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 マーケティングファネルとは?その活用方法と有効性を解説 マーケティングファネルは潜在顧客やリード(見込み客)、消費者などの行動を把握するためのフレームワークです。 この記事では企業のマーケティング担当者に向けて、基本的な3種類のマーケティングファネルと新しいタイプの2種類のファネルの概要と活用方法、そして有効性についてご紹介します。

マーケティングファネルとは?

 マーケティングファネルとは?その活用方法と有効性を解説 マーケティングファネルとは、リード(見込み客)が新たに商品やサービスを認知してから、最終的に購入するまでの感情の流れを図で表現したものです。ファネル(Funnel)とは、漏斗のことで、図が三角形をしているためにそう名付けられました。 当社(アイド・ホールディングス株式会社)の社名に冠しているAIDMA(アイドマ)、つまり消費者の購買心理のプロセスを表す概念がベースとなって考案されたものです。マーケティングファネルには後に解説する、基本形が3種類と新しい2種類があります。

ファネルが重要なわけ

マーケティング活動を通じて、より多くのリード(見込み客)に商品やサービスを購入してもらうには、購買心理のどの段階に課題があるのかを明らかにし、それに対して最適なマーケティング上のアプローチをかける必要があります。 マーケティングファネルを使った分析を用いることでプロセスが整理され、課題を発見しやすくなる効果があります。

マーケティングファネルの基本は3種類

以下の3種類が基本形となります。 ・パーチェスファネル ・インフルエンスファネル ・ダブルファネル それぞれのマーケティングファネルを見ていきましょう。

パーチェスファネル

パーチェスファネルはもっとも基本的なファネルで、パーチェスは「購入」を意味します。具体的には以下の4つのプロセスがあります。 認知▶ 興味・関心▶ 比較・検討▶ 購入  マーケティングファネルとは?その活用方法と有効性を解説 なぜ漏斗のように逆三角形となるのでしょうか。 たとえば広告でAというサービスを「認知」するリードが1,000人いたとしましょう。そのうちそのサービスに関係のないリードは反応しないので、「興味・関心」を持つリードは300人とします。 しかし積極的に他社サービスと比較検討するのは100人、最終的に購入にいたるのが30人という具合に、下に行くほど少なくなります。だからファネルは逆三角形になるのです。 このパーチェスファネルの原型はAIDMA(アイドマ)モデルです。 AIDMAモデルは、以下の流れです。 Attention:認知▶Interest:興味▶Desire:欲求▶Memory:記憶▶Action:購入 マーケティングファネルはこのAIDMAの流れをベースにしています。

インフルエンスファネル

インフルエンスファネルは、リードが購入した後の行動を可視化したものです。口コミやレビューといった、インターネット上での購入者のアクティビティの活発化と発信力の高まりがマーケットに与える影響(インフルエンス)を重視したフレームワークです。 口コミやレビューは、SNSの普及でよりいっそう購入者の発信力を強めました。デジタルマーケティングはSNSの存在が欠かせません。そのため、インフルエンスファネルは注目が高まりました。 インフルエンスファネルは以下の3つのプロセスです。 リピート▶ 紹介▶ 共有・拡散  マーケティングファネルとは?その活用方法と有効性を解説 このファネルは下に行くほどリードの数が増えるので、底辺が広い通常の三角形になります。インフルエンスファネルを、消費者行動の変化と合わせて考えてみましょう。 AIDMAモデルからAISASモデルに変化したことに関係があります。AISASは、Webの普及によって生まれた消費行動プロセスです。 流れは以下のとおりです。 Attention:注目▶ Interest:関心▶ Search:検索▶ Action:行動▶ Share:共有 パーチェスファネルでは「購入」で終わりでしたが、そこで終わらせずにWeb上の口コミやレビュー、SNSでの共有・拡散(発信)によって新たなリードが生まれるので、購入者の購入後の動きに重点を置いたこのファネルが重要度を増しています。 リードが「購入」に至って顧客化した後の行動に、宣伝効果が期待できるからです。 購入そのものではなく、友人知人に喜んで紹介をしてもらえるかという視点から、ブランディングと深く関係してくるのがインフルエンスファネルです。

ダブルファネル

前述の2つのファネルを組み合わせたファネルです。逆三角形の下部から三角形に、いったん狭くなってまた広がっていく、砂時計のようなイメージです。 2つを統合することで、購入後のリピート率や認知度を上げようという考え方を示しています。  マーケティングファネルとは?その活用方法と有効性を解説 購入したら完結ではなく、その顧客がファンとしてリアルやネットの口コミ、SNSでの共有・拡散(発信)などで新しいリード層を増やしてくれる流れを、俯瞰してとらえるフレームワークです。 このように企業が購買者に良質な顧客体験を提供し、そこから広告に頼らず新たなリード獲得につなげる効果が期待できます。

新しいマーケティングファネル2種類

 マーケティングファネルとは?その活用方法と有効性を解説 マーケティングファネルの基本形は上記の3種類ですが、顧客接点(タッチポイント)が多様化し、顧客行動も変化しているので、新しい考え方によるファネルが登場しました。 その代表的なものは以下の2種類です。 ・ルーピングファネル ・マイクロモーメントファネル それぞれを詳しく見ていきましょう。

ルーピングファネル

ルーピングファネルは、単一ではない消費者の行動原理を「ループ」という概念を用いて把握するフレームワークです。たとえば商材の購入を迷っていて答えが出ない局面は、ストレートに「買う」というアクションは取らず、競合商材などと比較しそのフェーズに踏みとどまります。 しかし、購入後に適切なアプローチがあれば、迷う段階(興味・関心や比較・検討)を経ずにリピートすることもありえます。 このファネルの強みは、顧客が購入した後のアクションまでカバーできて、複雑な消費者のアクションを図で表して可視化できる点にあります。 自社の商品やサービス、戦略などに合わせて新しいフェーズやループをプラスすることで、よりリアルな分析が可能になることでしょう。

マイクロモーメントファネル

Google社は「いますぐ買いたい」「いますぐ行きたい」というような瞬間を「マイクロモーメント」と読んでいます。 具体的には、スマホやタブレットの普及によって満たされやすくなったマイクロモーメントに着目した考え方です。このファネルには従来の購買プロセスは存在しません。 「いますぐ買いたい」という心の動きだけが存在し、それを「視えるバケたこのファネルでは、購入者がそれぞれの意思を持つ瞬間に、どのような行動をしているのかが実感できる簡単な図になります。 潜在顧客層が「今すぐ〇〇したい」と感じた時に容易に接触できるチャネルを自社が持っているかどうか、他にモーメントが存在するかを模索することで自社のマーケティング上のアプローチを考えるための役立つ基準となるでしょう。

マーケティングファネルの活用法とは?

 マーケティングファネルとは?その活用方法と有効性を解説 上記の考え方は、実際の消費者の購買行動に当てはめて考えるとわかりやすいでしょう。 ここからはそれらの考え方を活用する方法と、効果的なマーケティング上のアプローチについてご紹介しましょう。 BtoBサービスの営業支援ツールの販売を行っている業者を例にすると、おおむね下記のような行動が想定できます。

パーチェスファネルの場合

・認知:リード(見込み客)に各種広告を見てもらうマーケティング上のアプローチ ・興味・関心:興味や関心を抱いて資料ダウンロードや問い合わせを促すマーケティング上のアプローチ ・比較・検討:競合他社の類似ツールと比較して差別化するマーケティング上のアプローチ ・購入・成約:無料のトライアルプラン申し込みを促すマーケティング上のアプローチ マーケティング上のアプローチ方法として、たとえば興味・関心を抱いて資料ダウンロードや問い合わせをする割合が低いのであれば、広告のクリエイティブを改善したり、ターゲットのセグメントを変更したりする必要があります。

インフルエンスファネルの場合

・継続:お試しプランなどを経て納得してサービスの契約をする ・紹介:同業界や関連する業界の知り合いにそサービスを紹介する ・共有・拡散(発信):サービスの優れた点についてSNSで共有する インフルエンスファネルの「拡散・共有」が想定ほどの発生しないのであれば、SNS上での紹介キャンペーンを、インセンティブをつけて実施するなどが考えられます。

ファネルの分析によって適切な施策を見極める

そうやってファネルのレイヤーごとに冷静に分析することで、取るべきアクションやマーケティング上のアプローチが明確となり、適切なマーケティング施策を見極めやすくなります。 施策は集客から始まるので、最初の母数を十分に獲得することが重要です。そのためには前述のようにクリエイティブの改善や、セグメントの変更が効果的な場合があります。

マーケティングファネルの有効性について

最近ではマーケティングファネルという考え方が「もう古い」「時代に合っていない」からマーケティング上で役に立たないという意見も散見されます。果たしてそうでしょうか? マーケティングファネルにはもともと、「一直線型の単純な購買プロセスモデル」や「顧客行動の最大公約数に過ぎない」といったネガティブな評価がありました。 しかしこれはBtoCとBtoBでは大きく様相が異なってきます。2つに分けて検証していきましょう。

最近のBtoCにおけるマーケティングファネルの有効性

Googleは「バタフライサーキット」というモデルで検索から購買行動の実態を提示しています。これはある人物がRV車の情報を検索していたら、その流れで旅行やキャンプの情報を探し出すなどの、周辺情報に寄り道する検索行動を指します。 そうした検索行動が一巡して終わり、しばらくしてから再開をして、再びRV車の情報をチェックして買い替えをするといった経過になることがよくあります。 つまり現代の消費者の購買行動とは、ストレートなものではなく、寄り道を繰り返しながら決定に向かうような傾向にあるというわけです。 複雑で多様な購買行動は、最大公約数を反映するマーケティングファネルではとても説明がつかない、というのも一理はあります。 商品やサービスについても、サブスクリプションやシェアリングといったものが増えてきて、モノを売るのではなく体験をプロデュースするようなビジネスにシフトしてきています。 マーケティングファネルは、基本的には購入を最終の目標としているので、インターネットの普及がこれだけ進んだことによって変容した購買行動をカバーしきれないことも否めません。 これらの数々の傾向を考え合わせると、BtoCビジネスにかぎって考えれば、ファネルの有効性は、従来よりも低下していることは否めないでしょう。 次にBtoBビジネスの場合を検証しておきましょう。

最近のBtoCにおけるマーケティングファネルの有効性

結論から言えば、マーケティングファネルの有効性はBtoBビジネスにおいては依然として存在しています。 たとえばある企業が業務効率化システムの入れ替えを検討している場合に、業務効率化システムを探していたのがいつの間にか廃棄物処理の会社を探していた、というようなことは滅多にないでしょう。 バタフライサーキットのような、どんどん興味や関心の視点が移動していき、それが実際の検索行動に影響するようなことは、ビジネスの現場ではあまり見られません。 要するにBtoBビジネスにおける購買行動は、やはり比較的一直線型で最大公約数のモデルに近いのが実態といえるのです。 BtoCに比べてBtoBは複雑といわれますが、それは決定過程における稟議や決裁者の多さ、決定要因が複雑なことから来ています。しかし購入までのプロセスだけに目を向ければ、大変シンプルといえます。 加えてBtoCの購入とは違い、決定するファクターは経済合理性です。感情的な要素が入る余地など極めて少ないことも、マーケティングファネルが有効になる裏付けといえます。 BtoBのマーケティングで使われる「カスタマージャーニー」よりも、ずっとシンプルに購入プロセスを理解できるフレームワークです。 そのためBtoBビジネスにおいて購買プロセスの全体像を俯瞰したい場合には、マーケティングファネルが有効と考えてよいでしょう。

まとめ

マーケティングファネルはAIDMAモデルから派生した、購入者の行動心理のプロセスを図式化したものです。購入に関するファネルと、購入後の新たなリードを生み出すためファネル、そしてそれらを統合して考えるファネルが基本です。 マーケティング担当者のみなさんは、効果的にリードを購入に導き、さらに新たなリード獲得に向けた発信を促すために、参考にしてください。 なお、マーケティングの仕事をサポートするサイトマーケメディアではマーケティング用の資料がダウンロードできます。 マーケメディアでマーケティング資料をダウンロードする また、企業一覧プラットフォームであるBIZMAPSでは、企業情報170万以上から効率的に営業先の予定リストが作成できます。無料で毎月100社まで企業情報をダウンロードできるので、さまざまな検索条件を駆使してお目当ての企業の検索が可能です。 日本最大級の企業DB【BIZMAPS】で企業を探す マーケティングに関する特集記事はこちらです。 マーケティングでの戦略的なポジショニング方法と成功事例集 マーケティングにおけるペルソナの役割とは?設定方法をBtoCとBtoBに分けて徹底解説 ホワイトペーパーのマーケティングでの活用法とは?DLサイト紹介も! 「リード」について徹底解説!営業とマーケティングにおける意味の違いとは? マーケティングとプレゼンの意外な関係?プレゼンが上手くなる6つのポイント

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