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営業活動の手法のひとつで内勤営業を意味するインサイドセールスとは、一般的な営業のイメージを代表する外回り営業のフィールドセールスと対極にある言葉です。
このインサイドセールスは、2020年の前半からコロナ禍の影響が広がるとともに導入事例が徐々に増え、現在は加速化しています。
今回の記事では、このインサイドセールスの導入が加速化する理由について触れつつ、インサイドセールスが担っている役割について、詳しく解説しましょう。
DXや新型コロナ時代の変化に適応できる営業スタイルを求めるみなさんは、ぜひとも参考にしてください。
目次
そもそもインサイドセールスとは?
新型コロナウイルス感染症の拡大が日本社会にも影響を与え始めた2020年前半あたりから、法人営業に携わっている方なら、「インサイドセールス」の話題を耳にする機会が増えたと感じているのではないでしょうか。 インサイドセールスは内勤営業です。 一般的な外回り営業に対して、オフィス内で完結する営業スタイルといえるでしょう。 営業電話やメール、サイトからの資料請求や問い合わせなどを通じて、潜在顧客とつながり、さまざまなアプローチでリード(見込み客)の段階に引き上げる営業スタイルです。インサイドセールス発祥の地はアメリカ
インサイドセールスはアメリカで生まれました。 アメリカという国は、国内の場所の違いで時差があるほど広大な国土です。 そのため、インターネットが普及する前から、非対面の営業が電話やダイレクトメール等を使って盛んに行われてきました。 1990年代に入ってITが普及し始め、eメールや企業のホームページなども営業ツールとして活用されるようになり、インサイドセールスの基礎が築かれ始めました。 インサイドセールスがアメリカにおける営業手法として定着した理由は、単に国土の広さだけではありません。 特定の職種のスキルを極めたスペシャリストが好まれる企業文化があることと、人材の流動性という要素があります。 つまり、単純作業ではないインサイドセールスをスキルフルにできる人材が増えてきて、企業に求められるようになり、有能な人たちは条件のよい企業を求めてどんどん転職しました。 その結果として、多くの企業にインサイドセールスの基盤が築かれていき、普及を後押しすることになったのです。2010年代後半から日本でも注目され始めたインサイドセールス
日本のビジネスシーンにおいては、インサイドセールスは2010年代後半から広まり始めました。 インサイドセールスが導入されると、営業効率をアップできた事例が相継ぎ、使える営業手法として注目され始めたのです。 従来の営業のやり方はひとりの営業担当者が、飛び込み営業や潜在顧客リストに電話をかけてアポイントを取るなどで商談に結びつけ、成約後のフォローも含めてすべてを担当していました。 こういった営業のやり方は、顧客との関係性は密になる一方で、営業担当者にとっては膨大な量の業務を抱えることになります。 それだけではありません。 絞り込まれていない潜在顧客、つまり成約確度が低い企業にもとにかくアプローチを繰り返すので、空振りも多くて営業効率がなかなか上がりませんでした。 インサイドセールスは、営業担当者が行なっていた商談の準備段階の業務を担当し、しかも育成して絞り込み、成約確度を高めたリストにしてフィールドセールス担当者に渡します。 フィールドセールス担当者にとっては、商談に集中できる環境を与えられることだけでなく、インサイドセールスによってリードが育成されていることによって、成約率を高めることができます。インサイドセールス導入が加速化する理由
2020年の前半から新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、非対面・非接触の営業スタイルが求められ始めました。 そのため、飛び込み営業や訪問による対面営業は次第に敬遠されるものとなります。 新規営業に関して一般的な手法だった飛び込み営業は、困難になりました。 それに変わって電話営業やメール営業を軸に、非対面で行なわれるインサイドセールスが、ウィズコロナ時代にマッチした営業手法として注目を集め始めたのです。 さらに一部の企業では、インサイドセールスの領域が拡大しているケースも見られます。 インサイドセールスで育成されたリードに対する、成約に向けた商談さえもフィールドセールス担当者ではなく、インサイドセールス担当者がオンラインで実行するスタイルです。 インサイドセールスの持つ特性が、ウィズコロナ時代にマッチしており、急いで導入する企業が増えているのは時代の趨勢でしょう。単なる内勤営業の枠に収まらないインサイドセールス
インサイドセールスのノウハウが洗練されるにつれ、電話営業の台本であるトークスクリプトも充実することで、潜在顧客とのやりとりがスムーズに運ぶようになってきました。 その結果、アポイント取得の精度が向上したのです。 一方、見込みが低いと判断された潜在顧客には、成約の確度が高まってくるまでメールなどでつなぎとめます。 ある一定の段階で見込み客と呼べる状態にならなければ、フォロー対象から外して、潜在顧客リストを常にアップデートします。 このようにリード育成に特化したインサイドセールスの営業手法が確立し、もはや単なる内勤営業ではなくなって高く評価されるようになってきました。 ▼あわせて読みたい インサイドセールスにトークスクリプトは必要?作成するときの注意点とはインサイドセールスの役割とは?
インサイドセールスの役割を端的にいえば、潜在顧客を顧客に一歩近いリードに引き上げる役割と、潜在顧客を選別してリードだけに絞り込む役割を担います。 そうやって仕上がったリードのリストをフィールドセールス担当者が引き継ぎ、商談を行なって成約に導くというのが基本的なフローです。 ここではインサイドセールスの役割を、さらに詳しく見ていきましょう。フィールドセールスとの役割の違い
フィールドセールスとの違いという面で、インサイドセールスを見てみます。 インサイドセールスは、潜在顧客リストや資料請求、問い合わせなどがあったリストに対して、電話やメール、オンラインツールなどを適宜使って継ヒアリングや情報提供を続的に行ないます。 フィールドセールスのように成約という最終形を目指さないので、潜在顧客側の企業もそれほど拒否することもなく、関係性が継続しやすいのです。 また、先方企業には出向くことがないので、移動にかける時間はありません。 勤務時間を最大限に使って、1件でも多くの企業にアプローチができます。 そして、コンスタントなアプローチの中で成約の確度が上がってきたと感じる企業に、適切なタイミングで商談のアポイントを取得し、フィールドセールス担当者に引き継ぐのです。 つまり、インサイドセールスとフィールドセールスの役割は、基本的には棲み分けされておりダブルことはありません。 それぞれが自らの役割に徹することで、営業効率は向上していくでしょう。テレアポとの役割の違い
インサイドセールスにもプロセスのひとつとしてテレアポはありますが、従来のテレアポとは似ているようで違います。 その違いとは、業務領域やクオリティの違いです。 従来のテレアポは潜在顧客リストとトークスクリプトを頼りに、「数打ちゃ当たる」式で手当たりしだいに電話をかけまくり、型どおりの営業トークを一方的に行なうパターンが一般的でした。 テレアポの役割はアポイント獲得件数を稼ぐことであり、そのためにはできるだけ荷電件数をこなすことが重要だったのです。 一方、インサイドセールスではかならずしもアポイント件数の多さを求めるものではありません。 もちろん、少ないよりは多い方がよいですが、それ以上に大切なのは成約の確度の高さです。 アポイントを100件取得したけれど、成約につながったのでは10件という場合と、40 件しかアポイントを取得できなくとも、20件が成約につながったのとではどちらのアポイントのクオリティが高いかは明白です。 ▼あわせて読みたい インサイドセールスとテレアポの違いやそれぞれの役割とは? インサイドセールスとは?今すぐ導入すべき新時代の営業手法を徹底解説【完全保存版】最大の役割はリード育成
インサイドセールス最大の役割は、リードの育成にあります。 これは他の部門ではできない作業です。 営業電話においても、単にトークスクリプト通りの型にはまったアプローチではなく、相手のニーズや課題に関して対話を通して洗い出すことが重要となります。 洗い出した情報を分析し、成約の可能性を予測することで確度が高いリードを見極め、アポイントを優先して取っていき、フィールドセールスに引き継ぐのがインサイドセールスの最重要な役割です。 また、アポイント取得になかなか至らない場合も、洗い出した情報をもとに繰り返してアプローチを行い、先方の機が熟したタイミングでアポイントを取得するのもインサイドセールだからこそできる仕事です。 見込みが低い潜在顧客には、メールでフォローしながらつなぎとめ、どこかの段階で対象から外すなどのきめ細かい努力により、フィールドセールスの商談の無駄を減らすことができます。 つまりインサイドセールスは、戦略的なアプローチによってリードの育成を行う、レベルの高い仕事なのです。リード育成の3段階
インサイドセールスが担うリード育成はその成約確度の高さにおいて、以下のように大きく3段階に分けて考えることができます。 ●リードジェネレーション ●リードナーチャリング ●リードクオリフィケーション それぞれを詳しく見ていきましょう。リードジェネレーション
この段階は、リード集めの初期段階で、個々のリードの情報もあまりわからない段階です。 リードを集めるためのメールやWebサイトの問い合わせ、Web広告やイベントやセミナーの集客、データベースから作成したリストへの荷電などの作業を総称して「リードジェネレーション」と呼びます。 これらの活動によって得られる顧客情報は、氏名や連絡先などの表面的なものが多く、成約に直結するような情報はめったにありません。リードナーチャリング
この段階は、関係性がまだまだ薄い状態にあるリードに対して、成約確度の高いリードへと育てていく活動を行なう段階です。 根気強く、見込み客に育てていくのです。 リードジェネレーションで得た初期の情報をもとに、より具体的なアクションを行って成約の可能性を高めていきます。 例えば関心があるリードだけに限定されたイベントの案内や、Webサイトでメンバー専用ページに誘導するなどのアクションです。 そうやって徐々に、自社製品(サービス)の購入をリードがイメージできるようにしていきます。 この段階ではまだ商談対象として認めるのは早く、ここから絞り込みを行わなければなりません。リードクオリフィケーション
リードナーチャリングによって育てられてきたリードを、フィールドセールス部門に引き継げるように、成約の可能性の高さで絞り込みを行なう段階です。 判断基準としては「スコアリング」を活用することが多いです。 リンクのクリックやメルマガの開封、問い合わせの送信などのすべてのリアクションに対して、スコアをつけることで順位を付ける手法となります。 高いスコアのリードほど成約に近いと判断する、成約確度を可視化する手法といえるでしょう。 そうやって絞り込まれたリードを、フィールドセールス部門に渡すことになります。 その後に成約につながらない場合は、3つの段階のどこかに課題があると考えられ、再アプローチの対象です。インサイドセールスの基本と応用4つのタイプ
インサイドセールスのタイプは、企業や商材の性質によって望ましいものが異なります。 主に以下の4つのタイプが考えられます。 ●基本型(この記事で紹介している基本的なインサイドセールス) ●応用型1:横断型 ●応用型2:直結型 ●応用型3:発掘型 個別に解説していきましょう。基本型
インサイドセールス部門が、潜在顧客から見込み客に育成して絞り込むまでを担当し、それ以降をフィールドセールスが担当して成約に向けて商談を行う基本型です。 潜在顧客リスト数が豊富にあり、その中で購買意欲の高いリードを増やしたい場合には、基本型が適しています。横断型
営業活動の全般を効率化したいと考える場合には、横断型が適しています。 インサイドセールス部門とフィールドセールス部門で領域を横断するタイプです。 フィールドセールスが商談しても成約に至らなかったリードへのフォローは、インサイドセールスが担当してつなぎとめます。 そして機が熟してきたら、再びフィールドセールスに渡します。 つまり、一旦渡して次の領域に移ったリードに対して、領域を横断してまたインサイドセールスが担当することにより、フィールドセールスは成約確度の高まっているリードの商談に集中できるのです。発掘型
潜在顧客リストが少ない場合や自社製品(サービス)の価格帯が低い場合は、リード発掘にフォーカスする発掘型が有効です。 自社の顧客となる可能性のある相手を、さまざまなメディアの情報からピンポイントで探り当て、積極的に営業をかけます。直結型
成約までのハードルが高い製品(サービス)を扱っている場合や、リードとの関係性の構築が課題の場合、またはフィールドセールス部門の人材不足の場合には直結型がおすすめです。 積極的にヒアリングおよび提案を行なう直結型では、本来はフィールドセールス担当者に任せる最終的な商談もインサイドセールスが直接担当するタイプです。営業支援の活用でインサイドセールスにトライできる
インサイドセールスが有効であると理解できても、それなりのノウハウやリソース、そして人材が必要です。 しかしなかなか一般的な企業では、内製でインサイドセールスを実行するのは簡単ではありません。 そのため、インサイドセールスを営業支援サービスとして提供するサービスも、すでに数多く生まれました。 営業支援サービスを手がけている企業は、トークの洗練度やマーケティングツールを駆使して、リードの育成技術も向上させてきたのです。 リード育成やアポイント取得をインサイドセールスに精通した営業支援サービスを活用することで、これまでノウハウを持たなかった企業でも、育成されたリードとの成約確度の高い商談ができるようになってきました。 その中で、特におすすめできるのが「Sales Crowd」です。 新規営業を包括的に支援する営業支援サービス「Sales Crowd」は、インサイドセールス特化型の「新規営業開拓プラットフォーム」ともいうべきものです。 Sales Crowdに関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。 非対面の営業方法に軸足を!オンラインツールを使った営業とは?まとめ
インサイドセールスの導入が加速化する理由について触れつつ、その役割について詳しく解説しました。 営業効率の高さとウィズコロナ時代にふさわしい非対面で完結する営業スタイルが、注目される理由です。 インサイドセールス にはそれなりのノウハウが必要で、内部だけの力で実行するのは簡単なことではありません。 体制を整えるまでに要するコストで時間を買う考え方にて、営業支援サービスにアウトソーシングするのが合理的です。 ▼あわせて読みたい インサイドセールスとは?今すぐ導入すべき新時代の営業手法を徹底解説【完全保存版】 インサイドセールスの役割とは?BtoB法人営業で導入が加速化する理由も解説!大阪生まれ神戸在住。経済学部卒業後、アパレル業界で営業から商品企画・広告プロモーションを経験。2018年副業でライターを始め、2019年に会社を退職しライターに。Webライティングと並行し電子書籍も鋭意出版中。
著者ページ:https://amzn.to/3J5CbjX
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