へたれぱんだ
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アミューズメント機器業界は、パチンコ・スロット台やゲームセンター向けのマシンを企画製造する業界です。利益水準が高い業界ですが、現在は消費者のレジャー施設離れが顕著となっており、人気コンテンツの取り込みなどの対策が求められています。
今回はアミューズメント機器業界の現状と課題、今後の展望について解説していきます。
またアミューズメント機器業界に属する国内企業の情報を確認するには、「アミューズメント機器」から企業名や事業内容、所在地などを見ることができます。登録企業数200万社以上の企業検索サービス「BIZMAPS」に掲載されているアミューズメント機器業界の企業や団体は、全部で約690社です。
アミューズメント機器業界にアプローチを検討中の営業の方々は、ぜひこれらの企業リストを参考にしてください。
目次
アミューズメント機器とは
アミューズメント機器とは、パチンコやスロット機と、ゲームセンターで使用されるアミューズメントマシンのことです。アミューズメント機器業界は、これらの企画から製造を行うメーカーを中心として構成されています。 アミューズメント機器は、遊技機とアミューズメントマシン(AM)の2つの主要なカテゴリに分かれています。 遊技機は、主に「ぱちんこ遊技機」と「回胴式遊技機」から成り立っています。前者はパチンコとも呼ばれ、遊技者の技術介入の要素はほとんどありません。一方、後者はパチスロとして知られ、遊技者の技術介入が多少存在します。 両者とも商品の差別化要素が少なく、ライフサイクルが短いため、メーカーは版権を活用して差別化を図っています。 アミューズメントマシン (AM)は、ゲームセンター向けの機器で、さまざまな種類があります。代表的なAM商品には「テレビゲーム」「メダルゲーム」「AMベンダー」「音楽ゲーム」「景品提供機」「キッズカードゲーム」があります。 近年、メーカーはネットワーク利用料というレベニューシェア制度を導入しています。これにより、施設側は初期投資を抑え、メーカー側は稼働に応じて収入を得ることができます。また、カードやチップを利用したゲームやクレーンゲームの景品も人気です。アミューズメント機器業界の現状
アミューズメント機器業界は成熟しており、大手プレイヤーによる寡占状態が続いています。 競合環境については、商品スペックが法規制の影響を受けて差別化要素が少なく、ライフサイクルも短いのが現状です。大手プレイヤー同士はヒット商品を開発し続ける必要があり、競争は激化しています。 新規参入は難しく、長い業歴とサプライチェーンを持つ大手プレイヤーが優位に立っています。 成功要因としては、ヒット商品を出し続けることが重要です。映像技術や版権の選択も成功に影響します。また、適切なコスト管理とリスク対策も必要です。試験基準の変更への対応や財務管理が求められます。アミューズメント機器業界の概要と、業界構造
アミューズメント機器業界は、主にパチンコやパチスロ機、ゲームセンター向けのアミューズメントマシンを製造・販売するメーカーを対象としています。 具体的には、アミューズメント機器メーカーは商品を企画・設計し、部品を調達して最終的な組み立てを行います。 供給業者としては、外注の部品メーカーと版権保有会社との関係が重要となっています。外注メーカーとの価格交渉力は高い一方で、版権に関しては高額なライセンス契約が一般的です。 買い手側は、パチンコホール運営会社です。彼らは集客力のある機種を次々に入れる必要があり、メーカーの交渉力が高いです。ただし、一部の大手パチンコホール運営会社は大量仕入れで交渉力を持つ場合もあります。 メーカーからパチンコホール運営会社への営業活動は、メーカー直営の販売店か商社を通じて行われており、大手パチンコホールに対しては直販が多くなる傾向があります。また、遊技機が販売された後、施設に設置される際には所轄の警察の許可が必要です。アミューズメント機器業界と規制の問題
各施設でユーザーが触れるまでには、アミューズメント機器メーカーによって設計された機器は厳しい許認可を通過しなくてはなりません。 特にパチンコやパチスロ機に関しては、規制によって厳しく機能が制限されており、試験を通過し検定を受ける必要があります。 試験の基準は、風営法で定められており、「射幸心を著しくそそる恐れ」がないよう、1分間の遊技回数の上限や出玉の量の上限と下限、過度な演出の規制などが多岐にわたります。 このような厳しいスペック制約のため、各社の遊技機のゲーム性が類似してしまうことがあります。そのため、差別化を図るためにアニメやドラマ、芸能人などのコンテンツを高額なライセンス契約で仕入れることが多いです。アミューズメント機器業界の利益水準と安全性
アミューズメント機器業界は利益水準が高いのが特徴です。コロナ禍で需要は一時的に減退しましたが、回復しています。 大手メーカーであるセガサミーホールディングス、SANKYO、平和などは、収益性については2022年度にはコロナ禍前の水準に戻しています。ただし、パチンコ業界を顧客に持つ平和では、来客数の減少によって機器のリプレイス需要が遅れていることもあります。 業界全体の安全性については、収益性の高い事業によるこれまでの利益の蓄積も要因となり、自己資本比率が非常に高い点は評価できます。ヒット商品の有無により収益が大きく変動するため、事業リスクに対応した盤石な財務基盤を築いていることが特徴です。アミューズメント機器業界の市場規模
経済産業省の「経済構造実態調査」および総務省・経済産業省の「経済センサス」によると、2021年の娯楽用機械製造業の出荷額は7,859億円で、減少傾向が続いています。 そのうち「パチンコ・スロットマシン」が5,224億円と大半を占め、「ゲームセンター用娯楽機器」、「遊園地用娯楽機器」、その他の娯楽用機械がそれに続きます。 「パチンコ・スロットマシン」の出荷額は2009年に1.1兆円あったものの、減少傾向が続いており、2020年にはコロナ禍の影響もあり市場は1/3近くまで縮小しました。しかし、2021年には持ち直しています。 一方、「ゲームセンター用娯楽機器」は近年減少傾向にあり、コロナ禍による来場者減の影響で大幅に減少しています。ただし、「遊園地用娯楽機器」は新規施設のオープンやリニューアルの需要を取り込み、長期的には増加傾向と言えます。 ゲームセンター関連製品の販売高については、業務用アミューズメント機製品販売額の推移を見ると、ゲームセンター市場の低迷を受けて縮小傾向が続いています。 コロナ禍で2020年度に大幅に落ち込んだ後、2021年度は回復したもののコロナ禍前の水準には至っていません。 「コンテンツ課金・シェアモデル売上」が最も大きく、他の製品の売上が減少する中で好調を維持しています。 クレーンゲームを中心とした「プライズゲーム」も人気で、コロナ禍で一時的に落ち込みましたが回復は早かった一方、「景品類」は売上が半減したままとなっています。アミューズメント機器業界が直面する課題
アミューズメント機器業界は、消費者のレジャー施設利用の減少により市場が縮小しています。 スマートフォンやインターネットの普及により、消費者は余暇時間をデジタルコンテンツに費やすことが増え、パチンコホールやゲームセンターの利用が減少しました。この傾向は、アミューズメント機器業界の売上にも大きな影響を与えています。 またアミューズメント機器業界には国内の政策や法制度の示す基準に従って製品を開発しなくてはならないという制約があり、その基準が頻繁に変更されているため、経営判断を1つ間違えるだけで対応が遅れてしまうというリスクを常に抱えています。 現在はIR推進関連法案もアミューズメント機器業界に大きな影響を与えており、すでに海外企業との合併などにより、その準備を進めている企業もあります。 今後は業界を代表する大手企業同士でも、生き残りをかけたM&Aなどによる再編が行われる可能性が高いでしょう。アミューズメント機器業界の今後の展望
アミューズメント機器業界の発展は、これまで国内のパチンコホールやゲームセンターなどのレジャー施設での需要に頼っていました。しかし現在では消費者の施設離れが進み、業界全体で新たな局面に立っています。 ここでは業界を代表する大手企業の動向を始め、アミューズメント機器業界の今後の展望について解説していきます。カジノ事業などの新事業への参入
アミューズメント機器業界の主要プレイヤーは、新たな収益源を求めてカジノ事業などの新事業に参入しています。 例えば、セガサミーホールディングスは韓国のパラダイスグループとの合弁会社を設立し、韓国初の総合型リゾート「パラダイスシティ」を開業しました。また、ユニバーサルエンターテイメントはフィリピンのマニラでカジノリゾート事業を展開しています。 これらの動きは、国内外でのカジノ事業への参入を見据えたものです。射幸性以外のエンターテイメントを追求
アミューズメント機器業界では、射幸性以外のエンターテイメント価値を追求する動きも見られます。 政府の規制強化により、ユーザーの射幸心を煽る要素が制限される中、各メーカーは新たなエンターテイメント体験を提供するための製品開発に注力しています。例えば、プロジェクションマッピングを活用したリアルな映像演出や、人気コンテンツとのコラボレーションなどが挙げられます。 今後はギャンブル要素が弱く、コンテンツの魅力を強調した新しいエンターテイメントを提供する機器や施設の登場にも注目すべきでしょう。アミューズメント機器業界の新しい戦略に注目しよう
今回の記事では、アミューズメント機器業界の現状と課題、さらにカジノ事業への参入などの今後の展望について解説しました。 アミューズメント機器業界は消費者のニーズを捉えて発展してきましたが、消費者のニーズの変化や人口の減少といった課題があります。今後はアミューズメント事業周辺への新たな展開が鍵となるでしょう。 法人営業の皆様には、本記事で紹介したアミューズメント機器業界の概要を業界各社へのアプローチ戦略にお役立ていただけます。また、無料で毎月100社まで法人データをダウンロードできるBIZMAPSを利用すれば、さまざまな属性や条件で企業を検索できます。営業戦略の立案にぜひご活用ください。 ▼法人営業に役立つ業界特集はこちらから! 機械業界とは?産業の基礎知識から注目の業界動向まで徹底解説! レジャー業界攻略ガイド:アミューズメント・観光・宿泊業界の魅力と成長 専門食品卸の業界分析!市場規模やトレンド、今後の動向をチェック 旅行業界とは? 今後の動向から徹底的に解説します! 半導体業界とは?デジタル革新の核心を担う産業の今後を徹底解説! ▼BIZMAPSのオリジナルタグを元にした企業特集はこちらから! キャラクター・ライセンスビジネスとは?近年の市場の動向と代表的な企業を紹介 事業再構築補助金とは?いつ申請するべきかスケジュールを解説します 芸能事務所とレコード会社の違いとは?企業情報15社を紹介します!人材サービス・求人広告などの営業を経て、現在Webライターとして活動中。文章の書き方や人材業界について、日経ビジネスで勉強しています。月30本観るレベルの映画好きで、感想ブログも始めました!(夕方からシネマ/https://yuugatakaracinema.blog)