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マネジメントサイクルとは?効果や種類・うまく回すコツを徹底解説! ビジネスのあらゆる場面で用いることの多い「マネジメントサイクル」。マネジメントサイクルは、企業の目標達成に効果をもたらす仕組みです。マネジメントサイクルを継続的に回して業務を行うことによって組織の成長も望めるので、注目されています。 本記事では、マネジメントサイクルについて解説します。 特に、マネジメントサイクルの活用で得られるメリットや効果、6種類の手法、マネジメントサイクルの課題とうまくマネジメントサイクルを回していくためのコツなどについてお話します。また、マネジメントサイクルの活用例や、実際にマネジメントサイクルを導入して成功した企業の導入事例もご紹介します。 マネジメントサイクルは、組織のモチベーション向上やリーダーシップを図る人材育成はもちろん、社内の業務環境の改善にも期待できるので、ぜひ参考にしてください。

マネジメントサイクルとは?

マネジメントサイクルとは、組織として企業が目標を達成するため、業務の効率化を図る管理システムです。 マネジメントサイクルの種類の中で最も有名なのはPDCAサイクルだと言えます。計画に沿って実行し評価・改善していく、といったプロセスこそがマネジメントサイクルです。マネジメントサイクルは一度実施して終わりではなく継続して業務を見直しながら、目標へ一歩ずつ進んでいきます。 PDCAサイクルはよく円を描くような図で解説されることが多いですが、実際はらせん状の階段を上がっていくのをイメージすると分かりやすいでしょう。頂上の目標に向かうため、組織のメンバーがそれぞれ行動・改善を繰り返しながら一段ずつ歩みを進めるのです。 マネジメントサイクルは、継続的に運用することで組織が向かうべき目標に向けて、メンバーの生産性や士気を高めて業務を遂行するのに効果的な仕組みです。

マネジメントサイクルの歴史

マネジメントサイクルには、実は長い歴史があります。マネジメントサイクルの概念が生まれたのは、1870~1890年のアメリカの鉄道経営がきっかけと言われているのです。 この時代のアメリカは全土に渡る鉄道ネットワークが完成し、大陸を横断するルートが開通しました。並行して、農産物や工業製品の鉄道輸送の需要が拡大していきます。主要都市を結ぶ路線を持つ鉄道会社同士の激しい競争が行われていきました。 そんな中、鉄道労働者の賃金が10%削減される事態が起こり、労働組合が発足し大規模ストライキが決行されました。45日間にも及ぶストライキは鉄道運行の妨害とされ、差し止め命令によって止められましたが、労働者の反発は続き鉄道建設に遅れが出てしまいます。 解決策として、事前に定めた作業目標を達成できた労働者に賃金を上乗せする、能力給制度が採用されました。目標に対して成果が得られない場合は、目標に到達するための新たな施策や改善策を実施することで修正していきます。結果的に鉄道建設の生産性が向上しました。 鉄道経営以外の企業経営にもこの一連の流れが活用され、様々なマネジメントサイクルへ発展を遂げました。

マネジメントサイクルの効果・メリット

マネジメントサイクルとは?効果や種類・うまく回すコツを徹底解説! マネジメントサイクルは、激動する市場で企業が存続していくために不可欠な仕組みであり、様々なメリットや効果をもたらします。日々移り変わる市場で生き抜くためにはマネジメントサイクルの導入により、変化に対応し改善を重ねながら実行していく組織のマネジメントが重要な鍵となります。 具体的なマネジメントサイクルの効果・メリットは以下の通りです。 ・業務改善を効率よくスピーディーに行える ・製品やサービスの価値向上・他社との差別化を行える ・目標を細分化し実現までの道筋を明確化する ・従業員一人一人が目的意識を持って自発的に行動できる ・従業員の生産性を高める ・モチベーションが高まり優秀な人材の流出を防ぐ ・先行指標(KPI)をコントロールできる ・目標達成の予測がしやすく素早い経営判断を行える このように、マネジメントサイクルは、組織ひいては企業に多くのメリットをもたらします。マネジメントサイクルの導入は、業務改善で高い成果を上げ続け、変化に強い組織をマネジメントするために効果的です。

マネジメントサイクルの6つの手法

マネジメントサイクルで特に代表的なものとして、6種類の手法が挙げられます。 1.PDCAサイクル 2.OODAループ 3.PDRサイクル 4.CAPDサイクル 5.PDSサイクル 6.STPDサイクル 下記でそれぞれ詳しく解説していきます。

マネジメントサイクルの種類①PDCAサイクル

マネジメントサイクルとは?効果や種類・うまく回すコツを徹底解説! マネジメントサイクルの1つ目の手法は、PDCAサイクルです。PDCAサイクルは、従来からビジネス書や企業内研修、介護現場でのケアマネジメントのプロセスとしても役立てられ広く知られているマネジメントサイクルと言えるでしょう。PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の4つの工程で構成されるマネジメントサイクルです。 ・Plan:計画を策定する ・Do:計画内容を実行する ・Check:実行した内容を評価する ・Action:評価を元に改善する PDCAサイクルのPlanは、「いつ・どこで・誰が・何を・どうやって」といった具体的な計画を立てます。PDCAサイクルにおいて、計画は最も肝心な要素です。情報収集をしっかりと行い、綿密な計画を策定します。 PDCAサイクルのDoでは、策定した計画に従って実際に行動します。後の工程で実行内容を確認する必要があるため、実行の結果を記録しておきましょう。実行結果は、成功・失敗に関わらず全てデータとして共有できる状態にすることがポイントです。 PDCAサイクルのCheckは、計画を実行した結果、成果を得られたのか、失敗した原因は何かなどを評価します。目標を達成できたのか、あとどの程度で達成できるのか目標の振り返りも行います。組織全体で問題点を共有し、客観的に評価を行います。 PDCAサイクルのActionでは、評価を元に今後どのように改善していくかを検討します。成果が上がった点は継続して行い、失敗した点は成功のために改善すべきことをデータに基づき分析し、次の計画に繋げます。 PDCAサイクルは、計画を実行、結果を客観的に評価・改善の流れを継続して回し、目標達成を現実化させるマネジメントサイクルの手法です。

マネジメントサイクルの種類②OODAループ

マネジメントサイクルとは?効果や種類・うまく回すコツを徹底解説! マネジメントサイクルの2つ目の手法、OODA(ウーダ)ループは、Observe(観察)・Orient(方向づけ)・Decide(意思決定)・Act(行動)の4工程のマネジメントサイクルです。計画の段階が無いのが特徴のサイクルで、現場で状況に応じた対応が求められる場面に適しています。 航空戦に臨むパイロットのための意思決定方法としてアメリカ空軍のジョン・ボイド大佐により提唱され、スピーディーに施策に取り組めるマネジメントサイクルの手法です。 ・Observe:現状を客観的に観察する ・Orient:観察結果を元に状況を判断、方向づけを行う ・Decide:どのように行動するのか意思決定する ・Act:意思決定した内容を行動する OODAループは緻密な計画が不可欠な製造業などには向いておらず、現場で素早い対応が求められる世界で実践されているマネジメントサイクルです。 OODAループには、PDCAサイクルで重要な役割である計画の工程は無く、観察を重視しています。新規プロジェクトなど見通しの付きづらい事業や不確実性な要素が多い事柄に対して有効なマネジメントサイクルです。 OODAループとPDCAサイクルの関連記事はこちら↓ マーケティングのフレームワークとは?役立つ具体例もご紹介!

マネジメントサイクルの種類③PDRサイクル

PDRサイクルは、Preparation(準備)・Do(実行)・Review(見直し)の3つから構成されるマネジメントサイクルです。ハーバードビジネススクール教授のリンダ・ヒルらが提唱し、PDCAサイクルよりステップが短く使いやすいと言われています。 ・Preparation:実行に向けた準備を行う ・Do:準備した内容を実行する ・Review:実行した結果を見直し、分析する Preparation(準備)とは、具体的に目標設定・市場調査・競合分析・自社分析などを行います。PDCAサイクルが4工程なのに対し、PDRサイクルは3工程で簡略化されています。スピード重視の事柄については、PDRサイクルを採用した方が時間がかからず、柔軟性をもって取り組むことができます。 OODAループと比較してもPDRサイクルは実行までの工程が省略されていて、スピーディに実行できるマネジメントサイクルです。PDRサイクルは他のマネジメントサイクルに比べて、スピードに特化したシンプルな手法です。綿密な計画が必要な場面には不向きです。

マネジメントサイクルの種類④CAPDサイクル

CAPDサイクルは、Check(評価)・Action(改善)・Plan(計画)・Do(実行)の4工程で、PDCAサイクルの順番を入れ替えたマネジメントサイクルです。 ・Check:現状を把握し、評価・分析する ・Action:現状の評価をもとに改善案を立案する ・Plan:改善案をもとに計画を立てる ・Do:計画を実行する PDCAサイクルの初めが計画なのに対し、CAPDサイクルは現状を把握する部分から行うため導入のハードルが比較的低いマネジメントサイクルです。変化が激しい市場では、現状を把握し課題を分析した上で計画を立てることは、実行失敗のリスクを最小限にできます。 CAPDサイクルは変化への適応力が高く、スピードと精密さの両方を併せ持つマネジメントサイクルであると言えます。

マネジメントサイクルの種類⑤PDSサイクル

PDSサイクルは、Plan(計画)・Do(実行)・See(評価・見直し)の3つから成るマネジメントサイクルです。 ・Plan:目標に向けた計画を策定する ・Do:計画に沿って実行する ・See:実行結果を評価・見直し PDSサイクルのSeeは、PDCAサイクルのCheckとActionが集約されたものです。PDCAサイクルよりも短いスパンで改善活動を行う目標や、小さい組織に適しているマネジメントサイクルです。

マネジメントサイクルの種類⑥STPDサイクル

STPDサイクルは、See(現状把握)・Think(分析)・Plan(計画)・Do(実行)の4工程から構成されるマネジメントサイクルです。 ・See:現状を把握する ・Think:現状を分析する ・Plan:分析をもとに計画する ・Do:計画を実行する STPDサイクルは計画までに現状把握・分析の2ステップがあり、細かな計画が必要な業務に向いているマネジメントサイクルです。慎重に計画を行うことから、予算額の大きいプロジェクトや長期に渡る施策などで導入されるマネジメントサイクルです。

マネジメントサイクルの課題

マネジメントサイクルとは?効果や種類・うまく回すコツを徹底解説! マネジメントサイクルの課題はそれぞれの手法によって異なります。例えば、PDCAサイクルとOODAループでは、計画の有無で大きな違いがあり、発生する課題や悩みが異なることは容易に想像できます。 ここでは、最も広く知られているPDCAサイクルについて、課題や問題点を解説します。 PDCAサイクルがうまく回らない原因は、どこかの過程で問題が発生しているためと考えられます。PDCAサイクルの4工程を分解して、それぞれで陥りがちな課題や問題点を確認していきます。また、PDCAサイクル全体についても考えられる課題を合わせてご紹介しましょう。 ▼Plan(計画)の課題 ・計画が現実的ではない ・計画の前提となる仮説が間違っている ・計画策定に時間がかかり過ぎて、現状と乖離している ▼Do(実行)の課題 ・計画に具体性が無く実行できない ・実行担当者のマネジメントができていない ・目標に対する適切な先行指標が設定できていない ▼Check(評価)の課題 ・明確な評価基準がない ・評価担当者の主観で評価してしまう ・忙しくて評価を行う時間がないため、ノウハウになりにくい ▼Action(改善)の課題 ・正しい改善策を立案できない ・忙しくて改善を行う時間がない ・次の計画を立てられないため、1サイクルで終わってしまう ▼全体の課題 ・PDCAサイクルを回すスピードが遅い ・目標達成の難易度が高すぎて、計画・実行ができない ・目標設定の難易度が低すぎて、業務改善の必要がない ・組織内で問題を共有できていない

マネジメントサイクルの問題解決のコツ

PDCAサイクルの問題を解決するためのコツ・ポイントをご紹介します。 ▼目標を明確化する 目標は具体的に立てて、方向性をしっかりと定めましょう。具体的な目標と言われると難しいですが、実際の行動や実務に落としこめる内容だと分かりやすいです。そうすると、目標達成のための現場でどのようなことに着手していけば良いかのイメージがしやすくなります。 また、達成可能な目標であることも重要です。高すぎる目標は、何から頑張れば良いか分かりにくく、達成に近づいている実感が得られにくくなります。そうなると、モチベーションの低下につながる可能性もあります。目標は実現可能であり、頑張れば達成できるレベルのものを立てることが望ましいです。 ▼計画や評価基準を数値化する 計画を組織内で共有し、客観的な評価・分析を行うために数値化が有効です。なんとなくの感覚や個人の勘では、人によって認識に差が出てしまいます。その点、数字は誰が見ても同じなので、メンバー全員が理解しやすく、共通認識が持てるようになります。 すると、目標に未達成の時点でも、あとどのくらいで達成するかが明確になり、客観的に評価・改善がスムーズにできるのです。 ▼タイムマネジメントを行う 計画段階から、最終的な目標達成までタイムマネジメントを行います。どの仕事にも言えることですが、目標の達成にも期限があります。その期限に合わせて業務を進めていき、期限までに目標を達成する必要があるのです。 チームで実施するケースではもちろん、個々のメンバーの進捗状況にも注意しなければなりません。 もしも目標に届いていなかったり、業務が遅れていたりしても、日々しっかりとタイムマネジメントを機能させることで、軌道修正や巻き返しもできるでしょう。コミュニケーションをしっかり取って対策するのが重要です。 ▼PDCAの工程を全て記録・データ化する 計画から実行までのプロセス・課題を詳細に記録を作成します。目標にばかり意識が行ってしまうと、振り返りや評価のタイミングで検証がしにくいこともあります。それを避けるためにも、都度成果や問題点を見える化することで、データをもとに評価・改善を客観的に行えるのです。 評価や改善はマネジメントサイクルに欠かせないものだからこそ、記録やデータ化の業務もしっかり行いましょう。 ▼失敗の原因を特定する 課題が生じたときは、なぜ起こったかの原因をはっきりと突き止める必要があります。マネジメントサイクルをうまく回していくためには、評価と改善が鍵になります。問題の原因を突き止めて改善することで、次のサイクルをどのように回すかを考える足がかりとなり、成果にもつながるでしょう。 ▼継続的にPDCAサイクルを回し続ける PDCAサイクルは1サイクルで終わっては意味がありません。スパイラル状に次の計画を実行するたびにステップアップしていくことで、目標達成に近づけます。最初に掲げた目標を達成できたとしても、企業は常に成長し続けるものなので、またさらに上を目指した目標が必要です。 また、移り変わる市場で勝ち残っていくためには、目標を常に更新するのも重要です。1サイクルで終わらず、次々とサイクルを回していきましょう。

マネジメントサイクルの活用例と成功事例

マネジメントサイクルは企業活動の様々な場面で活用できます。 例えば、営業担当の売上目標達成にもマネジメントサイクルが活用できます。 企業のトップ層から期初に設定された売上目標を達成するために、営業担当はまず当月に達成すべき1ヶ月の目標を数値化しましょう。1ヶ月の目標が決まったら、必要となる行動計画を立てて実行します。1か月後、結果の評価を行って成果や失敗の原因を分析します。商談数を先月より3件増やした、潜在顧客へのアプローチが少なかった、など具体的に原因を挙げていき、改善案を元に翌月の計画を立てるとよいでしょう。 他にも以下のように、多種多様な組織でマネジメントサイクルの導入が可能です。 ・企業サイトのアクセス数を増やし、自社サービスの受注を増やしたい ・新卒採用の応募者を増やし、求める人材を採用したい ・他社との差別化を図るために、顧客との約束を守ることを徹底する 実際にマネジメントサイクルで成功した企業事例をご紹介します。

企業事例①:株式会社良品計画|無印良品のPDCAサイクル

2001年に38億円の赤字を計上した良品計画は、松井忠三氏が社長に就任しPDCAサイクルを用いて業務改善を行った結果、6年間で業績を回復させました。 松井氏は仮説を立てて評価・改善を行う、という施策を行います。実行力の弱さは長すぎる資料に原因が存在する、と仮説を立て、会議に出す資料はA4用紙1枚というルールを決めました。紙を減らす、という計画を立てて実行した結果、会議時間が短縮されて生産性が向上、無印良品を再建させたのです。

・企業事例②:ソフトバンク株式会社|ソフトバンク式高速PDCA

ソフトバンクの全社員に行われているソフトバンク式高速PDCAとは、ソフトバンク3原則に基づいたPDCAサイクルです。 【ソフトバンク3原則】 原則1:思いついた計画は、可能な限りすべて同時に実行する 原則2:1日ごとの目標を決め、結果を毎日チェックして改善する 原則3:目標も結果も数字で管理する 原則1は計画の段階で、すぐに実行し結果を出すことで、PDCAサイクルを高速回転させます。原則2は1日単位で目標設定・評価を行うということです。原則3は数値化によって結果の原因を正確に把握しようとしています。3原則に基づきスピード感のあるPDCAサイクルで、ソフトバンクは成長を続けてきました。

マネジメントサイクルで業務効率化へ

マネジメントサイクルとは、企業が組織として目標を達成するために業務の効率化を図る管理システムです。業務改善を行って高い成果を上げ続け、変化に強い組織をマネジメントするためには不可欠な仕組みです。 特に変化の激しい市場では、スピーディに効率的にマネジメントサイクルを回して高い成果を上げることが企業の存続に関わります。リーダーシップをもって継続的に業務改善を行っていくことが大切です。 毎月100社まで法人データを無料でダウンロードが受付できるBIZMAPSは、さまざまな属性や条件、事項で検索・表示して閲覧できます。ぜひお気軽にご利用ください。 詳しくはこちら ▼マネジメントに関する記事はこちら↓ 組織マネジメントとは?必要なスキルやフレームワークをご紹介! 「マネジメント」の意味は?役割や課題・スキルアップを徹底解説! 経営ダッシュボードとは?企業の実勢を可視化するのに有効なツール! ピープルマネジメントとは?その効果や成功のポイントを解説!

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