討してみましょう。

大手企業の組織の活性化の事例

実際に組織の活性化に取り組んでいる大手企業3社の取り組みをご紹介します。 ・サイボウズ株式会社 ・株式会社メルカリ ・カルビー株式会社 個々の事例を見ていきましょう。

サイボウズ株式会社

「ザツダン」という名称でOne on Oneミーティングを行っています。文字通り話す内容は雑談でOKであり、何を話してもいい時間です。 このOne on Oneミーティングは義務としてやらなければならないのではなく、マネージャーの多くが自発的に行います。ザツダンによって、縦方向のコミュニケーションも増えて、多くの効果が出ています。例えば、以下のような項目です。 ・各人が各人の悩みを共有できる ・メンバーの状況把握をリーダーは迅速にできる

株式会社メルカリ

「メルチップ」と呼ばれるピアボーナス制度を導入して、組織の活性化に成功しています。メルチップはメンバー同士が感謝や賞賛を、少額のお金と一緒に送りあう仕組みです。会社内インセンティブのひとつで、誰に対してでも送りあえる点がポイントです。 それらのやりとりの内容が社内チャットで皆に見えるようになっています。メルチップによってコミュニケーションに加え、モチベーションの向上も期待できます。

カルビー株式会社

フリーアドレス制を導入しています。これは、メンバーに決まった座席がなく自由にデスクを選べる制度です。まず、「オフィスダーツ制度」によって「コミュニケーション席」「集中席」「ソロ席」の3つある座席エリアから選択し、そのエリア内でランダムに座席が決まる仕組みです。 この仕組みで、役職や部署を問わずコミュニケーションが活性化されました。オフィスのあり方を変えることで組織を活性化させた好例です。

ヤフー株式会社

社内コミュニケーションの円滑化のために、週に1度のペースで上司と部下の30分間のOne on Oneミーティングを行っています。 コーチング研修によって、上司に話の聞き方を学ばせたり、One on Oneの効果を部下からフィードバックしたりするほか、部下が上司に対するフィードバックを第三者のファシリテートの下で伝える「ななめ会議」も取り入れています。 メンバーが満足度調査の結果をもとに自発的に職場改善に取り組むことや、セクションの問題解決を組織活性チームがサポートするなどを実施しています。

中小企業の組織の活性化の取り組み

ある会社では、組織の活性化のために「サンクスカード」を導入しました。サンクスカードとは、「仲間に対して日ごろの些細なことに感謝の気持ちを表現し、カードに記入して相手に渡す」というものです。メルカリのメルチップに通じる方法で、メンバー同士で組織を盛り上げる取り組みです。 一緒に働いているメンバーに常日頃から感謝していても、照れくさくてなかなか言葉には出しづらいものです。その素直な気持ちをカードに記入して渡されると、誰しもうれしく感じられ、メンバー同士の結束力も強まります。各人はもらったサンクスカードを折に触れて見返すことで、モチベーション維持が可能です。 また、あるリスティング広告会社では、オフィスの移転を機に、キャンピングオフィスを導入しました。メンバーがリフレッシュできたり、コミュニケーションが気軽に取れたりする空間がほしいと考えたからです。 かつてはチーム単位の閉鎖空間でのコミュニケーションがメインでした。しかし、キャンピングオフィス導入後は、チームを横断したコミュニケーションも盛んになったのです。キャンピングオフィスを通して、それまで話したことがなかったいろいろな人と話す機会が生まれ、仕事でもコラボレーションして何かを創り出そうとする機会が生まれています。

まとめ

今回は、組織の活性化について解説しました。組織の活性化によって、メンバーのエンゲージメントを引き上げ会社業績の向上につなげることができます。今の組織を活性化するためには何が足りないのかを考え、自社に必要なアプローチを行っていきましょう。 管理職や経営幹部のみなさんは、ここでご紹介した情報を参考にしていただき、今一度組織は活性化しているかをご確認いただき、必要があれば自社にある方法を取り入れて、速やかな活性化に活かしてください。 なお、管理職のみなさんはビジネス上の好機を逃さないように、会社データベースを効率よく検索・閲覧・ダウンロードできる情報サービスBIZMAPSを最大限に活用し、営業戦略に役立ててください。 毎月、会社データを100社までは費用なしにダウンロードができるBIZMAPSは、あらゆる検索条件、属性、事項で検索・閲覧できます。法人営業の会社において営業を担当するみなさんは、営業アプローチを模索する際に価値を発揮するので、ぜひご利用ください。 ▼日本最大級の会社DB【BIZMAPSの事例】で営業対象会社を探す▼ ▼管理職・決裁者・経営幹部の方向けの「経営」関連テーマのコンテンツはこちらです。 【管理職必読の事例】経営分析とは?その重要性や具体的手法を徹底解説! 経営者が勉強すべきこととは?勉強方法やおすすめの書籍も紹介! 経営目標とは?経営理念との違いや設定の種類を具体例付きで解説 経営ダッシュボードとは?会社の実勢を可視化するのに有効なツール! 経営戦略とは?定義の解説や戦略の種類・立て方、成功事例などを紹介 また、マーケメディア(マーケティングの仕事をサポートするサイト)ではマーケティング用の資料がダウンロードできます。デジタルマーケティングの重要度が増す中で、マーケティング情報面でみなさんの仕事をサポートいたします。 マーケメディアでマーケティング資料をダウンロードする

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