営業目標を達成するために営業の売上を分析していきたいけれども、普段使っているエクセルで可能なのだろうかとお悩みではありませんか？ 営業の売上分析はエクセルで行うことができます。営業活動を効率的に実施でき、営業目標を達成するためにも、細かな売上分析を行っていきましょう。 本記事では、営業の売上分析を行う目的や、エクセルで営業の売上分析を行う方法とメリット・デメリットなどを解説していきます。具体的な例も挙げていくので、この記事を参考にして、ぜひ営業の売上分析を行ってみてください。

営業の売上分析を行う2つの目的

営業活動を効率よく行い、営業成績を上げるためには営業の売上分析が必要です。営業の売上分析を行う目的は、以下の2つです。 ・営業活動の現状を正しく把握する ・売上の具体的な目標を設定する それぞれについて詳しく解説します。

営業活動の現状を正しく把握する

日々の営業活動の成果を細かくデータとして蓄積し、課題を明確にするために現状を把握する必要があります。現状把握には、具体的に次のような効果が期待できます。 ■注力すべき高収益の商品などを把握できる 詳細なデータを分析することで、製品・サービス別の売上高や利益率がわかり、収益性の高い製品などが明らかになります。重要な製品や優先的にアプローチすべき顧客を絞り、「選択と集中」をして効率よく営業活動を行えるのです。 ■市場の傾向がわかる 顧客別の営業売上を分析することで、製品やサービスの購買傾向から市場全体のニーズをつかめます。マーケティング戦略を考えるうえでも、役に立つといえるでしょう。 ただしデータ化するだけでは不十分で、具体的な目標を設定する必要があります。

営業売上の具体的な目標を設定する

営業活動の現状把握ができたら、次は具体的な数値目標を立て、達成までの必要な課題を可視化します。目標へのルートから脱線してしまっている場合は、正しい道に修正しなければいけません。また、次のような効果が期待できるでしょう。 ■根拠ある営業売上の目標設定ができる 営業の売上分析を行った結果、前年と比較した今年の営業売上や、売上アップもしくは売上ダウンに至った原因を理解できます。 ■営業担当者が達成感を得られる 営業の売上分析をもとにした具体的な売上目標であれば営業担当者も納得でき、目標達成に対する達成感も増すことでしょう。 次はエクセルで営業の売上分析を行う方法をご紹介していきます。

エクセルで営業の売上分析を行う3つの手順

営業の売上分析を行うためのツールはさまざまですが、多くの企業が導入しやすいエクセルの方法を解説していきます。エクセルで行う営業の売上分析の手順は、以下の3点です。 【1】営業の売上分析を行う前に売上目標を明確にする 【2】営業売上結果をエクセル上でデータベース化する 【3】データベースをもとにエクセルで分析する それぞれ詳しく解説していきます。

【1】営業の売上分析を行う前に売上目標を明確にする

営業の売上分析を行う前に、事業計画をもとに売上目標を設定しておきます。 営業の売上目標は、必ず実行する期間をあらかじめ決め、下記それぞれについて数値目標を設定しましょう。 ・自社全体 ・自部署 ・担当者別 事前に目標を明確にすることで、達成するために実行すべき内容や実現可能な目標なのかを確認できます。過去のデータを分析する場合も、目標との差を確認したいため、数値目標がわかるようにするとよいでしょう。

【2】営業売上結果をエクセル上でデータベース化する

実際に営業活動で上げた成果をエクセル上でデータベース化します。現状をきちんと把握するためには、営業売上結果を細かくデータ化して集めましょう。 売上データとして必要な項目は業種業態や企業によって異なりますが、以下の項目が必要となる場合が多いです。 【売上に関する要素】 ・契約番号 ・契約日 ・製品／サービス名 ・商品単価 ・個数 ・売上金額 ・原価 ・粗利 ・顧客数 ・新規顧客or既存顧客 ・購入頻度 【経費】 ・固定費（家賃など） ・変動費（消耗品など） さらに国やマーケティング会社による外部調査データなど客観視できる情報を盛り込むと、より他社との差別化も意識したデータベースを作成できます。

営業の売上分析をエクセルで行うメリット

営業の売上分析をエクセルで行うメリットは以下の3つです。 ①誰でも使いやすいソフトウェアである エクセルは導入されている会社が多く、一般社員でも操作に慣れている場合が多いでしょう。導入する際のハードルが低く、担当者が変わっても引き継ぎしやすいツールです。 ②導入金額が抑えられる エクセルは会社から支給されるパソコンにあらかじめインストールされている場合が多く、導入コストを抑えられます。使い慣れていることもあり、教育費もほとんどかかりません。 ③自社に合ったフォーマットで作成可能である 決まったフォーマットがないため、自社に合った項目を作成するなど自由にカスタマイズできます。

営業の売上分析をエクセルで行うデメリット

営業の売上分析をエクセルで行うデメリットは以下の3つが考えられます。 ①同時編集ができない エクセルはリアルタイムに同時編集ができない点がデメリットです。営業担当をはじめとする複数人が扱うデータベースでは不便に感じる場面がでてくるでしょう。エクセルを使い続ける場合は、同時に編集することがないように、あらかじめ編集できる時間を決めるなどの工夫が必要です。 同時編集するためには、Microsoft365のサブスクリプションに加入するか、Googleスプレッドシートなど他のツールを使用する方法が考えられます。 ②他のツールとの連携ができない エクセルでは他のツールから収集したデータの自動的な取得や統合ができません。顧客管理システムや請求書作成システムと連携できれば、情報の重複もなく効率よく売上管理ができるはずです。 しかし、エクセルと他ツールが連携できないために手入力によるミスが発生しやすくなってしまいます。 ③データ量が大きくなると負荷がかかる エクセルはデータが大きくなると、ファイルを開くのに時間がかかる点や、計算の選択範囲がずれてしまうなどのミスが起こりやすくなります。 さまざまなメリットやデメリットのあるエクセルでの営業売上分析ですが、正確に分析するにはどのようなポイントがあるのでしょうか。

エクセルでできる営業売上の分析手法

エクセルで営業売上の分析が可能な手法について、以下の4つをご紹介します。 ・パレート分析 ・ABC分析 ・デシル分析 ・RFM分析 それぞれ詳しく解説していきます。

パレート分析

パレート分析は、売上を構成する要素を大きいものから並べた棒グラフと、その累積比を表す折れ線グラフを組み合わせたグラフから読み解く分析方法です。上位にあたる要素が全体の売上にどの程度貢献しているかを分析できます。 物事の優先順位付けに役立つ手法で、「全体の2割の商品が8割の売上を稼ぐ」というパレートの法則のように、20対80の結果が表れる場合が多いです。

ABC分析

ABC分析は重点分析とも呼ばれ、多くの商品を売上金額や販売数などで分析する際に、商品の重要度を判断可能です。営業活動・販売促進に注力すべき売れ筋の商品が明確になると同時に、課題を改善すべき商品や販売停止が望ましい商品も明らかになります。 具体的な分析方法は、各商品の売上高を大きい順に並べて、商品ごとの売上高が全体売上高に対してどれくらい占めているかを確認します。パレートの法則にもとづき、全体売上高に対するシェアの割合と各ランクの取り扱い方法は以下のように定めましょう。 Aランク：全体のシェア80％、重点的に販売促進をするべき売れ筋商品グループ Bランク：全体のシェア20％以下、販売方法や商品自体の課題を改善すべき商品グループ Cランク：全体のシェアが最少、販売停止や商品改善を早急に判断すべき商品グループ

デシル分析

デシル分析は、全顧客について商品の購入金額順に10等分して、各グループの購買データを分析する方法です。各グループの購入比率や売上の構成比を分析することで、最も購買意欲の高い顧客層を把握できます。 購買意欲の高い顧客層への集中的な営業活動や、別の顧客層に対する販売促進についての再検討など、顧客層ごとにマッチした対策が可能です。

RFM分析

RFM分析は顧客を指標についてランク付けする方法です。指標はRFMの頭文字をとった以下になります。 R…Recency（最新購入日） F…Frequency（来店頻度） M…Monetary（購入金額ボリューム） 優良顧客層を特定でき、9種類の顧客層にグループ化することでアプローチ方法の個別検討が可能です。

営業管理に便利なエクセルのテンプレート3選

【1】bizocean：「売上管理」・「営業管理」の書式テンプレート bizoceanの「売上管理」・「営業管理」書式テンプレートは、業種別の営業管理表・売上管理表や営業管理シートが会員登録後無料でダウンロード可能です。 Googleスプレッドシート用のテンプレートもあるため、会社がOfficeソフトではなくGoogleドライブを活用している場合も完全無料で営業管理ができます。 【2】HubSpot：営業案件及び営業進捗管理エクセルテンプレート 営業の案件や商談の進捗状況を一元管理できるエクセルテンプレートを、会員登録のみで無料でダウンロードできます。テンプレートの内容は以下のとおりです。 ・営業の進捗状況グラフやするべきタスクを表にして一元管理が可能なダッシュボード ・案件・顧客ごとの進捗・受注金額を管理できる営業進捗管理表 ・部署内でタスクを共有管理できるToDo管理表 ・一括管理可能な取引先マスタシート 充実したコンテンツで、簡単に見やすい営業管理が可能になるでしょう。 【3】Microsoft Office：営業計画・管理 Microsoft社が無料で提供しているテンプレートです。売上目標管理表や売上管理表などがあります。

まとめ

営業の売上分析を行う目的と、エクセルで行う手順やメリット・デメリット、便利な機能や具体的な分析方法などを解説してきました。営業活動の目標を達成するには営業の売上分析が不可欠なので、営業担当者の方はぜひ本記事を参考にエクセルで営業の売上分析を行ってみてください。 ▼その他、営業売上についてお悩みの方はこちらの関連記事をご覧ください▼ 営業で売上を上げるには？基礎知識から具体的な方法までを徹底解説！ 営業成績向上はデータ分析方法から！基本分析とフレームワークを解説 売上アップに必須の営業管理とは？見るべき項目や管理方法をご紹介 売上が上がらない！営業の原因と見直しポイント 営業職必見！正しい売上目標の立て方・達成方法の９つのポイント 毎月100社までの営業リストを無料でダウンロードできるBIZMAPSは、さまざまな属性や条件、独自タグで検索・表示して閲覧できます。ぜひお気軽にご利用ください。 ▼日本最大級の企業DB【BIZMAPS】で営業対象企業を探す▼ また、マーケメディアではマーケティング用の資料がダウンロードできます。デジタルマーケティングの重要度が増す中で、マーケティング情報面でみなさんの営業活動をサポートいたします。 例：クラウドERP【NetSuite】が可能にしたリアルタイムBIによる営業効率向上事例

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