えむら若奈 0 Comments
製造業界の現状と課題とは?今後の展望や売上ランキングTOP10も紹介! 「モノづくり大国・日本」において、製造業界は日本経済を下支えする重要な基幹産業です。しかし近年は中国や韓国の伸びに遅れをとっているとも言われ、さまざまな課題が浮き彫りになっているのが実情です。 今回は、そんな製造業界の現状と今後の展望に加え、日本国内の製造業界売上TOP10の企業をご紹介します。

製造業界の現状

製造業界は我が国の雇用の約2割、GDPの約2割を支える日本経済の屋台骨です。しかし2020年の新型コロナウイルス感染症の流行により、製造業界も大きな打撃を受けました。製造業界にとって重要な国・中国とのサプライチェーンが寸断されたことで、一部の自動車メーカーなどは生産停止に追い込まれたのです。このため2020年は製造業界全体の売上が一気に落ち込みました。 2021年に入ると半数ほどの会社の売上は上昇に転じたものの、回復のきっかけが掴めず低迷したままの会社も多く見受けられます。2022年には世界的な半導体不足により再び生産が縮小傾向になり、ウクライナ紛争などによる原材料やエネルギーコストの上昇など、製造業界を取り巻く環境はさらに厳しいものになっています。

製造業界の課題

製造業界の現状と課題とは?今後の展望や売上ランキングTOP10も紹介! 具体的に、現在の製造業界はどのような課題を抱えているのでしょうか。多くの課題があるなかで、今回は次の4つについて解説します。 ・深刻な人手不足 ・DX推進やIT活用の遅れ ・技術継承の寸断による技術力低下 ・国際競争の激化

深刻な人手不足

日本全体が抱える少子高齢化という問題により、労働人口は減少の一途をたどっています。中小企業だけでなく、多くの大企業も深刻な人手不足に悩まされているのです。人手不足が続くと労働環境が悪化し、従業員の不満が高まることで離職率増加が懸念されます。 少子高齢化による労働人口の減少は今後も続くと予想されているため、雇用をいかに確保するかは喫緊の課題となっています。

DX推進やIT活用の遅れ

人手不足が顕著になったこともあり、製造業界にもデジタル化の波が押し寄せています。少ない人数で効率的な生産を実現させるには、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進やITの活用が欠かせません。 しかし日本の製造業界では、この導入の遅れが指摘されています。その原因として挙げられるのが経営層の理解不足やシステムのレガシー化です。これらを解消するためにICT人材を確保するのも難しいため、なかなか導入が進まないのです。

技術継承の寸断による技術力低下

人手不足に伴って懸念されるのが、技術継承が寸断されて技術力が低下してしまうことです。どれだけ素晴らしいノウハウを有していても、それを継承する人材がいなければ品質の維持や研究・開発が難しくなります。 特に中小企業で問題となっていることですが、大手企業の製品の一部を生産しているケースが多いため、放置していると日本の製造業界全体の技術力低下に繋がってしまうでしょう。

国際競争の激化

近年はデジタル化により、新興国でも製品の組み立てなどが簡単にできるようになりました。そのため低価格化が進み、価格競争が激化しています。製造拠点を海外に移転したり海外市場にも参入したりなど、よりグローバルな事業展開が求められているのです。 さらにプロダクト・ライフサイクルという製品が発売されてから売れ続ける期間が短くなっているため、短期集中で製品を売り切らなければなりません。このことも、国際競争が過熱している要因といえるでしょう。

製造業界の今後の展望

ご紹介してきたように、製造業界はさまざまな課題を抱えています。それを踏まえたうえで、今後の製造業界に求められている動きは次の通りです。 ・需要変動に柔軟に対応できる人材の確保 ・技術継承のオペレーション化 ・ICT人材の確保 ・品質保証の基礎「5S」の強化 変化が激しく不確実性の高い現代において、製造業界に求められるニーズは刻一刻と変化します。その変化に対応できる人材の確保は急務で、さらに技術継承をオペレーション化しておけば育成期間の短縮にもつながります。 そして、IoTやAIの導入を行うためのICT人材の確保が必要になります。これまでの画一的な製品の大量生産ではなく、顧客のニーズに応じてカスタマイズされた製品の生産が求められているためです。 その上で「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の5Sを強化していけば、他社や世界との競争にも耐えられる体制が整ってくるでしょう。

製造業界の売上TOP10企業

製造業界の現状と課題とは?今後の展望や売上ランキングTOP10も紹介! ここからは、製造業界の売上ランキングをご紹介します。国内最大級の企業検索サービスBIZMAPSで検索した、製造業界の売上TOP10は次の通りです。 第1位:住友電気工業株式会社 第2位:古河電気工業株式会社 第3位:田中貴金属工業株式会社 第4位:TDK株式会社 第5位:三菱マテリアル株式会社 第6位:株式会社東北村田製作所 第7位:王子ホールディングス株式会社 第8位:ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 第9位:株式会社レゾナック・ホールディングス 第10位:東京エレクトロン株式会社

第1位:住友電気工業株式会社

大阪市中央区北浜に本社を構える住友電気工業株式会社は、1897年(明治30年)創業、連結で約29万人の従業員を抱える大企業です。創業以来、電線・ケーブルの製造技術をベースとして、研究開発や新規事業への挑戦を続けてきました。 現在では自動車・情報通信・エレクトロニクス・環境エネルギー・産業素材の5つの分野で、グローバルに事業を展開しています。 またスポーツ振興にも力を入れており、自社で陸上やバレーボールの実業団チームを保有するだけでなく、マラソン大会などの協賛もおこなっている会社です。 製造業界の売上ランキング第1位:会社情報はこちら 住友電気工業株式会社

第2位:古河電気工業株式会社

東京都千代田区大手町に本社を構える会社で「世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献すること」が基本理念です。 1884年の創業以来、「エネルギー」「情報」「熱を伝える」「繋げる」「蓄える」を事業の柱としています。そしてその柱のもと、メタル・ポリマー・フォトニクス・高周波の4つの技術力を核に情報通信やエネルギーなどのインフラ分野や自動車部品分野、エレクトロニクス分野へ、多岐にわたる製品・サービスを提供している会社です。 製造業界の売上ランキング第2位:会社情報はこちら 古河電気工業株式会社

第3位:田中貴金属工業株式会社

田中貴金属工業株式会社はTANAKAホールディングス株式会社を持株会社とする、産業用貴金属製品の製造・販売・輸出入をおこなっている会社で、東京都千代田区丸の内に本社を構えています。 TANAKAグループが掲げるミッションは、日本のみならず世界で貴金属技術を通じて発展に貢献することです。それを実現すべく、環境問題やエネルギー問題、メディカル分野など、貴金属技術のフィールドは拡大に伴い、ニーズに応える体制としてグループ各社が海外で活動しています。 そのなかでも田中貴金属工業の製品は、自動車や電化製品など、生活をより豊かにするさまざまなものに活用されています。 製造業界の売上ランキング第3位:会社情報はこちら 田中貴金属工業株式会社

第4位:TDK株式会社

TDKは東京工業大学が発明した世界初の磁性材料「フェライト」の事業化を目的とし、1935年に創業した会社です。本社は東京都中央区日本橋にあり、総合電子部品メーカーとして磁性技術で世界をリードしています。 「創造によって文化、産業に貢献する」を社是に掲げ、高周波製品、透明伝導性フィルム、太陽電池、コンデンサなど、高度な磁性技術を利用したさまざまな製品を提供。「かけがえのない地球環境の再生・保護と、豊かで安心できる暮らしの実現」というテーマに真正面から取り組んでいる会社です。 製造業界の売上ランキング第4位:会社情報はこちら TDK株式会社

第5位:三菱マテリアル株式会社

東京都千代田区丸の内に本社を構える三菱マテリアルは、「人と社会と地球のために、循環をデザインし、持続可能な社会を実現する」ことを自社の目指す姿としています。三菱グループのルーツである九十九商会の炭鉱・鉱山業への進出を起源とし、1871年に創業しました。 創業以降150年以上にわたり日本の成長を支え、時代とともに変化する社会のニーズに応じ、経営の多角化や事業構造の転換を続けながら発展してきた会社です。 ⾮鉄⾦属等の基礎素材から、超硬工具・加工ソリューション、電子・半導体関連部品・材料、資源リサイクル、再生可能エネルギー発電など、多⾓的な事業を展開。そしてそれぞれの事業で、⽣産量や販売量などにおいてナンバーワンの特徴を有しています。 製造業界の売上ランキング第5位:会社情報はこちら 三菱マテリアル株式会社

第6位:株式会社東北村田製作所

株式会社東北村田製作所は、最先端の電子部品を継続的に生み出している世界的な総合電子部品メーカー株式会社村田製作所のグループ会社になります。 村田製作所は、リチウムイオン2次電池の商品化や酸化銀電池の無水銀化に、世界で初めて成功しています。またリチウムイオン2次電池「FORTELION」を用いた蓄電システムで据置型蓄電池の安全規格「UL1973」の認証を世界で初めて取得した事業を受け継いで、2017年9月に福島県郡山市で始動したのが、東北村田製作所です。 隣接する本宮市にも製造拠点を置き、シンガポールや中国をはじめとする海外拠点群、協力会社などと連携をしながら、環境に配慮した社会の創造と人々の豊かで安全な生活づくりに貢献しています。 製造業界の売上ランキング第6位:会社情報はこちら 株式会社東北村田製作所

第7位:王子ホールディングス株式会社

日本国内における洋紙生産のパイオニアとして、その技術と品質を確立してきた王子ホールディングス。1873年の創業から140年以上の歴史のある製紙業だけでなく、産業資材および生活消費財、機能材などの製造販売や資源環境ビジネス、電力事業など、さまざまな事業分野における製品・サービスを提供しています。 「革新的価値の創造」「未来と世界への貢献」「環境・社会との共生」を経営理念の柱として、変わり続ける時代のニーズを充足し、新しい未来を支える「ものづくり」を、そして持続可能な社会の発展を目指して進み続けている会社です。 製造業界の売上ランキング第7位:会社情報はこちら 王子ホールディングス株式会社

第8位:ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社はソニー株式会社100%出資で2015年11月に設立された会社で、神奈川県厚木市に本社があります。事業内容は半導体関連製品と電子・電気機械器具の研究開発、設計、生産、販売事業です。 イメージセンサーの分野において世界シェアナンバーワンを誇り、産業用から民生カメラ用、車載用やモバイル用まで、幅広い分野のさまざまなニーズに対応できる高性能なイメージセンサーを提供しています。 製造業界の売上ランキング第8位:会社情報はこちら ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社

第9位:株式会社レゾナック・ホールディングス

旧商号は昭和電工株式会社で、2023年1月1日をもって持株会社へと移行し、商号を株式会社レゾナック・ホールディングスに変更しました。本社は東京都港区に置かれています。 「化学の力で社会を変える」というパーパスを掲げ、事業会社のレゾナック株式会社では「半導体・電子材料セグメント」「モビリティセグメント」「ケミカルセグメント」「イノベーション材料セグメント」を展開しています。 また「共創型化学会社」を目指しており、ステークホルダーや共同体との連携を通じてよりよい社会を創造するため、さまざまな目的に合わせた共創施設を設けています。 製造業界の売上ランキング第9位:会社情報はこちら 株式会社レゾナック・ホールディングス

第10位:東京エレクトロン株式会社

東京エレクトロン株式会社東京都港区に本社を構え、半導体製造装置事業を主要事業としている会社です。1963年の創業以来、最先端の技術を常に追い求め、技術革新を重ねてきました。 現在では半導体製造装置のグローバルリーディングカンパニーとして、半導体製造装置年間出荷台数約6,000台、累計89,000台以上という世界最大の納入実績を誇っています。研究開発拠点は国内外に14拠点あり、脱炭素化に向けた取り組みにも力を入れている会社です。 製造業界の売上ランキング第10位:会社情報はこちら 東京エレクトロン株式会社

今後も大注目の業界製造業界!

製造業界の現状と課題とは?今後の展望や売上ランキングTOP10も紹介! ご紹介してきたように、日本の製造業界は非常に歴史が古い会社が多く、長年にわたって日本の経済成長を支えてきたことがよく分かります。 しかし混乱する世界情勢の影響もあり、苦境に立たされている会社も少なくありません。工場のICT化などを進めて業務の自動化・効率化を図れるかどうかが、今後の製造業界の行方を左右するようです。 なお、今回ご紹介した会社以外にも、BIZMAPSには製造業界の会社情報が数多く掲載されています。ぜひチェックしてみてください! ▼その他の業界ランキングはこちらから! 注目の倉庫業界の現状と動向!売上ランキング上位の倉庫会社も紹介 区分再編前のマザーズ上場企業とは?時価総額ランキングTOP10社 運送会社の近年の動向と課題!売上高ランキング一覧TOP30も発表 【法人営業担当者必見】製菓会社の動向と売上ランキングTOP20 【足場会社ランキングTOP15】業界の現状も解説! 【法人営業向け】番組制作会社の現状と経常利益ランキングTOP30 【最新版】マンション管理会社の受託戸数ランキングTOP30 ▼法人営業ハックの業界特集はこちら! 医療・介護業界の全貌を解明!最新トレンドや今後の重要ポイントを解説

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