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「マネジメントってどういう意味?」「マネジメントってどんなことをするの?」とお悩みではありませんか。
よく聞く「マネジメント」という言葉ですが、ぼんやりと意味は分かっているつもりでも、自信を持ってその意味を人に説明するのは難しいかもしれません。
そこで今回は、マネジメントの言葉の意味をはじめ、マネジメントの種類や役割、具体的な業務やスキルアップの方法などをご紹介します。マネジメントの意味から知りたい人はもちろん、マネジメント業務で悩みを抱えている人にもおすすめです。
マネジメントの意味をしっかり理解しつつ、ぜひ参考にしてみてください。
1.「マネジメント」の意味
まずはマネジメントの言葉が表す意味を説明します。
「マネジメント」とは、英語のmanagementのことで、直訳すれば「経営」「管理」や、「経営者」「管理者」という意味の言葉です。
しかし、かの有名な経営学者、ピーター・ファーディナンド・ドラッカーによる著作「マネジメント」により、ビジネス的に幅広い意味を表すようになりました。
ドラッカーは自らの著書でマネジメントの意味について、「マネジメントは成果を上げるための道具・機能・機関である」と記しています。成果を上げることを大前提とし、そのための人材・情報・カネなどをうまく活用することがマネジメントの意味になるのです。
つまり、マネジメントで必要とされる仕事は部下や仕事の進捗管理だけではなく、成果を上げるために必要なさまざまな要素がマネジメントであると言えます。
そして、仕事や組織の管理を行う責任者を「マネージャー」と呼びます。
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2.マネジメントの種類
「マネジメント」とひとことに言っても、実はマネジメントには複数の種類があります。マネジメントを細かく見てみると、階層や業務でも分けられるのです。そして、それぞれ目的や内容が異なります。
よく企業で活用されているマネジメントの種類とその意味を4つのカテゴリに分けてご紹介します。
自社で実施しているマネジメントはどれかも確認してみてください。
①階層別マネジメント
階層ごとに分けたマネジメントの種類と意味についてご紹介します。
・トップマネジメント
トップマネジメントは、企業のトップに立つ代表取締役などが必要とするマネジメントです。
主に企業の経営戦略のための意思決定を行います。
・ミドルマネジメント
ミドルマネジメントは、「中間管理職」と呼ばれるポストの、部長・課長などが行うマネジメントです。
部下の管理はもちろん、上層部と部下とをつなぐパイプのような役割を持ちます。
・ロワーマネジメント
ロワーマネジメントは、より現場に近い場所に立つ、係長やリーダーに必要なマネジメントです。
ミドルマネジメントと現場で働くメンバーの懸け橋のような役割を持ちます。
②業務別マネジメント
業務別に分けたマネジメントの種類と意味についてご紹介します。
・チームマネジメント
チームマネジメントは、生産性の高い「強いチーム」を作るために行うマネジメントです。チームの生産性を強化し、よりプロジェクトが成功しやすい環境にするのが目的です。リーダーなどによって遂行されます。
・プロジェクトマネジメント
プロジェクトマネジメントは、特に業務効率に重きを置いたマネジメントの種類です。業務効率が上がるようマネジメントすることで、締め切りまでの間に時間的余裕を作ります。そうすることで、仕事の質や価値を高めるのが目的です。
・ナレッジマネジメント
ナレッジマネジメントは、知識やテクニックを自分だけのものとして完結させるのではなく、メンバー全体に共有するのが目的のマネジメントの種類です。
業務に使える知識やテクニックを共有すれば、全体の仕事の能力が上がり、業務効率化に繋がることが期待できます。
③人材管理マネジメント
人材管理で用いられるマネジメントの種類と意味についてご紹介します。
・モチベーションマネジメント
モチベーションマネジメントは、業務へのモチベーションを上げるために行われるマネジメントです。高いモチベーションを維持することで、全体の業務や結果にも繋がります。
具体的な方法には、目標設定などがあります。
・タレントマネジメント
タレントマネジメントは、メンバーのタレント(スキル・才能)などをうまく活用するためのマネジメントです。スキルの高い人材を適材適所で配置することで、業務がスムーズになります。
・パフォーマンスマネジメント
メンバーのパフォーマンスを維持するために行われるマネジメントです。パフォーマンスを維持することで、スタッフの仕事へのやる気を引き出します。
④メンタルマネジメント
メンタルの管理を目的としたマネジメントの種類と意味についてご紹介します。
・メンタルヘルスマネジメント
メンタルヘルスマネジメントは、メンタルの状態を管理するためのマネジメントです。業務をしっかりこなせるのは健康なメンタルがあってこそ。会社のメンバー同士でのコミュニケーション、もしくは専門のカウンセラーを活用して行います。
・ストレスマネジメント
ストレスマネジメントは、業務やそれに付随するストレスへの対策をするためのマネジメントです。ストレスをためこむと、日常生活や仕事に影響を及ぼすこともあります。そうならないために、対処をするマネジメントです。
・アンガーマネジメント
アンガーマネジメントは、怒りの感情を抑制するためのマネジメントです。怒りで周囲に当たったり、業務に支障をきたしたりすることがないようにします。
3.マネジメントの役割
マネジメントは成果を出すために重要な役割を持っており、組織やプロジェクトには欠かせないものです。そんなマネジメントにはさまざまな役割がありますが、果たすべき役割のうち特に大きなものを3つご紹介します。
マネジメントの意味は分かっても役割などのイメージがつかない方は、参考にしてみてください。
マネジメントの役割その1 目標を決める
マネジメントだけに限ったことではありませんが、まずは目標の設定が必要です。マネジメントにおいては組織が成果を上げることが最終的な目標ですが、そのために達成しなければいけない細かい目標を設定する必要があります。
具体的には、「組織の目標」と「メンバーの目標」の2つを設定します。
例えば、組織の目標なら「事業部での売上を前月の1.5倍にする」といったものが考えられるでしょう。
一方、組織に属するメンバーの目標はさらに細かく、「顧客への訪問数を前月の2倍にする」「メルマガの開封率を45%にする」などのようなものになります。
スタッフ一人ひとりに目標を設定することで、組織が成果を出すための個人の役割が明らかになります。それにより業務を進めやすくなるのはもちろん、モチベーションアップにもつながるでしょう。
マネージャーは、こうした組織の目標と部下の目標設定に合わせて、自らの達成すべき目標も設定するので、3つの目標設定を行うことになります。
マネジメントの役割その2 目標の管理
マネジメントの役割は、目標設定だけでは終わりません。目標達成までのプロセスの管理も重要な役割です。
組織全体の業務や日次・週次での目標計画と達成率の進捗管理、組織の人員の目標達成率の管理が必要です。また、設定した目標を達成し組織全体で成果を出せるようにするために、定期的な評価なども行います。
途中でフィードバックをはさみ、必要に応じて軌道修正を行うこともあります。
マネジメントの役割その3 組織作り・運営
マネジメントの役割として、組織作りとその運営も重要です。
組織のメンバー全員が目標達成のために同じ方向を向いている、強い組織を作るために行います。このような強い組織作りをすると組織の運営がスムーズになり、目標達成にも繋がりやすくなるでしょう。
組織作りは、組織の目標を明確に設定することから始まり、メンバーを適材適所で配置したり、指導をしたり、人材育成で成長を促したりなどといった業務を含みます。
組織を作り、滞りなく運営するのがマネジメントの重要な役割なのです。
4.マネジメント業務の具体的な内容
マネジメントの役割は、設定した目標達成を目指して組織を運営していくことです。では、目標達成のために具体的にどのような業務を行っているのでしょうか。
マネジメントの主な業務は部下が成長できる環境を整える、他部署・他部門と連携しやすいようにサポートする、会議が円滑に進むようまとめるの3つです。
ひとつずつご紹介していきます。
業務その1 部下が成長できる環境を整える
部下が成長できるように育成と評価を行うのも、マネジメント業務のひとつです。
企業が成長していくためには、優秀な人材だけに頼るのではなく社員それぞれが成長していける環境を整えることが大切になります。目標を立てたら適宜評価を行い、成果を認めたり改善点を一緒に考えていったりするようにしましょう。
部下のモチベーションが上がることで、業績にも繋がりやすくなります。
業務その2 他部署・他部門と連携しやすいようサポートする
他部署・他部門とうまく連携できるようにサポートをするのも大切なマネジメント業務のひとつです。
それぞれが連携を取りやすいように橋渡しの役割を担ったり、仕組みを調整したりします。連携がうまくできていれば、組織全体の生産性の向上にも繋がるでしょう。生産性が上がることで、組織全体の目標も達成しやすくなります。
業務その3 会議が円滑に進むようまとめる
会議や打合せを行う際に、円滑に進行できるように指揮を執るのもマネジメント業務に含まれます。
会議はただ時間をかければいいというものではなく、効率よく必要な点に絞って進めていくことが大事になります。うまく進行が行えれば、アイディアも出やすくなり生産性の向上が期待できます。
5.マネジメントの効果を高めるためには
ここまでマネジメントの意味や具体的な業務内容についてご紹介してきました。
では、マネジメントの効果を最大限に発揮するためにはどんなことに気を付ければいいのでしょうか。
マネジメントをする際に意識したい2点について解説します。
ぜひ参考にしてください。
①マネジメントのPDCAサイクルを回す
PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返し行い、継続して業務を改善していくための手法です。
設定した目標に対して具体的にどのように行動するか考え、実際に行動してみた結果をもとに評価、改善を繰り返していきます。
PDCAサイクルを回すことで、生産性の向上や社員のモチベーションアップが期待できます。
②マネジメントレビューを行う
マネジメントレビューとは、企業のマネジメント体制を振り返って成果や問題点を明らかにしていく活動のことです。
企業によって実施頻度は異なりますが、一般的には1年に1回程度行われます。
内部監査、外部監査の結果や顧客のフィードバックをもとに評価を行い、問題点がある場合は改善策を考えていきます。
6.今後マネジメントに求められるポイント
予測不能で変化が激しい現代。先行きが不安な中、1つのスキルだけでマネジメントをこなすのは難しいでしょう。
今の時代を生き抜くためのマネジメントをするには、どんなポイントを意識していけば良いのでしょうか。
今後のマネジメントにおいて求められるポイントを3つご紹介します。
ポイントその1 情報収集を怠らない
変化の激しい時代には、常に新しい情報を取り入れようとする姿勢が大切になります。
例えば、日々便利なITツールが生まれていますが営業や分析にうまく活用できていないという企業も多いです。これらのツールを積極的に導入し活かすことで、作業の効率化が期待できます。
日々情報収集を怠らないようにして、新しいものをどんどん取り入れて行きましょう。
ポイントその2 多様性に柔軟に対応する
今の社会では、「働き方改革」や「外国人労働者の受け入れ」が推奨されています。
今後、世代、性別、国籍、勤務体系などさまざまな背景を持つ人と勤務をする機会も増えてくるでしょう。そのため、これらの多様な人材を受け入れていくマインドやスキルを持つことが大事になります。
どんな背景を持つ人も働きやすいように、柔軟に環境も整えていきましょう。
ポイントその3 コンプライアンスに配慮する
SNSなどによって、情報はあっという間に拡散される時代です。
万が一企業に不祥事があった場合、企業に対するネガティブなイメージが広がりやすいため、コンプライアンスには十分注意する必要があります。
企業だけでなくスタッフを守るためにも、日々コンプライアンスを意識した働き方、教育をするよう心掛けましょう。
7.マネージャーを育成するには
マネジメントで高い効果を得るためには、優秀なマネージャーを育成することが大切になります。
マネジメントを行うマネージャーを育成するにはどんな方法があるのでしょうか。
主に研修を行う、他部署や支社での仕事経験を積む、勉強会に参加しやすい環境をつくる、業務の負担を軽減する、の4つの方法があります。
①研修を行う
マネージャー育成で一番始めに思いつくのは、研修による教育でしょう。
研修は多くの場合座学がメインとなりますが、マネジメントの意味やマネジメントに必要なマインドやスキルを効率良く学ぶことができるのがメリットです。社内でマネージャー育成のノウハウが確立されていない場合は、外部に業務委託してもいいでしょう。
研修に参加したもの同士で交流すれば、悩みや不安を共有でき成長のきっかけになります。
②他部署や支社での仕事経験を積む
マネジメントをする上では、さまざまな経験を積んでいることが有利になります。
部署や支社を異動し雰囲気の違う環境を経験して、視野を広げるのもおすすめです。新しい環境での人間関係の構築を繰り返すと、タイプの違う人材にも対応できる能力が身に付きます。
場数を踏むことで、危機管理能力向上にも繋がるでしょう。
③勉強会に参加しやすい環境をつくる
マネージャーの学習意欲を促すため、勉強会に参加しやすい環境を作ることもおすすめです。
社員同士で気軽に学べるように勉強会の日程を組んだり、外部のセミナー参加の際に参加費補助をしたりなどが方法としてあげられます。ただし、あくまでも本人の学びたい気持ちをサポートするというスタンスでいることが大切です。
強制的に参加させても、得られる学びは多くないでしょう。
④業務の負担を軽減する
普段の業務と合わせて研修や勉強会に参加するとなると、マネージャーの負担が大きくなってしまうことが考えられます。業務と勉強で負担が大きい状態が続くと、離職に繋がるリスクも。
業務内容を見直したり、緊急度の低い業務は他に引き継いでもらったりして積極的に学びやすい仕組みを作っていきましょう。
8.マネジメントで抱えやすい問題と解決策
マネジメントは自分だけで完結する業務ではないので、難しさを感じる場面が多々あります。そんな中で、マネジメントの担当者が特に抱えやすい5つの問題をご紹介します。
また、その問題を解決するためのポイントもあわせて解説します。誰もが陥りやすい課題なので、深く悩み過ぎないことも大切です。
適切に対処していきましょう。
①コミュニケーション不足
マネジメント業務をする中で、コミュニケーション不足が起こることがあります。コミュニケーション不足によって、認識に差異が生じたり、業務に支障をきたしたりする可能性があります。
適切なコミュニケーションの質と量は、組織によっても個人によっても若干異なるものです。自身のチームに合うようにコミュニケーションの取り方を見直し、適切なコミュニケーションのシステムを見つけるのがおすすめです。
また、情報共有に役立つツールにもさまざまなものがあるので、その中から使いやすいものを活用するのも良いでしょう。
②人材の採用
マネジメントをおこなっていると、人材の採用が必要になることがあります。
しかし、募集から本採用に至るまでにはどうしても時間がかかります。また、人材募集には費用もかかるので、そのタイミングが難しいところです。さらに、自身の業務で手一杯なところに、採用業務まで担うのも時間的に厳しいでしょう。
人材の採用を検討する際は、人事担当などの専門部署のメンバーと連携しながら進めていくことで、自身の負担を抑えられます。
③プレッシャー
マネジメント業務をしていると、プレッシャーに襲われることがあります。
すぐに成果を出すよう上層部から求められるケースもあるでしょう。仕事や人材を動かすからこそ、期待とは裏腹に業務がスムーズに進まないのも、マネジメント業務を始めたばかりは仕方がないことです。
そんなときは、焦っても意味はないので今できること・やるべきことに意識を向けるというのを徹底してみてください。どんな仕事にも言えることですが、「千里の道も一歩から」です。
マネジメント業務の経験を少しずつ積めば、プレッシャーに負けない自信が生まれるでしょう。
④時間の管理
マネジメントをしていると、時間の管理でつまずくことが多いです。
マネジメントの担当者は、上層部や部下のコミュニケーションや管理に加えて、自分自身のタスクも抱えています。そのため、バランスを崩すと自分自身のタスクに使える時間が足りなくなってしまうという問題が起こりやすいです。
部下のためにも、いつでも相談や質問のできるコミュニケーションを取りやすい上司でいることは重要ですが、自分自身の作業時間を確保できなくては意味がありません。
スケジュール共有ツールやチャットツールを使ってコミュニケーションを見直したり、自分の作業時間や相談が可能な時間をあらかじめ伝えたりして、自身の時間管理を工夫しましょう。
⑤チームの連携不足
マネジメントを行っていると、チームの連携がうまく取れていない事態に直面することがあります。社員一人ひとりの個のマネジメントに偏ると起こりやすい問題です。
組織での仕事はチームワークで行うからこそ意味があり、さらなる可能性を生みます。今一度、チームの意義やチームの目標を共有することからはじめてみてください。
また、チームワークを良くするために、メンバー同士のコミュニケーションを活発にする工夫も取り入れてみましょう。一見無意味に思える雑談も、メンバーの親睦を深めたり、仕事のアイディアを生んだりします。
チームをいくつかに分けてランチミーティングを設けるなどもおすすめです。
9.マネジメントの意味を理解して目標達成を目指そう
「マネジメント」という用語の意味から、マネジメントの種類、マネジメントの役割、今後マネジメントに求められるポイントなどを解説しました。
マネジメントは、企業や組織の成果を出すために欠かせないものです。マネジメントの意味をしっかりと理解すればマネジメント業務をスムーズに進められるでしょう。
しかし、マネジメントがいくらうまく進められても、最終的な成果は組織のメンバーの努力や協力が欠かせません。上司や部下と良い関係を築きながら、成果を出せるよう一緒に業務を遂行し、目標達成を目指しましょう。
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