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BtoBマーケティングにおけるメールによるリードナーチャリングは、メールを活用して行うリードナーチャリングのアプローチの手法です。手軽にできてコストパが良いので、多くの企業が活用しています。
今回の記事ではメールによるリードナーチャリングとメルマガとの違いやその具体的な手法、成功させるポイントなどについて紹介します。BtoB企業のマーケティング担当者のみなさんは、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそもリードナーチャリングとは
リードナーチャリングとは、さまざまなアプローチによりリード(見込み客)の購買意欲を高め、顧客に育てるための施策です。ナーチャリングは「育成」を意味します。 自社に関心の低いリードに具体的なサービスや商品の情報を送っても良い反応は期待できません。また、自社に興味を持っているリードに何もアプローチせずに放置している間に、競合他社に取り込まれてしまうこともあるでしょう。 そのため、リードの状態に応じた適切なアプローチを行う必要があります。BtoBビジネスを継続・発展させるために新規客を獲得することは最重要で、しかも難易度が高い項目です。既に保有しているリストを最大限に活用する意味でも、役に立つ手法です。リードナーチャリングのアプローチ
続いて、BtoBにおける具体的なリードナーチャリングのアプローチについて詳しく解説していきます。リードナーチャリングの主なアプローチとして、以下の5つが挙げられます。 ・メール ・Webサイト ・DM ・電話 ・セミナー/ウェビナー 【メール】 新商材のお知らせやキャンペーンの告知など、さまざまな使い方ができます。メールは、企業間コミュニケーションにとっての主要ツールです。多くのリードに一斉配信できるので、費用と手間をあまりかけない有効なアプローチです。 【Webサイト】 より内容が濃い情報を伝えるために、自社サイトの特定のページを閲覧したユーザーにポップアップを表示したり、更新情報をリードの端末に通知したりなどのさまざまな手法が使えます。 【ダイレクトメール/DM】 紙のダイレクトメールは、一般的には以前ほど流通していません。しかしデジタルなコミュニケーションが大部分を占めるからこそ、紙による発信も効果があります。質感のある高級紙を使ったDMなどは、お手軽に送れるメールより重みを感じるユーザーもいるでしょう。 【電話】 獲得したリードに対する電話によるアプローチです。こちらから先方にかける電話をアウトバウンドコールと呼びます。購入確度が比較的高いリードに対して行うことが多く、ヒアリングによってニーズを引き出したりアポイントを打診したりなど、臨機応変に次につなぐことが可能です。 【セミナー/ウェビナー】 リードのニーズや課題、関心がありそうなテーマと自社商材を関連づけてセミナーやウェビナー(オンラインセミナー)を開催するアプローチです。商談ではないので誘いやすく、先方が構えていない状態で客観的に自社の商材の効果をアピールできます。メールやWebページにて誘うことが可能です。メールによるリードナーチャリングとメルマガとの違い
対消費者のBtoCビジネスとは異なり、大企業のBtoBビジネスでは現在でもメールによるコミュニケーションが盛んです。そのため、BtoBにおけるリードナーチャリングのアプローチとして、メールは特に効果的といわれています。 最近では社内におけるスタッフ間の連絡は、チャットワークやSlackなどのオンラインツールを使うことが増えています。しかし社外に連絡を取る場合、急ぎでなければメールで過不足なく情報を伝えるのが一般的です。履歴が残るので、アポイントやスケジュール、条件などの確認においても電話よりも確実です。 そんなメールを活用したメールによるリードナーチャリングは、従来のメルマガとは大きく異なります。なぜなら、送りっぱなしのメルマガに対して、リードの反応によって次の施策を判断する「プロセスの管理」ができるからです。 また、数ある施策の中でもメールによるリードナーチャリングは、ABテストを行いやすい手法です。ABテストとは複数の施策候補が挙がって、いずれかに決めかねる場合に行うテストです。小規模でそれぞれの施策を実行して、効果が高いものに決定します。 このように、メルマガが「静的」「一方的」とすれば、メールによるリードナーチャリングは「動的」「双方向」な面が特徴です。メールによるリードナーチャリングのメリット
メールによるリードナーチャリングには、以下のようなメリットがあります。 ・導入するハードルが低い ・多くのリードに対して継続的にアプローチをかけられる ・アプローチコストを抑えられる ・PDCAサイクルを回しやすい 個々のメリットを見ていきましょう。導入するハードルが低い
メールによるリードナーチャリングは、比較的導入のハードルが低いマーケティング手法であることがメリットです。 なぜならメールを使ったリードナーチャリングに挑戦したいとなった場合に、顧客情報とメールアドレスとがあれば、今日からでも始められるからです。準備期間が短くて効果もすぐにわかるので、モチベーションを上げやすい面もあります。多くのリードに対して継続的にアプローチをかけられる
メールによるリードナーチャリングは、多くのリードに対して継続的にアプローチをかけられるというメリットがあります。 営業担当者がリアルにリードを訪問したり、電話によって検討状況を確認したりするやり方には時間と労力がかかるので、割けるリソースには限界があります。そのため、多くのリードを同時進行で育成するのは難しい面があります。 一方、メールによるリードナーチャリングはメールの一斉配信などを活用して、多くのリードに対して同時にアプローチをかけられます。アプローチコストを抑えられる
リードをひとりずつ訪問して話を進めていくためには、当然ながら移動時間と移動コストがかかります。メールであれば数百人、数千人のリードに対して、社内にいながら極めてローコストでアプローチできます。これは確実にアプローチコストの削減につながります。 コストの懸念なく、多くのリードの関心を高めて成約に持っていくため、コストパフォーマンスが高い営業手法であるといえるでしょう。PDCAサイクルを回しやすい
メールによるリードナーチャリングでは後述のKPIによる効果測定を行いやすいため、改善点を明らかにしてスタッフ間で共有しやすく、PDCAサイクルを回しやすいというメリットもあります。 施策ごとに結果を振り返って順当な効果があらわれている部分はそのまま継続し、そうでない部分は次回配信時に新たに仮説検証を繰り返します。そうやってPDCAサイクルを繰り返すことでより有効性が高まり、リードの顧客化につなげることが可能です。メールによるリードナーチャリング5つの手法
メールによるリードナーチャリングには主に以下のような、5つの手法があります。 ・サンクスメール ・セグメントメール ・案内メール ・ステップメール ・掘り起こしメール 個別に見ていきましょう。 【サンクスメール】 リードがアンケート回答や資料ダウンロード、ウェビナーの申し込み、問い合わせなどをした際に、自動返信されるお礼のメールです。リードにとって無事に送信できたかどうかを確認できるメールなので、開封率が高いという特徴があります。 それを利用して、リードに閲覧してほしいページのURLを記載するなど、次のフェーズへと進ませるきっかけとなる工夫を施すと効果的です。 【セグメントメール】 リードを属性ごとに分類し、それぞれの属性のグループに必要だと思われる情報を配信する手法です。「資料をダウンロードしたグループ」「ウェビナーを申込んだグループ」「アンケートに回答したグループ」などリアクションごとに分類するのが一般的です。 そのうえで、そのリアクションで予想される関心事に関連する情報をメールで送付することで開封率アップや、自社商材に関する問い合わせの件数増加が期待できます。 【案内メール】 ウェビナーの開催などを告知し、集客するためのメールです。とはいえ、ただ案内するだけではそう簡単に参加にはいたりません。そのため、リードにとって関わりがある有益なイベントであることを説明する必要があります。また、特別感を伝えられるように、記述内容を工夫しましょう。 【ステップメール】 リードのフェーズに合わせて、知らせておきたい情報を段階的に配信する方法です。一斉送信ではなく、個々に向けたメールであり、その方にとって興味があると想定できる情報を最適な順序を伴って届けられます。 【掘り起こしメール】 過去に商談やその手前までのやり取りをしていたものの、お互いのタイミングが噛み合わずに休眠化したリードに対し、心機一転で新たなアプローチをしかけるメールです。過去のニーズを一旦忘れて、現在のリード側企業の状況などをリサーチして関心を惹きそうな商材を案内しましょう。新たにニーズが掘り起こされる可能性があります。メールによるリードナーチャリングを成功させる3つのポイント
メールによるリードナーチャリングは効果的なリード育成方法ですが、成功させるためには押さえておきたい3つのポイントがあります。 ・タイミングの選択 ・リードのフェーズに合わせた内容 ・KPI設定 それぞれのポイントを見ていきましょう。タイミングの選択
リードナーチャリングメールの効果を左右する要素に、送るタイミングがあります。リードの企業が土日休みであれば、月曜は休み明けでメールが溜まっていて埋もれる可能性があります。 金曜日は休み前の仕事の切りをつけるために、仕事上重要なメール以外は読まれない可能性があるでしょう。そのため、火曜日や水曜日くらいがメールが読まれやすいと考えられます。また、リードの業界・業種によって、反応がメールが届く時間帯に影響されるケースもあります。始業前に配信したほうが良い場合、あるいは定時以降のほうが読まれる場合もあるでしょう。 時間帯による反応を見るためのABテストを試し、もっとも効果的なタイミングを見極めるのが賢明です。リードのフェーズに合わせた内容
メールによるリードナーチャリングの効果を最大化するためには、リードのフェーズに合わせた内容のメールを送ることです。仮にまだ関心の低いリードに対して、商談のアポイントを打診してもまず難しいでしょう。 フェーズは大まかに分けると以下のようになります。 ・フェーズ1.商品・サービスの存在を知る ・フェーズ2.商品・サービスに関心を持つ ・フェーズ3.商品・サービスに関する情報(自社および競合他社)を収集し比較検討する ・フェーズ4.商談(自社あるいは自社を含む複数社) ・フェーズ5.社内検討・稟議 ・フェーズ5.決裁・成約 上記のようなリードの関心の高まり具合に合わせてベストなコンテンツを提供しましょう。たとえばアンケートへの回答の内容に沿った資料を送ったり、問い合わせの内容に関連性があるウェビナーに誘ったりなどです。 自社商材を利用する顧客を想定したカスタマージャーニー(購入までのフェーズの変化を辿るシミュレーションを可視化したもの)を作成し、どのフェーズでどの情報を提供するのがタイムリーなのかを検討しましょう。 その折々の状態に沿ったコンテンツを提供しなければ、購入意欲が高まらないだけでなく、迷惑メールに分類されるリスクもあるので、この検討作業は重要です。KPI設定
メールによるリードナーチャリングは前述のように「送って終わり」ではないので、常に内容・タイミングの精度改善のためのPDCAサイクルを回す必要があります。PDCAサイクルはPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の4つを何度も繰り返す中で、その業務の精度を継続的にブラッシュアップしていくアプローチです。 そのために、KPIを設定して定期的に効果を測定しましょう。KPIは「重要業績評価指標」と呼ばれる、目標達成の度合いを測る指標を意味します。 メールによるリードナーチャリングのKPIとしては、一般的に「メール開封率」「メール本文中のURLクリック率」「コンバージョン率」などを設定します。KPIをクリアするために、タイトルや本文の内容、リンク先のコンテンツ内容などを精査し、ブラッシュアップします。 KPIを基準としてメールごとに仮説を検証、改善するPDCAサイクルを繰り返し、メールによるリードナーチャリングの効果を上げていきましょう。まとめ
メールによるリードナーチャリングはBtoBマーケティングの中でも重要なリード育成のための、有効な手法のひとつです。それには4つの手法と、成功させるための3つのポイントがあります。 法人営業担当者のみなさんはここで紹介した情報を参考に、メールによるリードナーチャリングを活用してリードの顧客化を進めてください。 なお、マーケティングの仕事をサポートするサイトマーケメディアではマーケティング用の資料がダウンロードできます。 マーケメディアでマーケティング資料をダウンロードする また、企業一覧プラットフォームであるBIZMAPSでは、企業情報170万以上から効率的に営業先の予定リストが作成できます。無料で毎月100社まで企業情報をダウンロードできるので、さまざまな検索条件を駆使してお目当ての企業の検索が可能です。 日本最大級の企業DB【BIZMAPS】で企業を探す マーケティングに関する特集記事はこちらです。 マーケティングとプレゼンの意外な関係?プレゼンが上手くなる6つのポイント マーケティングでの戦略的なポジショニング方法と成功事例集 ホワイトペーパーのマーケティングでの活用法とは?DLサイト紹介も! 「リード」について徹底解説!営業とマーケティングにおける意味の違いとは? マーケティングにおけるペルソナの役割とは?設定方法をBtoCとBtoBに分けて徹底解説大阪生まれ神戸在住。経済学部卒業後、アパレル業界で営業から商品企画・広告プロモーションを経験。2018年副業でライターを始め、2019年に会社を退職しライターに。Webライティングと並行し電子書籍も鋭意出版中。
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