スムーズな組織運営には、マネジメントをする管理職が欠かせない存在です。しかし、本来ならマネジメントを担うはずの管理職のマネジメント力が不足してしまうこともあります。 そこで今回は、マネジメント力が不足している人材の特徴や、マネジメント力の不足によって起きること、マネジメント人材不足の理由、さらにはマネジメント力が不足する人材の教育の方法などについてお話します。 マネジメント力の不足を自覚している方はもちろん、マネジメント人材の選定や教育を担っている方は参考にしてみてください。

1．マネジメント力不足の人材の特徴

管理職を任せたものの、チームの運営があまりうまくいっていないと感じていませんか。それはひょっとすると、その管理職人材にマネジメント力が不足しているのかもしれません。 マネジメント力が不足している人材の特徴を6つご紹介します。 これから管理職を選出するという方も、マネジメント力が十分にある人材を選ぶための参考にしてみてください。

マネジメント力不足人材の特徴①　コミュニケーションが少ない

マネジメント力が不足している人材の特徴として、部下とのコミュニケーションが少ないというものが挙げられます。仕事はできるのに、人とのコミュニケーションを取るのが苦手な人材は珍しくありませんが、マネジメントをする立場となっては大きなハンデとなるでしょう。 マネジメントには、部下のモチベーションや目標の管理をはじめ、部下の困りごとやチームの問題の解決などの業務も含まれています。 これらの業務を遂行するには、日常的に部下とコミュニケーションを取り、細かな情報共有をしていかなければなりません。そして、日常のコミュニケーションを通して信頼関係を築くのも必須です。コミュニケーションが不足している上司と部下の場合、実務にまで影響が出てしまうので、注意が必要です。

マネジメント力不足人材の特徴②　人材の配置ミス

マネジメント力が不足している人材の特徴として、人材の配置を誤ってしまうというものもあります。適材適所の言葉通り、メンバーそれぞれに合った仕事を割り振ることで業務効率化を図ることができます。 しかし、人材の配置を間違えると、苦手な業務や不慣れな作業をしなければならない人材が出てしまい、業務に遅れが発生する可能性があります。個々の得意や不得意など、部下のことをしっかり把握していなければ、生産性の高い配置はできないのです。 こうした配置ミスは、すでにご紹介したコミュニケーション不足が関係していると考えられます。

マネジメント力不足人材の特徴③　仕事を振らない

マネジメント力が不足している人材の特徴として、仕事を部下に振らずに自分で片付けてしまうというものもあります。管理職に抜擢される人材は、仕事が速く優秀な人が多いかもしれません。優秀なだけに、部下に仕事を任せるよりも自分がやった方が速いと考える人もいるでしょう。 しかし、マネジメントの仕事は業務を速く片付けるだけでなく人材の育成も含まれます。少し時間がかかっても、任せられる仕事は適宜部下に振り分けていく能力もまたマネジメントには必要なのです。

マネジメント力不足人材の特徴④　責任を取らない

マネジメント力が不足している人材の特徴として、責任を取らないというものもあります。 マネジメントを行う立場にいると、部下やチームとしての仕事の責任を取らなければばらない場面も出てきます。 部下のミスは自身の過失であると、自分が直接的にミスをしていなかったとしても、部下がミスをしたら上司として責任を取らなければならないのです。 しかし、マネジメント不足の人材は責任を取るのを嫌がります。部下のせいにしたり、責任逃れをしたりすることもあるようです。

マネジメント力不足人材の特徴⑤　管理能力が低い

マネジメント力が不足している人材の特徴として、管理能力が低いというものもあります。 マネジメント業務は、目標を達成するためにも管理業務が重要なため、管理能力の不足は致命的とも言えるでしょう。 部下の仕事や他部署の進捗状況、スケジュール、日々の数値など、管理しなければならない事柄が多いです。さらに、目標を追うだけでなく、遅れていれば軌道修正をかけていくのもまた管理者としての任務です。 こうした管理に加えて自分自身の業務もあるので、管理に手が回らない人材も珍しくありません。

マネジメント力不足人材の特徴⑥　気分に左右される

マネジメント力が不足している人材の特徴として、そのときの気分や感情に流されやすいというものもあります。マネジメント力の高い人材は、感情的にはならずに常に冷静に部下と接することができるものです。 しかし、感情に任せて怒ったり、目標に届かず焦ったりしてしまう人材も中にはいます。不機嫌で話しかけにくい雰囲気をまとった管理職では、部下は気軽に相談や意見ができません。さらに、ピリピリとした空気が広がり、チーム全体の雰囲気まで悪くなってしまいます。 「アンガーマネジメント」という言葉がありますが、自分の感情にすら振り回されているようでは、部下を適切に管理するのは難しいかもしれません。

2．マネジメント力の不足で起きること

マネジメント力が不足している管理職がいる現場では、どのような影響が生じるのでしょうか。 ここでは、管理職のマネジメント力の不足によって起きる問題を4つご紹介します。 部署で起きている問題は、実はマネジメント力の不足が原因している可能性があるので、確認してみてください。

マネジメント力の不足で起きること①　モチベーション低下

マネジメント力が不足することで、部下のモチベーションの低下が起きることがあります。 マネジメント業務には、部下のモチベーションの管理もまた含まれています。しかし、モチベーション管理を怠っていると部下のやる気が下がり、結果として目標の未達につながることもあります。 部下と密にコミュニケーションを図りながら、部下のやる気を引き出す工夫が必要なのです。

マネジメント力の不足で起きること②　労働環境の悪化

マネジメント力が不足することで、労働環境が悪化することもあります。 管理職は、メンバーの働きやすい環境を整えるのも仕事のうちです。しかし、マネジメント力が不足している人材が管理職になると、労働環境が悪くなってしまうことがあります。例えば、仕事の割り振りがうまくいかず業務量が人によって偏ると、残業が増えたり、やる気がなくなったりします。 労働環境が悪いと人材が外に流れ、人手不足でさらに労働環境が悪化することもあるかもしれません。

マネジメント力の不足で起きること③　部署間の関係悪化

マネジメント力が不足することで、他部署との関係悪化が起きる場合もあります。しっかりマネジメントを行えば、他部署との連携を取り良好な関係を保つことができます。しかし、マネジメント力が不足した人材が上に立つと、他部署にまで気が回らなくなり、業務上で迷惑をかけることもあります。 自分のチームのことだけ考え、他部署に気を遣えないようでは、部署自体のイメージまで悪くなります。そして、部署が社内で孤立して働きにくい雰囲気になってしまうでしょう。

マネジメント力の不足で起きること④　企業イメージの低下

マネジメント力が不足することで、企業のイメージ低下にまでつながることもあります。 マネジメント力が不足していると、クライアントへの対応の中でクレームが起こりやすくなります。クレームにつながってもうまく対応できなければ、さらにクライアントからの印象が悪くなるでしょう。 すると、最終的には企業自体のイメージが悪くなってしまうこともありえるのです。

3．マネジメント人材が不足

現代の日本では、マネジメントの経験が豊富な人材の不足が深刻になっています。これまで組織を引っ張ってきた管理職の世代が定年を迎えて第一線を退いたり、早期退職したりしているのがマネジメント人材不足の理由のひとつです。 また、管理職に就くのを希望しない若い世代も存在するため、現場は常にマネジメント人材が不足した状態になっています。さらに、日本ではまだまだ年功序列型を取っている企業も多く、日々の業務で結果を出すことに重きを置いた働き方が主流です。 そのため、日常の業務をこなすのがうまい人材ばかりが多く、組織の中で積極的に発言や行動ができる経営者向きの人材が不足しがちになっているとも言えます。 マネジメント力はもともとの能力だけでなく、長年の経験によって培われるものでもあります。マネジメント人材の育成は時間がかかるものと理解し、気長にマネジメント人材を育てていく必要があるでしょう。

4．脱マネジメント力不足！管理職の教育法

マネジメント力が不足すると、現場にさまざまな影響が起きるため、スキルの高いマネジメント人材が欠かせません。しかしながら、現代の日本では十分なスキルを持った管理職候補が不足しているのが現状です。 ここでは、マネジメント人材を育てるための教育方法をご紹介します。 マネジメント力の不足にお悩みの方は参考にしてみてください。

①早期からのマネジメント教育

マネジメント力の不足を解消するために、社内の人材には早い時期からのマネジメント教育を行うのをおすすめします。 マネジメント力は基本的に、いくら頑張って指導や対策をしても今日明日で習得できるものではありません。そして、40代50代の人材にいきなりマネジメント力を付ける教育を受けさせても、長年の習慣が染みついているだけに、スキルを身に付けるのが難しいとも言えます。 そのため、マネジメント力の教育をするなら、20代など早めの時期にはじめるのが望ましいのです。まだビジネスパーソンとして成熟する前だからこそ、マネジメント力がスムーズに身に付きやすいでしょう。

②マネジメント意識を高める

マネジメント力の不足を解消するために、マネジメントに対する意識を高めるのも重要です。 マネジメントする立場に立つと、現場を俯瞰的に見て、かつすべて自分に関係している事柄としてとらえる必要があります。このマネジメント的意識を常に持つことで、実際にマネジメントの業務に入ったときに自分のすべきことが見えやすくなるのです。 自分の業務だけしていれば良いという意識から脱却するのが、マネジメント人材への大きな一歩です。

③マネジメント研修を導入する

マネジメント力の不足を解消するために、マネジメントの研修やセミナーを導入していきます。 研修の内容は、できれば学びと実践を何度か繰り返すような流れを作るのがおすすめです。座学だけでは実際の業務に結び付けられず、研修の時間が無駄になってしまうことも考えられます。 しかし、実践を交えると業務に活かすイメージがつきやすいので、マネジメント力を効率的に磨くことができます。

④管理職とのコミュニケーションを増やす

マネジメント力の不足を解消するために、管理職候補の人材と管理職とのコミュニケーションの機会を増やしましょう。 スキル向上の研修の効果はある程度期待できますが、意識の変革をもたらすなら、現役の管理職に管理職としての心得を伝えてもらうのがおすすめです。時間はかかるかもしれませんが、現役の管理職によるリアルな言葉は管理職候補の心に突き刺さりやすいからです。 また、普段ゆっくりコミュニケーションを取る機会がそう多くない管理職との接触は、良い緊張感が生まれ、管理職としての意識の高まりにもつながるはずでしょう。

5．マネジメント力不足まとめ

マネジメント力の不足な人材の特徴や、マネジメント力の不足で起きる影響、マネジメント人材が不足している理由、さらにはマネジメント人材の教育方法などをお話しました。 マネジメント力の不足は、現場の雰囲気や仕事の成果に直結するので、管理職の業務の様子や組織の雰囲気を確認し、うまくチームが回っているかを確認する必要があります。そして、適宜教育を取り入れていくのがおすすめです。 そうは言っても、マネジメントスキルはすぐに身に付くものではありません。反省や改善を繰り返しながら、気長に管理職が育つ社内の環境を整備し、人材も企業も成長させていきましょう。

6．マネジメントに関するおすすめ記事

今回は、マネジメント力の不足について特にお話しましたが、そのほかマネジメントに関連する記事を集めてみました。 そもそもマネジメントとは？という内容から、おすすめの書籍、さらに組織の成長に役立つ内容まで網羅しています。 ぜひ参考にしてみてください。 マネジメントコントロールの手法3つ！メリットやコツも徹底解説！ マネジメントに向いている人・いない人の特徴とは？必要なスキルも解説 マネジメント能力とは？不可欠なスキルや身につけるポイントを解説 「マネジメント」の意味は？役割や課題・スキルアップを徹底解説！ マネジメント本おすすめ18選！初心者向け～名著まで幅広くご紹介！ リーダーシップとマネジメントの4つの違いとは？必要なスキルも紹介 マネジメント・バイアウト（MBO）とは？メリットや手順を徹底解説！ ピープルマネジメントとは？その効果や成功のポイントを解説！ マネジメントサイクルとは？その種類や効果を徹底解説！ BIZMAPSでは170万を超える企業データを無料で公開しています。会員登録で月100件までなら無料でダウンロードも。しかも、約3200人のリサーチャーを抱えているため、情報の鮮度にも自信があります。 特に、手間なくリストの数を増やしたい企業には、「リストプラス」というプランがおすすめ。ハウスリストとダブりのない企業情報のみを購入できるので、すぐに利用可能なリストを一気に増やすことができます。 営業リスト作成の効率化にお役立てください。 活用事例はこちら

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