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不要な作業?日報を無駄にするかは運用次第 営業担当者を抱える日本企業の多くでは、1日の終わりに「日報の提出」が義務化されているケースが多いのではないでしょうか。日報は営業担当者一人ひとりと管理者がコミュニケーションをとれる大切なツールです。 しかし、中には日報業務が形骸化し、「どうせ誰も読まない」「日報のせいで残業時間が増える」と不満を持っている社員も。日報業務の意義を再確認すれば、組織力アップのためのツールに変化させることができます。「日報」の問題点と活用方法をご紹介します。

日報が無駄に思われてしまう理由

不要な作業?日報を無駄にするかは運用次第 この記事では、日報が無駄に思われてしまう理由を掘り下げて、その対処法について検討していきます。 まず、日報を書くことをどのように教わりましたか。会社へ入ってから業務内容の説明を受けた際に、「1日の業務の終わりに日報を書きます」といわれたくらいで、日報の意義や目的を説明されたという人は少ないのではないでしょうか。 目的のないことを努力し続けることは難しく、「日報を書けといわれたから書くけど、意味があるのかな」と感じる人が多くなっていってしまうのです。

上司が部下を管理するためだけのイメージだから

日報はテンプレートに沿って記入していくことが多いでしょう。日時と何をしたかを記入していきますが、簡単に書いても、詳細に書いても、上司から返答が来ることは少ないのではないでしょうか。せいぜい「もっと外回りへ行くように」「書類仕事に時間をかけすぎているぞ」などの声掛け程度で、「日報を褒められる」ということはまれでしょう。 上司が「部下が仕事をしている」という事実だけをチェックして、その内容までは確認していないのでは、「日報業務が形骸化している」といわざるを得ません。 上司が情報共有することの重要性にいてはこちらの記事で解説しています。 情報共有をしない上司の傾向と部署が抱えるリスクとは?対処法も解説

提出後に有効活用される気がしない

日報を記入した後は、「提出ボックスに入れる」「上司のデスクに置いておく」「週ごとにまとめて提出する」など、部署ごとの規定があるでしょう。提出ボックスに日報が積まれていくのは、「誰も読んでない」という事実が眼前にある状態です。 上司も他の仕事をしようとしたときに、デスクに複数人の日報が散らばっていては、「邪魔だ」と感じ、ついまとめて引き出しの中に入れるなど乱雑に扱ってしまうかもしれません。その様子を見てしまったメンバーは、「日報は大切なものではない」と誤解してしまうことでしょう。 「週ごとにまとめて提出」では、その時点で日報は過去の資料となっています。報告業務として機能しているとはいいがたく、いずれも日報が有効活用されている実感を得るのは難しいでしょう。

毎日似たような内容しか書くことがない

営業担当者の業務は、おおまかに「電話営業」「書類作成」「訪問営業・商談」の3パターンに分けられます。相手先が変われど、業務内容はそれほど変わらず、「毎日似たようなことを書いている」「『昨日と同じ』じゃダメかな」と感じてしまいます。 また、マルチタスク型で数分単位にさまざまな業務をこなしている人は、1日の終わりに正確な報告をすることが難しいのではないでしょうか。「きちんと書こうとすると時間がかかる」「適当でいいか」と日報を軽んじる発想に至っても仕方がないかもしれません。

日報を無駄にしない運用方法を考える

不要な作業?日報を無駄にするかは運用次第 日報業務が形骸化している現場では、報告業務を上司への口頭での報告に頼ることになり、上司の本来の仕事であるマネジメント業務を圧迫していくことにもなります。口頭での報・連・相だけでは情報が整理されず、「いち早く解決すべきこと」「フィードバックすべきこと」「会社の問題としてとらえるべきこと」などがないまぜになり、業務の最適化の妨げにもなるでしょう。 日報の目的を明確にし、業務効率化のための可視化ツールとして活用できるようになれば、日報は「無駄なもの」ではなく、情報の宝庫として重視されるようになります。

日報の目的を明確にする

日報業務を意味のあるものにするには、目的を明確にし、メンバー全員でその意義を共有することです。 上司側のメリットとメンバー側のメリットを知り、自社のビジネスに合わせたフォーマットで日報を活用していきましょう。 【上司側のメリット】
  • メンバーの状態が把握でき、的確な指示ができるようになる 数字に表れないモチベーションや思考をとらえ、メンバーの人となりの理解が進む
  • 上司とメンバーの認識のずれを修正できる
  • 的確なタイミングでのフィードバックで信頼関係を構築できる
  • 上司も日報を提出し公開すれば、後進の育成に役立つ

  • 【メンバー側のメリット】
  • 業務の振り返りにより、次の一手の検証ができる
  • 情報を蓄積すれば、目標達成度がわかる
  • 生産性の高いスケジュールが組めるようになる
  • PDCAサイクルを自主的に回せるようになる
  • 上司からのフォローを受けやすくなる

  • 手間をかけずに進捗を可視化できる仕組みを考える

    日報をスムーズに運用するには、「記入者の手間がかからない」「管理者の手間がかからない」と、利用者双方に配慮した仕組みを考える必要があります。 従来の日報用紙に1日ずつ記入していく方法そのままで良いのか検討しましょう。労力をかけずに即応体制をとるならば、デジタル化・オンライン化が必須ではないでしょうか。 プルダウンメニューを設定したエクセルファイルをクラウドで共有すれば、記入者は選択肢を選ぶだけ、管理者はファイルをチェックするだけでメンバー全員分の進捗を確認できるようになります。

    日報を有効活用できる仕組みを考える

    「進捗を管理したい」「フィードバックのスピードを上げたい」「日報の情報をレポート化し経営戦略に役立てたい」などと活用の方向性が固まっているのなら、日報アプリやITツールの利用を検討してはいかがでしょうか。サービスによっては、提出状況が管理できたり、項目をカスタマイズしたり、メンバーを指定して共有したりといった機能が搭載されています。 日報の活用には、メンバー全員の提出が必須です。紙ベースでの管理に慣れている人でも簡単に操作できるよう、UIに配慮して構築されているサービスを選びましょう。 日報管理ツールを利用すれば、リアルタイムでのコミュニケーションが可能になるので、「読まれていないのでは」という懸念も不要のものとなります。モバイルでの利用も可能なツールであれば、「帰社してから報告」「上司と会って相談」というタイムラグがなくなり、ビジネスのスピードもアップするでしょう。 こういった情報共有のためにツールには無料のものもありますので、自社に合うか試してから本格的に導入するのも良いでしょう。 情報共有ツールや営業支援サービスについてはこちらの記事でご紹介しています。 情報共有ツールおすすめ10選。導入のメリット・トラブル例など紹介 営業支援サービスおすすめ7選【2021年版】売上拡大と業務効率化を実践

    フィードバックを行う

    日報業務とは「報告」が主な目的だととらえられがちですが、上司側・メンバー側のメリットでみてきたように、フィードバックまで含めた体制づくりをしておかないと効果が半減してしまいます。 日報提出が義務ならば、日報の評価も義務であるべきでしょう。「評価」とはいえ叱咤激励するばかりでは、メンバーのモチベーションに影響してしまうかもしれません。また、記入者にとっても、「反省点」ばかり羅列する構成で常に上司の目が光っているとなると、自信を失い生産性も下がってしまいます。 「Good=良いところを見つける」「More=改善案を提示する」の2点を意識して、時間を置かずにフィードバックできるよう工夫しておきましょう。 自分が書いた日報にポジティブなフィードバックがあれば、メンバーもモチベーションの維持・向上にも役立つでしょう。

    まとめ

    日報作成は「1日の終わりの作業」ではなく、より良い成果を導き出すための情報収集業務です。上司とメンバーの双方が日報の意義を知れば、効果的に活用できるようになるでしょう。 日々の業務を情報資産としてストックしていけば、人材育成・チーム戦略・経営戦略にも役立てられます。日報のデジタル化・オンライン化を検討してはいかがでしょうか。 業務の改善に役立つ情報共有に関する記事はこちら 情報共有だけの会議を行ってる会社はヤバい?見直しと改善のポイント アナログな方法による社内の情報共有術!その効果的な使い方を徹底解説! 情報共有【例文付き】メール&チャットの適切な書き方!注意点も解説

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