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 事業成長とは?戦略の方向性や競争優位性、リソース配分を徹底解説! 事業成長とは、企業が利益を維持または改善するために事業分野を拡大することを意味します。 事業拡大により効率的に収益を上げるだけでなく、会社の認知度を高め、柔軟な市場対応能力を確保することができます。 今回の記事では、そんな事業成長に関して、成長戦略の方向性・競争優位性・リソース分配の3つの切り口で解説します。

事業成長とは

 事業成長とは?戦略の方向性や競争優位性、リソース配分を徹底解説! 事業成長とは企業が展開する単独もしくは複数の事業を、成長させて企業としての規模拡大を目指すことです。事業成長には既存事業をさらに拡大する方法と、新たな分野に挑戦する新規市場への参入という方法の2つがあります。 既存事業を拡大する際には、これまで積み重ねてきたノウハウやスキル、専門性を活かして事業成長に取り組めます。 一方、新しい分野の事業に進出する場合は、知識もスキルも経験もない状態から始めるのが一般的です。 既存の事業の拡大に比べてリスクが大きく、準備期間が長くなるのは否めません。 ともあれ、企業が生き残るためには、継続的な事業成長が不可欠です。事業成長は生産性をより高めて、企業の認知度の向上や市場への柔軟な対応力の獲得などが期待できます。その結果、企業自体の長期的な生存につながるでしょう。

事業の成長戦略の方向性

 事業成長とは?戦略の方向性や競争優位性、リソース配分を徹底解説! 米国経営学者のイゴール・アンゾフは、事業の成長戦略のための4つの方向性を提案しました。それを縦軸に市場、横軸に商材をとった4象限のアンゾフマトリクスで表現しています。 縦軸は下が「新市場」、上が「既存市場」、横軸は左が「既存商材」、右が「新商材」です。  事業成長とは?戦略の方向性や競争優位性、リソース配分を徹底解説! 手持ちのリソースで展開できる市場と製品の組み合わせを検討し、その組み合わせに従って、以下のように事業戦略の方向性を検討する考え方です。 ・既存市場 × 既存商材 = 市場浸透戦略 ・既存商材 × 新市場 = 新市場開拓戦略 ・既存市場 × 新商材 = 新商材開発戦略 ・新市場  × 新商材 = 多角化戦略 個々の戦略を見てみましょう。

既存市場×既存商材=市場浸透戦略

市場浸透戦略は既存市場で既存の製品を開発し、市場を深めることによってマーケットシェアを拡大​​する戦略です。 今日であればイメージ広告やWebマーケティングを通じて会社をブランド化し、会社への認知度を高め、関心のあるユーザーの数を増やすことを目指します。 なお、注意点としてはマーケットシェアがすでに充分に高いか、市場が飽和していて成長する余地が残っていない可能性を考慮する必要があることです。この場合、戦略実行にリソースを投入しても回収するほどの利益を得ることができません。

既存商材×新市場=新市場開拓戦略

新市場開拓戦略は既存の製品を用いて新しい市場を開拓し、マーケットシェアを確保することを目指す戦略です。既存の製品で新しい市場を開拓するときは、ターゲットを確認してポジショニングを最適化します。 たとえば、従来は国内市場でしか見られなかった製品を海外市場に拡大するのも新市場開拓戦略です。あるいは、伝統的に男性に販売されていた製品を、女性にも販売するのも新市場開拓戦略です。 既存製品で新市場開拓に成功すれば、すでに製造コストを下げている商材の生産量を増やすことができ、より多くの収益を上げられます。しかし、既存製品も新市場では認知度が低いため、認知拡大のための広告プロモーションを進める必要があります。

既存市場×新商材=新商材開発戦略

新商材開発戦略は、既存の市場に新商材を導入してマーケットシェアを確保することを目指す戦略です。既存商材よりもすぐれている点を積極的にアピールし、顧客を確保します。 清涼飲料、ビール、菓子などの市場では、多くの企業がこの戦略に積極的に乗り出し、多くの新商材が次々と発売されています。商品開発能力が重要であるため、トレンドを正確に把握し、顧客が今何を望んでいるのかを察知する能力が求められます。

新市場×新商材=多角化戦略

多角化戦略は、新市場に新商材を導入してマーケットシェアを確保することを目指す戦略です。4つの中で最も難しい分野ですが、成功すれば報酬が大きくなります。 多角化戦略では、すでに保有しているリソースを流用して、新商材開発を進めることも可能です。これにより、リスクを軽減しながら実行できれば、失敗した場合の損失を最小限に抑えることができます。

事業成長のための競争優位性

 事業成長とは?戦略の方向性や競争優位性、リソース配分を徹底解説! 世界的なコンサルティング企業であるボストン・コンサルティング・グループ(BCGは、事業成長における競争優位性を、事業タイプごとに以下の4つに分類しました。 ・手詰まり型事業 ・分散型事業 ・特化型事業 ・規模型事業 縦軸を「競争要因の数」、横軸に「競争優位性確保の可能性」をとったアドバンテージマトリクスで表現しています。  事業成長とは?戦略の方向性や競争優位性、リソース配分を徹底解説! 自社の現在属している象限(事業領域)を決定したら、その領域の特性と手持ちのリソースで何ができるかを考えるのに役立ちます。

収益化に成功しやすい特化型事業と規模型事業

特化型事業は、競争要因は多いけれど優位を確保する可能性が高いため、特定分野に集中して圧倒的な強みを持っていれば、市場優位を確保することができます。たとえば、製薬産業、医療機器製造産業、測定機器製造産業などです。 規模型事業は競争要因が少なく優位を確保する可能性が高いため、スケールメリットが働く事業領域です。積極的な規模拡大を通じて会社の成長が期待できます。半導体製品製造業や自動車製造業などです。

収益化が難しい手詰まり型事業と分散型事業

手詰まり型事業は競争要因が多い上に優越性を確保する可能性が低く、スケールメリットが働きません。大企業は参入しない領域で、中小企業が競争する分野です。たとえば、地域密着型の衣料品店や飲食店、美容室や工務店などがあります。 人気のある営業スタッフの能力や店主のキャラクターなどに依存して顧客を維持するタイプのビジネスモデルであり、規模の拡大は現実的ではありません。 分散型事業は競争要因が少ないけれど優越性を確保する可能性が低く、事業のライフサイクルから言えば衰退期に進入し、差別化や収益性確立が極めて難しい事業領域です。セメント関連や鉄鋼関連がその例です。 手詰まり型事業と分散型事業は、資本投下で特化型に転換できれば、特定分野の圧倒的な強みを活かして収益化できる可能性があります。 このようにして、アドバンテージマトリクスを活用して事業領域を見極め、安定継続的な収益を確保するための戦略の方向性と施策を検討できます。場合によっては大胆な事業転換によって、市場優位性を確保するヒントになります。

事業成長のリソース分配

マネジメントレビューとは?メリットや流れ規格など分かりやすく解説 前述のBCGはまた、事業成長を図る際に現状の成長性を確認し、最適なリソース配分を考慮するためにPPM(プロダクト・マネジメント・ポートフォリオ)を考案しました。縦軸に市場成長率、横軸に市場成長率を表す4象限マトリクスを使って、追加の投資や撤退などの経営判断を下す検討時に活用します。 縦軸の「市場成長率」は下が「低」で上にいくほど「高」です。横軸の「マーケットシェア」は左が「高」で右にいくほど「低」となります。 それぞれの象限に当てはまる成長性は以下のように表現されます。 ・左上の象限:花形 ・左下の象限:金のなる木 ・右上の象限:問題児 ・右下の象限:負け犬  事業成長とは?戦略の方向性や競争優位性、リソース配分を徹底解説!

事業の成長性の4段階

プロダクトポートフォリオマネジメントで表現されている事業の成長性は、以下のような4つの段階があります。 <花形> 花形の意味は、高い市場成長率の分野で高いマーケットシェアを持ち、今後大幅に成長すると予想される優れた事業を指します。ライフサイクルの観点からは成長段階にあり、追加投資でパフォーマンスを向上させるのは簡単です。 しかし、市場成長率が高いということは、競争者が多いという意味でもあるため、競争優位を確保するためには積極的なリソースの投下が必要となります。その結果、売上は増加するがコストも増大し、利益率が低い傾向があります。 <金のなる木> 市場成長率は低いが、マーケットシェアが高く安定し、高い収益を上げることができる事業です。 しかし、市場成長率が低いということは、市場規模が頂点に達したことを意味するので、追加投資は好ましくありません。この事業で得た利益を成長株である花形や、強化すべき問題児に投資するのが有効です。 <問題児> 市場成長率は高いが、マーケットシェアが低く、売上成長が遅い事業です。市場自体が有望なだけに、マーケットシェアを高めれば花形に成長すると予想できます。そのため、積極的に資源を投資するのが一般的です。ただし利益率は低い傾向があるため、金のなる木で得た利益を投下する必要があります。 <負け犬> 市場成長率とマーケットシェアが低く、売上高と利益が低い事業です。立ち直る方法がない限り、市場からの撤退を検討する必要があります。このようにプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントで事業の成長性を評価することで、最も適切な対応方法を判断できます。 理想形としては、金のなる木の事業を多角化して利益を上げながら、問題児を花形に育てることを繰り返し、負け犬は損失を最小限に抑えながら撤退して新事業を開始することを検討するような流れです。

まとめ

事業成長は営利企業である限り目指すべき目標ですが、自社の身の丈にあった方向性を選択する必要があります。また、自社のリソースにふさわしい事業タイプで競争優位性を高め、ライフサイクルの長い企業を目指すのが理想的です。 ここでご紹介したアンゾフマトリクスで事業の成長戦略の方向性を検討し、アドバンテージマトリクスで事業の競争優位性を見定め、プロダクトポートフォリオマネジメントで最適なリソース配分を判断して事業を成長させてください。 なお、毎月100社まで法人データを無料でダウンロードが受付できるBIZMAPSは、さまざまな属性や条件、事項で検索・表示して閲覧できます。 個人事業主のみなさんや企業の法人営業担当のみなさんは、営業のアプローチを模索する際に価値を発揮しますので、ぜひお気軽にご利用ください。 ▼日本最大級の企業DB【BIZMAPS】で営業対象企業を探す▼ また、マーケメディア(マーケティングの仕事をサポートするサイト)ではマーケティング用の資料がダウンロードできます。デジタルマーケティングの重要度が増す中で、マーケティング情報面でみなさんの仕事をサポートいたします。 マーケメディアでマーケティング資料をダウンロードする 法人営業向けのコンテンツはこちらです。 法人営業への転職成功に向けた志望動機の書き方必勝法とは?応用可能な例文も満載! オンライン商談とは?対面営業との違いと成功の6つのポイント ソリューション営業とは?基礎知識や手順を詳しく解説! パイプライン管理とは?プロセスを見える化して効率的な営業活動を! 営業経費のムダなくし生産性向上を!ニューノーマル時代の経費削減法

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