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自社だけでできる?インバウンドセールスの内製化を検証 消費者行動が多様化し、大量生産・大量消費のビジネスモデルでは「モノが売れない」といわれています。こうした背景を受けて、従来の営業手法に置き換わる手法として「インバウンドセールス」が注目されています。従来の営業手法からインバウンドセールスへと、スムーズな変革を行うためには何が必要なのでしょうか。 インバウンドセールスの概要と内製化の可能性について、メリット・デメリットを紹介します。

インバウンドセールスとは?

自社だけでできる?インバウンドセールスの内製化を検証 インバウンドとは英語の形容詞「inbound」で、in=内側 bound=〇〇行き という2語から成り立っています。もともとは「本国行き」「市内に向かう」といった意味で使われていましたが、そこから転じて「外からかかってきた電話」「問い合わせ」などを意味するようになりました。また、観光業界では「訪日外国人」を指すことがあります。 では、営業プロセスにおける「インバウンド」とは何を意味しているのでしょうか。「アウトバウンドセールス」「インサイドセールス」との違いについても解説します。  

有益な情報で潜在顧客を惹きつける手法

従来の営業手法は、企業から消費者や対象へ働きかける=内から外へ向かう、という意味で「アウトバウンドセールス」と呼ばれます。その中心的な活動は、テレアポや飛び込み営業など「情報を持つものが持たざるものへと売り込む」形式をとっています。 しかし、インターネットで誰もが簡単に情報を得られるようになった今、消費者やビジネス対象も与えられるだけの存在ではなくなってきています。自発的に情報の検索・取捨選択をし、マスコミュニケーションよりもクチコミやSNSに信頼を寄せるようになっているのです。 このような対象に自社製品をアピールする手法として「インバウンドセールス」が有効だとされています。インバウンドセールスでは、消費者やビジネス対象から「選ばれる存在」となるためのさまざまな施策を行います。選ばれるためには「好ましいコンタクト」「企業目線ではなくお客様の立場で」「信頼性・安心感」をポイントとした営業活動が必要です。 ▼マーケテイングについての記事はこちら マーケティングでの戦略的なポジショニング方法と成功事例集  

インバウンドセールスのメリット

インバウンドセールスには2つのメリットがあります。ひとつは前項でも述べた「選ばれる存在になれる」ということ。もうひとつは、従来の営業手法よりも「効率的である」ということです。 アウトバウンドセールスでは、膨大なビジネス対象者のどこに商談相手がいるかが、あいまいなままテレアポや飛び込み営業を行っていたことでしょう。多くのアプローチを行ったとしても、実際に商談・成約に至る確率は数%ということもあります。空振りに終わる活動も多く、営業担当者が疲弊してしまうという課題がありました。 インバウンドセールスはITツールやWebマーケティングとの親和性が高く、確度の高いリードを獲得すれば、商談へと至る確率が飛躍的に高くなります。自社のサービスや商品に対して既に「信頼性・安心感」を持っている相手との商談では、成約率も変わってくるでしょう。  

似ているけど違う?インバウンドセールスとインサイドセールス

ビジネス現場では「インサイドセールス」も注目されている手法のひとつです。似通ってみえる「インサイド」と「インバウンド」にはどのような違いがあるのでしょうか。 インサイドとは「内勤」を意味しており、対義語は「フィールドセールス=外回り・外勤」なので、働き方の違いを表しています。 インバウンドとは「ビジネス対象から企業へのベクトル」を意味しており、対義語は「アウトバウンド=企業から対象へのベクトル」なので、営業活動のスタイルや施策の目的の違いを表しています。 このポイントを理解していれば、「テレアポなどのアウトバウンド施策をインサイドで行う」「インサイドセールスチームがWebを活用してインバウンド施策を始める」といった構文が成り立つこともわかるでしょう。 ▼インサイドセールスについての記事はこちら インサイドセールスとは?今すぐ導入すべき新時代の営業手法を徹底解説【完全保存版】 連携が鍵!インサイドセールスとフィールドセールスによる営業とは?

インバウンドセールス 外注か内製かの選択で考慮したい内容

自社だけでできる?インバウンドセールスの内製化を検証 インバウンドセールスを始めようと考えたとき「自社リソースまたは新規採用で内製するか、専門業者へ外注するか」という悩みが生まれます。「社内のマーケティング部門にやらせよう」「商談をするのは営業担当者なのだからインバウンドチームも社内にいた方が効率的では」「経験のないことだからノウハウに不安がある」など、さまざまな課題が検討されることでしょう。 外注か内製かの選択で迷ったときに、特に重要なポイントは「コスト」「効率」「ナレッジの有無」の3つです。自社の状況を一つひとつチェックしてみましょう。  

コスト面から考える

インバウンドセールスを内製化すれば、コストはそれほどかからないように感じますが、本当にそうでしょうか。マーケティング部門の人材や営業担当者を異動させれば、元の部署の生産性が下がるかもしれません。新規採用には採用経費や教育研修費もかかります。 人件費以外にもITツールの導入やシステムの構築に費用がかかることがあります。また、いちからインバウンド施策を策定するには役職者や管理部門も一定の時間を割く必要があります。彼らの人件費も計上して、トータルのコストを算出しましょう。 外注であれば、人件費やツール利用費などすべて包括された金額が提示されるので、何社かの見積もりをとって比較することをおすすめします。  

効率の良さから考える

インバウンドチームを内製化した場合、メンバーが専任であれば業務効率は最大化できますが、実際にはマーケティング部門や営業担当者が兼任することも多いでしょう。複数業務を担当する場合、リードの獲得など成果が出るまでに時間のかかるインバウンド施策は優先順位を下げられてしまうことがあります。 外注であれば、スピード感を持って業務にあたってもらえることが期待できますが、組織が違うため擦り合わせやフローの構築に時間がかかることがあります。また、PDCAサイクルによってより良い関係を築こうと連携を密にすることは大切ですが、あまり頻繁に外注先の手法を変化させては混乱の元となるでしょう。 適切なPDCAサイクルを想定して、どちらの方法がより効率的なのかを見極める必要があります。  

ナレッジの有無も重要

社内にインバウンドセールスのナレッジがない場合には、外注化一択という結論になるかもしれません。しかし、外注サービスに任せきりにしてしまうと、社内にはナレッジが蓄積されず、ランニングコストもかかり続けます。 経験者を採用してナレッジの形成を始めたり、社内研修によって人材を成長させたりした方が長い目でみれば自社の利益となるでしょう。外注化と内製インバウンドセールスチームが軌道に乗るまでのタイムラグで発生するコストを想定し、許容できる範囲かどうかを確認しておきましょう。

インバウンドセールスを内製化する際のメリットとデメリット

インバウンドセールスの内製化をスタートさせるという結論に至った場合には、今一度メリットとデメリットについて整理し、対策を講じておきましょう。 メリットを最大限に活かし、デメリットをいかに小さくするかがインバウンドセールス内製化を成功させる大きなポイントとなります。メリット・デメリットを箇条書きにまとめましたので、確認しておきましょう。  

インバウンドセールス内製化のメリット

インバウンドセールスの内製化について下の4点が大きなメリットとして考えられます。
  • 自社内でのナレッジの形成が可能で長期的な成長に有意
  • 製品を熟知しているため、対象者へ正確なアプローチが可能
  • 距離的・心理的に営業部門と近いため連携がとりやすい
  • 役職者・管理部門の目の届くところで実務が行われるためPDCAサイクルを回しやすい
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    インバウンドセールス内製化のデメリット

    デメリットについては下の4点が考えられます。
  • ITツール利用料やICTシステム設置費用など設備投資が必要
  • 経験者や専門知識のある人材が不在だと採用や人材育成に時間・コストがかかる
  • 事例研究などノウハウの蓄積に時間がかかる
  • 社内にナレッジやノウハウがないと適切な運用がなされているか評価できない
  • まとめ:インバウンドの内製化の成功にはプロの助言が重要

    インバウンドセールスには内製化と外注の2つの道があります。どちらがより理想的な成長曲線を描けるかは、自社製品とインバウンドセールスとの相性や「コスト」「リードタイム」「ナレッジの有無」で判別する必要があります。 インバウンドセールスの内製化を進めるなら、効率的に見込み顧客を獲得し、適切なコンタクトができる仕組みづくりのために、経験者の採用やコンサルタントの助言を求めることをおすすめします。 ▼営業代行についてはこちらの記事で解説しています。 営業代行とは?依頼する会社の比較方法を解説!おすすめの選び方も紹介 【契約書の作成方法・注意点】営業代行を契約する前に知っておきたいポイントを詳しく解説 ▼業界やオリジナルタグで分類した企業特集記事はこちら! マスコミ・出版業界の仕事内容とは?業界で活躍する上位10社を紹介!

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