おたか 0 Comments
【経営者必見】赤字経営からの立て直し術!やりがちなミスや成功事例まで徹底解説! 日本では事業を立ち上げても、10年経つと約10%未満、20年後は約0.4%未満の企業しか生き残れないといわれています。 自社が赤字の状態である場合、経営破たんに追い込まれるのではないかと、不安に思う経営者もいるでしょう。 赤字経営をずっと続けてしまうと会社存続が危ぶまれます。しかし、適切な方法で経営の立て直しを行えば、黒字化を目指すことはできるでしょう。手遅れになる前に、赤字経営から立て直す方法を実践すべきです。 今回は経営者の方に向けて、赤字経営の立て直しに役立つ内容を解説していきます。経営立て直しが必要な理由や行うべき対策、経営者がやりがちなミス、経営を立て直した成功事例などをご紹介します。 経営者の方はぜひ最後まで読んでいただき、赤字経営からの脱却へのヒントを探してみてください。

目次

「赤字=倒産」ではない!経営立て直しはなぜ必要?

【経営者必見】赤字経営からの立て直し術!やりがちなミスや成功事例まで徹底解説! 赤字を計上したからといって、ただちに倒産するわけではありません。 赤字には「良い赤字」と「悪い赤字」があります。経営の立て直しをすべきなのは、悪い赤字の会社です。 では、良い赤字と悪い赤字とは、どのようなものなのでしょうか。 以下では、良い赤字と悪い赤字の例をそれぞれ挙げています。詳細を見ていきましょう。

良い赤字の例:先行投資による一時的な赤字

良い赤字の例として、収益より大きな額の事業への先行投資をしたことにより、一時的な赤字となった場合が挙げられます。 Amazonの事例をご紹介します。 Amazonは事業を立ち上げて以来、システム・人材・広告などを成長させるために資金を投資していました。赤字になる借り入れをしながらも、先行投資に比例して売上も増えています。将来の成長のためにあえて赤字状態をいとわないのは、立派な経営戦略です。 会社を設立した間もない「創業期」に行う投資による赤字のように、戦略的な投資の結果の赤字は、良い赤字といえるでしょう。

経営立て直しが必要な悪い赤字の例5選

経営の立て直しが必要となる「悪い赤字」は、以下の5つです。 1.利益を生み出せないビジネスモデルになってしまっている 収益が増えず悪循環に陥ってしまうため、事業を存続させるか検討すべきです。 2.業界全体の先行きが明るくない AIの台頭や少子高齢化社会などによる影響を受けながらも、ビジネスチャンスをつかめるかが経営立て直しのカギとなるでしょう。 3.市場の変化により売上単価が低下 2020年以降、新型コロナウイルス感染拡大により影響を受けた企業は多数あります。経営の立て直しには市場調査・マーケティングリサーチが必要です。 4.原材料価格の高騰による影響 ロシアのウクライナ侵攻や新興国での需要の高まりなどによって、エネルギー価格が高騰しています。国内の天候不順、その他複数の要素による原材料価格の高騰は、事業のコスト増への影響が大きくなっています。コスト増の影響を見極めた経営の立て直し策が必要です。 ライバルの出現でシェアが縮小した 経営の立て直しには顧客のニーズへの深い理解とマーケティング戦略が必要です。

赤字経営のメリットとは?立て直しは必要ない?

【経営者必見】赤字経営からの立て直し術!やりがちなミスや成功事例まで徹底解説! 会社をあえて赤字の状態を継続して経営していくことで、得られるメリットを2つご紹介します。 1.欠損繰越金控除を活用できる 2.法人住民税の負担が軽減される 以下にて赤字経営のメリットの詳細を解説します。

1. 欠損金繰越控除を活用できる

赤字経営で受けられる恩恵の1つは「欠損金繰越控除」を受けられることです。 「欠損金」は財務会計上の赤字のことです。欠損金繰越控除とは、欠損金が発生した翌年度以降から10年の間に利益が出た場合、損益のプラスマイナスを相殺できる制度をいいます。 今年度が赤字でも翌年度以降に黒字化できた場合、利益と欠損金を相殺できれば課税所得が減少するため、法人税の減額が可能です。なお、繰越期間は平成29年度までは9年間で、平成30年度以降の事業年度は10年間に改正されました。 具体的な例として、ある会社の2022年度の欠損金が1,000万円だったとします。この年の課税所得はマイナス1,000万円です。翌年2023年度に黒字化し2,000万円の純利益が発生したとします。課税所得は本来2,000万円に対して課せられますが、欠損金繰越控除を利用すると以下のように1,000万円になります。 (2023年純利益)-(繰越欠損金)=(課税所得) 2,000万円   - 1,000万円 = 1,000万円 赤字経営の場合は欠損金繰越控除を活用すれば、税負担を軽減できます。

2. 法人住民税の負担が軽減される

赤字経営のメリット2つめは、法人住民税の負担が軽減されることです。 法人住民税とは、均等割と法人税割の2つの税割で構成されています。均等割は、資本金の額や従業員の数に応じて定額の負担が求められるものです。一方、法人税割は法人税額に応じて課されるため、課税所得が発生する黒字企業だけが支払う義務があります。 つまり、赤字経営の場合は、法人住民税のうち均等割のみ支払えばよいということです。

赤字経営の立て直しをしないデメリットとは?

【経営者必見】赤字経営からの立て直し術!やりがちなミスや成功事例まで徹底解説! 赤字のまま経営を立て直さずに受けられるメリットより、やはりデメリットのほうがインパクトは大きいです。赤字経営のデメリットとして、以下の2つが挙げられます。 1.金融機関からの信用低下 2.経営破たんのリスクが上がる 赤字経営のデメリットについて詳しく見ていきましょう。

1. 金融機関からの信用低下

金融機関にとって、貸付している会社が赤字経営を行っているのは全く望ましくありません。会社側としては欠損金繰越控除をねらって打算的に赤字経営をしているとしても、金融機関から好意的な評価は得られないでしょう。 実際に赤字経営の場合、融資の審査は厳しくなり、金融機関からお金を借りるのは難しくなります。銀行としても貸付金が回収できないリスクは避けたいため、当然でしょう。金融機関からの信用を回復するためにも、赤字経営から立て直して黒字化を目指す行動は重要です。

2. 経営破たんのリスクが上がる

赤字経営を続けていれば、金融機関からの融資を受けられない状態も続き、結果的に会社の資金が少なくなる可能性が高いです。 会社の資金に余力がなくなれば、以下の支払いが滞り、経営破たんのリスクが高まります。 ・従業員への給与支払い ・仕入れ代金 ・借入金の返済 会社の倒産を回避するためには、赤字経営からの立て直しが必要です。

赤字経営から黒字化へ立て直しの対策とは?

【経営者必見】赤字経営からの立て直し術!やりがちなミスや成功事例まで徹底解説! 赤字経営から黒字化へ好転させる、立て直しのための対策は、リストラクチャリングを行うことです。 リストラクチャリングとは、事業を再構築することを意味します。リストラというと、社員の解雇をイメージされることが多いですが、リストラクチャリングの一要素に過ぎません。 赤字を黒字化させる経営立て直し対策として、以下3つのリストラクチャリングを実践すべきです。 1.事業リストラクチャリング 2.財務リストラクチャリング 3.業務リストラクチャリング それぞれの経営立て直し対策について解説していきます。

1. 事業リストラクチャリング

事業リストラクチャリングとは、事業の「選択と集中」を行うことです。 具体的には、 ・赤字事業からの撤退・規模縮小 ・高収益・成長事業に経営資源を集中する ・客単価を上げて売上を向上する を目指します。 なかでも、客単価を上げるためには、 ・商品価格を上げる ・高い利益を生むバックエンド商品を作る ・商品の販売方法を工夫する ・顧客にリピートしてもらえる仕組みを作る などを実践していきましょう。 ▼経営戦略の立て直しに役立つ「経営ダッシュボード」に関する記事はこちら▼ 経営ダッシュボード活用法|10のポイントで効果的なビジネス戦略

2. 財務リストラクチャリング

財務リストラクチャリングとは、経営の立て直しを目的としたキャッシュフローの改善方法です。 事業や経費についてのリストラクチャリングと比較すると、高度な知見が必要になります。会計・財務の専門家である公認会計士や税理士、財務コンサルタントなどのプロに依頼しましょう。 なお、財務リストラクチャリングを構成しているのは、以下の3つです。 ・資産リストラクチャリング ・負債リストラクチャリング ・純資産リストラクチャリング

3. 業務リストラクチャリング

業務リストラクチャリングとは、営業利益を増やすための行為であり、以下3つで構成されます。 1.売上を向上する 新規事業への取り組みやマーケティング戦略で売上高の増加を目指します。 2.売上原価を減らす 既存の仕入れ先に仕入原価の圧縮を交渉するか、新しい仕入れルートを開拓していきましょう。長年付き合いのある仕入先は高い価格設定でも、関係性を理由に継続していることが多いです。新しい事業へ参入する場合は、全く別のルートで売上原価の削減を行う絶好の機会でしょう。 3.経費を削る あらゆる経費が対象となり、大規模な人事のリストラクチャリングも含まれます。人材のリストラクチャリングは労働法に抵触するため、慎重な対応が求められます。 経費削減のわかりやすい例として、外注費と人件費を挙げてみましょう。 ・外注費 経営立て直しの最中は内製化できるものはなるべく自前で行い、必要のない外注費を削減します。経営陣がトップダウンで指示をするより、現場社員の意見を取り入れながら、必要なものは残して無駄を省きましょう。 ・人件費 特に福利厚生費は無駄を削減しやすいです。例えば、社員旅行やレクリエーション費用は経営立て直しの最中は最小限にしてもよいでしょう。また自己啓発・図書新聞費も利用状況によっては削減できるポイントです。 社員個人への利益・還元が少なくなりますが、経営の立て直しが成功するためには必要になります。

経営の立て直しに不可欠なこと3選

【経営者必見】赤字経営からの立て直し術!やりがちなミスや成功事例まで徹底解説! 赤字経営からの立て直しに不可欠なことは以下の3つです。 1.経営立て直しが必要となった原因を突き止める 2.金融機関にリスケジュール(返済条件変更)の相談をする 3.ファクタリングを活用する それぞれの詳細を解説します。

1. 経営立て直しが必要となった原因を突き止める

会社の問題を突き止めて経営の立て直しをするため、経営陣や従業員にヒアリングを行いましょう。 ヒアリングの際には、以下を中心にした経営者の考えについて全社員への共有が必要です。 経営立て直しについての理念と基本方針 何のために経営の立て直しをするのか 経営の立て直しをどのように遂行するのか 赤字経営からの立て直しを決めたら、迅速に赤字経営の原因を突き止められると、スピーディに改革を進められるでしょう。

2. 金融機関にリスケジュール(返済条件変更)の相談をする

経営立て直し中、資金繰りが厳しければ、金融機関にリスケジュールの依頼をすべきです。 リスケジュールとは、金融機関に借入金の返済方法や金額を変えてもらうことです。一時的にでも返済を待ってもらえれば、会社経営を立て直す施策を実施する猶予が与えられます。金融機関にとっても、貸付先企業が経営破たんして融資の返済がされないのは避けたいところでしょう。 国としても新型コロナウイルス流行で経営が悪化する企業の増加を受け、金融機関にリスケジュールの相談に応じるよう指導しています。経営立て直しの際は、まずは金融機関にリスケジュールの交渉をしてみましょう。

3. ファクタリングを活用する

経営の立て直しが必要な状況下では、ファクタリングを活用する手段も選択肢として持っておきましょう。 ファクタリングとは、取引先の売掛金を現金化することです。ファクタリングを活用すれば、追加融資を受けなくても手元資金を増やせます。 そもそも経営立て直しが必要な赤字の状況では、金融機関から追加で融資してもらうのは難しいと考えたほうがよいでしょう。その点でも経営立て直しの状況では、ファクタリングは有効といえます。 ファクタリングの他にも、資金調達方法は以下が挙げられます。 ・保有している土地・固定資産などを売却する ・審査の通りやすいノンバンクに融資を依頼する 土地や固定資産などの売却については、時間がかかるため、手元資金がすぐにでも必要な場合は適当な手段ではありません。また、そもそも資産がない場合は使えない手です。ノンバンクは審査が通りやすいといえども、やはり赤字経営では難しい場合もあります。金利が高く設定されていることもネックになるでしょう。

経営の立て直しに必要なマインドセット

【経営者必見】赤字経営からの立て直し術!やりがちなミスや成功事例まで徹底解説! 経営立て直しに向けて、前向きな思考を持つことはとても重要です。 特に以下の2つのマインドセットは、経営を立て直していく過程で役立ちます。 1.経営の失敗を認め、状況を冷静に見つめる これまでの経営における失敗から多くを学び、会社がおかれている状況を俯瞰的に見る目が必要です。冷静な目で自社の経営を見直し、立て直しを目指してください。 2.人に相談してみる 過去に赤字から経営を立て直した経営者仲間や、専門家に相談することについて、精神的なハードルを下げるよう心がけましょう。予算に余力がありそうなら、経営コンサルタントに依頼して経営立て直しをサポートしてもらうのも有効でしょう。 ▼経営立て直しの相談をしたい「経営コンサルタント」に関する記事はこちら▼ 経営コンサルタントとは?業務内容や依頼するメリットを解説

経営立て直しを社員一丸で取り組む3ステップ

【経営者必見】赤字経営からの立て直し術!やりがちなミスや成功事例まで徹底解説! 赤字経営から脱却して立て直しをはかるには経営者だけでは到底できないため、会社全体、社員一丸で取り組む必要があります。 そのための3ステップは、以下のとおりです。 1.経営方針の転換を社員全員の目標に落とし込む 2.業務プロセスの無駄を省くために部門間で連携する 3.新たな仕事のために余力をつくり出す 経営立て直しの3ステップをそれぞれ解説していきます。

1. 経営方針の転換を社員全員の目標に落とし込む

赤字からの立て直しのためには、経営者が見直した経営方針を、社員一人一人の目標まで落とし込む必要があります。また経営方針を浸透させる過程や進捗確認の際には、経営者・管理職・社員の相互理解が必要です。 経営方針を社員一人一人に落とし込むためには、部長・課長などの管理職に会社の経営方針に基づいた部門目標を設定してもらい、経営者への内容説明を必須とする。管理職が主体性をもって経営方針の転換に対してするべきことや、必要性を話すことがポイントです。 さらに、部門目標を人事評価とつなげて、社員個人の目標・行動目標に反映していきます。経営者の方針を一社員が納得して行動に移していくことが、縦階層の連携をはかり、経営立て直しを進めていくのに不可欠です。 ▼経営方針に関連する他の記事はこちら▼ 経営戦略とはそもそも何?その種類や立案方法、成功事例などを紹介 経営目標とは?経営理念との違いや設定の種類を具体例付きで解説 経営ビジョンとは?理念との違いやメリット、浸透させるコツを解説

2. 業務プロセスの無駄を省くために部門間で連携する

経営方針が社員一人一人に理解されたら、次は部門間の業務プロセスを立て直していきます。各部門の部長・課長がお互いに課題を共有し、無駄な工程や不毛な対立を客観的に見直すことがポイントです。 部門間の連携で各目標を共有することで、問題に取り組む際に部門同士の不毛な対立が少なくなり、協力が可能になるでしょう。また部門間の連携により業務の効率が上がり、無駄が少なくなれば、経営立て直しに良い影響を与えます。

3. 新たな仕事のために余力をつくり出す

経営立て直しに向けて、新しくチャレンジングな仕事をしていくためには、時間の捻出が必要です。 管理職が部下に部門目標のフィードバックを行ったり、部門間の連携を図ったりするのも、時間に余力がないと実現できません。例えば、赤字から経営を立て直すための施策として、「客単価を上げる」と目標設定した場合、新しい取り組みをする時間が必要です。 時間を捻出するためには、恒常的な業務を「標準化」・「効率化」しなければいけません。会社内で共通する業務はやり方を統一することで標準化し、効率化は作業を機械に任せて時間を短縮します。そのうえで時間ができたら「新規事業への投資」が可能になるのです。

経営者がやりがちなミスとは?立て直しを阻害する原因

【経営者必見】赤字経営からの立て直し術!やりがちなミスや成功事例まで徹底解説! 経営者が会社を経営していくなかでやりがちなミスがあります。それらは経営の立て直しを邪魔する要因であるため、すぐにでも排除すべきです。 経営者がやりがちなミスは以下の2つです。 ・お金周りを経理担当や税理士に任せきり ・決断が遅い 経営者がやりがちなミスについてそれぞれの詳細を解説します。

お金周りを経理担当や税理士に任せきり

もし経営者がお金の管理をできておらず、経理担当や税理士に全て任せているのであれば、すぐに改善のアクションをすべきです。 なぜなら経営者がお金の管理・分析ができないと、経営においてどういう状況がリスクなのか把握できず、正しい経営判断ができないからです。 経営者によっては、赤字を補填するために自身を無報酬として黒字化する場合もあるそうです。しかし、当然ながら経営立て直しの根本的な解決にはなりません。赤字に至る前に経営者がすべきことは、経営者自身が毎月の決算を確認し、経営状況を確認・分析することです。 すでに経営立て直しが必要な場合も、これ以上状況を悪化させないために、お金周りの把握を怠らないようにしましょう。経営者が資金状況を把握できているかどうかは、会社を存続するうえでとても大切なことです。 ▼経営分析に関する記事はこちら▼ 経営分析とは?具体的手法や目的・メリットを徹底解説!

決断が遅い

経営者が迅速な判断をできず、決断を先延ばしにしていると、経営の立て直しに悪影響を及ぼす可能性が高いです。 経営者の意思決定は、会社にとって多大な影響を与えます。仮に経営立て直しの過程で情勢が悪化すれば、選択肢は狭まる一方です。経営立て直しには、経営者のスピーディな判断や対応が重要であるといえます。

経営立て直しの成功事例と学ぶべき教訓

赤字から黒字へ経営を立て直した成功事例を紹介します。いずれも共通している点は、赤字の翌年度には黒字化に成功していることです。 ・成功事例1:トヨタ自動車 ・成功事例2:無印良品 事例から学ぶべき教訓も合わせて、参考にしてください。

事例1:トヨタ自動車

【経営者必見】赤字経営からの立て直し術!やりがちなミスや成功事例まで徹底解説! 誰もが知るトヨタ自動車ですが、世界情勢の悪化により前年の過去最高益から、史上最悪の赤字への転落を経験しています。しかし、その翌年には経営を立て直し黒字化に成功、見事なV字回復を果たしています。 2007年度決算:過去最高の売上高を更新 売上高は26兆2,892億円で前期比9.8%増、過去最高を更新しました。一方、増益率は営業利益が1.4%、純利益は4.5%と販売増が収益の伸びにつながらない状況でした。 経営悪化の背景として、以下が挙げられます。 ・アメリカのサブプライムローン問題による金融市場の混乱がアメリカ経済にも影響を与えた ・為替相場の円高ドル安 ・原油価格・原材料費の高騰 2008年度決算:過去最悪の赤字決算 売上高は、前年度比21.9%減の20兆5,295億円へと大幅減収となりました。営業損益は4,610億円の赤字、純損失は4,370億円と、前期の最高益から一転して過去最悪の赤字決算に陥ってしまいます。 背景には、 ・販売台数の落ち込み ・急激な円高の影響 がありました。 2009年度決算:前年の赤字からV字回復 営業損益が1475億円の黒字となり、前期の4610億円の赤字からV字回復を果たしました。 販売台数は723.7万台で前年度より減っているにもかかわらず、黒字化を実現しています。 回復の要因は、経費削減で損益分岐点をより低く設定できたことです。 具体的には、 ・原価のコストダウンで5200億円の削減 ・固定費を4700億円の削減 と、徹底した経費削減が功を奏しました。 【赤字から黒字化のために行った経営立て直し法】 ◎大規模なリストラクチャリング ・在庫調整のための大幅な減産 ・海外の製造部門では、一時的解雇のレイオフではなく、従業員一人一人が賃金減額を伴う労働時間の短縮であるワークシェアリングを採用 ・ゼネラル・モーターズ(GM)社との合弁会社ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャリング(NUMMI)での生産を打ち切り ・F1参戦からの撤退 ◎社員一丸での取り組みを促進 ・「もっといいクルマ」にこだわる風土を醸成 ・社内表彰制度の「トヨタアワード」を創設 ・オールトヨタの一体感を醸成 ・愛社精神を深めるための活動「WE LOVE TOYOTA活動」 ・社員による紹介販売 ◎新しい施策 2011年には経営陣のスリム化を実行 ・取締役は27人から11人へ 「専務役員」を新設し専務取締役は廃止 役員総数を77人から60人へ 【経営立て直しの事例から学ぶべき教訓】 ・リストラクチャリングの一環として「ワークシェアリング」を採用し、従業員個人は収入が減るが雇用の継続を優先 ・経費削減が黒字化に大きく貢献している ・厳しい局面の中で従業員と一致団結しようとする取り組みで、紹介販売につなげている

事例2:無印良品

【経営者必見】赤字経営からの立て直し術!やりがちなミスや成功事例まで徹底解説! 無印良品は、2000年まで右肩上がりの成長を遂げてきたのにもかかわらず、一転して2001年8月中間期決算にて38億円の赤字となってしまいました。 徹底的な原因追求の結果、当時の松井忠三社長は、以下を経営が低迷した原因と仮定しました。 ・無印良品ならではの革新的なところが顧客ニーズに遅れをとった ・グループ会社全体として、経験至上主義であった 経営悪化の原因を受けて、無印良品が実際に行った経営立て直し対策は以下のとおりです。 ・不採算店の閉店・縮小 ・海外事業のリストラクチャリング ・マニュアル作成 ・徹底した見える化 松井社長は、マニュアル作成や見える化といった「仕組みづくり」について、特に重きをおきました。その結果、2002年度には増益を果たし、2005年度には過去最高益を実現しています。 【経営立て直しの事例から学ぶべき教訓】 無印良品が経営の立て直しをするために行った以下の問題解決の方法は、あらゆる場面で応用可能です。 ・1) 問題の要因を特定する 外部要因ではなく、内部要因を深掘りする ・2) 問題の構造を把握する 問題が起こる裏には、必ず理由がある ・3) 新しい仕組みをつくる 問題を徹底的に解決して、組織の体質改善をする 無印良品では、他にも多くの仕組みを整えて、業務効率化や人材育成などに取り組んでいます。経営の立て直しを果たす過程と将来的な経営にも、仕組みづくりを取り入れるべきです。

まとめ┃赤字からの経営立て直しは迅速な対応を

【経営者必見】赤字経営からの立て直し術!やりがちなミスや成功事例まで徹底解説! 今回は経営の立て直しについて解説してきました。 赤字には良い赤字と悪い赤字があり、悪い赤字に当てはまる場合は経営の立て直しが必要です。また赤字にはメリットがありますが、デメリットで失うことのほうが大きいため、赤字になった場合は迅速に黒字化を目指して経営立て直しをすべきでしょう。 対策としてはリストラクチャリングがあり、赤字経営となった原因を突き止めることや手元資金の確保も立て直しに不可欠です。 赤字経営から黒字へV字回復した2社の成功事例からは、多くの学びがあり、経営の立て直しのヒントが詰まっています。 経営している会社が赤字から立て直しが必要になった場合は、今回の内容を実践すれば、黒字化を目指す迅速な対応ができるでしょう。経営者の方はぜひ参考にしてください。 経営の立て直しのために新規顧客獲得が必要なら、BIZMAPSの利用がおすすめです。BIZMAPSの定額プランなら、1件あたり4.98円〜という低価格で顧客リストダウンロードが可能。その他にも要望に合わせて利用できる、以下のプランがあります。 ・BIZMAPSリストプラス ・BIZMAPSトップアプローチ ・BIZMAPSフォームアプローチ BIZMAPSは御社の営業をサポートします。まずは会員登録のみで月に100件までの無料リストダウンロードをご体験ください。詳しくはこちら ▼経営に関する他の記事はこちら▼ 人気の経営本21選!おすすめの理由も合わせてタイプ別に紹介! 経営者が勉強すべきこととは?勉強方法やおすすめの書籍も紹介! 【管理職必読!】経営やマネジメントに関する用語 ▼BIZMAPSに掲載されている企業の特集記事はこちら▼ 広告業界を徹底解説!市場規模や最新動向、売上ランキング上位の主要企業一覧も

無料で使える企業検索サービス

営業リスト・法人企業リスト