MASA 0 Comments
 マーケティングディレクターとは?具体的な仕事内容と必要な能力を解説 マーケティングディレクターは企業のマーケティングに関する最高責任者として、マーケティング戦略を統括する役職です。情報化とグローバル化が進む現代ビジネスにおいて、極めて重要な役割を担います。今回の記事ではその仕事内容や求められるスキルなどについて解説します。

マーケティングディレクターの仕事内容

 マーケティングディレクターとは?具体的な仕事内容と必要な能力を解説 マーケティングディレクターとは、企業組織におけるマーケティング部門を統括する責任者を指します。 マーケティングとは、端的に言えば、自社が市場に提供するモノやサービスを、継続的に販売して利益を上げる仕組みを作る活動の全般を指すものと言い換えてよいでしょう。 ここでは、マーケティングディレクターが統括する主な仕事を紹介します。

マーケティングディレクターの基本的な役割

マーケティングディレクターの基本的な役割は、市場調査の結果を具体的に分析し、新しい製品やサービスを販売するための戦略と計画を立てることです。製品やサービスがいくら素晴らしくても、ターゲット設定や価格設定、販促方法、発売時期が間違っていれば思うように売れず、足を引っ張ってしまいます。 高度な市場分析に基づいた、市場を動かせるパワーを持つ戦略は、製品やサービスを市場に提供する際に、市場浸透を後押しする強力な武器です。その構築のキーパーソンであるマーケティングディレクターの責任は重大です。 マーケティングの基本的な作業プロセスは、次のようなフェーズに分類できます。 ・市場調査・分析 ・ターゲット設定 ・商品(サービス)企画 ・価格設定とチャネル設計 ・認知度向上と広告宣伝・販売促進 順を追って見ていきましょう。

市場調査・分析

この最初の段階では、製品やサービス自体ではなく、参入しようとしている市場の構造をマーケティングディレクターがより深く認識することが欠かせません。 市場調査を通じて多種多様なデータを収集し、入念に分析します。全体的な市場動向、競合他社の現状と課題はもちろん、消費者の好みなどの不確実な要素も把握しなければなりません。 マーケティングディレクターの仕事の核心部分は、データを収集・分析して把握しにくいニーズをいかにつかむかです。一見華やかなイメージのマーケティングディレクターでも、この部分はアナリスト的な非常に地道でストイックさを要する仕事です。

ターゲット設定

市場調査・分析の結果に基づいて、自社製品・サービスの対象顧客となるターゲットを設定します。 まず、市場調査に基づいた達成可能な販売目標を設定し、それを実現するための最適な購入者のグループを決定します。(セグメンテーション) 次にその中から、最も顧客像として適切なグループを決定します。(ターゲティング) そのターゲットに向けて、自社の製品・サービスの位置づけを明確にします(ポジショニング) さらに、マーケティング部門内のスタッフが持つターゲット像にブレが生じないように、まるで実在する人物のように詳細な顧客像「ペルソナ」を設定することで、戦略を構築しやすくなります。(ペルソナ設定)

商品(サービス)企画

この段階で、新製品・新サービスの概要を考えます。ターゲット層のニーズを分析し、どのような価値を提供するかを絞り込み、内容を煮詰め、新商材のイメージを設定します。ここから先は、企業によって業務範囲の割り振り方が異なります。マーケティング部門が企画も含めて、すべて担当することも多いようです。 あくまで分析結果に基づく仕事であり、決してひらめきに基づいて新しい製品・サービスを生み出すわけではありません。冷静かつ論理的な思考に基づいて、合理的な判断を下しながら進める仕事です。 なお、一部の企業ではマーケティングディレクターが市場調査と分析を担当し、別のディレクターが企画開発や製品計画を担当します。

価格設定とチャネル設計

新製品・新サービスの価格設定や流通経路の設計を行います。 また、競合他社や消費者のニーズを深く考慮して、合理性がある価格設定も行うフェーズです。 同時に、ターゲットへの効率的かつ効果的なアクセス方法を検討および設計します。これらは販売活動に際して非常に重要な項目です。

認知度向上と広告宣伝・販売促進

新製品・新サービスが完成し、販売に向けて準備が整うと、テレビCMや雑誌広告、Web広告などの認知度向上と広告宣伝プロモーション、販売促進活動が始まります。 一部の企業は独立した広告部門を有していますが、マーケティングディレクターが統括する部門として認知度向上と広告宣伝プロモーション、販売促進活動を推進する場合が多いです。 リサーチや分析から始まる研究者的な仕事とは対照的に、このプロモーション活動はより多くの対外交渉を伴います。 このように、製品やサービスが新たに生まれる段階から人に届けられるまで、マーケティングディレクターの責任範囲が及びます。幅広い分野にまたがるので苦労も多いですが、その分非常にやりがいのある仕事です。

マーケティングディレクターに求められる能力

 マーケティングディレクターとは?具体的な仕事内容と必要な能力を解説 マーケティング関連の資格はたくさんありますが、マーケティングディレクターになるために、資格は特に必要ではありません。 マーケティング業務は、市場調査・分析から商品企画提案、販売戦略構築まで大変多岐にわたります。そのため、特定の資格の知識が仕事に直結することは少なく、特に資格を取得する必要はないわけです。 ただし、身につけなければならないスキルがあります。マーケティングの仕事に携わる責任職として、最低限身につけるべき能力は以下のとおりです。 ・クリティカルシンキング ・分析能力 ・論理的思考(ロジカルシンキング) ・戦略的思考 ・コミュニケーション能力 ・リーダーシップ それぞれのスキルについて掘り下げてみましょう。

クリティカルシンキング

クリティカルシンキングは、安易に前例や常識に流されることなく、目の前の事象を検証しながら正しい結論に導く能力であり、マーケティングディレクターには必須です。 日本語で「批判的思考」と訳されるので「欠点を見つける」というイメージがあるかもしれませんが、欠点を指摘する考え方ではありません。「これで本当に正しいのか」という視点で物事を見ることで、より正しい論理に導く考え方です。 例えば、「カスタマーサービスの対応が悪いという消費者からの苦情が増えている」という議論があるとしましょう。一見正しい論理に思えて、社員教育を徹底すべきと思われますが、本当にそうでしょうか。 同様の意見がどのくらいの期間に何件寄せられているか、また、過去に比べて増加しているかどうかを検証しないと、この主張が妥当かどうか判断することはできません。つまり、苦情が増えていると判断する前提とは何なのかを見極める力が、クリティカルシンキングです。

分析能力

分析能力とは、収集したデータを徹底的に分析し、さまざまな角度から現状を把握する力です。分析能力には、定量分析能力と定性分析能力の2種類があります。 【定量分析能力】 定量分析能力は数値データに基づいて分析する能力です。例えば、Webサイト利用者のPV数(ページビュー)や、購入の割合であるCV率(コンバージョン率)などの数値の分析です。 これは、流入経路を分析したり、購入の障壁となるものを察知して取り除いたりする目的で行われます。数値を徹底的に分析して問題を解決する地道な仕事です。 【定性分析能力】 定性分析能力は定性調査と呼ばれる、インタビューやアンケート調査、行動観察などを通じて消費者心理を探る能力です。この調査結果を分析することは、新たなビジネスチャンスの萌芽につながります。

論理的思考(ロジカルシンキング)

マーケティングディレクターは、分析力の素となるデータや数字に強く、ロジカルに考える能力が求められます。マーケティングディレクターの仕事はクリエイティブなイメージから文化系出身者向けと思われがちですが、実は理数科系出身者向きかもしれません。 ビッグデータを扱う可能性もありますので、データベース運用に欠かせないプログラミング言語SQLを扱う能力があるマーケティングディレクターは、実力派といえるでしょう。

戦略的思考

経営資源は限られています。したがって、プロジェクトを成功させるためには、経営資源をどこに集中させるかが重要です。この合理的な選択は、言い換えれば戦略的思考です。 さらに、ブランド管理もマーケティングディレクターの戦略的思考に左右される大事な仕事です。戦略的思考は、ブランド戦略を構築するために欠かせません。ちなみに、効果的な戦略を立てるためには、常にトレンドに敏感である必要があります。

コミュニケーション能力

マーケティングディレクターは、非常に多くの人と関わる仕事です。社内では、複数の部門と連携を取ることも求められます。時には複数の部門間で、バランスを取ることが必要な局面もあるでしょう。 また、社内だけでなく社外との関わり合いも含め、円滑に仕事を進めるためにはコミュニケーション能力が欠かせません。市場調査では自ら街頭に立ってインタビューやアンケートをすることや、それを社内メンバーに指導することもあるでしょう。 企画の提案では、大勢の人に向けてプレゼンをすることもあります。実際の現場で人とどのような関わり方をするかは、企業によって異なりますが、いずれにしてもコミュニケーション能力は重要です。

リーダーシップ

マーケティングディレクターは、新商品をヒットさせるために全てすべてのステークホルダーを巻き込みながら、プロジェクトを進めなければいけません。 そのためには、消費者の視点に立ってブランドの方向性を明確にする必要があります。そのためには、自分が起点となってプロジェクトに関わる人たち全員を揺りうごかす「リーダーシップ」が求められます。

マーケティングディレクターを目指すためのキャリアパス

 マーケティングディレクターとは?具体的な仕事内容と必要な能力を解説 マーケティングディレクターは憧れる人が多い役職です。どのようなキャリアパスを歩めば、マーケティングディレクターになれるのでしょうか。実は、企業の多くの部門がマーケティングに関与しているため、キャリアのスタート地点に関係なく、マーケティング ディレクターになるチャンスがあります。 以下に、マーケティングディレクターになるためのキャリアパスの例を挙げておきましょう。

マーケティングマネージャーからの就任

マーケティング ディレクターになるための王道のルートは、マーケティング部門でのキャリアアップです。 マーケティング部門の現場で経験を積み、マーケティングマネージャーを務めた後、マーケティング ディレクターに昇進することです。 マーケティングの現場に長く携わってきた経験と、ノウハウを存分に発揮できるでしょう。

営業部門からのキャリアチェンジ

営業の最前線で経験を積んだ後、マーケティング部門に移り、最終的にマーケティングディレクターになるパターンもあります。営業担当者は、顧客と直接接する機会が多いだけでなく、自社の製品やサービスに関する豊富な知識を持っています。 営業の経験を積むことで、経営視点でビジネスを理解できます。営業職は、マーケティングディレクターを目指すのに適したキャリアパスといえるでしょう。

商品企画部門からのキャリアチェンジ

商品企画部門で商品やサービスのプランナーとして企画経験を積んだ後、マーケティング職に異動または転職し、マーケティングディレクターになるパターンもあります。商品企画は、製品やサービスを発表する際にマーケティングのノウハウを使用することが多いという点で、マーケティング部門と共通点があります。 また、一般消費者向けのBtoCマーケティングを重視する企業において、製品やサービスのブランド価値を高め、ユーザーとの長期的な信頼関係を築くことは、マーケティングディレクターの重要な仕事の1つです。その点で、商品企画で培った力が役に立つでしょう。

まとめ

マーケティングはさまざまな技術革新とともに、高度に進化してきました。特にインターネットの普及とデジタル技術は、ビジネスの情報化を加速度的に促進し、マーケティングに多大な影響を与えています。 そんなマーケティング活動を統括するマーケティングディレクターについて、今回はその仕事内容と求められる能力を掘り下げました。マーケティングディレクターを目指すみなさんは、ここで紹介した情報を参考に、転職やキャリアアップに取り組んでください。 なお、マーケメディアではマーケティング担当者の資料・情報収集をサポートしており、Webマーケティング用のお役立ち資料がダウンロードできます。 マーケメディアでマーケティング資料をダウンロードする また、法人データベースとして日本最大級であるBIZMAPSでは、170万件以上の法人情報から効率よく見込み客リストが作成できます。毎月100社まで無料ダウンロードできるので、検索条件を上手に組み合わせて、目指すターゲット企業の検索が可能です。 BIZMAPSで企業を探す マーケティングに関する特集記事はこちらです。 マーケティング理論とは?押さえておきたい代表的な理論をご紹介! マーケティングとはそもそも何?その定義や歴史を徹底解説! マーケティングでの戦略的なポジショニング方法と成功事例集 マーケティングとプレゼンの意外な関係?プレゼンが上手くなる6つのポイント マーケティングにおけるペルソナの役割とは?設定方法をBtoCとBtoBに分けて徹底解説

無料で使える企業検索サービス

営業リスト・法人企業リスト