機械業界は確かな技術力と高い水準の品質管理によって、長く日本の経済を支えてきました。特に自動車産業は世界的にも日本ブランドが認知されていて、日本の機械業界を語るうえで欠かせない存在です。 しかし技術の進化が著しい現代、機械業界を取り巻く状況も目まぐるしく変化しています。今回は機械業界の動向を解説しつつ、BIZMAPS掲載の41,248社のうち売上上位15社を紹介します。どのような事業を展開する企業が好調な売上を示しているのか、ぜひ機械業界へのアプローチの参考にしてください。

機械業界とは具体的にどのような業種をいうのか

機械業界とは非常に大まかな分類であり、そのなかに実に多様な業種が含まれています。国内の主な業種は、輸送機器・工作機器・OA機器・計測機器・精密機器・医療用機器・建設機械・重機などのメーカーです。 輸送機器：自動車、バイク、航空機など 工作機器：旋盤、マシニングセンタ、複合加工機など OA機器：電話、コピー機、ファクシミリ、シュレッダーなど 計測機器：ノギス、マイクロメーター、ダイヤルゲージなど 精密機器：医療機器、光学機器など 医療用機器：人工透析装置、X線CTなど 建設機械：油圧ショベル、杭打機など 重機：クレーン、ショベルなど また、これらの業種に密接に関連する産業として、金属製品・電気・電子・情報通信などが挙げられます。どれも機械業界の動向を分析するうえで重要な業種です。

機械業界の特徴

機械業界の特徴は、国内外のあらゆる産業と深く結びついていることです。ほとんど全ての業界において、機械の力を借りなくては事業の運営もままなりません。 その特性を示す例の一つが、「機械受注統計」です。内閣府によって公表される経済指標で、景気の先行きを示す指標として知られています。機械受注統計とは、具体的には機械メーカーの設備投資用機械の受注金額の統計です。 どの企業も増産や事業拡大の際には設備の拡充が必要となるため、機械メーカーがどれくらい設備投資用機械を受注したかを集計することで、市場全体の景気を計ることができると考えられています。機械業界が好調であれば国内の市場全体の見通しも明るいと判断できるほど、あらゆる産業と結びつき、深く影響を受けている業界なのです。

機械業界の動向

国内産業の中でも安定したイメージが強かった機械業界ですが、近年はさまざまな外的要因によって苦戦を強いられることも少なくありません。特に人材不足や安価な海外製品との競争激化、原材料費の高騰といった問題は、今も業界全体の課題として挙げられます。 また最近では世界的に機械の需要が伸びていても、必要な半導体が手に入らないという事態も起きました。さらに全世界的にSDGsが注目されるなかで、「脱炭素」の流れは機械業界にとって逆風といえるでしょう。 一方、技術の進歩によって機械業界はさらなる発展の兆しも見せています。たとえば電気自動車や産業用ロボットの普及により、機械業界では新たなニーズも生まれました。またAIやIoTによる工場の自動化・省人化は、業界全体の深刻な人材不足の解消に期待が寄せられています。 国の内外を問わず機械の需要は堅調な伸びを見せているので、こうした新技術を取り入れ時代に適応できる企業には十分な将来性があると考えてよいでしょう。

機械業界売上TOP15社のランキングを一挙紹介

次に「BIZMAPS」掲載の機械業界の企業、売上TOP15社のランキングを紹介します。 1.出光興産株式会社 2.キヤノン株式会社 3.株式会社小松製作所 4.株式会社東芝 5.いすゞ自動車株式会社 6.株式会社クボタ 7.株式会社リコー 8.TDK株式会社 9.株式会社ハクイ村田製作所 10.ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 11.株式会社ジェイテクト 12.株式会社アズミ村田製作所 13.株式会社日本製鋼所 14.株式会社村田製作所 15.株式会社埼玉村田製作所 それぞれの事業内容や特徴について、詳しく解説します。

ランキング1位：出光興産株式会社

出光興産株式会社は一般的に「idemitsu」や、経営統合した「昭和シェル石油」のブランド名で知られる石油事業の会社です。世界各地から原油を調達し、石油製品や化成品を生産しています。 出光興産株式会社の製品は幅広く、潤滑油から機能化学品、電子材料、さらには農薬や機能性飼料も開発・製造しています。また太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの事業にも乗り出しており、さまざまな分野で社会に貢献している会社です。 出光興産株式会社の企業情報

ランキング2位：キヤノン株式会社

キャノン株式会社は連結子会社の総数370社以上という、機械業界のなかでも大きなブランド力を持った会社です。カメラを筆頭にプリンターやフォトプリンター、商業印刷用複合機などの印刷機械の分野で大きなシェアを占めています。 性能とデザインを両立させた製品づくりをしており、2016年には機械工業デザイン賞も受賞しています。 さらに現在は撮影画像から3D空間データを再現する「ボリュメトリックビデオ技術」など、先進技術の分野にも注力しています。長年カメラや映像に携わる事業を続けてきたノウハウが強みです。 キヤノン株式会社の企業情報

ランキング3位：株式会社小松製作所

株式会社小松製作所は、世界各地に生産・販売拠点を有するコマツグループの機械メーカーです。建設機械・鉱山機械を筆頭に、林業機械や産業機械・小型機械の生産を行い、それに付随したサービスを提供しています。 同グループ内には多くの企業が属しており、世界中の建設現場・鉱山現場でコマツブランドの機械が活躍しています。 ディスクロージャーの評価も高く、2022年度には「ディスクロージャー優良企業」の機械部門第1位に選出されました。 株式会社小松製作所の企業情報

ランキング4位：株式会社東芝

株式会社東芝は一般消費者にも広くそのブランド名が認知されている、総合電機メーカーです。現在は生活家電などのBtoC向けの製品から撤退し、現在は電子部品や重電機・鉄道車両など社会インフラを中心としたBtoB領域で事業を展開しています。 また火力・原子力に加えて自然エネルギーを利用した風力発電などのエネルギー事業も行っており、現在でも国内で重要な役割を果たす企業です。 AIを活用したモノづくりにも力をいれていて、機械に任せられるプロセスは機械が、人にしかできない創造性の発揮は人が行う役割分担の実現を進めています。 株式会社東芝の企業情報

ランキング5位：いすゞ自動車株式会社

いすゞ自動車株式会社は商用車を主力商品とする自動車メーカーです。特にトラックのブランドとして広く一般消費者にも認知されており、大型・中型・小型トラックを多く生産・販売しています。 いすゞ自動車株式会社は他にも自動車用ディーゼルエンジンや産業用ディーゼルエンジンも開発しており、機械メーカーへの供給を行っています。その他、建設機械の開発もしています。 その世界的にもハイレベルな技術によって地球温暖化防止に貢献しています。 いすゞ自動車株式会社の企業情報

ランキング6位：株式会社クボタ

株式会社クボタは、世界有数の農業機械メーカーです。クボタブランドの製品にはさまざまなものがあり、トラクタ・田植え機・コンバイン・バインダから家庭用の耕うん機や芝刈り機といった幅広い農業機械を製造・販売しています。 株式会社クボタは農業に関わる会社として、食料や水といった地球全体が直面している課題に向き合い、あらゆるソリューションを世界に送り出していることでも注目されています。 株式会社クボタの企業情報

ランキング7位：株式会社リコー

株式会社リコーは100年近い歴史を持つ、オフィスプリンティング事業を中心としたメーカーです。主な製品は複写機・複合機・ファクシミリ・レーザープリンターで、現在は特にデジタルサービスに注力しています。 また立体を制作する機械である3Dプリンターにおいても装置販売や出力サービスを行っています。 株式会社リコーは220社以上の連結子会社を有し、世界中で200か所以上の国と地域で事業を展開しています。 株式会社リコーの企業情報

ランキング8位：TDK株式会社

TDK株式会社はオリジナルの電子部品を製造するメーカーです。高度な磁性技術を有していて、コンデンサ・高周波製品・マグネット・フラッシュストレージ・透明伝導性フィルム・太陽電池など幅広い商品展開を実現しています。 TDK株式会社は磁気テープや磁器ヘッドなどでこれまでも世界的なイノベーションを起こしてきました。 現在ではAIなどの先進技術を取り入れ、工場などの機械・設備の異常を未然に防ぐためのデバイスの開発を進めています。デバイスが機械や設備の状態を確認し、生産性の向上を図るなど、さらなる社会の課題解決のために研究開発を続けています。 ＴＤＫ株式会社の企業情報

ランキング9位：株式会社ハクイ村田製作所

株式会社ハクイ村田製作所は村田グループの一角で、電子部品を生産するメーカーです。グループ内でも有数の多種多様な製品を扱う会社で、セラミックフィルタ、セラミック発振子、圧電ブザー、超音波センサ、ショックセンサ、Picoleaf、CO2センサなどを生産しています。 株式会社ハクイ村田製作所の強みは圧電技術とセンシング技術であり、その高い技術力で現代生活で欠かせないものとなった電子機器の生産に貢献しています。 株式会社ハクイ村田製作所の企業情報

ランキング10位：ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社は、ソニーグループの完全子会社である半導体メーカーです。ソニーの半導体部門のグループ内の中核となっています。 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社は半導体関連製品の他、電子・電気機械器具の研究や開発も行っており、現在はIoT時代に向けたイメージング・センシングソリューションも提供しています。 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社

ランキング11位：株式会社ジェイテクト

株式会社ジェイテクトは自動車部品を主力としつつ、それにとどまらない多様な機械製品を開発・販売するメーカーです。ベアリング・工作機械・油圧機器・センサー、さらには熱処理炉やコンプレッサーなどの装置も提供しています。 また現在は先進技術の分野にも力を入れており、自立推進トレーニングロボットなども取り扱っています。 株式会社ジェイテクトの企業情報

ランキング12位：株式会社アズミ村田製作所

株式会社アズミ村田製作所は村田グループの一角で、ノイズ除去フィルター・チップコイルの製造を行っている会社です。従業員数は500人に満たない規模の企業ですが、世界トップクラスの生産量を誇るノイズ除去フィルターが強みです。 株式会社アズミ村田製作所が生産するEMI除去フィルターは、スマートフォンやパソコン、ゲーム機器のノイズを取り除いてくれるもので現代の消費者の生活に欠かせないものとなっています。 株式会社アズミ村田製作所の企業情報

ランキング13位：株式会社日本製鋼所

株式会社日本製鋼所は鋼の製造を行う会社です。火力発電所で使用される発電用一体型ロータシャフトなどを製造し、電力供給にも大きく貢献しています。 他にもガソリン・重油の分別をする石油精製用圧力容器や製鉄用圧延ロールなどさまざまな機械製品を取り扱っていることが特徴です。また風力発電機や水素エネルギー関連製品などもあり、持続的な社会を実現するための取組みにも力を入れています。 株式会社日本製鋼所の企業情報

ランキング14位：株式会社村田製作所

村田グループの中核である株式会社村田製作所は、主に電子部品・モジュールを開発、製造する会社です。世界的にも高い技術力で、携帯電話や家電、ヘルスケア機器などで使用される最先端の電子部品を取り扱っています。 また株式会社村田製作所にはロボット技術の開発など、エレクトロニクス産業のイノベーターとしてのブランド力もあります。 株式会社村田製作所の企業情報

ランキング15位：株式会社埼玉村田製作所

株式会社埼玉村田製作所は、村田グループの中でもコイル製品を主力として開発・製造を行う会社です。具体的には固定コンダクタやコイル、トランスを生産しています。 株式会社埼玉村田製作所の強みは、世界でもトップレベルの巻線技術です。一般向けのスタンダードな商品から、最先端もモノづくりに対応した高性能コイルまで、幅広いコイル商品を取り扱っています。 株式会社埼玉村田製作所の企業情報

機械業界ランキングまとめ

機械業界は将来的にも安定した需要が見込まれていますが、人材や部品をどう確保するか、地球環境に配慮した事業運営ができるか、あるいはIoTなどの先進技術をいかに取り入れることができるかといった点が事業の成否の分かれ目となるでしょう。 企業一覧プラットフォーム「BIZMAPS」では、トップページの業種選択から「機械業界」で検索してヒットする41,248社の他にも、国内170万件以上の企業の基本情報を無料で閲覧することができます。各社の売上などを確認できるため、成長可能性の高い企業をピックアップ可能です。 さらに有料プランでご契約いただくと、より詳細な企業情報や各社の連絡先をダウンロード可能。国内の企業情報をビジネスで活用したいという方は、ぜひ「BIZMAPS」までお気軽にお問い合わせください。 ▼法人営業ハックでは様々な業界のランキングをご紹介しています！ 士業ランキングTOP15を紹介！業界の現状や最新動向についても 製造業界の現状と課題とは？今後の展望や売上ランキングTOP10も紹介！ 建設・建築業界の現状と今後の動向は？売上上位10社も紹介！ 小売・卸売業界のトップ企業10：競争激化の中で輝くビッグプレーヤーたち 大手不動産会社売上ランキング＆法人営業担当者のための優良企業一覧 注目の倉庫業界の現状と動向！売上ランキング上位の倉庫会社も紹介 区分再編前のマザーズ上場企業とは？時価総額ランキングTOP10社 ▼各業界の動向や市場規模についてはこちら！ 生活用品業界の研究情報を解説！

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