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 営業成績向上のカギはデータ分析!基本分析とフレームワークを解説 「営業成績が伸び悩んでいる」「他社との差別化できない」と、お悩みではありませんか?人材不足や社会の変化などさまざまな課題が山積するなかで、成果を出し続けるのは難しいことです。そのようなときに考えたいのが、営業効率の改善です。そして営業効率を改善するために欠かせないのが、データ分析になります。 本記事では営業におけるデータ分析の基本や、営業分析の具体的なフレームワークをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

営業分析の概要と目的

営業分析は、企業が営業活動に関するデータを収集・解析し、戦略的な意思決定を行うためのプロセスです。 営業分析では売上データ、顧客の購買履歴、市場の動向、競合情報などの情報を活用して、効果的な営業戦略やマーケティング戦略を策定し、ビジネスの成果を最大化する手助けをします。

営業分析の目的

営業分析は、感覚や予感に頼らずに客観的なデータに基づいた意思決定を支援します。これによって、迅速な判断と確信を持って戦略を実行することが可能です。 ②市場の理解 営業分析を通じて市場の動向や顧客の傾向を把握できれば、ニーズの変化や新たな機会を捉えて競争力を維持・向上させられます。 ③売上最大化 売上分析や顧客分析によって、どの製品やサービスが最も売れているのか、どの顧客セグメントが最も収益をもたらしているのかを理解し、売上を最大化する戦略を展開できます。 ④競合優位性の構築 競合分析を通じて競合他社の強みと弱みを把握し、それに基づいて自社の戦略を調整して競争優位性を確保します。 ⑤リスク管理 営業分析は市場の変動や顧客の行動の予測を通じてリスクを特定し、対策を講じる手段を提供します。

営業分析のプロセス

営業分析のプロセスは、データの収集から戦略の実行とモニタリングまでの一連のステップで構成されます。具体的なプロセスは次の通りです。 1.データ収集 2.データの整理と前処理 3.データ分析 4.洞察の抽出 5.戦略の策定

1.データ収集

営業分析の第一歩は、必要なデータを収集することです。データはさまざまなソースから取得されます。主なデータソースは以下の通りです。 売上データ:売上金額、数量、地域、製品カテゴリなど、商品やサービスの売上情報です。 顧客データ: 顧客の購買履歴や行動データです。これを収集すれば、顧客の嗜好や行動パターンが把握できます。 市場調査データ:市場全体のトレンドや競合他社の情報を調査します。市場調査レポートや業界レポートなどの情報を活用しましょう。 競合情報:競合他社の戦略や市場シェアなどの情報を収集し、自社との比較を行います。

2.データの整理と前処理

収集したデータを分析に適した形に整理しましょう。データ整理と前処理のステップは次の通りです。 step1:データクレンジング データ内の欠損値や誤ったデータを特定し、修正または削除します。 step2:データ統合 複数のデータソースから収集したデータを統合します。たとえば、顧客データと売上データを関連付ける作業などです。 step3:データ変換 データを分析しやすい形式に変換しましょう。これにはデータの集計、正規化、スケーリングなどが含まれます。

3. データ分析

データの整理が完了したら、分析を行い洞察を得ます。主なデータ分析の手法は、下記の通りです。 記述統計: データの要約統計量を計算し、基本的な傾向や特徴を把握します。 相関分析: データ間の関係性を調査し、相関関係を明らかにします。 クラスタリング:類似した特性を持つデータをグループ分けします。顧客セグメントなどに利用されます。 予測モデリング: 過去のデータから未来の傾向や出来事を予測するモデルを構築します。

4. 洞察の抽出

データ分析の結果から得られた洞察を抽出します。これによって、市場のトレンドや顧客の行動に関する理解が深まるでしょう。 洞察の発見:データから新たな知見やパターンを見つけ出し、ビジネスにとって重要な情報を明らかにします。 仮説の検証:予想や仮説をデータに基づいて検証し、正当性を確認します。

5. 戦略の策定

得られた洞察をもとにして、営業戦略やマーケティング戦略を策定します。 ターゲットの特定:どの顧客セグメントに焦点を当てるかを決定します。 製品/サービスの最適化:どの商品やサービスを強化するか、改善するかを検討します。 プロモーション戦略の設計:どのようなプロモーションや広告戦略を採用するかを決定します。

6. 戦略の実行とモニタリング

策定した戦略を実行し、その効果をモニタリングします。 戦略の実行: 定められた戦略を実際に展開します。 成果のモニタリング: 実行した戦略の効果を定期的に評価し、必要に応じて修正します。 このようなプロセスを経て営業分析を行うことで、効果的な営業戦略を展開できるでしょう。

営業分析を実施する際のポイント

効果的な営業分析を実施するためには、ポイントを押さえることが大切です。具体的には、次の3点を確認しましょう。
  • 目標の明確化と重要な指標の選定
  • データの収集と品質の確保
  • データの可視化と洞察の抽出
 

目標の明確化と重要な指標の選定

成果を出すためには、まず分析の目的と目標を明確に定義することが必要です。何を知りたいのか、何を改善したいのかを明確にしましょう。 次に、ビジネスに影響を与える重要な指標やメトリクスを選定します。売上、変換率、リードタイムなど、ビジネスの成功に関わる指標を選びましょう。これによって分析の焦点が絞られ、効果的な戦略が構築されます。

データの収集と品質の確保

正確な分析結果を得るためには、適切なデータの収集と品質管理が欠かせません。信頼性の高いデータを収集するために、データソースや収集方法を慎重に選定するようにしましょう。 また、収集したデータには欠損値や誤りがある場合もあります。これらのデータの欠陥を修正するためにデータの前処理を行い、品質の確保を図ります。

データの可視化と洞察の抽出

データをグラフやチャートなどの可視化手法を用いて分かりやすく表示することで、傾向やパターンを容易に把握できます。これによってビジネスの成果や問題点が視覚的に理解しやすくなります。 また、データから洞察を抽出することも重要です。傾向の分析や特定のステージでの変換率の低下などを見つけ出し、改善点や機会を見つけましょう。データに基づいた洞察は、戦略の調整や戦術の改善に役立ちます。 これらのポイントを念頭において営業分析を実施することで、的確な意思決定とビジネスの成果最大化が実現できます。

営業分析の具体的な分析手法

 営業成績向上のカギはデータ分析!基本分析とフレームワークを解説 営業部門が市場のニーズを見極める目的で最初に行なうべき「市場を俯瞰するための分析手法」を紹介します。具体的には、次の3つです。
  • 動向分析
  • 要因分析
  • 検証分析
  それぞれを見ていきましょう。

動向分析で業界内の消費動向を客観的に理解する

営業部門が市場のニーズを見極める目的で行う「動向分析」の手法は、業界の動きや商品およびサービスのトレンドなどの大きな流れを、図やグラフなどを用いて把握する方法です。大まかなポイントとなる動きしかつかめないので、それぞれのターゲットにふさわしい商品やサービスを見極めることはできません。 小さくても重要な動きを把握することが必要です。そのため、営業部門がこの動向分析だけで営業数字を改善することは難しく、次に紹介する要因分析と組み合わせて用いられるのが妥当といえます。

要因分析で動向の要因について仮説を設定

要因分析の手法は、営業部門が業界の動向や自社の売上に影響を与えている要因を把握するための分析方法です。先の動向分析の結果に基づいて、そのような動向を生んだ要因となるのは何なのかという仮説を立てます。 たとえば、ある現象が起きたのがきっかけで売れた商材があれば、その現象に関連する別の商材も売れやすくなる可能性があります。このように、営業部門が要因分析によって売れるポテンシャルを持つ商材を見つけることも可能です。 ただし、あくまでも仮説の域を超えないため、検証しなければ営業数字に反映させるのは難しいでしょう。営業部門が仮説を検証するのに必要なのが次に紹介する検証分析です。

検証分析で仮説を裏付けるための検証をする

営業部門が動向分析で理解したことから仮説を立てる要因分析の手法と、多くの場合セットで行なわれるのが検証分析の手法です。検証して戦略に活かすための仕上げ段階といえるでしょう。 動向ならびに要因分析の結果である仮説がどれほど正確なものであるかを、テストと反証を繰り返して結論に導く方法です。検証分析にはただ資料となるデータを見比べるだけでなく、状況を理解した上でアイデアを出す着想力も求められます。場合によっては冒険性が強いテストが有効となるケースもあり、企業のマーケティング担当者や営業担当者の柔軟性が求められる段階であると言えるでしょう。 ここまでで3つの基本的な分析アプローチを紹介しましたが、正確な分析はデータの充分な蓄積という背景がなければ成立しません。経験や勘も大切ですが、それだけで分析しても根拠が薄い答えになりかねないので、データの収集と蓄積を入念に実行しましょう。 そして中長期的な展望で分析を行なうのが賢明です。厳選された良質なデータが多いほど、それを用いた分析は精度が高い、信頼できるものとなるのです。

営業分析の具体的なフレームワークとは

ここまでは基本的な3つの分析方法を紹介しました。ここからはより一歩踏み込んだ実践的な指標分析のためのフレームワークとして、以下の3つを紹介します。
  • KPI分析
  • エリア分析
  • 行動分析
  これら3つの指標分析フレームワークは実践的なものなので、分析して戦略を設定したらそれで終わりということにはなりません。 その戦略を実行した結果も検証し、PDCAサイクルを回して改善していくことが重要です。分析のための分析にならずに、あくまで実践で活かすためのデータ収集・蓄積と分析を行ない、発想を柔軟にして取り組むことが必要となります。各フレームワークを個別に、詳しく見ていきましょう。

KPI分析 〜目標とのギャップを把握〜

 営業成績向上はデータ分析方法から!基本分析とフレームワークを解説 KPI分析のKPIとは「重要業績評価指標」の意味です。設定されている目標数値に対して進行している状態はどうなのかを把握し、芳しくなければどうすれば目標に到達できるかという指標を設定する方法です。 難しそうに聞こえるかもしれませんので、分かりやすい例を挙げましょう。たとえば、営業部門でよく使われるKPIに以下の2つがあります。
  • 受注件数
  • 訪問件数
  KPIのひとつである受注件数が達成できれば訪問件数がどうであれ、それはそのまま営業担当者の目標の達成になり、チームの目標の達成のある部分を確定します。一方、訪問件数は伸びているのに受注件数が伸びないのは生産性が低いと判断せざるをえません。 すなわちKPIとは、営業担当者やチームが営業活動を進める際に、個々の指標の達成度合いを具体的な数値で測定することによって、全体の目標に向けてどれくらい進捗しているのかを理解するための指標なのです。 各担当者が個別の指標に対しての達成率をもとにして、どのようなアクションやプロセスで臨んでいるかを分析し、その先に行うべきアクションや数値的な目標を定めます。目標とそのために取るべき行動が決まれば、チームメンバーは各自のやるべきことを理解できるので、チーム全体のモチベーションの向上にもつながるのです。 KPIは数値ではっきりと指標化されうるものであり、最終的な成果を見るKGI(重要目標達成指標)に対しての中間指標的かつ重要な役割を果たしています。

エリア分析 〜地域的な条件を掌握〜

エリア分析は、顧客ターゲットの居住地域を軸に分析する方法です。ある商品やサービスに対して、ターゲットがどの地域にどれくらいの人数が居住または勤務しているのかというデータに基づいて、重点的にアプローチをかけるべき地域はどこかを検討します。あるいは地域に応じて広告をどのように変化させるのか、などの戦略を立てるためにも役立つ方法です。 例えば地域の特性を詳しくリサーチして、「このエリアはファミリー層が多い」「このエリアは単身者が多く住んでいる」「このエリアは昼間人口と夜間人口の差が激しい」などを把握します。 どの地域にどんな属性を持った人たちが住んでいるのかを調査することで、ターゲット顧客が本当にそこにいるのか、いるとしたらどれくらいの人数がいるのかを探るのです。例えば、RVのチラシをポスティングするのであれば、単身世帯が多い地域では効果が薄く、ファミリーが多い地域の方がより効率的と考えられるでしょう。 さらに深掘りすればターゲットの属性となるさまざまなデータや、地域に特有の文化傾向のようなことまで把握して戦略に落とし込む必要があるので、深い洞察力が求められます。

行動分析 〜営業手法の有効性を比較〜

行動分析は営業担当者のアクションや手法など細かく分析し、スキルの標準化を図って営業力の底上げを実現するための分析手法です。営業担当者によってスキルレベルが大きく異なり、チーム全体で標準化ができていないと、担当している地域ごとに成績にギャップが出やすくなります。 ロースキルの営業担当者に過去の経緯から売上が難しい地域を任せると、まず思わしい結果にならず、チーム全体の達成の足枷となるでしょう。 行動分析から、それぞれの営業担当者の顧客に向けたアクションをつぶさに分析することで、どういうふうに動けば業績が上がるのか、どういう動き方はダメなのかという活動のギャップが次第に見えてきます。どのスタッフにどの地域を任せるのがチームとしての販売力のバランス上よいのかを分析をすることで、全体の業績アップにつなげられるのです。 またこの行動分析はノウハウやナレッジの共有にとどまらず、それぞれの営業担当者が得意な商品の種類や相性が良い顧客グループを知ることにつながり、適材適所の配置を決めるのに効果を発揮します。

営業分析をアシストするエクセルの表計算ソフト

 営業成績向上はデータ分析方法から!基本分析とフレームワークを解説 分析を行うにあたってさまざまなツールを利用することで、効率的に作業を進めることが可能です。 ビジネスの現場に広く普及したエクセルは、ユーザーが自由かつ容易にカスタマイズできるところが最大のメリットです。分析が効率よくできるツールの代表格で、ここで紹介した分析方法の実行に効率的にも活用できます。 分析の軸を決めて列と行の項目設定をしておけば、あとはその都度基準を決めて並べかえや関数機能によって分析効率を向上させられます。エクセルの使用法に精通し、各分析方法の意味合いを的確に理解した人が使えば、コストをかけずに立派な分析ができるでしょう。 Googleのスプレッドシートはクラウド上で膨大なデータ共有が無料で利用できて、ほぼエクセルと同様の機能があります。しかもクラウド上で利用できて関連するメンバーとの共有もアップデートも容易です。 これらを活用すればコストをかけずに分析ができますが、ある程度使い方に精通していないと難しいかもしれません。もっと簡単に分析したい場合には、次に紹介するツールの利用がおすすめです。

営業分析の自動化はCRMやSFAで

CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)を利用すると、営業分析の自動化が実現できます。さまざまな分析機能や管理機能をはじめ、多くの便利な機能がパッケージされているので、パソコンが苦手な人でも問題ないでしょう。 ツールにはさまざまな種類があり、料金などもさまざまです。興味がある方は、以下の記事を参考にしてください。 営業支援システムとは?機能やメリット、活用時の注意点を徹底解説

営業分析と営業支援のこんな切り口も!

コストはかかりますが、ツール利用だけでは及ばない、更に踏み込んだ効果が得られる方法を最後に紹介します。 それは営業支援システムならぬ営業支援プラットフォームである「セールス・プラットフォーム」という法人営業支援サービスの活用です。 「セールス・プラットフォーム」は、ひとことで言えば「すべての営業をひとつにした営業特化型プラットフォーム」です。営業分析やSFA機能、顧客管理機能、アプローチの改善機能ほか、営業数字の向上に必要なあらゆる機能が包含されています。 その機能とは、次の通りです。
  • リスト作成機能
  • アプローチ機能
  • 自動分析機能
  • SFA(セールスフォースオートメーション)
  • MA(マーケティング オートメーション)
  • リモート商談機能
  上記6つの機能は、いずれも新時代の営業には欠かせないものです。「セールス・プラットフォーム」の活用によって、組織の業務効率化やデータ共有をサポートし、過去の実績の詳細なデータに基づく販売予測から、明確な目標を持った戦略が立案できるでしょう。 また単なる営業上の個々の問題を解決するだけにとどまらず、今後の成功を見据えた経営方針を打ち立てるためのソリューションの提供が可能です。適切な対策を提案するために、従来ならどこの組織でも見過ごしがちな営業の属人化を可視化し、ボトルネックを実際に特定できます。DXの一環と捉えて、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

営業分析はツールの活用が鍵

 営業成績向上はデータ分析方法から!基本分析とフレームワークを解説 営業に関する分析の基本的な3つの方法や、実践的な指標を設定した踏み込んだ分析を行う3つのフレームワークについて紹介しました。 まずビジネスの前提となる3つの基本分析で、対峙している市場を俯瞰します。次に実践的な指標分析のための3つのフレームワークで得た答えを、戦略に落とし込むという流れです。 市場分析や競合分析に役立つ便利なツールが豊富にあるので、それらを利用して効率よく進めるとよいでしょう。より強力な業績改善を求める場合は「セールス・プラットフォーム」の活用も、選択肢として検討してみてください。 なお、無料で毎月100社まで企業データをダウンロードできるBIZMAPSは、さまざまな検索条件を駆使してお目当ての企業を検索できます。法人営業の新規拡大戦略を構想するために、ぜひお気軽にご利用ください。 なお「営業」に関するおすすめ記事は下記のとおりです。参考にご覧ください! 【法人営業スキルアップ特集】必須3大スキルを磨く方法を徹底解説! 営業の事前準備7つ 商談前にチェックしてトップセールスマンを目指す! 営業職にストレスはつきもの?7大原因と解消法・対処法をご紹介! 新人営業マンは失敗談から学ぼう!営業の心得とテクニック ▼さまざまな業界に関するおすすめ記事は下記の通りです。合わせてご覧ください! 広告業界を徹底解説!市場規模や最新動向、売上ランキング上位の主要企業一覧も

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