マネジメントにおいて、チームやメンバーの目標設定はとても重要な要素です。特にメンバー個人の目標設定は、マネジメントにおいて必要不可欠であり、組織全体の成果にも大きな影響を与えるでしょう。 今回は、マネジメントにおいてなぜ目標設定が必要なのか、成功させるポイントや具体例などをご紹介していきます。SMARTの法則やMBOについても解説します。 管理職の方にとって必読の内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでいただき、チームマネジメントの参考にしてください。

マネジメントにおける目標設定とは？

マネジメントにおける目標設定は、以下の3つが存在します。 1.チーム全体が達成すべき目標設定 2.個人が目指す目標設定 3.マネージャー自身の指針となる目標設定 それぞれについて解説していきます。

組織全体が達成すべき目標設定

組織をマネジメントしていくうえで、マネージャーははじめにチーム全体の指針となる目標設定を行う必要があります。 例えば、営業部のマネージャーが営業部門全体をマネジメントしていくなら、前年よりも売上をアップさせることを目標に設定するでしょう。また、営業課長がチームのマネジメントをするのなら、営業課全体で獲得すべき成約件数などの目標設定を行います。 組織全体の目標は、チームに属するメンバー全員が目指すべき到達点を明確にするためにとても重要な要素です。そして目標に基づいて、行動計画や具体的な業務のプロセス・評価基準を決定していきます。

個人が目指す目標設定

組織の目標達成のためには、チームに属するメンバー個人レベルの目標設定も必須です。マネージャーはチームの目標達成を達成するために、個々が目指すべき目標設定を促す役割をもってマネジメントをしていきます。 人材育成の観点では、個人の成長を意識した目標設定を行うことも大切です。マネジメントにおいては、マネージャーとメンバーの個人面談でコミュニケーションをとりながら目標設定を行っていきます。

マネージャー自身の目標設定

組織全体と個人だけではなく、マネージャー自身の目標設定もするべきです。 なぜなら、チームとメンバーが目標を達成するためには、マネージャーとしてのマネジメントのアクションや役割を明らかにすることが大切だからです。チームをマネジメントする立場として、マネージャー自身の目標設定を行っていきます。 例えば、営業課長としてマネジメントをする立場なら、営業課の目標を達成するためにすべき行動を考え、営業課長の役割を反映した目標設定を行います。 チームとそのメンバー個人の目標達成のためにどうマネジメントしていくかが、マネージャーとしての目標設定に必要な観点です。

マネジメントで目標設定はなぜ必要なのか？

マネジメントにおいて目標設定が必要な理由は、以下の4つを挙げられます。 1.目的や方向性を明確化して目標を達成するため 2.モチベーションや業務効率を向上・維持させるため 3.業務の進捗を把握しやすくするため 4.個々の役割を明らかにするため それぞれ解説していきます。

目的や方向性を明確化して成果を上げるため

マネジメントで目標設定が必要な理由は、目的や方向性を定めて成果を上げるためです。組織が成果を上げるためには、所属する社員が一丸となって到達点を目指すことが重要になります。 しかしながら、組織は多様な価値観・能力をもった人材の集まりなので、指針がないと足並みを揃えることが難しいでしょう。 マネジメントにおける目標設定では、チーム全体・メンバー・マネージャーそれぞれの方向性を定めることができます。そしてその目標に沿って、成果というゴールに向かうための計画を立てていきます。

モチベーションや業務効率を向上・維持させるため

マネジメントで目標設定が必要な理由は、モチベーションや業務効率を向上し維持し続けるためでもあります。 マネジメントで目標設定を行うことで、メンバーは達成を目指して行動することがモチベーションとなるでしょう。目標達成のために責任感をもって業務を行うことでメンバーの自主性が生まれ、高い士気をもって仕事をすることが期待されます。 メンバーそれぞれが高いモチベーションを維持しつつ、自主性をもって仕事をしていれば、組織の業務効率を高め続けることができるでしょう。

業務の進捗を把握しやすくするため

目標設定をすることで、向かうべき到達点にどのくらい近づいているかが明確になり、進捗状況を把握してマネジメントしやすくなります。目標設定の方向性にブレがないか、都度見直すことで大きく方針を間違えることはなくなるでしょう。 例えば、営業部の社員が個人目標を「半年で20件の成約を獲得する」と設定したとします。3ヶ月経過した時点で成約数が10件を満たない場合ならば、目標達成が厳しそうだと判断し、改善に向けた手段を考えられるでしょう。 組織・個人がマネジメントの一貫で目標設定をすることで、進捗状況を把握でき、業務の改善をスムーズに行うことにつながります。

個々の役割を明らかにするため

マネジメントとして目標設定を行うことで、個人の役割を明らかにすることができます。 個々の役割を明らかにすれば、目標達成のために業務上必要な人員の配置やタスクの割り振りがしやすくなるでしょう。結果的にメンバーが行うべき業務や役割がはっきりとしてきます。 役割が明らかになればメンバーの士気もあがり、組織全体の生産性向上にも寄与するでしょう。

マネジメントの目標設定に役立つSMARTの法則

マネジメントにおける目標設定に役立つ「SMARTの法則」についてご紹介します。 SMARTの法則は目標設定のフレームワークとして有名ですが、マネジメントにおいても効果的であるといえます。次は「SMART」の頭文字をとった、SMARTの法則を構成する要素です。 1.Specific：具体的 2.Measurable：測定可能 3.Achievable：達成可能 4.Relevant：関連性のある 5.Time-bound：期限をもつ 以下では、マネジメントの目標設定に効果的なSMARTの法則における5つの要素について解説していきます。

1.具体的な目標設定

マネジメントにおいては、全チーム員が理解できる具体的な目標設定が求められます。 なぜなら抽象的な目標設定では、達成のために必要なアクションがあいまいになってしまうからです。達成すべき内容が明確かつ具体的な目標であれば、スムーズに行動を起こすことができます。 例えば、「売上アップ」と「年間売上を前年比の120%にする」という2つの目標では、後者のほうがより具体的な目標設定といえるでしょう。どのくらいのペースで売上を増やすか、が言語化されています。 アクションの計画を立てるためにも、具体的な目標設定が大切です。

2.測定可能な目標設定

マネジメントにおいては、数値で測定可能な目標設定が望ましいといえます。なぜなら数値は具体性があり、メンバー自身の自己評価と上司の評価の両方がしやすいためです。 また、数字で表せない目標は、具体的な計画や行動にうつしにくいからという理由もあります。実際に行動できれなければ、目標が形骸化されている状態で、当然ながら達成は不可能です。 達成すべき数値が明確な目標であれば、スムーズに行動を起こすことが可能です。

3.達成可能な目標設定

マネジメントにおける目標設定で気をつけるべきなのが、その目標が達成可能かという視点です。達成が現実的でない目標設定はふさわしくありません。 目標の程度としては、頑張れば到達できるものが望ましいでしょう。マネジメントの目標設定の目安としては「前年比120%」程度を目指すことが適当であるといわれています。一方で達成が非現実的な高い目標設定をしてしまうと、メンバーのやる気がそがれます。 マネジメントの観点としては、組織の業績アップとメンバーの成長、どちらも現実的な目標を設定すべきです。

4.関連性のある目標設定

マネジメントにおいては、個人とチーム全体の目標設定が関連するように導くことがとても重要です。 なぜなら、マネジメントは組織が成果を上げるためのものであり、マネジメントの業務内容として目標設定があるからです。メンバーがバラバラのルートへ走り出してしまえば、組織の成果は遠のいてしまいます。 マネージャーは、組織の方針をメンバーにわかりやすく説明する必要があるでしょう。また、個人の目標設定を行うとき、チームの目標とかけ離れていないかチェックする役割もあります。

5.期限のある目標設定

マネジメントの目標設定において、期限を設けることはとても大切な要素といえます。 なぜなら、目標達成のために行動をしようとしても、リミットがないと先延ばしをしてしまう恐れがあるからです。 マネジメントにおいては、目標設定時に期限を設けて、達成度合いの把握や最終的な評価も行います。個人も組織の目標設定と同様、1年・半期・四半期・月間と、期間を分けて目標設定を行うとよいでしょう。 期日を設けることで「締め切り効果」となり、目標達成に向けたモチベーション維持にも役立ちます。

マネジメントの目標設定に効果的なMBOとは？

マネジメントにおける目標設定に効果を期待できる手法として、「MBO（目標管理制度）」がコロナ禍以降注目されています。 MBOの特徴は、経営陣やマネージャーからの命令ではなく、メンバーが自主性をもって目標を設定することです。メンバー自身で自律的に行動することで目標達成度合いに応じて評価を受けます。 メンバー自身が目標設定をすることで、生産性の向上やマネジメントの基となる人材育成につながります。 個人の自主性を重んじる一方、低い目標を設定したり、組織への帰属意識が薄れたりするデメリットもあります。

MBOを用いたマネジメントの目標設定の方法

MBOを採用した、マネジメントの目標設定の方法4ステップは以下のとおりです。 1.企業としてのゴールに合った目標を設定する 2.目標設定から達成までを行動計画に落とし込む 3.行動計画を基に業務を遂行する 4.目標の達成度についての評価・フィードバック 以下で解説していきます。

1.企業としてのゴールに合った目標を設定する

企業の理念や目標設定に沿って、メンバー個人の目標設定を行います。なぜなら、MBOの最も重要な目的は、企業の成果を上げることだからです。 マネジメントとしてMBOを導入するにあたって、マネージャーの研修会・メンバーへの説明会や目標設定研修を行い、理解を得ることが必要です。 メンバーの目標設定の内容に対して、マネージャーは企業の目標と同じベクトルであるかなどを確認します。

2.目標設定から達成までの行動計画を策定する

マネージャーがメンバーの目標を確認できたら、達成までにすべき行動を計画していきます。不測の事態が起こったときのために、複数のプランを練っておくとよいです。行動計画は、メンバーの目標が「年間売上高1200万円」だったら、達成するための具体的な計画を立てます。 行動計画を策定する際は、次の2つを取り入れましょう。 ・前年度に実行した内容や売上を振り返り、前年と比較して目指すべき新規顧客やアポ取得数を割り出し、計画に落とし込む ・エクセル・スプレッドシート・専用ツールなどで目標管理シートを作成し、目標と行動計画を記入する

3.行動計画を基に業務を遂行する

目標設定と行動計画策定が終われば、実務を行っていきます。目標管理シートにて、期間・達成度合いをチェックしながら業務を行います。もし業務上の問題が起きて目標達成が難しい場合は、メンバーはマネージャーに相談し、行動計画の見直しを行います。 組織内のメンバーに課題が発生した場合は、他のチーム員がフォローする社内風土があることがマネジメント上望ましいです。

4.目標の達成度についての評価・フィードバック

目標設定時に決めた期日を過ぎたら、達成の状況を評価・マネージャーからのフィードバックを行います。 マネージャーとメンバーは個人面談の機会を設け、目標設定当初から期日までの、計画に基づいた行動を振り返りましょう。メンバー自身の自己評価、およびマネージャーからの客観的評価とフィードバックを行います。 MBOにおけるマネジメントでは、数字で可視化できる結果だけでなくプロセスについても評価することが重要です。MBOを用いたマネジメントでは、振り返り・評価とフィードバックの繰り返しが効果的といわれています。

マネジメントの目標設定を成功させるポイント

マネジメントにおいて目標設定を成功させるポイントは、以下の3つです。 1.個人目標は納得できてやりがいを感じられる内容にする 2.目標達成に必要な業務をできる限り細分化する 3.業務の一部を外注化する 下記にて順番に見ていきましょう。

1.個人目標は納得できてやりがいを感じられる内容にする

組織の目標とのすり合わせで「やらされている感」が出ないようにし、メンバーが不平不満を感じないようにマネジメントするのが目標設定のコツです。 個人の成長についての目標設定も、組織にとって重要です。組織の成果を向上させるだけではなく、メンバー個人の成長についても目標設定をすれば、日々やりがいを感じられるでしょう。

2.目標達成に必要な業務をできる限り細分化する

マネジメントにおける目標設定のコツとして、達成までに必要な業務をできる限り細分化することがあります。 業務を細分化することで、目標達成までの道筋をイメージしやすくなります。ゴールのイメージができない目標設定は、ブレが生まれやすく適していません。 細かいタスクに落とし込んで、一つずつ積み上げていくことで達成できるならばメンバー自身もイメージしやすいでしょう。個人のタスクが見えてくるため、マネジメントの観点からも管理しやすいといえます。 マネジメントにおける目標設定では、マネージャーからメンバーにタスクの細分化を促すようにしましょう。

3.業務の一部を外注化する

目標設定の期日までに達成が難しい場合は、メンバーのリソース確保のため、一部業務を外注化することも手段としてあります。 例えばBIZMAPSのようなサービスを利用すれば、ターゲットの情報を効率よく取得して営業リストを充実させられます。 また、アポ取得のための電話代行などを活用すれば、メンバーは商談に集中できて成約確度を上げられるでしょう。マネジメントにおける目標設定のコツとして、外注化も検討すべきです。

マネジメントにおける目標設定の具体例

マネジメントにおける目標設定の具体例をご紹介します。 個人の目標設定についての面談を想定して、マネージャーがメンバーの目標についてどのようにマネジメントするか解説していきます。 面談ではまず、メンバーの目標をヒアリングします。 メンバーの目標は「自社サービスＡの年間売上1,000万円を達成する」としましょう。このときマネージャーは傾聴を意識して、最後まで話を聞くようにしてください。メンバーが説明を終えたら、メンバーの目標設定についてのフィードバックを行いましょう。SMARTの法則に照らし合わせて、目標の内容を確認していきます。 メンバーの目標のよい点は、1年間という期日の設定、売上1,000万円という測定可能な目標になっているところです。指摘すべき点としては、具体的な計画も目標に盛り込むとよりよい目標になるというところです。 例えば、目標に以下のような内容が盛り込まれているとよいでしょう。 ・新規顧客獲得のため、営業リストのXX業界にアプローチする ・別サービスに契約中の既存顧客に、自社サービスAの提案をする　など 他にも、企業理念や組織の目標との方向性にブレがないか、達成可能かなどを確認し、メンバーにフィードバックを行いましょう。再度の目標設定が必要な場合は、見直すポイントを伝えて修正を促します。

まとめ：マネジメントには目標設定が重要！

マネジメントにおける目標設定について解説してきました。企業が成果を上げるためには、配下のチームや社員がそれぞれ目標設定をし、マネジメントしていくことがとても重要です。 この記事でご紹介したSMARTの法則や、目標設定を成功させるポイントなど、ぜひ組織のマネジメントの参考にしてください。 BIZMAPSでは、170万社以上の登録企業データの閲覧ができます。また、月100件までなら無料会員登録のみでリストダウンロードが可能。 他にも、ボリュームをもったアプローチを実現できる「定額プラン」はコスパがよくおすすめです。ハウスリストの検索軸に近い新規企業を効率よく増やせる「BIZMAPSリストプラス」などもご用意しています。 営業リスト作成の効率化に、ぜひご活用ください。詳しくはこちら ▼マネジメントに関するその他の記事はこちら 「マネジメント」の意味は？役割や課題・スキルアップを徹底解説！ マネジメント本おすすめ18選！初心者向け～名著まで幅広くご紹介！ マネジメント能力とは？不可欠なスキルや身につけるポイントを解説 リーダーシップとマネジメントの4つの違いとは？必要なスキルも紹介 マネジメント・バイアウト（MBO）とは？メリットや手順を徹底解説！ ピープルマネジメントとは？その効果や成功のポイントを解説！ マネジメントコントロールの手法3つ！メリットやコツも徹底解説！ マネジメントに向いている人・いない人の特徴とは？必要なスキルも解説 マネジメントサイクルとは？効果や種類・うまく回すコツを徹底解説！

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