えむら若奈 0 Comments
ソリューション営業はもう古い?新しい営業スタイルについても解説! ソリューション営業とは、顧客から課題を聞き出して解決策を提案する課題解決型と呼ばれる営業スタイルです。バブル期以降、多くの企業で採用されてきた営業スタイルですが、近年では「ソリューション営業はもう古い」という声が聞かれています。 今回は、ソリューション営業が古いと言われる理由と、ソリューション営業に代わる新しい営業スタイルについて解説します。営業に携わる方は、ぜひ参考にしてください。

営業スタイルの変化の歴史

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の流行により、従来の対面営業からオンラインでの非対面営業が求められるようになりました。いわゆる「外回り営業」は激減し、アポイントから商談・契約までをすべてオンラインでおこなうことも珍しくありません。 このように、時代の変化に合わせて、求められる営業スタイルも変化してきたのです。まずは、これまでどのような営業スタイルが主流だったのか見ていきましょう。

プロダクト営業(商品提案型営業)

戦後日本において主流だった営業スタイルです。「モノ売り営業」とも呼ばれます。 戦後日本では、粗悪品が多く出回り「モノが足りない」という状況でした。商品を買うときにまず考えるのが「良いモノかニセモノか」ということだったのです。そのため、質の高い商品を売る営業が求められました。

御用聞き営業

その名の通り、「何か御用はありませんか?」と顧客に聞いて回る営業スタイルです。バブル期になると、これが主流となりました。さまざまな人と仲良くなれるというコミュニケーション能力が重視されたのです。 バブル期には使える経費がたくさんあったため、接待ゴルフや接待飲食が盛んにおこなわれていました。そこで顧客との信頼関係を構築し、定期的に御用聞きをすることで受注をとっていたのです。

ソリューション営業(課題解決型営業)

バブル期の終了後、企業の使える経費が減ってくると、このソリューション営業が主流となりました。 ソリューション営業とは、顧客との対話を通してニーズや課題を引き出し、その解決策=Solution(ソリューション)を提供する営業スタイルのことです。顧客を主体とした提案型営業と言われています。 ソリューション営業の詳細については、こちらの記事を参考にしてください。 ソリューション営業とは?基礎知識や手順を詳しく解説!

ソリューション営業が古いと言われる理由

ソリューション営業はもう古い?新しい営業スタイルについても解説! それでは、一体なぜ「ソリューション営業はもう古い」と言われるようになったのでしょうか。 ソリューション営業は、一般的な営業職よりも高いスキルが必要と言われていました。また、リサーチや分析、プレゼン資料の準備など、商談以外の仕事量が膨大です。それを1人の営業担当者がおこなっているため、必然的に長時間労働になってしまいます。 そのように長い時間と労力をかけてソリューション営業をおこなったとしても、結局は競合他社も同じような提案をするようになってきたのです。提案内容で差別化を図ることが難しくなり、最終的には条件交渉によって決着がつくことになります。この方法では、価格競争の波に飲み込まれてしまうでしょう。 また、近年はAI技術の進化により、誰もが同じような情報分析ができるようになりました。これまではソリューション営業をおこなう側が提案していた課題解決方法を、顧客自身で導き出せるようになったのです。 このような経緯もあり、課題解決型であるはずのソリューション営業は、形を変えた商品提案型営業と言われてしまうようになりました。これが、ソリューション営業が古いとされる理由です。

次に来るのはインサイト営業!

ソリューション営業はもう古い?新しい営業スタイルについても解説! ソリューション営業が古いのだとしたら、代わって求められる営業スタイルとはどのようなものでしょうか。 それは「インサイト営業」と呼ばれるものです。インサイト(insight)とは、日本語で「見識」や「洞察」と言った意味になります。なお、似た言葉として「インサイドセールス」がありますが、これは電話やメールなどで営業をおこなうことで、別の意味です。 インサイト営業は、顧客が目指している将来の姿や大切にしていることなどをしっかりと理解し、その実現を支援していくことに重点を置く営業スタイルなのです。

ソリューション営業との違いとは?

ソリューション営業とインサイト営業には、どのような違いがあるのかをみていきましょう。 ソリューション営業は「顧客が何に困っているのか」という視点で課題を掘り下げていきます。それに対しインサイト営業では「顧客が何を目指しているのか」について理解を深めるスタイルです。 つまり、ソリューション営業は現在から過去にさかのぼって課題を抽出しますが、インサイト営業では現在から未来に焦点を当てているのです。 たとえば、飲食店用の家具を売っている営業職が、顧客の「コストを下げたい」という課題を聞いたとします。その課題解決のために、安い家具を提案するのがソリューション営業です。 一方インサイト営業では、顧客の「誰もが落ち着いて過ごせる地域ナンバーワンの店にしたい」という将来のビジョンを聞きます。そして、そのビジョン実現のための商品として「落ち着いた雰囲気で使い心地のいい家具」を提案するのです。 このように、ソリューション営業では論理的思考が求められる一方、インサイト営業ではクリエイティブ思考が求められます。

インサイト営業を成功させるためのポイント

ソリューション営業はもう古い?新しい営業スタイルについても解説! ここまで見てきたように、インサイト営業はこの情報化社会にマッチしている営業スタイルであると言えます。掲げるビジョンを共に実現させるパートナーとなることで、顧客と良好な関係を築くことができるのです。 それでは、インサイト営業を成功させるためには、どのようなことを意識すればいいでしょうか。ここでは8つのポイントをご紹介します。

自社の商品・サービスを勉強する

インサイト営業に限らず、自社の商品やサービスを徹底的に勉強することは大切です。インサイト営業では、顧客のビジョン実現のために、自社商品・サービスのどのような部分が有効なのか分かりやすく説明する力が求められます。 日頃から勉強を怠ることなく、自社商品やサービスについて深い知識を身に着けることで、説明にも説得力が生まれるのです。

顧客の話にしっかり耳を傾ける

顧客のビジョンを深く理解するためには、綿密なヒアリングをおこなうことが重要です。一見すると商談とは無関係の話であっても、そこに顧客が描くビジョンが潜んでいる場合があります。 日常の話や仕事の愚痴などであっても、真摯に聴く姿勢を見せることが大切です。どのような話にもしっかり耳を傾け、顧客を深く知ることを心がけましょう。

目先の利益ばかり追い求めない

ソリューション営業と違い、インサイト営業は現在から未来を重視して進めていきます。そのため、長期的な視点で顧客の課題解決にあたる必要があるのです。 契約をしてほしいからといって十分なヒアリングをせずに提案をしてしまうと、本質的な課題解決にはならないでしょう。その結果、顧客との信頼関係が損なわれてしまうことになりかねません。目先の契約よりも顧客へのヒアリングを優先させることが大切です。

営業プロセスに固執しすぎない

ソリューション営業と同様、インサイト営業もプロセスを組んで計画的に進めていくことが大切です。その一方で、顧客が求めるものに合わせてプロセスを再構築することも必要となります。 電話やメールでのアプローチ段階であったとしても、顧客の都合に合わせて直接訪問をするなど、臨機応変に対応することを心がけましょう。

社会情勢の変化に敏感になる

新型コロナウイルス感染症の影響でIT製品への需要が一気に増加したように、社会情勢に応じて企業のニーズは変化します。 社会情勢の変化に敏感になることで、いち早く企業のニーズを把握できるのです。日頃からニュースや新聞などをチェックして、日本に限らず、世界の情勢についても情報を得ておきましょう。

顧客の情報収集を徹底する

顧客のビジョンを深く理解するために、顧客企業の情報を徹底的に調べましょう。業界の動向や市場規模のほか、顧客がどのような状況に置かれているかを把握することで、的確なアドバイスをおこなうことができます。 事前に徹底して情報収集しておくことで、あらゆることを想定して商談に臨むことができ、受注確度も高くなるはずです。

ロールプレイングをおこなう

営業力が高い企業では、日常的にロールプレイングがおこなわれています。 繰り返しロールプレイングをおこなうことで、主観を排除して客観的に事実を収集する力が磨かれるのです。そのほか、合意形成力や伝達力など営業に必要なスキルも身に付き、自信をもって商談に臨むことができます。営業部全体で、積極的にロールプレイングをおこないましょう。

営業部全体で情報共有・振り返りをおこなう

顧客の電話番号、メールアドレス、担当者名といった情報は、営業部内で共有しましょう。案件の進捗や確度なども共有しておくと、効率的にインサイト営業を進めることができます。また、複数の営業担当者が同じ顧客にアプローチすることを防げるでしょう。 定期的に営業活動の振り返りをおこなうことも大切です。プロセスに問題はないか、提案内容は顧客のビジョンとマッチしているかなど振り返り、改善点を洗い出しましょう。

まとめ

AI技術の発達により「ソリューション営業は古い」と言われる時代になっても、マンパワーが不必要になったわけではありません。古い習慣にとらわれず、時代にマッチした営業スタイルへと即座に切り替えられるかどうかが、生き残るカギと言えるでしょう。 なお「BIZMAPS」では、好きなターゲットリストを用意し、手紙・電話・Eメールなど色々な手法でアプローチを代行。営業のテストマーケティングを支援させていただくサービスもおこなっております。ぜひご利用ください! 営業活動に役立つその他の情報はこちらから↓ 営業戦略に役立つ本とは?新人、ベテランも読むべき9冊 法人営業職は未経験も第二新卒も転職できる!内定を呼ぶ未経験者志望動機の書き方のコツも解説 法人営業に向いてる人と向いていない人とは?転職を検討するなら要チェック! 法人営業とは何か?求められるスキルや適性、BtoCとの違いと最近の傾向まで完全解説! 営業リストの選び方や注意点解説!無料テンプレートのおすすめ6選! 営業メールでアポイントの獲得率を上げる書き方のコツ4選!すぐに使える例文も紹介

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