人材派遣会社の営業は、営業職の中でも大変な仕事だとよく言われます。 しかしながら、そんな人材派遣の営業にも、成約を獲得するためのコツがあるのです。 今回は、人材派遣の営業が大変だと言われる理由や仕事の内容などに触れながら、営業で良い成績を出すためのコツや仕事の魅力などをご紹介します。

人材派遣会社の営業の特徴

人材派遣会社ならではの営業の仕事の特徴をご紹介します。人材派遣会社の営業の仕事は、主に3つの特徴があります。 ①新規開拓営業がメイン ②派遣先・派遣スタッフの調整業務を行う ③派遣先・派遣スタッフのフォロー業務を行う それぞれ、どのようなことかお話します。

①新規開拓営業がメイン

人材派遣会社の営業は、既存営業もありますが、新規開拓営業がメインです。 飛び込み営業というスタイルを取っている企業も少なくありません。 特に少し前までは、とにかく訪問数を稼ぐことに重きを置く傾向があったと言われています。しかし、最近では業務の効率を重視し、しっかり下調べしたうえで営業をかける企業が多くなっているようです。 そのため、企業のリストや企業情報の収集など、新規開拓営業ならではの業務が多く発生します。

②派遣先・派遣スタッフの調整業務を行う

人材派遣会社の営業は、派遣先企業や派遣スタッフの調整業務を行うのが特徴です。 人材を求めている企業と、仕事をしたい派遣スタッフのマッチング業務とも言えるでしょう。 ただ人員が不足している場所に人材を送り込むのではなく、双方の希望に沿うように調整する能力が求められます。

③派遣先・派遣スタッフのフォロー業務を行う

派遣先企業や派遣スタッフのフォロー業務を行うのも、人材派遣会社の営業ならではの仕事です。 人材を派遣したらおしまいではなく、その後のフォローもまた大切です。 派遣先企業には、派遣した人材に満足しているかどうかをヒアリングし、派遣スタッフには仕事や会社のことで困っていることがないか相談に乗ります。 派遣先と派遣スタッフの仲介役として、双方に「良かった」と言ってもらうためにも、コミュニケーションを密に取るのが重要なのです。

人材営業会社の営業が大変な3つの理由

人材派遣会社の営業は、「辛い」「きつい」とよく言われます。 なぜそこまで大変だと言われるのか、その理由を3つご紹介します。

理由①　商材＝人だから

人材派遣会社の営業が大変と言われる理由のひとつに、「人」を商材としている点が挙げられます。 もしも商材が製品であれば、その質や提供できるサービスはほぼ一定です。 しかし、それが「人」となると、質にどうしても個人差が出てきてしまいます。 そうなると、派遣先から「思っていたのと違う」と言われてしまうこともあるのです。 逆に「とても良い人材を紹介してくれてありがとう」と感謝されることもあります。 このように、営業自身で商材（派遣スタッフ）の質をコントロールするのが難しいので、派遣会社の営業は大変だと言われるのでしょう。

理由②　同業他社が多いから

人材派遣会社の営業が大変なのは、同業他社が多いのも理由です。 国内だけで見ても、人材派遣事業所数は3万件以上あると言われています。 ここまで多いと、営業をかけた企業がすでにほかの人材派遣会社に登録していることもめずらしくありません。 ライバルが多いからこそ、他社との差別化を明確にするなど、営業戦略をしっかり立てることが大切と言えるでしょう。

理由③　サービスの独自性を出しにくいから

人材派遣会社は、サービスに独自性を出しにくいのも、営業が大変さを感じるポイントです。 顧客が人材派遣会社に求めるのはただひとつ。 必要なときに必要な人材が手に入ることです。 そして、それこそがすべての人材派遣会社の仕事でもあります。 たくさんある人材派遣会社の中で勝ち抜いていくためには、他社とは違ったサービスのポイントを打ち出していく必要がありますが、その差別化もまた難しいのです。 このように、ライバルが多く、扱う商材の質が担保されないという点が、人材派遣会社の営業が苦労する理由と言えるでしょう。

営業活動を効率化するコツ

テレアポや飛び込み営業の効率を上げるコツをお話します。 やみくもに架電や訪問の件数をこなす方法もありますが、事前に調査をし、効率的に営業をするためのコツをお話します。

①人材派遣会社に求人を出している企業に営業をかける

ほかの人材派遣会社の求人サイトを見て、その企業に営業をかけるのもひとつの手です。 やみくもに営業をかけると、「うちは人材を募集していません」と言われてしまう場合があります。 その点、同業他社の求人サイトに掲載しているということは、派遣スタッフを募集しているのは間違いないので効率的です。 すでに他社のサービスに登録しているという点では、企業側も人材派遣サービスを利用するハードルが低いというのもポイントです。

②担当者の名前を調べる

営業をかける前に、担当者の名前はできるだけ調べるようにしましょう。 例えば、テレアポの際も、「ご担当者様に代わってください」というよりも、「担当の〇〇様をお願いいたします」と言った方がつないでもらえます。 はじめましての営業先では、担当者に話を聞いてもらうまではハードルが高いものです。 そのハードルを下げるためにも、企業のホームページなどで担当者の名前を調べておくのが良いでしょう。

③人員補充の時期を狙う

人員が必要となる時期を狙って営業をかけるのもおすすめです。 例えば、一般的に決算時期は経理の仕事が特に忙しくなる時期で、繁忙期に備えて経理の人材の採用活動をすることが考えられます。 このように、業界や職種の繁忙期を意識しながら、企業が人員の補填を意識する時期に営業をかけるのです。 そうすると、商談がスムーズに進んでいく確率が高まります。 営業先の企業に、「今は必要ない」と断られた場合も、いつ頃だと人手不足になるかを確認し、必ず記録を残して次回の営業活動に活かしましょう。

人材派遣営業の提案のコツ

人材派遣会社の営業の提案をする際のコツを2つお話します。

①顧客の潜在ニーズを読み取る

業界にかかわらず、営業ならばすべてに当てはまることですが、ヒアリングでは顧客の心の中にある本当のニーズを読み取りましょう。 というのも、顧客が実際に話す内容を聞いているだけでは、うまくいかないことがあるからです。 例えば、 「簿記2級以上を持っていて、経験が5年以上あって、結婚していない人が欲しい」と顧客が言ってきたとします。 資格はともかく、経験5年以上となると年齢的に結婚している人も多いので、意外と難しい希望です。 このように、顧客の言ったままの人材を探そうとすると、なかなか厳しいこともあります。 しかし、顧客がなぜこのような希望を言っているのかを考えてみると、 ・専門的な知識を持っている人が欲しい ・仕事の経験がある人が欲しい ・フルタイムで入って欲しいい といった希望が見えてきます。 逆に言えば、発言の裏に隠された希望を満たせば良いということです。 このように、顧客の言葉の裏に隠れた潜在的なニーズに注目するよう、意識しましょう。

②安定的な価値をアピールする

提案をする際は、自社の強みをアピールするようにしましょう。 すでにお話した通り、人材派遣はライバルが多い業界です。 そして、商材として扱っているのは生身の人間です。 本来であれば商材の強みをアピールしたいところではありますが、それが難しいのが人材派遣会社の営業と言えます。 そのため、 ・他社よりコストを抑えられる ・派遣に至るまでの期間が短い ・万全なフォロー体制がある ・土日祝日も休まず対応 ・紹介無料キャンペーンをやっている など、安定的に提供できる価値に重点を置いた提案を意識しましょう。 「常に優秀な人材を提供しています」と言っても、必ずしもそうではないことは顧客も薄々分かっています。 正直に胸を張れるポイントをアピールするようにしてください。

人材派遣会社のトップ営業マンになるコツ

人材派遣会社で、トップ営業マンを目指すためのコツを3つお話します。 業界に関わらず、すべての営業職に共通することばかりですが、営業マンの基本だと思って今日から意識してみてください。

①準備を入念にする

トップ営業マンになるために、営業前の準備は入念に行いましょう。 テレアポや飛び込み営業など、新規開拓のスタイルが多いのが人材派遣業界です。 そんな新規開拓営業は、ぶっつけ本番ではなく入念に準備をすると成約につながります。 営業をかける企業の担当者や社長の名前から、社長の趣味まで、少しでも営業の役に立ちそうな情報を前もって集めておくのです。 企業のホームページやSNSなどをチェックしておくと良いでしょう。 普通なら「うちはいらないから」と門前払いをされそうな場面でも、「お！よく調べてる」から「ちょっと話くらい聞いてみるか」と心が動きやすくなります。 また、その場では断られてしまっても、相手にインパクトを与えている分、顔を覚えてもらえ、次の機会では有利に商談を進められるはずです。

②フォローにも手をかける

トップ営業マンになるためには、準備だけでなくアフターフォローも入念に行いましょう。 ノルマがきついと、とにかく営業の件数を稼ぐことに必死になり、フォロー業務がおろそかになってしまうこともあるかも知れません。 しかし、成績の良い営業マンは、フォローにこそ力を入れていると言われています。 なぜなら、フォロー業務は顧客の満足度に直結しやすく、今後の自分の営業活動を有利にしてくれると知っているからです。 フォローの部分を厚くして、顧客の満足度が上がると、紹介やリピートなどが見込めます。 一見、フォローに時間をかけるのは非効率に思えますが、結果的には効率良く営業活動ができるということです。

③顧客目線を忘れない

トップ営業マンは、常に顧客目線を意識しています。 例えば、売上のことしか考えていない営業マンだと、「うちのサービスはすごいです！業界トップレベルです！」と提案します。 しかし、顧客目線を持った営業マンなら、「弊社のサービスであれば、御社の課題である人件費の問題が解決されます！ 具体的には、毎年50万円のコストカットにつながります」と顧客を中心とした提案をします。 このように顧客目線を意識していると、自然と相手の心に響く提案ができるようになるのです。 自分の成績のためだけではなく、顧客を幸せにするために、誠心誠意提案するようにしましょう。

人材派遣会社の営業の魅力

人材派遣会社の営業は、大変なことも多く離職率が高い仕事だと言われています。 しかし、人材派遣会社だからこそ感じられるやりがいもあるのです。 そんな、人材派遣会社の営業の魅力を4つご紹介します。

魅力①　タフになる

人材派遣会社の営業を経験すると、精神力が鍛えられてタフになるのが魅力です。 営業の仕事全般、打たれ強さは鍛えられていきますが、人材派遣業界となるとさらに精神力が磨かれていきます。 人材派遣業界の厳しさはすでにご紹介した通りです。 飛び込み営業では何度も断られ、叱責され、やっと派遣しとてもスタッフのマッチングがうまくいかず、企業からも派遣スタッフから責められ…… このような環境で仕事をしていると、だんだんと落ち込まない精神力がついてきます。 タフな心を持っていれば、どのような業界でも職種でも、渡っていけるようになるでしょう。

魅力②　多くの人に感謝される

人材派遣会社の営業の一番の魅力は、たくさんの人の「ありがとう」を聞ける点です。 派遣先の企業や派遣スタッフを顧客に持つため、双方のマッチングがうまくいくと両方から感謝されます。 また、ただ提案して終わりではなく、顧客と密なコミュニケーションを取らなければならない立場上、顧客の感謝がストレートに伝わってくるのも特徴です。 顧客との距離が近い分、大変なこともありますが、近いからこそ「ありがとう」と言われたときの喜びは大きく、やりがいを感じるでしょう。

魅力③　人脈が広がる

人材派遣会社の営業は、人脈が広がるのも魅力のひとつです。 人材派遣会社の営業は、顧客との距離が近いのはもちろん、出会う顧客の数も多いです。 そのため、営業の仕事を通して人脈を作っていくことができます。 人脈は今後の仕事でも役に立ちますし、何より人生を豊かにしてくれるものです。 仕事以外の時間にわざわざ外に出て人脈作りに躍起になる人もいるくらいですから、仕事をしながら人脈を広げられるのは魅力的です。

魅力④　達成感がある

人材派遣会社の営業の仕事は大変だと言われるからこそ、仕事がうまくいったときに味わう達成感は大きいです。 新規開拓で成約までこぎつけたときや、企業と人材のマッチングに成功したときなどは、喜びもひとしおでしょう。 また、営業からマッチング、フォローまでを担当するので、プロジェクトを自分で動かすような実感があり、ひとつの仕事が終わった後はやる遂げたと感じる人は多いようです。 人材派遣会社の営業の仕事内容や良い成績を出すためのコツなどについてお話しました。 大変だと言われることの多い仕事ではありますが、その分達成感も大きく、やりがいのある仕事です。 また、「人が好き」という方にはぴったりの仕事と言えるでしょう。 人材派遣会社ならではの営業のコツをつかめば、良い営業成績を出すことも夢ではありません。 厳しい業界ではありますが、顧客と丁寧に向き合いながら、着実に成果につなげていきましょう。 ▼新規開拓にお悩みの方はこちらもぜひご覧ください！ 営業リストで新規開拓の成果が変わる？営業効率をアップさせるリストの作成方法とおすすめサービス 営業リストの選び方や注意点解説！無料テンプレートのおすすめ6選！ 営業リストで業績アップ！メリットや効率的な作り方、管理方法をまとめて解説します！ 営業リストの作り方を紹介！成果に直結するリストを効率的に作成・管理！ コツを掴んで成約率アップ！トップ営業マンが意識していることとは？

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